秋の七草・春の七草、違いと覚え方。
日本に昔から伝わる『七草』と聞くと何を思い浮かべますか?
多くの場合は、1月7日「 人日の節句 」の朝に、その一年の無病息災を願って食べる春の七草を思い浮かべる人が多いんじゃないかな(=゚ω゚)ノ
お彼岸と同じで、「春」があるなら「秋」もある。
春の七草と同じように、秋の七草も存在します。
しかし、この「春の七草」と「秋の七草」似ているようで、全く違うものなんです(゚Д゚)ノ
今回は、春と秋、全く違う七草の役割と、その覚え方について解説します(≧▽≦)
目次(*´▽`*)
目的が違う?春と秋の七草の違い。
春の七草は、早春に生える山菜の代表種で、冬の時期に食べられなかった緑の新鮮な食材を食べられるようになる時期にしっかり食べて栄養補給するという意味がありました。
現代では冬でも栄養のある食材はたくさんあるので、この意味合いは薄れてしまったが、今でも一年間の無病息災を祈って七草の入ったおかゆを食べるという風習は残っています。
もともと「七草粥」を食べていたのは旧暦の1月7日なので、現代の暦で言えば2月。
自然の状態で七草を探すのはちょっと難しい(^_^;)
現代では7草のパックや、フリーズドライにされた商品が出回っているので、そういったものを利用するのがおすすめ。
七草にこだわらないならホウレンソウやネギなど、緑の野菜を入れたおかゆを作って食べるのもいいですよ。
おせちで疲れた胃袋をいたわるやさしい食事を心がけましょう(・ω・)ノ
参考リンク:→一年間の厄払い。1月7日に「七草粥」食べてますか?
秋の七草は食べ物ではなく、秋を感じる植物ベスト7的な位置づけ。
和歌や俳句に読み込む季節を象徴する植物として紹介されています。
食べ物でないためか、あまり現代では紹介されることも少ないですが、季節を感じる植物として覚えておきたいところです。
春の七草の由来
日本では古来から雪の下から芽を出した草を摘む「若菜摘み」という風習があったとされています。
これが7つの草に定着するのは平安時代。
有名なものでは清少納言の枕草子で若菜摘みの描写があるが、この中では七草の種類にまでは表記されていない。
じつは、現代に伝わる「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ、これぞ七草」の歌が最初に登場するのはかなり新しく、
1585年の『連歌至宝抄』がはじめとされます。
これ以前にも、鎌倉時代の書『年中行事秘抄』でも同じ七種があげられているので、風習として定着したのはもっと早かったのでしょうが、1月7日に七草がゆを食べると定められたのは江戸時代になってからのようです。
この7種の名前も、現代では変わってしまったものも多いので、これを聞いただけではピンと来ないかもしれないですね(^_^;)
7種の植物の正体ともっと詳しい春の七草についてはリンク先の記事もご覧ください。
春の七草の覚え方
日本人なら覚えておきたい「春の七草」
覚えやすい方法をいろいろ調べたんだけど、普通に575調のまま覚えるのが一番簡単でした(^_^;)
「せりなずな~、ごぎょう・はこべら、ほとけのざ~、スズナ・スズシロ、これぞななくさ~」
575調で何度か口に出していれば覚えてしまいますよ。頑張りましょう(≧▽≦)
秋の七草の由来
どちらかというとマイナーな『秋の七草』
秋は春と違って食べる植物ではなく、愛でる植物7選です。
やっぱり食べられないというのはマイナスポイントなのか、あまり知られていないですね(^_^;)
「秋の七草」の由来は、万葉の歌人、山上憶良(やまのうえのおくら)が和歌に詠んで広まったとされています。
萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 おみなえし また藤袴 朝貌の花
(山上憶良 万葉集 一五三八 巻八)
この中で、最後の「朝貌の花(あさがおのはな)」は現代で言う朝顔ではなくキキョウであると考えられています。
秋の七種それぞれの植物は個別にまとめた記事があるので、リンク先もご覧ください。
山上憶良の読んだ、秋の七種を詳しく紹介
秋の七草の覚え方
春の七草と同じく、575調の歌で覚えてもいいんですが、春の七草に比べるとちょっと覚えにくい(。-`ω-)
そこで、秋の七草には覚えやすい語呂合わせもあります。
ハスキーなお袋
「どんなお袋だよッ」というツッコミは置いといて、頭文字が秋の七草になっています。
- は:ハギ
- す:ススキ
- き:キキョウ
- な:ナデシコ
- お:オミナエシ
- ふ:フジバカマ
- く:クズ
お好きな服は?
- お:オミナエシ
- す:ススキ
- き:キキョウ
- な:ナデシコ
- ふ:フジバカマ
- く:クズ
- は:ハギ
どちらでも、覚えやすい方を使って覚えてしまいましょう(≧▽≦)
まとめ
同じ『七草』でも、春と秋では目的が違いました。
春は、新春を迎え、雪の中から顔を出す植物の強さにあやかり、無病息災を祈願したまじない的な七草。
秋は、季節の移り変わりを歌に詠む際に利用できる、秋を代表する花七選。
意味は違っても、どちらも古くから日本に伝わる伝統です。
季節感が希薄になる現代こそ、しっかりと次代に伝えていきたいですね(≧▽≦)
では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙
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