バラの黒い斑点!黒星病の対処法。病気を発生させないための対策と薬の紹介
香りがよく豪華なバラの花はガーデナーの憧れ( *´艸`)
でも、実際に育てるとなると、ちょっと躊躇してしまう、その原因は病害虫が発生しやすいということ。
最近は耐病性の強い品種も多くなっているけれど、それでも無農薬栽培では難しい場合も多い。
ロザリアン(バラ好きの人々を尊敬を込めてこう呼びます(≧▽≦))がバラ栽培で特に困る病気が『黒星病』
うどん粉病と並び、バラを栽培するうえで避けては通れない強敵です。
今回はそんな『黒星病』の対策と、病気にかからないためのポイントをご紹介します(≧▽≦)
目次(*´▽`*)
バラの黒星病?黒点病?
バラの葉に発生する病気、「黒星病」や「黒点病」などと呼ばれることがありますが、正確には『黒星病』
名前の通り、葉に黒い斑点が発生します。
点、というよりは”黒いしみ”のように、紙に墨をにじませたように現れるのが特徴。
斑点が発生した葉は次第に黄色く変色し、最後にははらりと落葉してしまいます。
黒星病は必ず下の葉から発症する
バラが黒星病にかかってしまった場合、発症するのは必ず一番下の葉からです。
これは、病気の原因となる菌が地面にいることが原因なんです(゚Д゚)ノ
黒星病の感染経路を紹介
- 前年に病気になったバラは、菌をたくさん含んだ病気の葉を地面に落とします。
- 菌は土に移動し、冬を越します。
- 春、バラが新しい葉を展開すると、雨や水やりの泥はねに乗って一番下の葉に感染します。
- 感染しただけでは病斑は出ません。夏に向けて葉の中で菌を増殖させていきます。
- 梅雨時、雨が多くなるころ、最初に感染した葉の中は病原菌でいっぱいになっています。
- 葉には黒い斑点が現れ、雨の水はねや風で揺れることによって直接接触で上の葉に菌を広げます。
- これを繰り返し、下からどんどんと葉を落としていきます。
黒星病の発症を予防する秘策
このように、黒星病は地面から感染することが多い病気です。
逆に言えば、ここからの感染を防ぐことで初期の発症を予防することができるんです。
方法としては、泥はねを防ぐマルチングがあります。
ヤシのマットをひいたり、ヤシガラの炭で覆うのがおすすめです。
お勧めしないマルチング
黒星病予防に有効なマルチングですが、あまりお勧めしない素材もあります。
バークチップ
木のチップを原料としたマルチ材です。
見た目は素敵なのですが、チップは天然素材のため腐敗が早く、土と同じように病原菌の温床となる可能性があります。
アリや不快害虫が住み着く可能性もあるので、病害虫予防という面ではあまりお勧めしません(。-`ω-)
くん炭
ヤシガラの炭よりもかなり安価で利用できる炭の土壌改良材ですが、籾殻が原料のため非常に軽い。
マルチングに敷いても風が吹くとほとんど飛んで行ってしまいます。
土に混ぜて使用するには有効ですが、上にまくだけではあまり効果が期待できません(^_^;)
黒星病を農薬で効率的に予防する方法
物理的に感染経路を遮断するのが、「マルチング」
より確実に感染を防ぐために、科学的にも予防を行いましょう。
バラの黒星病の予防薬はいろいろな薬が販売されています。予防としておすすめなのは「ダコニール」です。
ダコニールは、すでに発生してしまっている病気に対しての効果は薄いですが、予防薬としては長期間(約一ヶ月)優れた予防効果を発揮します。
1000倍に希釈して『ダイン』などの展着剤を入れて散布してください。
黒星病予防、薬の散布時期は?
以前、石灰硫黄合剤という強力な殺菌剤が使用できた時は真冬の休眠期に散布すればよかったのですが、現在は家庭用の石灰硫黄合剤は事実上販売が禁止されています。(詳しくは過去記事を参考にしてください)
石灰硫黄合剤に変わる予防薬が『ダコニール』ですが、石灰硫黄合剤ほど強力に長期間の予防効果は期待できないため、病原菌がバラに感染する直前を狙って散布するのが効果的。
つまりは、新しい葉が展開する直前(2月末~3月初旬)です。
ポイントは、葉が展開する前に新芽の展開を待っている病原菌を退治してしまうこと。
目に見えなくても、昨年から越冬した菌が新芽の発生をいまかいまかと待ち構えているんです。感染をさせないことが最重要です。
黒星病予防のための農薬散布のポイント
今まで書いてきたように菌は地面で越冬しています。
予防のための農薬散布は葉が展開しる前に、枝と地面をしっかりと殺菌することが重要。
葉が展開する前は、むしろ土の表面の殺菌のほうが、幹の殺菌よりも重要だったりします。
毎年発生がひどい場合は、株元の土厚さ数センチを入れ替えるのも有効です。
殺菌処理を行ったうえで、さらにマルチングを施しておけば、より安心です(≧▽≦)
葉が展開してからは一ヶ月おききに予防散布を続けることで、きれいな葉を維持することができます。
すでに黒星病が発生してしまった株の対応
どんなにしっかり予防しても、病気が発生してしまうことがあります(。-`ω-)
すでに病斑が発生している株はどうすればいいか、対策を紹介します。
まだ葉はたくさんあり、一部病斑がある株
下の葉に病斑が出始めたばかりの株の場合、病徴の出ている葉はすべて取り去ってしまいましょう。
罹患葉を残しておくと、そこからさらに病気が広がってしまう危険性があります。
バラの株全体的にも風通しを良くし、念のため薬剤も散布して様子を見ます。
薬はダコニールを予防で使っていたのなら、別の殺菌剤に変更するのがおすすめです。
バラ専用の殺菌剤『サルバトーレME』や昔からバラに使用されている『サプロール』がおすすめです。
農薬を噴霧する際は、葉の表面よりも裏面を重点的に散布することで効果的に防除することができます。
真夏でなければ追肥で株の勢いをあげることもおすすめです。
ただし、窒素分の多い肥料(粉の油かすなど)は葉を柔らかくして病気への抵抗力が下がる危険性があります。過剰に与えることは避けるようにしましょう。
病気が進行してほとんど葉がない場合
触って落ちるほど黄変した葉、元気そうでも斑点が出ている葉は落としてしまいましょう。
一枚も葉がなくなってしまっても、安心してください。ほとんどの場合回復できます。
落とす葉をすべて落とし、株元もきれいに掃除したら株全体にしっかりと薬を散布します。
予防でダコニールを使用していたのなら、上と同じようにサルバトーレやサプロールを使用しましょう。
葉は栄養を作るのに重要な機関です。
バラはほとんどの場合、すべての葉を落としてしまっても新しい葉は出てきます。
しかし、病気の発生と落葉を繰り返すと、もちろん株には大きな負担がかかることになります。
薬で病気の発生を抑えながら、新しい葉を展開させて株を消耗させないように努めましょう。
葉が少ない場合は、肥料の吸収が弱っているので追肥は逆効果になります。
株の回復を高める『メネデール』などを使用して株が回復するまで追肥は控えるようにしましょう。
本数が少ない場合、スプレータイプの薬品がオススメ
ダコニールやサプロール、サルバトーレなどの薬品は1000倍などに希釈するのでたくさんの量ができてしまいます。
一度水で薄めた薬品は保存しておくことができないので、その日のうちに使い切りましょう。
バラの本数が少ないうちは、むしろ、そのまま使えるスプレー剤のほうが結果的に経済的だったりします。
住友化学園芸では、バラに特化したマイローズシリーズを展開しているので、初心者の方、鉢植えが中心の方はそろえておくと安心です。
薬品は同じものを使い続けることで、病気に抵抗力が発生します。
できるだけ2種類以上の薬を交互に使うようにしましょう。
マイローズシリースは10周年
バラの薬品と肥料の人気シリーズ、住友化学園芸の『マイローズシリーズ』はなんと今年で10周年。
現在、住友化学園芸では2023年5月31日まで、10周年記念プレゼントキャンペーンが開催中です。
公式サイトURL:https://www.sc-engei.co.jp/sp_contents/en/2023/myroses/
ローズクリエイター木村卓功氏とのファンミーティング参加の権利や、各種プレゼントが当たるキャンペーンが開催中。
バラ好きならぜひ参加してみてはいかがでしょうか?
詳細は公式ホームページをご覧ください。
まとめ
黒星病はバラの大敵。発生してからではなかなか難しいので、まずは予防できるように管理しましょう。
品種によってかかりやすいもの、丈夫なものがありますが、まずは健康な株を作るのが何よりの予防になります。
もし発症してもご心配なく。
黒星病でバラが枯れることはほとんどありません。
万が一すべての葉が落ちたとしても、秋には回復するので、肥料や水やりも控えて半日陰で養生しましょう。
秋にはきっと回復してくれるはずですよ(・ω・)ノ
文章だけで分かりにくい場合は、実践を合わせて説明した動画がyoutubeで紹介されています。
きっちり対応して黒星病を退治しましょう(=゚ω゚)ノ
では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙
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