ひょろひょろミモザアカシアを小さく育てるには?幹を太く育てよう、剪定はいつ?ミモザの間違いを正します!
早春からほわほわの真っ黄色な花を咲かせる『ミモザ』
切花としても、庭木としても人気の高い植物です(≧▽≦)
育てるのも簡単、丈夫な庭木なんだけど、結構「植えてから困った!」という話をよく聞きます。
それは、「育ちすぎる」ということ。
生長のいいミモザは1年間に1m以上も伸びてしまうことがある(゚Д゚)
そのくせ、幹はなかなか太くならず、強い風で折れる・倒れることもしばしば、、、
今回はそんなミモザの『困った』を解消します!
目次(*´▽`*)
ミモザってどんな花?
ミモザを使う有名な記念日としては、3月8日。
女性に感謝を伝えるイタリアの記念日「Festa della Donna(女性の日)」が有名。
男性が日ごろの感謝を込めて、母親や妻、女性の同僚などにミモザを贈ることから、別名「ミモザの日」とも呼ばれます。
この時期には日本のお花屋さんにも、たくさんのミモザの枝が並びます。
日本の男性も、この機会にミモザの花とともに感謝の気持ちを伝えてもいいかもしれないですね( *´艸`)
でも、ミモザはイタリア原産の木ではないんです。
ミモザのふるさと、原生地はオーストラリア
世界的にも庭木として利用される『ミモザ』ですが、原産地はオーストラリア。
乾燥地帯に生えている木なので、干ばつなどの乾燥にも強い丈夫な木。
日本で見るミモザと種類は違いますが、オーストラリアの国花として定められている『ゴールデンワトル』もミモザの一種なんです。
ガンガルーとミューの後ろに描かれている黄色い花がゴールデンワトル。日本で一般的なミモザとは葉の形が違うけど、同じ仲間です。
ミモザはもともと、山火事などが起こって何もなくなった場所に、最初に生える植物。
山火事の熱で発芽が促進されるため、種から育てる時は熱湯をかけてから種をまくと発芽率が上がるという、変わった特徴がある。
ユーカリなどもそうだが、オーストラリアの植物は「山火事は起こるモノだから、それを利用して繁殖する」という機能が組み込まれている。
進化ってスゴイ(。-`ω-)
参考リンク→:山火事が育てる植物、ユーカリ人気ナンバー1『グニー』を育てよう!
ミモザの仲間は1000品種以上あると言われているが、そのほぼすべてはオーストラリアに分布します。
ミモザは、本当はミモザじゃない?!
え~っと、ここまで「ミモザ」を連発してきましたが、実は「ミモザ」は”ミモザじゃありません”
(;゚Д゚)ナニヲイッテルンダ?
そう思われるかもしれませんが、実は本当のミモザはコイツです。
マメ科オジギソウ属のオジギソウ。学名:Mimosa pudica
そうなんです。『ミモザ』とはもともとオジギソウにつけられた学名。
オジギソウ属=ミモザ属なんです。
参考リンク→:なぜ動く?オジギソウの秘密と種まきからの育て方~小学生の自由研究~
本当の『ミモザ』はアカシア属
今回この記事で紹介している『庭木のミモザ』は分類上、アカシア属にわけられます。
なんで「ミモザ」と呼ばれているのかというと、
切り花としてギンヨウアカシアが輸入された当時に、間違って”ミモザ”と呼ばれたことが始まり。
今では、本来のオジギソウより、こちらの方が”ミモザ”と呼ばれ、誤用されたまま広まってしまっている。
間違ったまま広まって定着しちゃう、「園芸植物あるある」です(^_^;)
ということで、庭木の『ミモザ』は本来「アカシア属(Acacia)」なんだということがわかった。
しかし!ここでまた別の問題発生!(;´Д`)
アカシアはちみつはミモザアカシアのはちみつではない?!
はちみつの原料としてもよく利用される『アカシア』
庭木のミモザ=アカシア属なら、このはちみつは「ミモザの花のはちみつ」なのかというと、これもまた違う(^_^;)
ここで言うアカシアは「ニセアカシア」
街路樹などでもたまに使われるマメ科の樹木ですね。
明治時代に輸入された『ニセアカシア』を当時『アカシア』と呼んでいたことから、今でもごっちゃになっている。(こっちもか!)
だから、「アカシアはちみつ」は正確に言えば『ニセアカシアはちみつ』なんですね!!!
なんだか偽物みたいですが、本物のニセアカシアのはちみつです。って何言ってるかわかんなくなってきたな(^_^;)
ほとんど見ることはない、本当の『ミモザアカシア』
いろいろと間違いだらけのミモザアカシア(^_^;)
さらに言えば、この「ミモザアカシア」と呼ばれる名前も、本当ならAcacia decurrens 固有の種を指す日本の名前。
ただ、現在このAcacia decurrensは庭木としてはほとんど出回っていない。
最もよく見るアカシアはAcacia baileyana 日本名で『ギンヨウアカシア』と呼ばれる仲間。
ここでも名前の混乱が起きているようですね(^_^;)
お花屋さんの鉢物で「ミモザ・アカシア」と表記されている場合、それは「ギンヨウアカシア」である事がほとんどです。
切り花の「ミモザ」はギンヨウアカシアのほか、フサアカシア(A.dealbata)の枝が出回ることもおおいです(・ω・)ノ
フサアカシア: |
本によっては、このフサアカシアを本当のミモザアカシアと表記している場合もあります。
ヨーロッパで『ミモザ』というと、こっちのフサアカシアを指すことがほとんど。
Acacia decurrensは実物にお目にかかったことがないんでよく正体がわからないのです。お店で売ってるのを見たことはないなぁ(。-`ω-)
アカシアの育て方
よく知っているようだけど、実は間違ったまま広まっている情報の多い木、ミモザアカシア、いや、「アカシア」の仲間。
経緯や名前はともかく、見た目の美しさから人気は抜群。
ここからはアカシアの仲間の育て方を紹介していくよ(≧▽≦)
アカシアを購入しよう!株の選び方
上で書いたように、「ミモザ」の名前で販売されているアカシアは「ギンヨウアカシア」(学名:Acacia baileyana)であることがほとんど。
ギンヨウアカシアは丈夫で成長も早い常緑樹。
耐寒性もそこそこあるので、南東北あたりまでなら風よけをすることで地植えでの越冬も可能です。
ギンヨウアカシアの株は、背が高くなるのは早いが、幹が太くなるには時間がかかる。
購入する際も、できるだけ幹の太いものがおすすめだ。
下の方の枝はどうせそのうち落ちてしまうので、目線より上の枝ぶりがしっかりしているもののほうが、早く樹形が整います。
アカシアを植えよう!植え付けの注意
ギンヨウアカシアの自生地は、日当たりのいい乾燥したやせ地。
そのため、日当たりのいい水はけの良い土を好みます。
根は深く伸びて土の奥から水分を吸い上げるので、地植えの場合は根付いてしまえば、水やりは不要。
ただし、サボテンなどと違い、自分の体に水を蓄えているわけではないので、鉢植えの場合は乾いたらしっかりと水を与えることが必要です。
移植できない木!植場所はよく考えて
直根の長い根は切られることを嫌うので、一度植え付けを行ったら移植はできません。
根を切ったらほぼ枯れます!(゚Д゚)ノ
成長が早く、5~10mとかなり大木になるので、場所はよく考えてから植え付けましょう。
寿命の短い木。種が取れれば苗を育てておくのもおすすめ。
アカシアはどの仲間も、寿命が短い木として知られています。
実がついたら、将来のために苗木を育てておくのもいいかもしれません。
とはいえ、寿命が短いと入っても最低50年くらいなので、普通の人間よりは長く生きると思うので問題ないと思います(^^)
誕生の記念樹に植えた場合は、人間の方が長生きするかもしれないけどね。
アカシアの土は?
水はけの良い土を好むので、値段の安い培養土などは避けましょう。
粒のしっかりした、水はけの良い培養土か、赤玉中粒に腐葉土などを混ぜた土で栽培しましょう。
アカシアの肥料は?
やせ地に適応した植物のうえ、根に共生している根粒菌の働きで、空気中から窒素肥料を作ることができるので肥料は少なめでOK
与えるなら、リン酸カリを中心に控えめに与えましょう。
ハイポネックス微粉を薄めたものなどがおすすめです。
大きく育つアカシアの剪定
成長が早く、10m以上になることもあるアカシア。
特にフサアカシアは大型化しやすいアカシアで、環境がよければ30mにもなるといわれています(;゚Д゚)
お庭でそんなに大きくなってしまっては大変!
小さく育てるには適度な剪定が不可欠です。
リンク→:実績多数!庭木一本からのご依頼も可能【剪定110番】アカシアの剪定時期
剪定のおすすめ時期は花後。
この時期なら、枝を切り詰めても来年の花芽には影響がありません。
遅くとも来年の花芽が準備される7月前までには剪定を終えるようにしましょう。
花芽が確認できる冬に切る方法もありますが、寒さに向かう時期に剪定すると枝枯れを起こす心配があるのであまりおすすめできません(。-`ω-)
剪定のポイント
花後の時期であれば、基本的にどこで切ってもよく芽吹きます。
ただ注意点としては、枝はあまり深くまで切り詰めないこと。
葉がついていない場所まで切り戻してしまうと、芽が吹かず枝枯れを起こすことがあります。
幹を太くする剪定
アカシアの仲間は、生長が早く、高さは出るが、ひょろひょろとした樹形になりがちです。
幹を太くするには『芯止め』を行うのがおすすめ。
中心の上に向かって勢い良く伸びる枝を切り戻します。
芯がなくなったことで、余った養分が周囲の枝に巡り枝数が増え、幹も太くなります。
ほおっておくと、細いまま高さばかり伸びていくので、希望の大きさで芯止めをするのは重要。
ひょろひょろのままだと、台風や大風でボッキリ折れてしまう危険がありますよ(゚Д゚)ノ
幹が太くしっかりするまでは、しっかりと支柱で支えることも重要です。
アカシアの開花は1年目に新梢が伸びて、2年目に花芽が付き、3年目に花が咲くと言われています。
ある程度形ができてきたら、伸びすぎた枝を切り詰めたり、込み合ってる枝を透かす程度の剪定がいい。
大きくなって問題ないなら、自然樹形がきれいです( *´艸`)。
剪定に自信がない場合や、大きすぎて手に負えない場合は、造園屋さんにお願いするのがいいですよ。
アカシア栽培の注意点。害虫
アカシアは病気になることはほとんどないが、カイガラムシがつく場合がある。
アカシアにつくカイガラムシは、「イセリアカイガラムシ」といってちょっと変わったカイガラムシ。
このカイガラムシ、動くんです!
通常カイガラムシといえば、幹に張り付いてその場所で一生動くことはないのですが、イセリアカイガラムシは成虫になっても動きます。
体をロウ状の白い綿のようなモコモコでつつんでいて、中にはなんと大量のカイガラムシの卵が入っています!!
これがあっという間に株全体に伝播し、樹液を吸って木を弱らせていきます。
カイガラムシは、普通の薬剤が効きにくいので、専用の薬を使うようにしましょう。
カイガラムシは木が弱った時に発生する
アカシアのカイガラムシは、木が元気な時にはそれほど発生は見られません。
多く発生するのが、2~3年植え替えをしていない鉢植え。
根詰まりして株に力がないと、虫に襲われやすくなります。
この場合は薬を使っても根本的な解決になりません。大きめの鉢に植え替えるか、地植えを検討しましょう。
参考リンク:厄介な害虫は冬のうちに退治!カイガラムシ退治に”マシン油”
アカシアには毒がある品種もある
普通に触るくらい問題ないが、品種によっては家畜が食べると中毒症状を起こすような強い毒がある品種もあります。
花後に豆状の種ができるけど、食べたりしちゃダメですよ。
まとめ
間違って伝わっているミモザ(アカシア)のひみつ。わかっていただけましたか?
基本的に丈夫で、管理も簡単。春の花だけでなく、年間を通してきれいな葉や姿を観賞できるおすすめの庭木です。
一般的に販売されているアカシアは『ギンヨウアカシア』ですが、世界には1000種を超す仲間があると言われています。
その中にはギンヨウアカシア以外にも、園芸品種として人気の品種がたくさんあります。
コチラの記事では、日本でも比較的手に入れやすい14品種を中心に、アカシアの仲間を紹介しています。
リンク→:ミモザの品種一挙紹介!『ミモザアカシア14品種』特徴をまとめました!
参考にしてお気に入りのミモザ(アカシア)を選んでくださいね。
では、みなさんよい園楽を~ヾ(≧▽≦)ノ
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