まぼろしの花「ヒマラヤの青いケシ」を知っていますか?種のまき方・育て方

ケシの仲間には丈夫なものもあれば、非常に育てにくい幻といわれる品種もあります。
例えば、阿片が取れるケシ科ケシ属の ソムニフェルム種などはめったに見ることのできない花ですが、これはこの花に含まれる成分のために人間が規制しているからであって、植物そのものは丈夫で普通に良く育ちます。
しかし、今回紹介するケシはケシ科メコノプシス属の仲間。
これは普通に育てにくい(;_;)
高山性で暑さに非常に弱く、平地で栽培するのは非常に困難。
しかしその美しさから人気は高い。
ヒマラヤの高山に自生することから「ヒマラヤの青いケシ」と呼ばれ、まれに野草として販売が行われることがあります。
目次(*´▽`*)
高山でしか見られない幻の花「メコノプシス」

ヒマラヤの青いケシの名前で有名。
ヒマラヤの高山を始め標高の高い夏でも冷涼な地域に生育する植物。
特徴的なのはなんといっても「ヒマラヤンブルー」と呼ばれる透き通るようなブルーの花。
しかし、メコノプシス属すべてが青い花というわけではなく、黄色い花をつける仲間も見られる。
しかし、日本で流通する花はほとんどが青い花を咲かせる種類。
苦労して普通の花色を咲かせても面白くないですから仕方ない(^_^;)
暑さにすごぶる弱い!ヒマラヤの青いケシ
暑さに非常に弱く、25℃を超えると根が腐り枯死するといわれている。
そのため地植えで育てるには北海道や高山の冷涼地域である必要があります(゚Д゚)ノ
枯れないまでも、平地ではきれいなブルーが発現しないなど、かなり気難しい植物。
生産もかなり少なく、ネットでもほとんど流通することはない。
日本で流通するのは主に3品種くらい。
それも物好きな野草生産者が少量作るくらい。だからめったに開花株が流通することはありません。
メコノプシス・ベトニキフォリア
「ヒマラヤの青いケシ」の名前で最も多く流通するのがメコノプシス・ベトニキフォリア(学名:Meconopsis betonicifolia)
相当難しいけど、種も販売されていますね(; ・`д・´)
(2021年11月現在、販売休止中のようです)
一般的に 「ヒマラヤの青いケシ」のといえば大体このベトニキフォリア。
”ヒマラヤの”といわれますが、分布は中国雲南省北西部の高山地帯。
多年草で環境が合えば意外に丈夫で、毎年たくさん花を咲かせることも可能。
何種類かある青いケシの中では一番育てやすいといわれています。
メコノプシス・グランディス

メコノプシスの中でも最も大きな花を咲かせるメコノプシス・グランディス(学名:Meconopsis grandis)
その大きさは10㎝にもなるらしい。
こちらは正真正銘ヒマラヤの高山地帯に自生する多年草。
ベトニキフォリアと同じくらい丈夫で、まれに花屋さんに流通することもある。
メコノプシス・ホリドゥラ
メコノプシス・ホリドゥラ (学名;Meconopsis horridula)はメコノプシスの仲間の中でも最も標高の高い4000~7000mの地帯に自生する品種。
分布は中国~ヒマラヤまで広い範囲に生育する。
高山に上らなければ出会うことのできない幻の青いケシです(*‘ω‘ *)
全身に生えるトゲがスゴイ品種です。
ヒマラヤの青いケシの育て方
非常に日本での栽培条件は厳しい「ヒマラヤの青いケシ」いろいろ調べたけど、これだ!という栽培方法は見つかりませんでした(。-`ω-)
栽培方法についてはまだ研究段階。わかる範囲でまとめます(^_^;)
青いケシとは?
美しさと壮大さで知られるメコノプシス・ベトニシフォリア(青いケシ)は、幅8〜10cmの大きくて絹のようなカップ状の澄んだ青い花を咲かせる短命の多年草です。
直立した花茎に連続して印象的な花を6~7月の初夏に咲かせます。
毛の生えた楕円形の葉の基底ロゼット(株元から輪生して生える葉のこと)から花茎をのばし。 青いケシの花を咲かせます。
花は、種を作ったら枯れてしまうものも多いがベトニキフォリアや、グランディスは多年草のためうまく夏を越せれば毎年花が楽しめます。
ただし、今年花の咲いた株は枯れて周囲に子株が増えて世代交代するようです。
本州での栽培は夏越しがカギ

夏に25度以上の気温になると枯れてしまうといわれているので、東北以南の地域は夏越しの方法も工夫が必要です(。-`ω-)
良好な生育条件で育った場合は自己播種により、コロニーを作成します。
草丈は90~120㎝まで育つ大型の植物です。よく考えて植えましょう。
しっかり育てるには、こぼれ種で発芽した苗を根を切らないようにポットにあげて管理した方が安全です。
青いケシの種
まだまだ流通量の少ない青いケシ。
数年前はネットでなら販売もありましたが、現在販売店は見つけることができませんでした。
見つけられた中では唯一、北海道幌延町でふるさと納税の返礼品として『青いケシの種』を設定しています。
5000円程度と手ごろなので、ふるさと納税枠が残っている方は栽培にチャレンジしてみても面白いのではないでしょうか。
約20粒入っているようだ。
栽培の詳細は書かれていないから、自分で調べてくださいということなのかな?
青いケシ「種」のまき方
栽培方法の確立していない幻の植物のため、播種時期は6~7月と書かれていたり、真夏を除く2~5・9~10月と書かれていたりとまちまち。基本的に春か秋ならば発芽させることは可能なようです。
地域によっても管理が異なるからかもしれないが、北海道など夏を涼しく過ごせる地域では早春撒き。関東など夏が暑い地域は秋まきにした方が安心だと思われます。
青いケシは開花まで2年はかかるので、種からだと最低1回は夏を越さなくてはならないので、発芽させたとしても関東以西での栽培はかなり難しいかもしれません。
青いケシの春化(バーナリゼーション)
ヒマラヤの青いケシの種は寒さにあててから温める春化(バーナリゼーション)を行わないと芽吹きしにくい。
春化の方法としては、種を濡らしたキッチンペーパーでつつみ、野菜室で約一か月間冷やすという方法が有効です。
春化後、種まき用土に一粒ずつ間隔をとって蒔きましょう。
青いケシは好光性種子
青いケシはほかのケシの仲間同様、発芽するために光が必要です。
そのため種をまいた後、上に土はかけないようにしましょう。直射日光に当てる必要はないけど、雨の当たらない明るい場所で管理します。
上に土がかかっていないので乾燥しすぎないように管理します。
高温は厳禁なので、温度が18度以上にはならないようにも注意が必要。
種は2~4週間で発芽するので、本葉が2~3枚の時点で一株ごとに根を痛めないように栽培用の培養土に移植して育てましょう。
うまく育てると2年目の5月ごろに花を楽しむことができます。
青いケシの土・肥料
この植物は夏の高温多湿が苦手です。
水は好きなので、夏の涼しい湿潤な地でよくそだちます。
水はけよく水持ちのいい土壌を作ってください。
土壌の酸性度は、花の色に影響します。
土壌がアルカリ性であるほど、色は紫色に染まるといわれています。
花色はこのほか紫外線の強さも影響があるといわれており、まだまだ不明点も多い(^_^;)
肥料は基本的に好きなようです。春と秋は花用の肥料を与えることで生育がよくなります。
ただし、過剰な肥料は柔らかい株になり夏にカビやすくなるのも事実。基本的に有機質肥料を中心に、生育期に控えめに与えるのがいいようです。
まとめ
簡単にまとめれば、夏の暑ささえ何とかすれば育てられるということ。
関東以西で『夏に18度以下』にするのはなかなか至難の業。
栽培される方の中には6月ごろポット上げした苗を夏の間中冷蔵庫の中で管理する、なんて人もいます。
それでも成功率はそこそこ。やはり北海道や高山の冷涼な気候でないと難しい「まぼろしの花」なんですね(。-`ω-)
土は水はけがよければ普通の培養土や山野草の土でもよい。肥料は控えめに。夏涼しく。
このポイントを守ってぜひチャレンジしてください。
今回参考にさせていただいた栽培家さんのホームページもほとんどが数年前に更新が止まってしまっている(ノД`)・゜・。
現在でも栽培されているかた、情報あれば教えてくださいね(*'▽')
え?私は育てたことあるかって?
春に購入した開花株を開花させたことはありますよ!夏越しは・・・・・・まあ、そういうものです(^_^;)
新しい情報あれば、また更新していく予定です。気長にお待ちください。
今回参考にさせていただいたサイトのリンクをご紹介しておきますね。すごく熱心に研究されていてすごいですよ!
では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙
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