株元にまくだけの『殺虫剤』赤いオルトランと青いオルトランの違い

土にまくだけでアブラムシをはじめ、様々な虫を退治してくれる僕らのみかた!オルトラン!!
園芸をかじっている人ならだれもが一度は見たことのある農薬。
でも結構、理解していない人って多いんじゃないかな(;^ω^)
目次(*´▽`*)
オルトランは万能役ではありません(゚Д゚)ノ
ホームセンターの農薬コーナーに行けば山積みで並んでいることの多い「オルトラン」
その容量は1kgや1.6kg、中には農家向けの3kgなんかも販売されています。
株の根元に撒くだけで害虫予防できるため、人気の農薬ですがどうも過信し過ぎの方も(-.-;)
「オルトランさえまけば虫も病気も何でも治る٩( ''ω'' )و」そんな風に考えている方もチラホラ・・・
オルトランはあくまで「殺虫剤」病気には効きません!
今現在、根元にまいて病気を治す薬はありません。スプレー式殺菌剤を使いましょうね(;^ω^)
追記:ベニカXガード登場!
これまでは、地面に撒く殺菌剤はなかったのですが、住友化学園芸から『ベニカXガード』という商品が発売されました。
これは、地面に撒くだけで虫も病気も予防するという、今までにない農薬です。
しかしこちらもあくまで『予防』
すでに病気が発生している場合は効果は期待できません。
あくまで発生前の予防として利用しましょう。
ベニカXガードについては、以下の記事で紹介しています。参考にしてくださいね。
参考リンク:土にまくだけの殺虫殺菌剤ベニカXガードはホントに病気に効果あるの?
オルトランには高制限がある?!
また、意外と知られていないのですが、「粒状のオルトランには高さ制限がある」ということをご存じですか?
足元にまいたオルトランの薬剤が登れるのは、およそ100cm程度までといわれています。
パッケージには書かれていないけど、住友化学園芸の担当に聞いた話なので間違いないはず。
背が高い樹木や、つる性植物な場合は有効成分が先端までは届かないので、スプレー式や噴霧器によって散布する薬を併用する必要があります。
用法容量を守って正しく使用しましょう(;^ω^)
オルトランは使いやすいので、春になると害虫予防にオルトランを大量購入される方もいるのですが、「いったいそんなにどこにまくの?」と聞きたくなります(;^ω^)



上記はオルトラン粒剤のパッケージ背面の説明。
この説明書には、作物名 適用害虫名 使用量 使用時期 総使用回数 使用方法が記入されています。
農薬は何でも使っていいわけではなく、この説明に書かれている植物に、適切な時期に、適切な回数までしか使ってはいけないんです(゚Д゚)ノ
オルトランの場合、一部抜粋すると、
花き類・観葉植物 アブラムシ類、 アザミウマ類 3~6g/㎡ ヨトウムシ類 6g/㎡ 発生初期 5回以内
このようになっています。
つまり、
- 花や観葉植物に使う場合の規定
- 効果がある害虫は「アブラムシ」「アザミウマ」「ヨトウムシの仲間」
- 1mx1mの範囲に、1回最大でも6gまでしか使用してはいけない。
- 効果があるのは被害の初期まで、
- 上記の使用方法で、年間5回までしか使ってはいけない。
ということです。
鉢植えだったら、それこそ1回の使用量は1~2gで十分。
仮に1mx1mの花壇で使用する場合を考えると、6gを年5回、30gあれば十分なんです。
逆に1kgで1年使える総面積を考えると、1000g÷30g=33.3平方メートル、約10坪!
すげー(''Д'')結構な面積だと思うのだけど、まあ、広いおうちは広いからねぇ(;´・ω・)
詳しくは住友化学さんのホームページにオルトランの使用注意事項へのリンクがあるので、使用方法をよく読んでください。
適当な農薬散布してませんか?
まあ、この規定量を守って散布している人はかなり少数でしょう(;^ω^)
だいたいは適当にパラパラ。
ひどいと土俵入りみたいにむんずとつかんで、どばーッ!って方も多いのでは?
でもこれって、「農薬」ですから、規定量や時期を守らないと、薬が残留して「残留農薬」となる場合があります。
比較的安全性の高いオルトランですが、もちろん毒。
使用法容量は正しく使いましょう(≧▽≦)
また、「使いすぎ」による弊害はこれだけではないのです。
害虫の農薬抵抗性

かれこれ30年も販売され続けているオルトラン。
薬害抵抗はつきにくい剤だと言われていますが、これだけ日本中でばらまいていたら中には抵抗力を持つ虫も生まれてきます。
抗生物質に抵抗力を持つ菌が問題になるように、害虫もオルトランが効きにくい虫も発生し始めています。
薬剤の仕様は容量を守り、またたまには別の薬剤を併用して抵抗力を持たせないようにすることが重要です。
いろいろあるオルトラン
大人気のオルトランには、いろいろな種類があります。
おなじ『オルトラン』の名前でも、使い方が違ったり、使える植物に違いがあったりします。
それぞれの注意事項をよく確認して、正しく使うようにしましょう。
オルトラン粒剤

オルトランといえば、この赤いパッケージ。
袋入りの1㎏サイズが有名ですが、下記のような200g入りボトルもあります。
先に説明した通り、意外と使用料は少なくて構わないので、鉢植えだけの場合やお庭が狭い場合はこちらでも十分。
ただし、値段は袋入りとほとんど変わりません。
この入れ物が結構高いらしい"(-""-)"
ササッと手を汚さずに使えるのは利点。
大袋のほうがお得と思っても、オルトランの使用期限は最長でも3年程度。欲張っても使いきれませんよ。
期限が切れたからといっていきなり効果がなくなるわけではないけど、農薬はできるだけ期限内に使い切るように心がけましょう。
一般家庭用サイズは200g(ボトル)・650g・1kg・1.6㎏があります。
多くの農薬の中でも、この『赤いオルトラン』は適用作物が非常にたくさんあるので、いろいろなものに使用したい場合はおすすめです。
オルトランDX粒剤
上で紹介した赤いパッケージの顆粒状のものが中心ですが、最近はこんな青いパッケージのオルトランもあります。
ナニが違うかといえば、オルトランの主成分「アセフェート」にもう1剤、ネオニコチアナ系殺虫剤の「クロチアニジン」が配合されているんです。
これにより、オルトランが効きにくい害虫にも対応。よりしっかりと防虫できるようになっています。
ただし、適応作物(薬を使える植物)の種類は赤いパッケージに比べると極端に少ない。
野菜はナス・キュウリ・トマト以外の野菜には使えません(''Д'')
注意して使用してくださいね。
特に土の中で根をかじる「コガネムシの幼虫」に効果があるのはこちらの青いオルトラン。
バラ栽培されている方などはコチラがおすすめですよΣ(・ω・ノ)ノ
オルトランC
続いて「オルトランC」スプレータイプでワンプッシュでスプレーできて簡単(^o^)
これは持続性殺虫剤オルトラン+速攻殺虫剤スミチオン+殺菌剤のサプロールの配合剤。
豪華スペシャルメンバーって感じ(≧▽≦)
殺菌剤がはいってるから、これ一本で病気もOK。
バラなどにいいですね(*^^*)
オルチオン乳剤
薄めて使うなら殺菌剤は入ってないが、オルトラン+スミチオンのオルチオンもあります。
速攻殺虫と予防の効果!
オルトラン液剤と水和剤
もちろん、オルトランだけの希釈用原液もあります。
液剤(ボトル)と水和剤(箱)がありますが、成分はおんなじなのでどちらでも構いません。
ただし、同じ成分でも使用できる植物が違うので注意が必要、液剤のほうが使用できる植物が少ないので、水和剤を使う方が便利ですよ。
小分けになっていて、1リットルに1袋を溶かすだけ(^^♪
あ、展着剤(薬を植物に付着しやすくする接着剤みたいなもの)は必ず入れてくださいネ。
何故違うかといえば、単にメーカーが国に許可を取っていないから。
薬の許可のための申請ってすごくお金かかるらしいんですね。メーカーがケチったのかな?
オルトランに代わる薬
オルトランの欠点。
それはすごく臭い!ということ。
お庭はともかく室内では使いたくない。
農薬の中には、においのきついものが多いので注意したいところ。
スプレー剤のにおいについては、体を張って比較した記事があるので参考にしてくださいね。
参考リンク:臭くない農薬はどれだ?!スプレー悪臭選手権
オルトランと同じように粒剤で株元にまくだけ、という農薬で悪臭の少ないものも存在します。
スターガード粒剤
これはMC緑化から販売されている殺虫剤。
使い方はオルトランと同じ、まくだけの殺虫剤。
仕様作物も広いので、野菜もいろいろ適用があります。
そして臭くない!室内で使ってもにおいがそれほど気になりません。
ベニカxガード
冒頭の追記で紹介した、オルトランに変わる新しい粒剤殺虫剤。
においはほとんどないので、お部屋の観葉植物などにも使用できます。
ただし、注意する点が一つ。
それは主成分の『クロチアニジン』使いすぎ問題。
使用説明書を見ると、ベニカxガードの使用回数制限以外にも、「クロチアニジン」の総使用回数制限があります。
現在販売されている住友化学園芸の殺虫剤のほとんどに、この「クロチアニジン」が配合されています。

これらの農薬は、その作物に使用する際、合計で使用回数を守らなくてはいけません。
「違う薬だから大丈夫だろう」と思ったら、成分はほとんどおんなじだったなんてことにもなりかねません。
ベニカxガードを使用した際に合わせて使用するスプレー剤は、クロチアニジンを含まない殺虫スプレーを選ぶようにしましょう。
一例としては上記のようなスプレー剤。
わからなかったら購入時店員さんに相談しようね('ω')ノ
まとめ

薬は使わないに越したことはないですが、やっぱり害虫対策にはあったほうが便利です。
基準を守って使えば、十分に安全性を確認されている薬です。
正しく使ってきれいにお花を咲かせましょうねヾ(≧▽≦)ノ
では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙
“株元にまくだけの『殺虫剤』赤いオルトランと青いオルトランの違い” に対して6件のコメントがあります。