タラの芽が食べたい!でもタラノキは、お庭で育てたら大変だった!

日に日に暖かさがもどり、春の訪れを感じます( *´艸`)
まだまだ朝は寒さも残るけど、植物たちはすでに活動を始めています。
地上部はまだ固い新芽でも、土の中では新たな根が栄養を求めてグングン成長しているんです。
参考リンク→:どこよりも詳しい『寒肥』肥料の与え方
お部屋に閉じこもっていないで、早春の風を感じに行きませんか?
え?まだ寒い?いやいや、そんなこと言っていたら早春の”美味”を逃してしまいますよ!
今回は今しか食べられない。山菜の王様『タラの芽』をご紹介します!

話題のアニメ「鬼滅の刃」の主人公 竈門炭治郎の好物でもある『タラの芽』とは、どんな食べものなのでしょうか??
参考リンク→:鬼滅な植物集めました!~鬼滅の刃にかかわる植物~
ではスタートです(≧▽≦)
目次(*´▽`*)
山菜の王様『タラの芽』ってどんな山菜??
名前の通り、『タラ』の「新芽」です。
タラって言っても、魚ではなく、山に生える落葉樹「タラノキ」のこと。

でも、魚のタラと全く関係がないかというと、そうでもなくて、名前の由来の一つには「木肌が魚の鱈(タラ)に似ているから」という説がある。
でも、これが絶対正解というわけでもなく、ほかの説もあるので一緒に紹介しておこう(-ω-)/
もう一つの説は、タラノキの葉をひっかくと黒くなる性質がある。
このことから、同じように葉をひっかくと黒く字が浮き上がる『タラヨウ』(はがきの木)の『タラ』の部分が転訛してタラノキとなったのではないかという説がある。
参考リンク→:字が書ける!不思議植物『はがきの木』タラヨウってどんな木?自由研究おすすめシリーズ
古くから使われていた名前で、どちらが正しいのかはいまだに不明。
『タラノキ』というのが正式名称だけど、山菜として古くから日本全国で利用されていたことから、地方ごとの呼び方、方言名は100種類以上もあるといわれている。
「タランボ」のように、タラを含むものから、とげのある枝を金棒に見立てて「オニノカナボウ」などと呼ばれたりもします。自分の住んでいる地域では何と呼ばれているのか年配の方に聞いてみるのも楽しいね(≧▽≦)
ちなみに同じ山菜、『フキノトウ』についてはコチラの記事で紹介してますよ(-ω-)/
参考リンク→:春の訪れ、ふきのとうを食す(*´▽`*)美味しい蕗味噌レシピ
タラノキって何の仲間?

タラノキはウコギ科タラノキ族の落葉低木。学名、Aralia elata
樹高は大きくなっても2~3mにしかなりません。十分大きいようですが、山の中ではかなり小さい木です。
寿命は15年程度と短い代わりに、生育が旺盛でどんどん新しい芽を伸ばします。
もともと日本に自生し、北は北海道、南は沖縄まで全国の山で見つけられる。
山菜の王様として人気が高いので、早春、わかりやすい場所に生えているタラノキの新芽は、目ざとい地元の人たちが全部とっていってしまうので、なかなか山取りするのは難しい(^_^;)
一度取った後も芽は吹くので、2番芽3番芽も収穫することは不可能ではない。
でも、それってタラノキにしてみてもたまったものではない。
頑張って伸ばした春の芽をそう何回も取られたら成長できない。
山で2番芽を摘まれたタラノキは多くが枯れてしまうと言われます(ノД`)・゜・。
そのため、タラの芽取りには”暗黙のルール”として、『1番芽以外は取らない』というものがあります。
来年以降も美味しい山の幸を分けてもらうためにも山菜は、取りすぎないことが重要ですよ(=゚ω゚)ノ
タラノキの見分け方
山で山菜をとるとき注意しなくてはいけないのが、似ている毒草との取り違え。
間違って食中毒を起こす事件が毎年報告されています。
でもその中でも、タラノキは間違いが起きにくい植物。こんなとげとげの木、そんなにない。

似ているものとして挙げられるのが、ウルシ・ウコギ・コシアブラ・ハリギリなど。
なんだけど、このどれもが同じように山菜として利用可能。
ウルシ以外は全部同じウコギ科の仲間。
ウルシは皮膚に触れるとかぶれることのある毒草ですが、新芽は山菜として食用にすることも可能なんです(=゚ω゚)ノ
だいたいウルシはとげがないことで簡単に見分けられますしね。
上記でトゲがあるのはハリギリくらい。慣れれば簡単に見分けられます。
それなので、山菜としてのタラの芽は、間違っても致命的な毒草にあたることが少なく、安心して採取できる初心者向けの山菜なんです(≧▽≦)
とはいえ、変なもの食べないように、しっかり調べてから食べるようにしてくださいね。
タラノキを育てよう
丈夫でどこでも見つかり、見分け方も簡単。しかもおいしい山菜。
これはライバルが多いことを意味します。
のんびり探しに行った程度では、そう簡単に見つけることはできません(゚Д゚)ノ
かといって山の中まで、探しに入っていくのはそれはそれで大変。
それならお庭で育てよう!
実はタラノキは園芸店で販売しています。
しかも、栽培しやすいとげの少ないタラノキが多い。「とげなしタラノキ」の名前で苗木が販売されることも多いですね。
タラノキの栽培方法
もともと日本中に自生している木なので、栽培は簡単(≧▽≦)
重要なポイントは1点。
日当たりがいいこと。
タラノキは典型的な”陽樹”なので、日当たりがよければよいほどよく育ちます。
土は水はけのいい肥沃な土を好みますが、それほど選びません。
普通の培養土や、赤玉土に腐葉土を3割混ぜた程度の土でもOK。
加湿になると病気が発生してしまうので、やや乾燥気味に育てるのがコツです。
でも、簡単で、よく育って、生育旺盛だからこそ注意したいポイントもある(-ω-)/
それは、絶対お庭には植えないこと。
タラノキは寿命の短い木。
そのため、種だけではなく地下茎を広げて子株を増やして成長することもできます。
競争相手のいない場所ではどんどん広がってタラノキの林になってしまうかもしれません。

畑など、地下茎を管理できる広い場所なら大規模栽培も可能。
でも、とげなしタラならともかく、山からとってきたとげの激しいタラノキを植えたりしたらもう大変。除去するだけで傷だらけになってしまいます(^_^;)
越境してお隣に侵入する可能性もあります。
少しタラの芽を食べたい程度なら、鉢植えで栽培することをお勧めします。
タラノキの鉢栽培
苗木は基本的に8号サイズに1本植えつけます。
写真のようなとげなし品種だと管理も楽です(≧▽≦)

植え付け適期は休眠期から芽が吹く前の12~3月。
初年度は収穫は1~2芽だけにして、できるだけ株を充実させるように、日当たりのいい場所で育てましょう。
この1年の株づくりで、来年の新芽の充実度合いが変わってくるので、しっかり育てます。
肥料はそれほどたくさん必要とはしませんが、生育期の春と秋に固形の油かすなどを与えましょう。
タラノキは”根”で増やせる
タラノキを増やしたい!
と思っても、種から育てるのは大変。種なんて売ってないから山で探すしかないですしね(^_^;)
ちなみに、オダラ・メダラ(雄のタラ・雌のタラ)という呼び方をされるけど、これは生物学上の男と女(雄株雌株)という意味ではなく、トゲがあるのをオス・とげの少ないのをメスと呼んでいるだけ。
タラノキには雄雌は無い。ですが、種をつけるには遺伝子型の違う株から花粉をもらう必要があるのか、あまり種の付いた姿は見かけません。
とにかく、繁殖目的なら充実した根をつかって栽培することができるんです。
植え付けは簡単。
3月上旬に、長さ15㎝ほどの太い根(4~5㎜くらい)を傷つけないように掘り上げ、栽培する場所に植えるだけ。

土は鉢栽培と同じ、水はけのいい土を用意すれば大丈夫。日当たりだけはいい場所を選びましょう。
植えつける根は太い方が力はあるんだけど、欲張ってあまり太いものを植えると、発芽率が良くないようです(^_^;)
根ふせから育てた苗は1年目は株を育て、収穫は2年目以降に行いましょう。
ポイントは1年目にできるだけ大きく育てること。
1年目に大きく育たなかった苗は、2年目以降も大きく育つ可能性は低い。
初年度は雑草を除去したり、肥料で肥培するなど、株の成長に努めましょう。
2年目以降は株の成長に合わせて徐々に収量も増えていきますよ(≧▽≦)

1本から大量収穫?!タラの芽ふかし栽培
お庭でタラノキを育てているけど、もっと簡単に大量に収穫したい!!
そう思われる方も多いでしょう。

じつは、スーパーなどで販売されるタラノキは裏ワザによって一つの枝から大量のタラの芽を収穫しているんです。
その裏ワザとは『タラの芽のふかし栽培』
通常であれば、枝の上部2~3芽しか動かないものを、強制的に枝についた芽すべてを『タラの芽』として収穫しようというものです(=゚ω゚)ノ
タラの芽大量ゲットの裏ワザ『タラの芽のふかし栽培』をご紹介します。
タラの芽のふかし栽培の方法
ふかし栽培は枝ごと切り落とすことになるので、植え付け2年以上の充実した木であることが条件です。
2m程度の枝であれば、1本から20個ぐらいのタラの芽を収穫できますよ(≧▽≦)

手順
- 新芽の吹く前の充実したタラノキの枝をバッサリと地際から3芽以上残して切り取ります。
- 芽の位置を確認して5㎝ほどの長さに斜めに切ります。
- 5㎝の間隔に2芽ある場合は下の芽は切り落としてく。
- 切った枝を芽を上に向けて水に浸けておきます。
- 5㎜程度の深さに水を入れ、暖かい部屋に置く。
- 段ボールなどで覆って暗くします。
- 水がなくなってから半日~1日置いて、水を補充します(いつも使っているとカビや腐敗の原因になる)
- 暗すぎると白い眼になってしまうので、光を調整しながら栽培。
- 約2週間で大量のタラの芽がゲットできます(≧▽≦)
注意するポイントは、並べる時上下を間違えないことと、水を入れすぎないこと。
基本的にはある一定の寒さに当たらないと芽吹きしにくいので、時期としては早くても1月以降の方がいいでしょう。
品種によっては寒さによる休眠打破を必要としないものもあるので、その場合は落葉後すぐに、ふかし栽培を開始することも可能です。

タラの芽簡単レシピ
さて、大量のタラの芽が手に入ったら、次は実食です( *´艸`)

タラの芽は、葉が開ききらない状態で採取します。
調理前に赤い線の袴の部分を外し、よく水洗いしてから調理しましょう(≧▽≦)
天ぷら
やっぱり定番は”天ぷら”

山菜はあくが強く苦みが多いので、下ごしらえとしてあく抜きが必要になるんだけど、てんぷらにしてしまえばその手間は不要。
高温の油で揚げるので苦みはなくなります。
美味しくって簡単に作れるので人気ナンバーワン。
タラの芽のあく抜き
炒め物やおひたしにする場合は、簡単なあく抜きを行った方がいい。
と言っても、それほど難しいことはない。
2%の食塩を溶かした水(水1リットルに塩20g)を沸騰させ、タラの芽を2~3分湯がいたら、すぐに冷水で冷やし水にさらすだけ。
タラの芽はそれほどあくが強くないので、簡単なあく抜きでOK。
あとは普通の食材と同じように調理できます。
おひたしの他にも、炒め物や、ピザにのせて食べるなんてのも美味しいですね(≧▽≦)

タラの芽の栄養・カロリー
タラの芽にはカリウムがたっぷり含まれている。カリウムは体の老廃物を出すにに不調な栄養素だ。
これにより、高血圧やむくみを解消させる効果が期待されます。
このほか、体のパーツの元となる栄養素を豊富に含む栄養満点な食材なんです。
カロリーは100gあたり27kcalと低いが、てんぷらにすると油も多く摂取することになるから注意しよう。
まとめ
タラノキの見分け方、育て方について紹介しました。
手軽なのに、美味しい『タラの芽』
栽培も簡単だけど、庭中に広がる危険性があった。
植え付けは自己責任で(^_^;)
最後に紹介した『ふかし』栽培なら、枝をごっそり刈り取るから、毎年新しい枝で収穫することができます。
しかも、大量収穫。
タラの芽好きな丹次郎みたいな人は大喜びですね(≧▽≦)
いくら美味しいからって食べすぎは禁物ですよ。
では、みなさま、よい園楽を~~~ヾ(≧▽≦)ノ
“タラの芽が食べたい!でもタラノキは、お庭で育てたら大変だった!” に対して1件のコメントがあります。