万葉の人気花材!「神の花」の名を持つナデシコ~秋の七草4~

秋の七草ナデシコ
秋の七草ナデシコ

秋の七草、ちょうど半分の4種目は「ナデシコ」

だけど、このナデシコは一般的に知られる「ナデシコ」ではなく秋の七草で読まれるナデシコは「カワラナデシコ」のこと。

背が高く花弁が切れ込むなどの特徴があります。

カワラナデシコってどんな植物?

ナデシコ科ナデシコ属の多年草。学名Dianthus superbus

古くから日本に自生する植物で、本州から九州、一部は沖縄にも分布していまいたが、現在は多くの地域で数が減ってきていて、地域によっては絶滅危惧種に指定されている地域もあります(>_<)

名前の通り河原に多く生える多年草。

日が当たらない場所では生育することができない。

古い時代は人間が利用するために草刈りや枝打ちを行ってきたことで生育地も多かったが人間の利用が減ることで背の高い植物が周囲を多い生育地が無くなっていった。

また、生育の早い大型の外来種も侵入し、日本在来の植物は絶滅に追いやられているんです(; ・`д・´)

カワラナデシコの特徴

カワラナデシコはナデシコの仲間でも丈夫な品種。日当たりさえよければよく育ちます。

背丈の高いナデシコで草丈は30~80㎝ほど。

そして最大の特徴は細かく切れ込む花弁。

派手さはないけど、風に揺られる姿は優雅さがあります。

万葉の時代の歌人に愛されたのもわかるような気がしますね(*‘ω‘ *)

開花期は原種のカワラナデシコは7~10月ですが、最近お花屋さんで販売されている品種は春4~5月と秋8~10月にも咲く四季咲き性があります。

園芸品種は、鉢植えだけでなく、切り花としても利用されます。

↑園芸品種 カワラナデシコ ミーティア 白とピンクの2色があります。 

四季咲きに改良されているから花時期が長い!切り花にも最適(^^♪

カワラナデシコ ミーティア

園芸店で”カワラナデシコ”といえばコレってくらいに広がりを見せているのが、サカタのタネで開発した”カワラナデシコ ミーティア”

四季咲き性が強くいつでもよく咲きます。

80㎝ほどの高さまで育つ高性のナデシコ。

サカタのタネの表記では一年草となっていますが、普通に越冬し夏越しもします。

もともとナデシコは短命な多年草なのでミーティアもそんな感じでしょうか。

切花としての出荷も多くかわいいですよね( *´艸`)

ナデシコの仲間は夏の暑さに弱いので、ミーティアも病気が発生することが多いです。

そんな時は地際から10㎝位で切り戻し、風通しよく夏を越せば秋にはまた延びてきて花を咲かせてくれます。

カワラナデシコミーティア、これって病気??

カワラナデシコ ミーティアのポット苗を見たとき、葉に変なとげがあることがあります(´゚д゚`)。

トゲというか、突起というか、穴というか??まあ、写真で確認してください。

すべての苗に発生するわけではないのですが、葉が奇形化してトゲのようになっています。
触ってもいたくはないのですが、なんか気持ち悪いですよね(;'∀')

でも、ご安心ください。

これはミーティアの特性。

株が若いときは一部葉に異常が出ることがあるとメーカーも発表しています。

株が育てば出なくなりますし、うつるような病気ではないのでほっておいて大丈夫です。

もともとが切花用途の品種なので、ポットで販売することをあまり考えていなかったのかもしれませんね。

知らないで見たらびっくりしますよね(。-`ω-)

学術的分類のナデシコ

ナデシコ属は大きいグループで、300品種ほど仲間がいます。

有名どころでは母の日の「カーネーション」あれも言ってみれば八重咲きナデシコなんですよ。

古典園芸で作られたナデシコ

江戸時代には今とはまた違う”日本独特の園芸文化”がありました。

『古典植物』と呼ばれる江戸時代に栄華を極めた日本の園芸文化は、西洋のように豪華さを極めるのではなく、一つの植物をひたすらに改良しどれだけ珍しい姿を作り出すのかを目指した、今の園芸から見るとちょっと変わったものでした。

今でもコーデックスなどのマニア心をくすぐる多肉植物には通じるものがあるかもしれませんね(*‘ω‘ *)

万年青や

園芸品種の中でも逸品なのは「伊勢ナデシコ」

 江戸時代にカワラナデシコとセキチクの交配から生まれた古典植物。

花弁が細く垂れ下がり最盛期には花弁の長さが55cm!にも達するものがあったというから驚き。(*_*;

 光格天皇に献上されたこの花は、京都の宝鏡寺に伝わり、御所ナデシコとも呼ばれています。
三重県の天然記念物に指定されています。

 こちらのサイトで開花の様子が動画で見れます。不思議な美しさ!

日本では”撫でし子”、ギリシャでは”神の花”

「神の花」とは属名の「Dianthus」のこと、これはギリシャ語で神を意味する「Dios」と花を意味する「Anthos」が合わさり「神の花」という意味になった(=゚ω゚)ノ

ヨーロッパでは古来から神聖で美しい花とされて愛されてきたんですね。

それは日本でも同じで「万葉集」には26首も読まれ、枕草子にも「草の花は撫子、唐のはさらなり、大和のも、いとめでたし」とある。

現在、ナデシコと言えば女子サッカーの「なでしこジャパン」これは女性のしとやかさ、美しさをナデシコに重ねた「大和撫子」という言葉に由来する。

撫子とは「撫でし子」撫でたくなるような愛らしい花の意味。

カワラナデシコは育てやすい園芸品種も多いから、初心者でも安心(*´▽`*)

夏の暑さにさえ注意すれば植えっぱなしで毎年、年間通して花が楽しめるのも魅力です。

とはいえ、あまり寿命は長くない短命な多年草といわれています。

株が弱ってきたら新しい苗を購入して更新するといいですよ。

秋の七草も後半戦。次回はオミナエシです。

では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙








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