家庭菜園でも簡単栽培、おいしいトウモロコシの育て方
夏の野菜の代表種「トウモロコシ」( *´艸`)
実は世界で生産される穀物の中で、もっとも多いのがトウモロコシなんです。
その生産量は年間10億トン以上!
小麦(7.4億トン)、米(4.8憶トン)を抑え、最も生産量の多い穀物です。
栽培も比較的簡単なので、家庭菜園での栽培も盛ん。
しかし、トウモロコシを栽培するのにはちょっとしたコツがいるんです。
そこで今回は、『家庭菜園でもできる!高品質なトウモロコシの育て方』を紹介します。
目次(*´▽`*)
トウモロコシを育てよう!
トウモロコシは比較的簡単に育てられる野菜です。
ただし、栽培にはちょっとした”コツ”があるんです。
まず最初に必ず押さえておきたいポイントを紹介しておこう。
トウモロコシ栽培の重要なポイント
- 4本以上をまとめて植え付ける。
- 違う品種は一緒に植えてはいけない。
- 追肥で大きく育てる
- 1本から収穫できるのは1個
この後、詳しく紹介していくよ(=゚ω゚)ノ
トウモロコシはタネから育てよう!
園芸店では野菜苗の一つとして、ポット植えのトウモロコシが販売されることもあるが、あまりお勧めしない。
基本的にトウモロコシは『種から育てる』と考えておこう。
トウモロコシ栽培は基本的に複数をまとめて育てることになるので、種から育てるほうが絶対的に効率がいいのだ。
また種からのほうが、種類もいろいろ選べるよ。
種まき時期
トウモロコシの種まきは、一般的には4~5月がいいとされています。
4~5月に種をまくと収穫はだいたい90日後、7~8月ごろ。
この時期以外にも7~8月に種をまき秋に収穫する「抑制栽培」という方法もあります。
難しそうな名前ですが、単に種まきを遅らせて遅く収穫するってだけ(^_^;)
関東以南の地域なら普通に問題なく栽培できるはず、東北以北は抑制栽培向きの種を選べば大丈夫。
でも、やっぱりトウモロコシと言えば『夏』のイメージですよね。基本的には春から栽培すると覚えておきましょう。
『トウモロコシの苗』から育てるんじゃだめなの?
野菜苗として『トウモロコシのポット苗』も販売されるけど、おすすめしません!
なぜかというと、トウモロコシは1本では実付きが悪い。
どうしても4本以上を近くに植える必要があります。
(苗は横1列ではなく、2列にしてお互いの花粉がきちんとかかるように育てるのもポイント)
もちろん、苗から育てても構わないけど、種に比べるとかなり割高になります。
1ポットは200~300円はするから、4本も買ったら1000円近くかかります(; ・`д・´)
種子なら美味しい品種を買っても500円程度。10本以上は育てられますよ。
トウモロコシの種をまこう!
トウモロコシの種まきはポットで苗を作る方法と、畑に直播する方法があります。
トウモロコシのポット栽培
ポット栽培の利点は、温度をかけることで早く栽培がスタートできることと、簡単な保護で種を鳥に食べられることから守ることができます。
(ただし、トウモロコシはそれほど寒さに強くないため、最低気温で10度以下になる場合はしっかりした防寒が必要です。)
手間はかかりますが、確実に苗を育てることができるのでおすすめ。
種まきの方法は、ポットに3粒ずつの種を撒いて、苗を作ります。
- 育苗用のポットに、種まきの土を入れます。
- 中央に1㎝ほどの穴をあけ3粒ずつまきます。土は種子が隠れるくらいかけます。
- 土が乾燥しないように、しっかり水をかける。
- 3~4週間後、高さ15㎝まで育ったら畑、またはプランターに定植します。
この時、3本の苗は間引かなくても大丈夫。
根を痛めないよう分ければ、3個の苗として使うことができます。直播した場合は間引きをして1本だけを育てるようにしましょう。
トウモロコシの直播栽培
苗づくりが面倒ならば、直接畑に種をまくことも可能です。
この場合、種まきの1週間前までには土づくりを終わらせておきましょう。(土づくりについてはこの後解説しています)
- 土づくりを終えた畑に幅90㎝ほどの畝を作ります。
- ビニールマルチをしておくと、地温上昇・雑草防止などの効果がありおすすめ
- 30~50㎝の株間を取って、1穴に3粒ずつ種をまきます。
- 直播の場合、種子を鳥に食べられないように注意しましょう。
- 高さ10~15㎝(本葉2~3枚)に育ったら生育の良い1本を残して間引き。ほかは地際から切り取りましょう。
ポイント①「なぜ3粒まとめて撒くの?」
ほかの野菜もそうだが、種はまとめて撒いた方が苗の生育がよくなります。
ぼくは「大家族効果」と呼んでいるのですが、一人っ子より兄弟が多い方が競いあって強い子が育つ。みたいな感じです(^_^;)
ポイント②「時期をずらして長く楽しむ」
トウモロコシは播種から約90日で収穫になります。
一度に実っても食べきれないようなら、種まき時期をずらすという方法もあります。
種まき時期を2週間ずらせば、花の開花時期もずれるので、違う品種を栽培することもできます。
またこの方法を使えば、2品種以上を近い畑で栽培することもできるよ。
ポイント③「トウモロコシは鉢で栽培できる?」
栽培は可能。
しかし、2mにも育つトウモロコシを育てるにはたくさんの土が必要です。
栽培するには野菜用の大型プランターを用意しよう。目安は1本あたり15L程度の土が確保できる大きさの鉢を利用するのがおすすめ。
畑がなくてもプランター栽培が可能なので、ぜひ挑戦してみてくださいね(*'▽')
トウモロコシを定植しよう!
トウモロコシは日あたりさえしっかりしていれば、それほど土を選ばない。
とはいっても、もちろん土は肥えているに越したことはない。
栽培前には苦土石灰やたい肥で、しっかりと土づくりをしておこう。
プランター栽培の場合は市販の野菜の土でOKだ。大型に育つのでできるだけ土の容量の多いものを用意しよう。
プランター栽培でも、しっかり授粉できるように4本以上を近くで育てることもポイントだ。
畑への定植
トウモロコシは自分の花粉では授粉しない性質があります。
そのため、4本以上の苗を育てて、別の木の花粉をつけてやる必要があります。
人工授粉を行うのが一番確実だが、自然状態でも花粉がまんべんなく降りかかるように、トウモロコシは2列植えで育てるのが基本です。
ポイント④トウモロコシは風媒花&雌雄異花
トウモロコシは雌雄異花の風媒花。
つまり、♂と♀の花が別に咲いて風によって運ばれるということ。近くにあるほど受粉する確率があがるります。
横一列で栽培すると、端まで花粉が届かない場合があるので、2列で栽培する必要があるんです。
ポイント⑤ヒゲ1本が、1粒につながっている
トウモロコシは一番上に雄花が咲き、その下に果実が実る雌花が咲きます。
雌花からは”ヒゲ”が生えています。実はこの”ヒゲ”の一本一本が、トウモロコシの実一粒一粒につながっています。
そのため、花粉がまんべんなく”ヒゲ”にかからないと、熟したとき”歯抜け”状態の実になってしまうんです。
通常は花粉が風によって下に振り落とされて受粉が行われますが、確実に実をつけるなら人工授粉がおすすめ。
花が咲いた雄花を切り取って、雌花のひげにまんべんなくかかるように振りかけてあげましょう。
人工授粉を行わない場合は、たくさんの雄花があった方が確実。
そのためにもトウモロコシはまとめて植える必要があるんです。
ポイント⑥トウモロコシは違う品種を一緒に育ててはいけない!
いろんな種類のトウモロコシが食べたい!
この場合は注意が必要です(゚Д゚)ノ
トウモロコシは他品種の花粉で容易に雑種化します。
雑種化したトウモロコシの果実はもとの品種とは違うものになり、本来のおいしさを味わえなくなる可能性があります。
いろいろな品種を育てる場合は、それぞれの品種ごとに4本以上の苗を用意して近くに植えて、別の品種は花粉がかからないように離れた場所に植えましょう。
どのくらいかというと、100メートル(´゚д゚`)
とてもじゃないけど家庭菜園で離せる距離ではありません( ;∀;)
だけどあきらめるのはまだ早い。
物理的な距離が難しければ、時間的距離を離せばいい。
植え付けの時期を約2週間ずらすと、花の時期がずれるので他の花粉がつきにくくなります。
この時先に咲いた雄花は受粉が済み次第切り取ってしまうようにしましょう。
これで近くても別のトウモロコシが作れますよ( ^ω^ )
近年は様々な品種が販売され、人気急上昇中。
色々育てたい場合は注意しましょう。
トウモロコシは追肥で育てる
トウモロコシはスゴイ肥料食いです。
しっかり育てるのには追肥が欠かせません。肥料のタイミングを見逃さないように注意しましょう(=゚ω゚)ノ
草丈40~50cmの時1回目の追肥です(`・ω・´)
この時「土寄せ」も行います。
トウモロコシは150㎝以上と大型になるため土を寄せて株元をしっかりする効果があります。
この時期に実の準備をしているので、ここでしっかり育てておくと実が大きく粒もたくさんのトウモロコシができます(*´ω`*)
先端に雄の花が見えたら2回目の追肥ですΣ(・ω・ノ)ノ
この後1週間で雌花から”ひげ”が伸びてきます。
大切な受粉の時期に最高の状態になるように追肥と土寄せをしっかり行います。
このころ分げつといって、脇芽が出てくることがありますが、これは切らなくてOK。
葉の量が多いとそれだけ光合成が盛んになるので残しておきましょう。
ひげが伸びたら受粉です(`・ω・´)
ひげが伸びるころ、先端の雄花も花粉を放出し始めます。
トウモロコシは自分の花粉では受粉しずらい性質があるので、ほかの株の雄花を切って人工的に受粉させましょう。
人工授粉を行うことで風任せではなく、しっかりとすべての実を膨らませることができます。
雄花はそのままにしておくと、害虫の『アワノメイガ』が寄ってくるので、受粉が終わったら切り取ってしまいましょう。
コンパニオンプランツとして近くで枝豆を育てると害虫が寄り付かなくなるともいわれています。
トウモロコシの苗1本から実は何個とれる??
こんなに大きく育ったトウモロコシの苗、この1本からとれるトウモロコシの実は・・・
1個だけです(゚Д゚)ノ
そうなんです、トウモロコシ、実は家庭で作るにはかなり効率の悪い作物(^_^;)
こんなに大きいのに基本、1本から1果しか収穫しません。
ほかにも雌花はつきますが、これはひげが出る前、小さい内にかき取ってしまって「ベビーコーン」として食べることができます。
最終的には一番上の果実一つだけを残して収穫します。
収量は少ないが甘いトウモロコシを食べるためには仕方ない(。-`ω-)
手はかからないので、場所さえあればたくさん育てることができます。
ひげが茶色くなったら収穫(≧▽≦)
ひげが茶色く縮れてきたら収穫の合図。
不安なら皮をむいて中を確認して収穫しよう。実った果実を下に倒すように折ると簡単に収穫できます!
収穫したら早めに召し上がれ!!
トウモロコシの甘さは時間とともに減っていく!
最も気になるのはやっぱり一番おいしい食べ方。
野菜はそれぞれ『いつ食べるのが一番おいしいのか?』が研究されてきました。
収穫から少しおいたほうがいいサツマイモのような物もありますが、とうもろこしの場合は収穫したてが一番!
もぎ取ったその瞬間から甘みの元である糖度はどんどん下がっていきます。
一日で糖度が1~2%も下がるといわれています。
八百屋さんで購入するトウモロコシはどんなに早くても1日は経過しているのでそれだけおいしさをロスしてしまっているわけです(゚Д゚)ノ
収穫してすぐに食べられるのは家庭菜園で作った人だけの特権(≧▽≦)
もぎたてを味わったらもうお店のトウモロコシでは満足できないかも。
最近のトウモロコシは、もぎたてなら生で食べられるほどおいしいんですよ~
すぐに食べられない場合は冷凍保存がおすすめ。
皮をむいてからサランラップで密封。冷凍保存することで約1か月は取れたてのおいしさを保存できます。
ゆでてから?生のまま?どっちが保存に向く?
これはどちらでもそれほど違いはないようです。
解凍してすぐに使うのなら一度茹でてから熱いうちにラップでくるんで冷凍するのがいい。チンすればすぐ食べれますね(≧▽≦)
やっぱりおいしいのは焼トウモロコシ
お祭りの定番、焼トウモロコシ( *´艸`)
ついでなので美味しい焼トウモロコシの作り方もご紹介。
- トウモロコシの皮、ひげを取ってからグリルで全体に焼き目がつくまで焼く。
- 醤油(大さじ1)、みりん (大さじ1/2) 、甘めが好きなら砂糖 (大さじ1/2) を混ぜ1にハケで塗る。
- 繰り返し塗って、焦げ目がついたら出来上がり( *´艸`)
個人的には甘じょっぱいたれが好きです(*´ω`*)
トウモロコシの品種紹介
近年は色々なトウモロコシが販売中。
お店ではなかなかお目にかかれないような品種もいろいろ。お気に入りを見つけよう(≧▽≦)
スイートコーン
通常栽培されるトウモロコシはほとんどコレ。
人間用の食用品種として改良され、みずみずしく甘い。
近年は生で食べてもい美味しい品種も登場している。
デントコーン
スイートコーンでわざわざ『人間用』と書いたのは、栽培されるトウモロコシの約7割は人間ではなく、牛豚鳥などの飼料用として利用されているから。
そしてその原料に利用されるトウモロコシがこのデントコーン。
成長過程で糖分がでんぷんに代わってしまうので、そのまま食べてもおいしくない(;´∀`)
人間用としては、そのでんぷんから作られるコーンスターチとしての利用があります。
デントコーンの畑の近くでスイートコーンを育てると、花粉が付着して甘くないトウモロコシになってしまうので注意!
ふつう一般販売されることはない。
ポップコーン
お菓子のポップコーンを作る専用品種。
粒の皮が非常に硬いのが特徴で、他のトウモロコシは乾燥させてもポップコーンのようには膨らまない。
逆に、普通に食べても硬くておいしくない・・・
稀に種や苗が出回るけど、ポップコーン用のトウモロコシをわざわざ育てるより、ポップコーン用に収穫されたものを購入したほうがいいと思います。(;´∀`)
ワキシーコーン(もちモロコシ)
もちもちとした食感のあるトウモロコシ。
日本でも古くから食べられてきた在来種。真っ黒な実で見た目にもインパクトがある。黒のほか白・黄色・紫などもある。
スイートコーンに花粉が付着すると、実がまだらになってしまうので注意。
まとめ
以外に栽培簡単なトウモロコシ。
温度と日当たりがあればよく育ちます。
連作障害がほとんどないので、毎年同じ場所で栽培できるのもいいですね。
取れたてのトウモロコシは生でも食べられるほどにみずみずしくジューシーで甘い!
家庭菜園ならではの特権をぜひ味わってください。
では、皆さまよい園楽を~~~(≧▽≦)
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