ふわふわもこもこフランネルフラワー 普通の花とはちょこっと違う、特徴と育て方

フランネルフラワーという花を知っていますか?
まるでフェルト生地で作られた造花のような姿がかわいらしい花。
ふかふか、ふわふわ感は葉だけではなく、花びらを含めた全草におよびます。
その圧倒的なかわいらしさから人気の高い花ですが、「うまく育たない」や「枯らしてしまった」という話も多く聞きます。
それもそのはず。
フランネルフラワーはその姿と同じように、育て方も普通の花とは少し違っているんです。
でもそのポイントさえ押さえれば、基本的には丈夫な植物。
次から次に花を咲かせて、1年を通して長く楽しめる鉢花なんです。
今回は、もこもこふわふわ感がたまらない「フランネルフラワー」の特徴と育て方をご紹介します(≧▽≦)
フランネルフラワーってどんな花?
フランネルフラワーは、セリ科アクチノータス属(Actinotus helianthi)の半耐寒性多年草。
耐寒性を現わすUSDA 耐寒性ゾーンマップ(Hardiness Zone)での分類は8b~10a
参考リンク:この植物はうちで冬越し出来るかな?耐寒性はUSDA 耐寒性ゾーンマップ(Hardiness Zone)で調べられるゾ!
これで見ると、南東北まで越冬可能ということになるが、実際のところは関東あたりが北限だと思われます。
冬氷点下になるような地域では、冬は室内で管理するようにしましょう。
花の時期は3~10月ごろまでと長く、環境が良ければいつでも開花します。
ただ、日本の夏は暑すぎるため、花は少なくなってしまうことが多い。
夏の間は風通しのいい半日陰で管理しましょう。
フランネルフラワーの原生地

原生地はオーストラリア南東部。
乾燥地域に自生しているので、基本的に水はけよく、乾燥気味の管理を好みます
アクチノータス属はその中に20の種を含むが、その内19種までがオーストラリアの固有種。
南半球の植物ってすごく特徴的ですよね!
フランネルフワラーを育てよう!失敗しない育て方

フランネルフラワーは普通の植物と同じように育てると、うまくいかないことの多い植物です。
育て方のポイントを押さえて、上手に”ふわふわもふもふ”を楽しみましょう。
フランネルフラワーの置き場所は?
春から秋までは日当たりのいい屋外での管理が基本です。
日が弱いとひょろひょろと貧弱に育ってしまいます。
ですが、屋外での雨には、できるだけあてないように注意しましょう。
耐寒性はそこそこありますが、霜に当たると枯れてしまいます。
冬は室内に取り込んで、日当たりのいい場所で乾燥気味に管理しましょう。
フランネルフラワーの水やりは?

基本的に乾燥を好む植物ですが、もともとかなり水はけのいい土に植えられていることもあり、注意が必要です。
土の表面が乾いたらしっかりあげることが基本ですが、水はけの悪い土や他の植物と寄せ植えにした場合は加湿にならないように注意しましょう。
乾燥しすぎて多少花が下を向いたくらいなら、しっかり水を上げることで回復することが多い。
ですが、あまりに乾燥させすぎると、根が傷んでしまい回復が難しくなる場合があります。
土の表面が乾いたら、たっぷり水を与えるようにしましょう。
フランネルフラワーの切り戻し
土の加湿だけではなく、雨にもあてないことが重要。
ふわふわの柔らかい毛は、強い雨に当たると元のふわふわした状態に戻らなくなってしまう場合もあります。
乾燥状態を好むフランネルフラワーにとって、湿度が高くなる日本の夏は特に注意が必要です。
梅雨入り前に、伸びすぎた5~6cmを切り戻して風通しを良くすることで、夏の病害虫を防ぎ、夏越ししやすい株にそだてます。
フランネルフラワーの用土は?
酸性土壌で水はけのいい土を好みます。
一般的な培養土では土壌ペーハーが高く、水持ちもよすぎるため次第に根を痛めてしおれていってしまいます。
配合するなら、鹿沼土(小粒)とpH未調整ピートモスを5:5で配合した用土がおすすめ。
市販の培養土を利用する場合は、『ブルーベリー用培養土』を利用しましょう。
植え替えの際は、根を傷めないように根は崩さずにそっと移植しましょう。
太陽光に当てたり、移植に時間がかかって乾燥させてしまうと、そのまま弱って枯れてしまう危険があります。
移植は素早く、丁寧に行いましょう。
フランネルフラワーの肥料は?
元気に次々花を咲かせるのに肥料は欠かせません。
しかし、根が繊細なフランネルフラワーは強い肥料を与えると、根が傷んで枯れてしまいます。
普通の量をあたえるだけでも濃過ぎてしまう場合があるので、与える際は控えめに与えましょう。
特に南半球原産の植物は「リン酸」が過剰にあることを嫌います。
多くの肥料は、リン酸分が強化されてしまっているので、フランネルフラワーにはあまりお勧めできません。
『ハイポネックス微粉』など、リン酸の高くない肥料を、通常より倍以上に薄めて定期的に与えましょう。
あたえるのは4~5月と9~10月、春と秋の生育期です。
フランネルフラワーの病害虫
丈夫な植物なので、ほとんど心配いりません。
たまに発生するハダニやアブラムシには、スプレー殺虫剤を使って退治しましょう。
参考リンク:臭くない農薬はどれだ?!スプレー悪臭選手権
フランネルフラワーをもっと知ろう!

見た目も性質も独特な「フランネルフラワー」
せっかくなので、この機会にもっと深くフランネルフラワーについて学んでおきましょう(≧▽≦)
フランネルフラワーはニンジンの仲間!?
フランネルフラワーは『セリ科』大雑把に言えばニンジンの親戚なんです。
どう見ても私には似ている部分を発見できないんだけど、どう思いますか?
セリ科にはほかに「ホワイトレースフラワー」や「アストランチア」などの花壇苗から「パセリ」「パクチー」などのハーブもあるけど、どれにも見ていないですよね。



フランネルってどういう意味?

フランネルとは、柔らかく軽い毛織物のこと。
名前の由来はイギリス、ウェールズ地方で『ウール(羊毛)』を意味する言葉に由来すると言われています。
洋服で『ネルシャツ』と呼ばれるものも、ただしくは『フランネル素材のシャツ』のこと。
植物全体を柔らかい毛が覆う姿からフランネル素材のような花『フランネルフラワー』と名付けられました。
同じように、細かい毛が密生した植物に『フランネルソウ』(Lychnis coronaria/スイセンノウ)があるが、名前が似ているだけで、こちらはナデシコ科のまったく関係のない植物です。
こう見えて、フランネルフラワーは『木』なんです!
フランネルフラワーは原生地のオーストラリアでは、海岸の荒れ地や、乾燥した硬葉樹林に自生している低木。
草のようですが、実際は0.5m~1m程度の低木なんです。
お花屋さんで販売されている鉢物も、確かに生え際を見ると固く木質化している姿を見ることができます。
また、種子は高温にも耐えれられる仕組みを持っており、ユーカリなどと同様、山火事のあとの荒野に大発生することが知られています。
フランネルフラワーにも種類がある?
日本で販売されるフランネルフラワーは、ほとんどが矮性品種から選抜された小型の園芸品種。
切花で出回るような枝の長い品種は、鉢物としては販売されません。
ここでは、一般的に販売される4種について紹介します。
フェアリーホワイト
日本で初めて育成された品種。
流通している中では花も背丈も大きめのフランネルフラワー。
背が高く枝は少し乱れやすい。
フェアリームーン
色がクリーム色となる黄花系のフランネルフラワー。
低温・高温には強く、病害虫もつきにくい。
終わった花を摘むことで、次々に花を咲かせることができます。
草姿および開花時期は「フェアリーホワイト」と同様です。
エンジェルスター
従来の品種に比べ、小型の花が多数咲く多花性タイプ。
それに加え、四季咲き性も強いので、年間を通して多くの花を楽しむことができる注目の新品種。
従来品種よりも耐寒性に優れており、0度近くでも耐えられると言われています。
リトルエンジェル
草丈の小さな矮性品種。
エンジェルスターに似るが、より高さが低く葉が詰まったコンパクトな形にまとまる。
小輪多花性で花付きがいい。
まとめ
ふわふわ触感の不思議な植物『フランネルフラワー』を紹介しました。
栽培のポイントは、
- 日当たりのいい場所
- 雨の当たらない場所
- 水はけのいい土
- 酸性土壌
- 乾燥気味に管理
- 冬は室内で管理
- リン酸肥料は控えめに
- 移植の際は、根を崩さずそっと植える。
いつもの花のつもりで育てていると、次第に根が弱り元気がなくなってくることが多い。
ポイントを押さえて上手に管理していきましょう。
ふわふわと柔らかく、思わず触りたくなる花「フランネルフラワー」
ぜひ皆さんも育ててくださいね。
では、みなさま良い園楽を~~~~~(´▽`*)