今見直される健康樹木「ウコギ」エゾウコギとヒメウコギ
そろそろ山菜の季節。
タラの芽や、ウルイ、蕗の薹など、春の味覚が美味しい季節。
そんな中ちょっとマイナー、だけど栄養価の高い山菜があるのを知っていますか?
それが「ウコギ」です(゚Д゚)ノ
日本国内に自生していて、古来から利用されていたウコギ。
今その栄養が見直されて、利用が増えています。
今回は、栄養たっぷり、疲労回復効果あり?!ウコギを紹介します。
目次(*´▽`*)
ウコギってどんな植物?
ウコギは、ウコギ科ウコギ属の落葉樹。学名:Eleutherococcus
ヤマウコギ、ケヤマウコギ、エゾウコギなどが日本に自生していて、古くはヤマウコギを中心に山菜として日本でも利用されてきた。
今、山菜として利用されているウコギのほとんどは、ヒメウコギと言われる品種で、これは日本に自生していたものではなく、平安時代以前に中国から導入されたもの。
元は薬用として日本に導入され、一部は野生化して山に生える。
ただし、ウコギの仲間は雌雄異株で、ヒメウコギは日本国内に雌しかないと言われているので、実を結ぶことはないようだ。
ウコギの仲間には、ほかにも山菜として利用される「タラノキ」や「ウド」がある。
参考リンク→:タラの芽が食べたい!でもタラノキは、お庭で育てたら大変だった!
なんとなくおいしそうな雰囲気がしてきました(≧◇≦)
ウコギの品種別特徴
現在日本で利用されるウコギの品種を簡単に紹介しておこう(-ω-)/
ヒメウコギ 学名:Eleutherococcus sieboldianus
薬用として導入されあただけあって、栽培しやすく栄養価が高い。
主に根の皮部を薬用に利用され、五加皮(ごかひ)と呼ばれる。鎮痛、強壮、強精などに利用される。
中国原産で、幹には太いとげがある。
「ウコギ」として利用される場合のほとんどが、このヒメウコギであることが多い。
日本にあるのはほとんどすべてが雌木だけなので、実はほとんどつけない。
ヤマウコギ 学名:Eleutherococcus spinosus
日本に元から自生するウコギ。
ヒメウコギが渡来するまではよく利用されていたようだが、現在利用されることは少ない。
日本の山に自生していて、ヒメウコギと同じように利用できる。
やはり幹に太いとげがある。
雌雄異株のため、雄雌そろえなくては実がつかないが、通常実を利用することはないので雄雌を表記して販売されることはほとんどない。
というか、ヤマウコギそのものの販売がほとんどない(=_=)
エゾウコギ 学名:Eleutherococcus senticosus
名前の通り、北海道に自生するウコギ。
ほかのウコギと同じようにトゲがあるのだが、このとげがすごい!
細く密生した鋭いとげが激しく、手を出すのもはばかられる。
そのかわり、根に含まれる薬効成分はもっとも多く、薬用に利用される場合はヒメウコギではなくエゾウコギを利用することが多い。
スタミナ回復や免疫力アップの目的で利用されるサプリメントや栄養ドリンクに利用されている。
薬用利用が多いが、山菜としての利用も可能。
ウコギを育てよう!
新芽を食用にしたり、薬効があることから古くから栽培されてきたウコギ。
特に山形県米沢周辺では戦国時代から栽培が奨励されており、今も生垣として使われている家が多く残る。
栽培も盛んで、ウコギは米沢の特産品となっています。
ウコギの苗はどこで手に入る?
ウコギの苗は健康野菜や山菜として、ヒメウコギの苗が販売されることがありますが、あまり一般的ではないので、ネット通販などで購入するのが確実。
挿し木での繁殖も難しくないので、時間はかかるが山から枝を何本かもらってきて、後述する挿し木を行って栽培してもいいかもしれない。
ウコギの育て方・用土と肥料
栽培そのものは非常に簡単で、普通の培養土やお庭の土に腐葉土を混ぜたくらいでもよく育ちます。
肥料はたくさんは必要ありませんが、冬場の寒肥と、早春の芽出し肥料として庭木用の肥料などを少量与えるくらいで大丈夫です。
ウコギの剪定
ウコギは成長のいい植物で、春から夏にかけてどんどん伸びます。
高くしたくない場合は6月ごろに剪定を行ます。
花を観賞するわけではないので、適当な位置でバッサリ切っても大丈夫。芽吹きのいい植物なのでどんどん新しい芽を吹きます。
ただし枝にはトゲがあるので、作業の際には手を傷つけないよう注意しましょう。
芽吹きがいいので生垣としても優秀です。ただし落葉樹なので冬は葉は落ちてしまいます。悪しからず。
参考リンク→:生垣を作ろう!初めてでも簡単!管理と植え方
ウコギのふやし方
ウコギは挿し木で簡単に増やすことができます。
剪定で切った枝などを、15㎝程のサイズにそろえ、下葉をとって穂木にします。
メネデールの液に1時間ぐらい付けた後、挿し木用の土にさして乾燥しないように管理しましょう。
非常に根付きしやすい植物です。根がある程度生えそろったら、培養土に植え替えて、新芽が生えそろったら定植しましょう。
参考リンク→:芽と根がよく出る”メネデール”だれでも栽培が上手になる?魔法の液体の正体は?
ウコギの利用:薬用
薬用利用が多いのは、ウコギの中でも「エゾウコギ」
- 悪玉コレステロール低下
- 過酸化脂質の抑制作用
- 記憶力の回復
- 糖尿病の改善効果
- 抗ストレス・疲労回復
- 中性脂肪の低下
- 滋養強壮
- 免疫力アップ
など、さまざまな効果が報告されており、あの朝鮮人参に勝る薬効があるともいわれています。
ただ、エゾウコギは自宅で栽培したり、植物そのものを利用するのは難しいので、サプリメントやドリンクに加工されたものを利用することが中心となります。
代表的なものに、ツルハドラックで販売される「エゾエース」があります。
これは、札幌に本社を置くツルハドラッグが販売している栄養ドリンクで、滋養強壮、虚弱体質、肉体疲労、病中病後、食欲不振、栄養障害、発熱性消耗性疾患、産前産後などの場合の栄養補給に利用されます。
うちでもお世話になっていて、風邪をひいたときはこのドリンクをよく飲みます(^^♪
そのほか、各種サプリメントも販売されているから、興味のある人は取り入れてもいいかもしれませんよ。
ウコギの利用:山菜
山菜としてのウコギは、ヒメウコギが一般に使われます。
新芽を摘んで、「タラの芽」と同じように、てんぷら・お浸しなどに利用します。
山形ではウコギを使ったウコギ飯が人気。
ウコギ飯の簡単レシピ
- 摘み取ったウコギを軽く塩ゆでします。
- 粗熱をとったご飯を用意。少しもち米を入れて炊くともっちりとしてさらに美味しい。
- 細かく刻んだウコギをご飯にまぶすように混ぜ込む。
- お好みでゴマをまぶして完成
ほかに、味付けに麺つゆや、白だしでウコギをゆでるなど家庭ごとのバリエーションが存在するみたいだ。
いろいろアレンジしてみよう(≧▽≦)
鬼滅の刃とウコギ
実は、ウコギと話題の漫画『鬼滅の刃』には、重要なかかわりがあったのです!
鬼を倒す鬼殺隊の隊員には、本部との連絡のため「鎹鴉(かすがいがらす)」というカラスがあてがわれます。
人気のキャラクター我妻善逸の相棒は、なぜかカラスではなくスズメ。
善逸は「チュン太郎」と呼んでいますが、このスズメ。本名は別にあって、その名が「ウコギ」なんです。
名前の由来は、ウコギ飯が好きだから。だそうですよ(≧▽≦)
ちなみに丹次郎の好物は、同じウコギ科のタラの芽です。
参考リンク→:鬼滅な植物集めました!~鬼滅の刃にかかわる植物~
まとめ
山菜としても、薬用としても、生垣樹としても、有用な「ウコギ」もっと利用されてもいい植物です。
薬効だけではなく、山菜としての栄養価も豊富。
ウコギの葉にはビタミン、ミネラルが豊富に含まれていて、特にビタミンA、C、カルシウムが多く含まれます。
また、食物繊維はゴボウに匹敵するほどといわれているんです!
タラノキよりもお庭での管理がしやすいのもいいですね(≧▽≦)
機会があったら、ウコギご飯もぜひ食べてみてくださいね。
では、みなさま、よい園楽を~~~ヾ(≧▽≦)ノ
“今見直される健康樹木「ウコギ」エゾウコギとヒメウコギ” に対して1件のコメントがあります。