あなたの知らない『パキラ』その2

家庭用に、プレゼントにと大人気の観葉植物『パキラ』
よく知られているようで実は不思議がいっぱい!
先日は「あなたの知らない『パキラ』その1」を掲載しました。今回はその第2段です。
まだ未読の方はまずはそちらをどうぞ。
目次(*´▽`*)
パキラは湿地に生える植物って本当??
お店で販売されているパキラには、「パキラ・アクアティカ(Pachira aquatica)」と表示されて販売されているものがほとんど。
この「アクアティカ」 は「水生の」という意味です。 その名の示す通り沼地で生育する湿地性の植物の様です。
しかし、なんだかおかしいですね(^_^;)
観葉植物のパキラはむしろ「乾燥に耐えるので、乾かし気味に栽培する」という説明が多い。相反する性質のような気が???
日本で販売されているパキラ、名前が間違ってるかも説
日本で販売されるパキラはほとんどが「パキラ・グラブラ (Pachira glabra)」ではないかといわれています(゚Д゚)ノ
葉の見た目はそっくりなんだけど、パキラ・アクアティカはいくらか丸みを帯びていて、パキラ・グラブラは細くシュッとした姿。
これがパキラ・アクアティカ。確かに葉が丸いかな?

比べると結構違う(^_^;)
なぜ日本でパキラ・グラブラが「アクアティカ」の名前で広まっているかはわかりませんが、調べると海外のサイトでもごっちゃになっているので、出荷の時点から間違っているのかもしれません(;'∀')
他にも違いはいろいろあります。
パキラ・グラブラの特徴 | パキラ・アクアティカの特徴 |
花:白い雄しべが目立つ | 花:先端が赤い雄しべが目立つ |
実:緑色 | 実:茶色 |
葉:細長く先端がとがる | 葉:丸みを帯びた葉 |
など、生育地もグラブラの方が沖積地であり、アクアティカは沼地や湿地とさらに水分を好む。
もし本物のアクアティカを手にいてた時は、乾燥させすぎないように水やりを少し気を付けた方がいいかもしれないですね(*‘ω‘ *)
パキラの失敗しない育て方
ここでは日本で普通に売られているパキラの育て方を説明します。
丈夫で初心者でもかんたんな観葉植物「パキラ」ポイントを押さえてかわいがってあげましょう(≧▽≦)
パキラの太い部分はそれ以上伸びません
「これであなたも観葉植物マスター。観葉植物の一般的な育て方」でも説明した通り、観葉植物は購入時が一番きれいな形。
そこから育てるのは難しいです(゚Д゚)ノ
無理に育てると、こんな形になります。

これはこれでかっこいいけど、この後は2本の細い枝がひたすら伸びるだけで、もとの太い枝は変わりません。そのため、立派で背の高いパキラが欲しい場合は完成品としてのパキラを購入する必要があるんです。
パキラは水を控えめに!
パキラを枯らす原因のナンバー1が「水の与えすぎ」

パキラは株元のぷっくりした部分にある程度の水を蓄えられるため乾燥に強い植物といわれています。
逆に過剰な水があると根を痛めやすいということ。
特に日本で販売されるパキラは台湾から丸太の状態で輸入したものを植え付け、葉がある程度茂った段階で出荷されています。
葉が茂っていてもまだ根がそれほど張り切っていない場合も多い。
鉢の中を見てもらうと幹が倒れないように発泡スチロールの詰め物で抑えられていることがわかると思います。
根が少ないということは、吸水する水も少なく乾きにくい。
ここで水を与えすぎるのはまだ完全体ではない根を痛めることにもなります。
「根が少ないんだから、もっとしっかり水あげないとだめなのでは?」という疑問もあると思いますが、植物は水がふんだんにあると根の発育は逆に悪くなります。
ある程度乾燥があったほうが自ら水を求めて根を伸ばします。
いつでも水が潤沢にあるのではなく、乾く、湿潤の変化が植物の根をよりしっかりと張らせます。
根を早く落ち着かせるためには根の活力剤「メネデール」を使用するのも有効ですよ(*'▽')
パキラは寒さが苦手!特に冷たい水は厳禁!!
熱帯の植物であるパキラは寒さが苦手(*_*;
冬でも10度以上を保つお部屋で管理しましょう。
冬はついついできるだけ日に当てようと、窓のそばに置いてしまいがちですが、これもNG!
お部屋の中で一番温度変化が大きいのが窓のそば。
ガラスやサッシから外気温の影響で温度が下がりやすいんです。
冬は窓から1m以上離れた場所に置くか、日が陰ってきたら窓のそばから移動するようにしましょう。
小さいものなら発泡スチロールの箱をかぶせてしまうのも方法です。

そこまで気を使っても冷たい水道水を与えてしまっては意味がない。
必ず室温と同じくらいの水を与えるようにしましょう。
肥料は春~秋に観葉植物用を与えます
ですが、注意。購入してすぐのパキラはまだ根がしっかり張っていない場合もあります。
1年目はアンプルや活力剤だけを与えて肥料は来年からでもいいと思います。

あみあみパキラ・1本ものパキラどっちがいい?


パキラを購入する際悩むのが、「あみあみパキラ」にするか「一本物パキラ」どちらにするか問題(^_^;)
人気があるのはやっぱり「あみあみパキラ」なんですが、丈夫なのは 「一本物パキラ」 です。
言ってみれは、一本物パキラは「成熟した大人の一人暮らし」対して、あみあみパキラは「学生のルームシェア」みたいなイメージです。
一本物は幹も太く、株そのものに力があります。競合する相手もいないので鉢の中の栄養は自分だけが利用することができます。
それに対し、あみあみパキラは細く若い木が3本ねじるという普通ではありえない負担をかけられて生育しています。
成長していく過程でどうしても栄養や光の取り合いが起き、競争に負けた株は弱っていきます。
あみあみパキラの1本だけ枯れてしまうということがよくあるのはこういった原因もあるんです(^_^;)
パキラの困ったを解決!あみあみパキラが1本枯れたらどうする?
あみあみパキラはどうしても弱い株だけ枯れてしまうということが起こります。
競争にならなくても、水が多すぎて根腐れを起こす場合も一度に枯れることは少なく、一番弱い株から枯れていきます。
枯れた枝の見分け方は、
- 葉が元気なく下を向く、
- 黄色くなって葉が落ちる
- 幹の色が茶色く変色する
- 株元を触るとぶよぶよしている
葉が下を向くくらいなら回復の可能性もありますが、株元がぶよぶよになってしまっていたらその株は根腐れが本体にまで及んでいるので助かりません(;_;)
枯れた株だけを取り除く
枯れてしまった株はそのままにしていても腐っていくので、取り除きます。
この作業はできれば暖かい春から秋に行った方がいいです。
パキラの幹は繊維質でそれほど固くないので枝切ばさみやのこぎりで容易に切ることができます。
他の木を傷つけないよう気を付けて外しましょう。
土をチェック。
枯れた原因を確認します。土がじめっとしていたら植え替えを行うようにしましょう。
ほかの木が健全に成長しているようなら抜けた穴に観葉植物用の土を補充するだけでもOKです。

もし2本が枯れて1本だけになっている場合は鉢を小さくして植え替えします。
本数が少ない場合元の鉢では土の量が多すぎて乾きにくくなってしまいます。
株の大きさに合わせて小さい鉢に植え替えましょう。
メネデールを与えて様子を見る
植え替えた株はメネデールを与えて根の再生を図り様子を見ます。
強い光は避け、水は乾燥気味に管理しましょうね。
新しい葉が伸びてきたら回復している証。通常の管理に戻しても大丈夫です(≧▽≦)

パキラの困ったを解決!伸びすぎたパキラ、どうしよう?

パキラの葉はどんどん伸びて、最後には天井にぶつかってしまいます(^_^;)
そんな時はどこでもいいのでちょん切ってしまいましょう!!
6~9月ごろの温度が高い時期であれば2週間くらいで新しい芽が伸びてくるはずです。
切り取った枝も水に差しておくだけで根が出るくらい丈夫です(^_^;)
しっかり挿し木するなら15センチくらいの長さに切って、葉の大きさが大きい場合は半分くらいに制限して挿し木用の土に挿します。でもほとんどの場合水につけておくだけでも根が出ます(≧▽≦)
挿し木は簡単だけど、挿し木苗を育てても太くはならないので水耕栽培など小型の鉢で楽しむのがいいですよ。

パキラの困ったを解決! パキラの葉にベたべたしたしずくがある。どうしよう

パキラを育てていると葉からべたべたした液体が出る場合があります。
なめてみると、なんと甘い(◎_◎;)
実はこれ、パキラが出す蜜なんです。
これは 花外蜜腺 といって花以外の場所から出す蜜のことで異常や病気ではないので安心してくださいね。
一説によると、アリを誘って害虫の卵や幼虫を駆除してもらう為ともいわれています。
この機能は桜の木なんかにもあるんですよ(*'▽')
異常ではないけど、床に垂れるとべとべとするので拭いてしまっても構いません。
花外蜜腺から蜜を出すのは元気な印なのでちょっとは大目に見てあげてくださいね(^_^;)
おなじべとべとでも葉が黒くなる「すす病」が発生している場合は要注意!
おそらくアブラムシかカイガラムシがついていますよ!
その場合は殺虫剤でしっかり退治しましょうね。
まとめ
意外と奥が深い「パキラ」思っていたよりも長い記事になってしまった(^_^;)
よく聞かれる質問はある程度まとめたつもりですが、まだ知りたいことがあればコメントで質問くださいね。わかる範囲でお答えしますΣ(・ω・ノ)ノ!
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では皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙
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