【クリスマスに飾りたい】赤い実がなるヒイラギ『クリスマスホーリー』・【節分の魔除け】実がならないヒイラギ。だれでも簡単!見分け方と特徴。
クリスマスといえば、クリスマスツリー、ポインセチア、ヤドリギ、そして赤い実がかわいい。ヒイラギの枝。
これらの植物が利用されます。
でも、何年育てても、家のヒイラギには赤い実がなってくれない(ノД`)・゜・。
そう嘆いている方もいるかもしれません。
もしかすると、そのヒイラギはあなたの求めている『実のなるヒイラギ』ではないかもしれません(゚Д゚)ノ
今回は赤い実を付ける『セイヨウヒイラギ』と日本古来の『ヒイラギ』の違い、見分け方をご紹介します!!
クリスマスに利用する植物は、他の記事も参考にしてくださいね(・ω・)ノ
リンク→:本場、北欧のクリスマスツリーに「もみの木」は使わない?!
リンク→:ヤドリギの実を食べてみた!
ヒイラギは2種類ある。西洋ヒイラギと日本のヒイラギ
実は、庭木で『ヒイラギ』と名前の付く木はたくさんあります。
- セイヨウヒイラギ
- ヒイラギ
- ヒイラギモクセイ
- ヒイラギナンテン
などが有名なところ。
この中で、赤い実を付けるのは『セイヨウヒイラギ』だけ。
その他のヒイラギは、実をつけても黒紫の目立たない実です。
見た目はどれも葉にとげがある、"ヒイラギらしい"葉をしていますが、グループとしては全然違う仲間。
ヒイラギの分類いろいろ
- セイヨウヒイラギ = モチノキ科モチノキ属
- ヒイラギ = モクセイ科モクセイ属
- ヒイラギモクセイ = モクセイ科モクセイ属
- ヒイラギナンテン = メギ科メギ属
『ヒイラギナンテン』は低木で横広がりする姿から、見るからに別物とわかります。
『ヒイラギ』と『ヒイラギモクセイ』は、あとで説明しますが、かなり近いほとんど同種。
つまり、見た目で似ているヒイラギは、大きく分けて『セイヨウヒイラギ』のグループと『ヒイラギ』のグループに分けることができます。
二つの見分け方を詳しく紹介します(=゚ω゚)ノ
西洋ヒイラギと日本のヒイラギの違い比較
見た目がそっくりな2つのグループ。
わかりやすい見分け方を解説しましょう。
西洋ヒイラギ | 日本のヒイラギ | |
---|---|---|
分類 | モチノキ科 | モクセイ科 |
葉の形 | 鋸歯のある葉 | 鋸歯のある葉 |
葉の付き方 | 互生(交互につく) | 対生(対になってつく) |
花の時期 | 白花が春に咲く | 白花が秋に咲く |
美の時期 | 赤い実が冬に実る | 黒っぽい実が春に実る |
見分け方で分かりやすいのは『実』だが、実がついていない時期には判断がつかないかもしれない(。-`ω-)
1年中観察できる特徴で確実なのは、葉の付き方。
葉が『交互』についているか、『対』でついているかを見れば、確実に見分けられます。
『家のヒイラギに実がならない』と困っている方は、単にまだ実がなる力がないだけなのか、もともと赤い実はならない普通のヒイラギなのか見分けられます(≧▽≦)
この後は、それぞれの『ヒイラギ』についてそれぞれ説明していこう。
モチノキの仲間『セイヨウヒイラギ』
モチノキ科のセイヨウヒイラギの中にも種類があります。
本来、正しいセイヨウヒイラギは、学名:Ilex aquifolium コモンホーリーなどとも呼ばれます。
でも、現在お花屋さんで”クリスマスホーリー”として販売されている『セイヨウヒイラギ』は正しくは『チャイニーズホーリー』であることが多い。
こちらは、中国原産のセイヨウヒイラギの仲間で、正式名は『ヤバネヒイラギモチ』(学名Ilex cornuta。別名シナヒイラギ、ヒイラギモチ)
葉が若干丸みを帯びているのが特徴。
実が大きく、実付きもいいので、近年鉢物だとクリスマスホーリーとして販売されるセイヨウヒイラギのほとんどがコレ。
本物の「セイヨウヒイラギ」を販売していたら、かなりレアかもしれません(^_^;)
セイヨウヒイラギとキリスト教
クリスマス飾りとしてよく目にするセイヨウヒイラギ、『クリスマスホーリー』
『聖なるクリスマス』という意味の名前で呼ばれるくらいだから、クリスマスの関係が気になるところ。
セイヨウヒイラギの逸話を紹介しよう(・ω・)ノ
セイヨウヒイラギはキリストの足元から生えた?!
キリスト教では『セイヨウヒイラギ』はキリストの足元から初めて生えた植物とされている。
そのため、クリスマスには真っ赤な実を付けたセイヨウヒイラギが欠かせないんですね。
セイヨウヒイラギには魔力がある?
日本でもそうだが、冬の寒い時期に青々とした葉をつける植物は枯れることのない命の証拠とされ、そこから”常緑樹信仰”が生まれた。
もちろんセイヨウヒイラギにも魔力があると考えられ、クリスマスの期間に悪魔が近づけないように”魔よけ”として利用されていた。
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というのは、あとから作られた話と言われているよ(;゚Д゚)
キリスト教は自然崇拝をしない??
これらのことから別名「キリストの刺」「聖なる木」とも呼ばれクリスマスの飾りに使われるようになった。
というのが、よく言われる話だが、民族植物学的にはちょっと違うらしい。
なぜなら、キリストが処刑されたパレスチナにはセイヨウヒイラギが分布していないから(゚Д゚;)
しかも、キリスト教の考えでは『自然は神が人間に統治を命じられたモノ』であり、『信仰する対象』ではなかった。
なんでクリスマスにセイヨウヒイラギが用いられるのか??
キリスト教はその勢力を広げるために、もともとその地にあった土着信仰をとりこんで勢力を拡大していった背景がある。
もともと『セイヨウヒイラギ』も『モミの木』も、『ヤドリギ』までもがゲルマン民族が進行していたドルイド教で神聖視されていたもの。
参考リンク→:本場、北欧のクリスマスツリーに「もみの木」は使わない?!
参考リンク→:ヤドリギの実を食べてみた!
キリスト教の勢力に征服され、改宗した後も土着信仰はキリスト教に取り込まれ、現在のクリスマスツリーなどの形に変わっていったらしい。
クリスマスツリーの歴史は意外に浅くて、広まったのはイギリスですら十九世紀になってから(゜o゜)
なんと、もとは他宗教のパクリだったとは・・・
これは、ハロウィンも同じ歴史があるよ。
参考リンク→:ハロウィンっていつ?何するの?いつから飾る??おもちゃかぼちゃは食べていい?
キンモクセイの仲間『日本のヒイラギ』
クリスマスには使われない日本の『ヒイラギ』ですが、日本のヒイラギもセイヨウヒイラギと同じように、魔除けの効果があるとされて季節の行事で利用されてきました。
それが、『節分』
最近はすっかり恵方巻にばかり目が行きがちですが、本来は季節の変わり目に体調を崩さないように、邪気を運んでくる鬼を寄せ付けないようにする魔除けの儀式。
一般的な説明では『ヒイラギは、その鋭いとげで鬼の目をつくから魔除けで利用された』とされるが、もっととげの鋭い植物も多く存在することから、正しくないのではないかという研究もある。
ヒイラギの葉は堅く、中に水分を含むので、火にくべると大きな音をたてて爆ぜる。
その音で鬼を脅かすのが起源ではないかと説く学説もあります。
参考リンク→:恵方巻だけじゃない!節分にかかわる行事と植物
ヒイラギとキンモクセイのハイブリット!?『ヒイラギモクセイ』
日本のヒイラギ、そしてキンモクセイが同じ仲間だということが分かった。
では、二つの植物の名を合わせた『ヒイラギモクセイ』は何かというと、そのままヒイラギとキンモクセイのハイブリット。
正確にはキンモクセイのではなく、白花のギンモクセイとヒイラギの交配によって生まれたと言われています。
生垣として人気『ヒイラギモクセイ』
ヒイラギは葉にとげがあり、半日陰にも耐えることから、かつては泥棒除けの生垣に重宝された。
しかし、ヒイラギは生長が遅い。
そこで生まれたのがヒイラギモクセイ。
ヒイラギの特性を持ちつつ、キンモクセイ(ギンモクセイ)の成長力を兼ね備えた生垣用樹として作られました。
しかし、現代ではトゲがあると逆に管理は大変だし、濃い緑の葉は地味。
花も咲くが、キンモクセイに比べて少ないなど、一般の庭木として利用するには利点が微妙すぎるので、最近は見かけなくなってしまいました(;´Д`)
もう一つあるヒイラギ「ヒイラギナンテン」
こちらはヒイラギモクセイとは違い、ヒイラギとナンテンのハイブリットというわけではありません。
ヒイラギのような葉を持つ、ナンテンの仲間(メギ科)の植物とういう意味です。
学名はMahonia japonica ですが、原産地は台湾と考えられています。
ともに魔よけの「ヒイラギ」と「ナンテン」の名を持ちますが、魔除けとして利用されていた歴史は無いです。
常緑ですが、寒さにあたると赤や黄色に紅葉して美しく、丈夫なので庭木として人気。
春に黄色い花をしだれるように咲かせて、秋にはその花に青紫の実がつきます。
そのほかのヒイラギの仲間
お花屋さんではこのほかにもヒイラギの仲間が販売されるので、少し紹介しておきましょう。
アマミヒイラギ(姫ヒイラギ)
名前の通り『奄美諸島』に分布するヒイラギ。
分類としてはセイヨウヒイラギの仲間になります。
ヒメヒイラギの別名通り、葉は1cmに満たないほど小さい。
奄美出身だけあってほかのヒイラギに比べて寒さは苦手だけど、東北南部くらいまでは地植えで越冬できる程度には耐寒性ある。
ただ残念ながら、木が大きくなってくると葉の棘がなくなっちゃうんだって!それは可愛くないね!
最終的には2~4mまで育ち、赤い実を冬につけます。
ただしそれなりに大きくならないと実を付けないので、実際に実を見るのは難しい(。-`ω-)
たまに鉢植えで実がついたものが販売されることがあるけど、よく見て!それはイミテーション(偽物)の実ですよ~(^_^;)
五色ヒイラギ
こちらはモクセイ科、日本のヒイラギの斑入り品種。
新芽が白~ピンクの状態で伸びてきて、次第に緑が濃くなっていきます。
1本に様々な色の葉が楽しめることから「五色」の名前があります。
日本のヒイラギなので、赤い実はつけません。
性質はヒイラギと同じで丈夫なんだけど、斑入りの分成長はゆっくりです。秋の花も咲きにくいので、主に葉の美しさを観賞する目的で栽培されます。
ヒイラギ 『ブループリンセス/ブループリンス』
珍しい『黒葉のセイヨウヒイラギ』
セイヨウヒイラギなので、赤い実をつけますが、名前の通り雄木の『ブループリンス』と、雌木の『ブループリンセス』があります。
実をつけるのは、もちろん雌の『ブループリンセス』だけ。
雄木がなくても実はつくが、雄があったほうが実る量が多くなります。
まとめ
家のヒイラギが、日本のヒイラギか?セイヨウヒイラギか?
どちらかわかりましたか(≧▽≦)
紹介した以外にも『ヒイラギ』と名のつく園芸品種はいろいろありますが、葉の付き方を見ればどちらの仲間かはすぐに判別できます。
ホームセンターのパートさんや、庭木に詳しくないお花屋さんの中には、この二つを区別できない場合もあるから、購入時は自分で確認しよう。
今回はだれでも簡単な、クリスマスのヒイラギ『セイヨウヒイラギ』と節分のヒイラギ『日本のヒイラギ』の違いを説明しました。
- 葉の付き方が互生で、秋に赤い実を付けるのは「セイヨウヒイラギ」
- 葉が対生で、秋にキンモクセイに似た、香りのいい白花を咲かせるのが「日本のヒイラギ」
街で見かけたら、どっちのヒイラギか確認してみてくださいね。
では、皆様よい園楽を~(≧▽≦)
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