秋の七草って知ってる?萩(ハギ)の花 ~秋の七草1~

ハギ表紙
ハギ表紙

日本の秋を象徴する植物といえば何を思い浮かべますか?

日本には古来から「秋といえばコレ!」と決められた植物が存在します。

万葉の時代から日本人に愛されてきた『秋』を代表する植物『秋の七草』

参考リンク→:秋の七草・春の七草、違いと覚え方。

はぎのはな、おばな、くずばな、なでしこのはな、おみなえし、また、ふじばかま、あさがおのはな

山上憶良
やまのうえのおくら
  万葉集 一五三八 巻八)

1種類ずつ紹介していきます。

今回は「ハギ」

​ 秋の七草の筆頭、ハギって知っていますか?

万葉の時代、日本人に最も人気のあった花。

それが萩(ハギ)です。

なぜ人気があったのかがわかるかというと、万葉集に詠まれた植物の人気ナンバー1が萩なんです。

納められている約4500首のうたのなか、ハギがうたわれたその数142首!

ちなみに2番目以降は「梅」の118首、「松」の79首と続きます。


春の七草とちょっと違う、秋の七草

 ハギの名前の由来は、冬に地際から切っても春にははえてくる。

「生え木」が由来。

大きくしたくない場合は、落葉期の間に根元から切っておこう。

それでもいくらでも生えてくるくらい丈夫な木デス(≧▽≦)

七草、と言っておきながらしょっぱなから「」だけど(´・・`)

もともと、秋の七草は、春の七草に対して草と呼ばれるだけで、実際は秋の七種季節を感じさせる植物を読んだというのがはじまり。

万葉の時代には、草だ木だと細かい分類もなかったろうしね(=_=)

春の七草が食用で食べることで元気をつけることを目的としているのに対し、秋の七草は食べれません。

観賞して季節の移ろいを感じるためにお勧めの「秋に和歌に詠みたい植物7選!」みたいな感じです(^_^;)

ハギってどんな植物?

ハギはマメ科ハギ属(学名:Lespedeza)の落葉低木。

開花期は7月~10月。

正しくは「ハギ」という植物は存在しなくて、○○ハギというように多くの品種が含まれます。


落葉樹なので、冬にはすべて葉を落として棒だけになります。

萩の剪定は簡単。

地際から20cm程度のこしてバッサリ切ってしまいましょう(≧▽≦)

それでも次の年は地際から新しい芽がどんどん生えるので心配無用。

とは言っても冬にカラカラになるまで乾燥させちゃだめですよ( ゚Д゚)

鉢植えの場合は冬でも乾燥しない程度に水を与えましょう。地植えならほっぽいといて問題ないです(^_^;)

どこでも育つ丈夫な植物「ハギ」

どこで切っても春には生えてくるところから「生え木」それが転化して「ハギ」になったといわれています。

日当たりがよく乾燥気味の土地を好むので、新しく開けた土地などに最初に侵入する開拓植物です。

栄養の乏しい土地でも元気に生育できる秘密は、ほかのマメ科同様、根に肥料を作り出す微生物『根粒菌』を住まわせているから。

雑草のクローバーが栄養価もない土地にどんどん広がれるのもこの根粒菌との共生のおかげなんです(゚д゚)!

参考リンク→:四つ葉のクローバーの見つけ方・探し方。幸運をもたらす?花言葉と育て方もご紹介!

この『根粒菌』は空気から植物の成長に欠かせない窒素(N)を取り込んで固定し、肥料として利用することができるように変えてくれる便利な菌。

だから根粒菌のいる植物は、どんなやせ地でも日当たりさえ良ければよく育つことができるんです(≧▽≦)

花もきれいだから、日当たりさえよければほかの植物が育たないような場所に植えるのもいいかもしれないですね。

ハギの種類

「ハギ」という品種はないと書いたように、ハギには品種がいろいろあります。

花色も豊富って程ではないけどあります。性質はどれも大きくは違わないから、お気に入りの花を探してみましょう(≧▽≦)

ミヤギノハギ(宮城野萩)

宮城県に多く自生する品種。紫紅色の花。宮城県の県の花にも指定されている。

ダルマハギ(達磨萩)

比較的コンパクトにまとまる小型種。

ムサシノハギ(武蔵野萩)

武蔵野萩はミヤギノハギの紅紫と白花の交配品種。白地に紫赤絞りの大きい花が魅力。

リュウキュウハギ(琉球萩)

名前の通り、沖縄で栽培されている品種ですが、耐寒性もあるので南東北くらいまでなら他のハギと同じように栽培可能です。

エドシボリハギ(江戸絞り萩)

白とピンクの絞りの花が美しい(≧▽≦)

シロハギ(白萩)

名の通り、真っ白い花

「ハギ」だけど、萩じゃない?!

世の中には名前に「ハギ」とついているのに、ハギではない植物もあります(^_^;)

例えば「センダイハギ」「ミソハギ」が”偽ハギ”ですΣ(・ω・ノ)ノ!

センダイハギ

センダイハギは、ハギと同じマメ科だが、別属のセンダイハギ属に分類される宿根草。

ハギは樹木だが、センダイハギは草、宿根草。

花時期もハギは秋に咲くが、センダイハギは4~5月ごろの春咲きです。

センダイハギは仙台ハギ?先代ハギ?

センダイハギは東北、宮城の仙台以北で目立つことから「仙台萩」と呼ばれる。

ではなぜ「先代萩」と書かれることもあるのか?

これは仙台藩の伊達騒動を題材にした歌舞伎「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」に由来するといわれていますΣ(・ω・ノ)ノ

この歌舞伎では題材は伊達家の話でありながら、これを足利家の話に書き換えて演じられており、仙台でありながら仙台でない。

「先代」の名前で題目が付けられていることなどから、今でも漢字で書くと「先代萩」だったり「仙台萩」だったりするようです。

だからどっちでも間違いはないようですね。

宿根草では「パプテシア」として人気。

センダイハギは「パプテシア」の名前で宿根草として人気です。

宿根草ではムラサキ花のムラサキセンダイハギが多く販売されます。

性質はどちらも丈夫で、植えっぱなしでどんどん広がる丈夫な宿根草です(≧▽≦)

ミソハギ

ミソハギはハギとつくが、マメ科ですらありません(^_^;)

ミソハギはミソハギ科ミソハギ属の宿根草。

川沿いなどの湿地を好む植物です。

萩とは違って乾燥は好まない植物です。

生育旺盛だから、鉢植えだとすぐに水切れになるので夏は水を張った皿の上で越水状態で育てるようにするといいですよ(*'ω'*)

湿地でも育つので、ビオトープの素材としてもおすすめ。

花の少ない夏の時期にたくさん咲いてくれます。

精霊花とも呼ばれ、お盆の花としても利用されます。

ミソハギの和名の由来は、ハギの花に似ていて植物を”禊(みそぎ)”に使ったことから禊萩。

または溝に生えることが多いから溝萩から変化したといわれています。

あんこで包んだ和菓子は「おはぎ」?それとも「ぼたもち」?

実はおはぎと、ぼたもちは同じもの。

春のお彼岸には牡丹になぞらえて、牡丹餅(ぼたもち)

秋の彼岸にははぎになぞらえて、お萩(おはぎ)と呼んでいます。

時期によって名前が変わるって面白いですね(*´ω`*)

秋の七草シリーズ、

次回は尾花(ススキ)です(^^♪

 

では、よい園楽を~(。・ω・)ノ゙