花屋のユーカリとコアラの食べるユーカリは違う?葉の姿が変わるユーカリの不思議
みなさんは”コアラ”を見たことありますか?
今更説明する必要もないと思うけど、コアラはオーストラリアにのみ生息する有袋類。
ぬいぐるみのようなかわいらしい姿で人気ですよね(≧▽≦)
みんな大好きなコアラの主食はというと、これも有名な”ユーカリ”
今回はコアラとユーカリの関係について紹介します。
目次(*´▽`*)
コアラはユーカリしか食べられないのか?
実は、別にコアラはユーカリの葉しか食べないわけではないようです。
ただ主食として利用するのはやっぱりユーカリ。コアラがユーカリを主食とするのには様々な理由があるんです(*'▽')
いつも寝ているコアラ
動物園で見るコアラはたいていはいつも眠っています。
たまに起きていてもゆっくりとした動きで、あまり機敏に動く動物ではない。
完全樹上生活だから、天敵も少なく機敏に動く必要もないのかもしれないけど、動かないのはそれだけが理由ではない。
じつはコアラの食べるユーカリの葉には毒成がある。(^_^;)
コアラは体の中でこの毒を分解しながら、少ない栄養で生きるために常に眠って体力を温存しているんです。
生き残るために他の生き物の進まない道を選んで進化したコアラ
そうなんです。実はユーカリの葉は毒成分を含むんです(。-`ω-)
しかもその毒は青酸の仲間。そのままだと間違いなく死んでしまうほどに強力な毒。
普通だったら好んで食べる生き物はいない。つまり争う相手がいないんですね。
他の種と争って生き残るよりも、争いを避けて他の生き物のいない新天地を選んで進化したのが今の”コアラ”
とはいえ、毒を無毒化するのは簡単ではない。
コアラは約2mもある盲腸の中に共生しているバクテリアが毒成分を分解して無毒化することで、普通は食べられないユーカリを栄養にできる。
しかし、どんなユーカリでもいいかというとそうもいかない。コアラが主食にするユーカリは30種くらい、さらにその中でも1匹のコアラが食べられるのは3~4種だそうです。
コアラは子供のころに親からユーカリを分解できるバクテリアが含まれた離乳食のようなものを与えられ、体の中にその微生物を住まわせることでユーカリを食べることが可能になります。
このバクテリアの種類によって分解できるユーカリの種類が変わるといわれています。
なぜわざわざ毒の植物を食べるのか?
わざわざそんな危ないもの食べなくても、もっとおいしいものがありそうなものですが、オーストラリアの森林を構成する3/4はユーカリだといわれています。
急激に砂漠化したオーストラリアで乾燥に耐えられるよう進化したユーカリ。
ほかの食糧となる植物が絶滅しいていく中、競争力のないコアラがオーストラリアで生き残るためにはユーカリを食べられるように進化するしかなかったのかもしれません(。-`ω-)
ちなみに、どうでもいい”コアラトリビア”
コアラのちんちんは先端が2股に分かれた「Y」の形をしている(=゚ω゚)ノ
コアラは餌やその容貌だけでなく、そんなところまで特殊なんですね~(^_^;)
ほんとは栄養豊富なユーカリ
コアラの大好物はユーカリの葉です。特に新芽をよく食べます。
毒のある葉しか食べれないなんて、なんてかわいそうと思われるかもしれませんが、実はユーカリの葉は栄養価に富むコアラの完全栄養食なんです。
ユーカリの葉には水分、脂質、糖分、タンニン、タンパク質、カルシウムなどの成分がバランスよく含まれています。
http://www.ecowood.or.jp/knowledge.htmlより引用。
だからコアラはユーカリの葉だけを食べていれば水を飲まなくても大丈夫なくらい。エコウッド景観協同組合のHPによると下記のように記されています。
・ユーカリの栄養価粗たんぱく質は、窒素分が高いといわれているクローバーより多く、鶏卵の3分の1以上にあたる4.6%も含んでいます。
粗脂肪は普通の牛乳より高く、濃厚牛乳並の3.9%もあります。
糖質等(何容性無窒素物)は22.7%もあり、でんぷん食品であるバナナに匹敵する含有量をもっています。
また全体としてはエネルギーの約70%を糖質から約15%をたんぱく質から供給されており、長寿食といわれる日本型の食生活に近い栄養バランスであるので、ユーカリ以外の植物を取る必要がなかったといえます。
すごいですね。これで毒さえなければ、コアラはもっと活動的だったかもしれない?
ユーカリは500種もの種類(変種を含めると1000)ともいわれます。
その中でコアラが食用にするユーカリはロブスタ、プンクタータ、カマルドレンシスといった約30種類程度に限られています。
どれも園芸用途で販売されることはほとんどないので、ペットにコアラを飼ってもエサを準備するのは簡単ではないですよ(^_^;)
残念ながら、よくお花屋さんでも売っている「グニー」や「ポポラス」はコアラは食べることができないのです。
さすがに人間は「食べる」ことはできないですが、有用植物として様々な用途でユーカリを使っています。
ハーブとしてのユーカリ
ユーカリの葉にはたくさんの油が含まれていて、香りとなって揮発しています。この油が山火事の原因となることも多い。
ユーカリは山火事に合うことで初めて種が発芽能力を持つという、とんでもない生態もあるんです(^_^;)
その揮発成分には強い抗菌・抗ウイルス作用があり、細菌やウイルスの繁殖、活動を抑え、空気を浄化の効果があり、ハーブとして利用されます。
有名なところでは花粉症の症状緩和が知られていますね(*'▽')。
ただ、切り枝を飾ってもいいですが、熱いユーカリのハーブティーから立ち上る蒸気を吸入することで、花粉症による鼻づまりや喉の痛みを和らげる効果があるといわれています。
ユーカリの揮発成分はそれだけではなく、他の植物に対して生育を阻害する他感作用(アレロパシー)を有しているともいわれています。
園芸店で販売している品種ではそれほど強い作用がある品種は流通していませんので安心してくださいね(^_^;)
コアラの食べるユーカリと売ってるユーカリが似ていない
ユーカリといえば園芸では、このグニーが定番。丸っこい葉っぱと日本の気候・土壌でも育てやすいのが魅力。
でも、コアラが食べてるユーカリってもっと葉が細長くないですか?
確かに、品種は違うんですが、グニーのあの丸井かわいらしい葉っぱは子供の葉。
2mを超えるあたりから細長い楕円形に変化してきます(@_@)
かわいらしいあの丸っこさは、赤ちゃんだったから。なんですね~
小さいまま育てるのは難しいので、丸葉で維持するには挿し木か、新しい苗を買うしかないです(^_^;)
ユーカリの生態は奥が深い(。-`ω-)。
知ってるようで知らないユーカリの不思議いかがでしたか?
というか、半分以上コアラの秘密だったな(^_^;)
では、皆さんよい園楽を~(。・ω・)ノ゙
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