フジバカマは桜餅と同じ香り?!楽しみ方と育て方~秋の七草6~

フジバカマ
フジバカマ

日本の秋を象徴する植物『秋の七草』を紹介しているこのシリーズも6種目になりました。

残すところ、今回を含めあと2回です。

記事の最後に、以前の秋の七草へのリンクがあるのでまだ見てない方は合わせてお読みくださいね(*’ω’*)

今回紹介する植物はフジバカマ。

その前に、今回も秋の七草の復習から行きましょう。

秋の七草とは?

日本には古来から「秋といえばコレ!」と決められた植物が存在します。

万葉の時代から日本人に愛されてきた『秋』を代表する植物『秋の七草』は万葉集に収められた山上憶良の歌にうたわれています。

参考リンク→:秋の七草・春の七草、違いと覚え方。

はぎのはな、おばな、くずばな、なでしこのはな、おみなえし、また、ふじばかま、あさがおのはな

山上憶良
やまのうえのおくら
  万葉集 一五三八 巻八)

春の七草が、冬の終わりとともに芽吹く、早春の栄養ある薬草を集めるのに対し、秋の七草は季節の変化を目で楽しむ花の美しさに焦点が当てられています。

万葉の歌人たちは、秋の訪れをこれらの花を見ることで感じ取っていたんですね( *´艸`)

季節感が薄らぐ現代、もう一度自然の風景に目を向けてみるのもいいんじゃないでしょうか。

秋の七草 第6弾、藤袴(フジバカマ)

フジバカマは分類上、キク科ヒヨドリバナ属Eupatorium japonicum こんななりだけど、キク科(;・∀・)

菊っぽくないこんな姿だけど、キク科なんです。

ヒヨドリバナ属は学名だとユーパトリウム。

花屋さんなどではこっちの名前で園芸品種が多数販売されている。

お花屋さんで販売されるフジバカマ(ユーパトリウム)は藤色より、下の青や白の花が販売されていることが多い。

万葉の時代から親しまれているが、実は日本には自生していなかったのではないか?という説もあります。

フジバカマは、もともと中国で薬用としての利用があった。

それが万葉集の時代、日本ににわたり、栽培下のものが逃げ出して帰化したのではないか、といわれています。

その根拠の一つとして、他の七草に比べフジバカマは、万葉集ではたった1首しか読まれていないことがあげられます。

それも最初に紹介した山上億良の秋の七草の歌だけ。

この後の古今和歌集などではかなりの数が読まれるようになっているので、輸入されてまだ知名度の低い「フジバカマ」を山上億良が広めるために無理やり七草にブッキングしたんじゃないか、なんていう説もあります(*’▽’)

一種のマーケティング戦略?だったのかな?

フジバカマの名前の由来

フジバカマは漢字で『藤袴』と書き、藤色の花で花弁が袴のような姿から取られた名前。

確かによくよく見れば見えなくもないけど、一つずつが小さいから確認するのは大変。

よくこんな特徴に目をつけたと思う(^_^;)

学名のEupatorium  (ユーパトリアム)は、 紀元前1世紀の小アジアにあったポントス王国の国王「ミトリダテス6世エウパトル(ユーパトル)」の名前にちなんだもの。

「ユーパトール王」も、フジバカマ属の植物を薬用として利用していたらしいです。

フジバカマの薬効

フジバカマは中国では漢方薬『蘭草』として利尿、通経や黄疸(おうだん)、腎炎などに利用されていました。

全体に桜餅のような香りがするので、日本でも万葉の時代から女性は、フジバカマを干した茎や葉っぱを水につけて髪を洗っていました。

防虫剤、芳香剤、 お茶など利用の多い薬草だったんです。

令和とフジバカマ

「令和」は、万葉集の次の一節に由来するとは、よく知られていますよね(*’ω’*)

令和の名のもととなった一文

「時、初春の令月(れいげつ)にして、氣淑(よ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後(はいご)の香を薫(かをら)す」

この最後に詠まれている「蘭」実はこのランは、胡蝶蘭のようなラン科植物ではなく、フジバカマのことなんです。

漢方名で『蘭草』と呼ぶように、万葉の時代フジバカマは蘭の名前で呼ばれることも多くありました。

「万葉集では1首って言ってたのに、もう1首あるんじゃないか!」と思われるかもしれませんが、この蘭は花そのものではなく、フジバカマから作ったにおい袋だと考えられています。

梅の時期とフジバカマの開花期が合わないですしね(^_^;)

貴族のたしなみとして、香水のようににおい袋を持つのが流行っていたということらしいです。

フジバカマの育て方

もともとは日本の自生ではなく万葉の時代に中国から渡来し、奈良平安時代には帰化して雑草化していたと考えられているように、基本的には丈夫な草。

なんだけれども、現在は環境の変化で絶滅危惧種になっている。

環境さえよければ地下茎で増えるうえ、タンポポ状の種を飛ばしても増えることができるので雑草化しないように注意しましょう(=_=)

地下茎で広がるので、広がってほしくない場合は20㎝程度の根止めを埋め込んでその中に植えるようにしないと、あとで後悔することになります。

3~4年に1度は、2~3月の新芽がふく前に掘り上げて株分けをして株を更新しておくと、毎年きれいな花を楽しめますよ(≧▽≦)

フジバカマの好む環境

日当たりがよく、水もちのよい場所を好みます。乾燥を嫌うので夏には土が乾燥しすぎないように注意します。

鉢植えは特に乾きやすいので注意ですよ(゚Д゚)ノ

そのままそだてると1.5mくらいの高さまで育つので、5月ごろにピンチ(切り戻し)を行っておくと、背丈を低く抑え、さらに枝数が増えることでボリュームのある株を育てることができます。

肥料はほとんど必要ないですが、生育期にはお花用の肥料を控えめに与えましょう(≧▽≦)

桜餅の香りを楽しむには、そのままじゃだめだ!

表題に「桜餅の香り」と書いたけど。

花のにおいをかいでも「この野郎!まったく香なんてないじゃねえか!」と怒らないでくださいね(;´・ω・)

生の場合には、香りはないんです。

しかも香るのは花ではなく『葉』の方です。

刈り取った茎葉を半乾きの状態にして初めて、桜餅の葉のような香りがします。 

これは、クマリン、クマリン酸、チモハイドキノンという香成分によるもので、古く中国でも女の子の簪(かんざし)にしたり、香袋(かおりぶくろ)として身につけていました。

日本でも武士が戦場に向かう際たしなみとして、兜にフジバカマの香をたいたという記録があります。

生葉の場合、葉を一枚ちぎって掌にのせてパンッと叩くとほんのり香ってきますよ(^^♪

フジバカマの花ことば

フジバカマ(藤袴)の花言葉は『あの日を思いだす』『遅れ』『ためらい』『躊躇』

フジバカマは、少しずつ小さな花を咲かせることから「遅れ」「ためらい」といった花言葉があります。

フジバカマの仲間たち

藤色が基本だけど今はピンク・白・青、黒系の葉など、園芸品種も豊富。

花屋さんではユーパトリウムの名前で出回っているので探してみよう。

​宿根草として非常に優秀。

いろいろ植えてみてくださいね。

次回はついに最後、朝貌(あさがお)の花です。

では、よい園楽を~(。・ω・)ノ゙