人気NO1ハーブ『ラベンダー』うまく育たない原因は品種選び?誰でも上手に育てるコツ
ガーデニングの中でも人気のジャンル「ハーブ」
園芸植物の中では比較的手をかけなくてもよく育ち、なおかつ料理やお茶、ポプリなど、生活の役に立つものが多い。
お庭をきれいに彩ったうえ、生活に役立つなんて一石二鳥ですね(≧▽≦)
その中でも人気No1ともいえるハーブが『ラベンダー』
北海道富良野のラベンダーは有名ですよね( *´艸`)
でも、「うまく育たない」「毎回枯らしてしまう」「育っているけどボサボサ」など、失敗の多いハーブでもあります。
今回はラベンダーをうまく育てるコツと、簡単な管理方法を説明します!
ハーブ参考リンク→:ハーブとは?ハーブの秘密とハーブティ
目次(*´▽`*)
ラベンダーってどんな植物?
『ラベンダー』という言葉を聞いたことがない人はいないんじゃないかな。
ラベンダー色などと言うように色の表現として使われるように、紫の花をつける香りのいいハーブ。
これは園芸をやらない人でも知らない人は少ないでしょう(^_^;)
植物としての「ラベンダー」を知らなくても、入浴剤や香料でも使われる香りとしては一度は嗅いだことがあるはず。
でも、その元となる植物のことってなると、結構知られていないんです。
ラベンダーはシソの仲間
ラベンダーは分類としては、
シソ科ラヴァンドラ属(ラベンダー属、Lavandula)の半木本性植物
に分類されます。
そうなんです。
ラベンダーはシソであり、「木」なんです(゚Д゚)ノ
だから、手入れもしないでほっておくと…
デカい~(@_@。
株張りは2m近く、一株でもかなりの大きさに成長。
コンパクトに育てるためには刈込剪定が必要になってくるんです。
基本は花が終わる前に、早めに花を切り取って株を休ませます。
切り取った花はドライにしてポプリやハーブティに利用できます。
参考リンク→:日本古来のハーブ「シソ」
全てのラベンダーがハーブティに利用できるわけではありません。
一般的にティーに利用されるラベンダーは「イングリッシュラベンダー」「コモンラベンダー」と呼ばれる仲間。
ラベンダーには多くの品種があり、中にはお茶には向かない品種もあります。お茶に使うことを考えているなら品種を購入する際にお店の人にお茶として利用できることを確認してから購入するようにしましょう。
この後は、いろいろあるラベンダーの種類と、選び方について解説します(≧▽≦)
ラベンダーはいろいろあるんです
ラベンダーの歴史は古く、古代ローマ人が洗濯に用いたり、浴用香料として疲労回復に利用したという話もある。
名前も「洗う」という意味のラテン語 lavo やlavare から来るともいわれる。
まあ、古くから利用されているので正確なところはまだ不明らしい。
そんな古くから人間に利用されているラベンダー。
交雑しやすいこともあって利用される品種も様々。
細かく分けると大変なので、現在日本で多く普及しているラベンダーを大雑把に『5つのグループ』に分けて紹介しましょう(*'▽')
イングリッシュ系ラベンダー
Lavandula angustifolia
「ラベンダー」と聞いて一番に思いつく、代表的な姿のラベンダー。
北海道富良野で有名なのもこの仲間。
特徴は強い香りと耐寒性。
北海道でも元気に冬を越せるほど強い(@_@。
その分夏の暑さと群れにはめっぽう弱く、風通しよく育てないと下葉が丸坊主になってしまいます(^_^;)
品種も豊富で白花やピンクなんかもあります。
薬効成分が豊富でポプリなどにもよく使われる品種群です。
基本色の紫以外にも、ピンクや白もあります。
おすすめの地域: 夏涼しい高冷地や北日本地域。
利用方法 : オイル・ポプリ・ティー・観賞用など
ラバンジン系ラベンダー
Lavandula x intermedia
イングリッシュラベンダーとスパイクラベンダーの交雑種。(L.a.ssp angustifoliaとL. latifoliaの交雑種)
スパイクラベンダーL. latifoliaは香りは強く、厚さにも強いが、花色が薄いため利用は少ない。
イングリッシュ系の品種と交配することで、『香りが強く暑さにもそこそこ強い、さらに花もきれい』という、いいとこどりのラベンダーが生まれました(≧▽≦)
耐寒性が強いのはイングリッシュ系と同じだが、ラバンジン系は高温多湿にもやや耐えられる。
夏が高温多湿の本州でも育てやすく、特に関東以西でも育てやすい(*'▽')
暑さに強い品種と香りの強い品種の交配なので丈夫で育てやすく、精油も多く取れることから低地での商業栽培にも利用されます。
香りはややツンとした香りを含むことが多い。 香り成分が強くお茶には向きません。
見分け方は大きく長い花穂です。
初心者でも栽培しやすいですが、1m以上と結構大型に育つので植える場所に注意(@_@。
おすすめの地域: 関東より北、夏場涼しい地域
利用方法 : オイル・ポプリ・観賞用など
フレンチ系ラベンダー
Lavandula stoechas
一番の特徴は、ウサギの耳のような飾りがついた花。
夏の暑さにも強い特徴があります。
何とも言えない愛らしさ(*´Д`)
暑さに強いので低地でも栽培しやすい。でも、その分寒さに弱いので東北地方では冬の防寒が必要。
花色も豊富でガーデニング素材として人気。
四季咲き性の品種も多いです。
参考リンク→:四季咲きは4回咲かない((+_+))
残念ながら香りはほかのラベンダーに劣るけど十分いい香りです(≧▽≦)
おすすめの地域: 冬でも凍結しないような地域
利用方法 : 主に観賞用
レース・ラベンダー
Lavandula pinnata
葉がレース状に切れ込みの入ったラベンダー。
涼し気で素敵(≧▽≦)
これは主に園芸用。
なぜかというと花にはほとんど芳香がない。観賞用としての用途がメイン。
でも、四季咲き性という特徴で、次々花を上げるので観賞用としては最高。
寒さに非常に弱く、暑さも苦手(^_^;)
栽培はちょっと面倒だけど人気のラベンダー。
残念ながら品種は少なく紫~薄紫~白くらいしかない。
おすすめの地域: 夏涼しく、冬暖かい地域。もしくは季節ごとに移動できる鉢植えがおすすめ。
利用方法 : 主に観賞用
デンタータ系ラベンダー
Lavandula dentata
別名:キレハ(切葉)ラベンダー、フリンジド・ラベンダー、など。
名前の通り、ぎざぎざの切れ込みがある葉が特徴。
「デンタータ」とは、ラテン語で「歯のような」という意味。
こちらは暑さに強く、寒さが苦手。上のフレンチ系と同じような性質。
香りはあるがこちらも主に観賞用。
四季咲き性があるので株が充実すると秋にもよく咲きます。
おすすめの地域: 冬でも凍結しないような地域
利用方法 : 主に観賞用
ラベンダーは地域性と用途にあった品種を選ぼう
『ラベンダー』と一言で言っても種類によって特性も色々。
利用用途に合わせた品種選びをしよう(・ω・)ノ
地域特性に合った品種選びをすれば、管理もぐんと楽になるよ。
品種が決まったら、次は植え付けのコツを見ていこう。
育て方のコツ、ラベンダーは石灰岩と乾燥がお好き
ラベンダーの故郷は地中海。
雨が 少ない乾燥気味の高地で石灰岩の荒地(。-`ω-)
土壌は、
- 石灰岩質で弱アルカリ性。
- 乾燥していて雨が少ない。
どうも日本の気候とは全く違う。
これはうまく育たなくて当たり前です(。´・ω・)
植物栽培のコツは、自生地に近い環境を用意してあげること
人間だって生まれ育った環境の方が安心して生活できる。
だったら、植物も自生地に近い環境を用意してあげることが何より重要です。
気候はなかなかコントロールすることは難しいけれど、『土』は土壌改良で原生地に近づけることは可能。
ラベンダーを上手に育てるコツは『土にあり』といっても過言ではありません。
ラベンダーを育てる土づくり
ラベンダーを地植えする場合のポイントは、
- 風通しのいい場所
- 水はけのいい土壌
- 弱アルカリ性の土
の3つです。
風通しのいい場所
周囲に植物が茂っている場所や、壁に近い場所などはよくありません。
太陽の光がよくあたり、風が抜ける開けた場所を選びましょう。
水はけのいい土壌
粘土の場合は部分的に土を入れ替えて改善を図るか、パーライトや砂を入れて水はけを改善します。
植え付けの時もただ平らに植え付けるのではなく、小山状に高く植え付けることで株周りの余分な水分が流れやすくなり、根の発育がよくなります。
弱アルカリ性の土
石灰岩質土壌で育ってきたラベンダーは、酸性土壌を嫌います。
日本の土は、自然の状態ではどんどん酸性に傾く傾向にあります。
そのため、植え付け時には、石灰で土壌を弱アルカリ性に変えてあげることが重要。
植え付け後も年に1回、苦土石灰を施すことで酸性に傾きかけた土性をアルカリに戻すことができます。
参考リンク→:消石灰・苦土石灰・有機石灰はどう違う?違いと使い分け
コンクリートのそばだとラベンダーはよく育つ?
じつはコンクリートは石灰によって固められています。
そのため、雨水などでコンクリートの周辺には石灰が溶けだし土がアルカリ性になりやすい。
コンクリートで仕切られた花壇などは、自然とアルカリ性の強い土になるからラベンダーが育ちやすいといわれています。
特にイングリッシュ系は日本の全く違う環境になじめず失敗することが多いようです(´゚д゚`)
イングリッシュ系のラベンダーを育てる場合は、特にしっかりとした土づくりを心がけましょう。
土はどうにか出来ても、夏場の『蒸し暑さ』はどうしようもないので、関東周辺ならイングリッシュ系はあきらめるというのも方法。
ほかのグループ、ラバンジン系などのほうが育てやすいです(^_^;)
季節に合わせて環境を移動できる鉢植えで栽培するというのも方法です。
ラベンダーを鉢植えで育てる
ラベンダーは乾燥を好む植物なので、水はけよくあまり肥沃でない土がいい。
なので、あまり寄せ植えなどには向かない。
できれば1本で鉢植えするのがおすすめ。
鉢植えの場合は専用の『バーブの土』を使うのが簡単。
自分で配合する場合は、
- 赤玉中粒 4割
- 酸度調整済みピートモス 1割
- 腐葉土 2割
- パーライト 3割
など、水はけのいい土になるように配合を調整しましょう。
ラベンダー栽培に肥料はほとんど不要
もともとやせ地で育っている植物なので、たくさんの肥料は不要です。
肥料は、花の後のお礼肥えに緩効性肥料を少量与える程度。代わりに腐葉土などの有機質をすき込んであげましょう。
どうしても追肥したい場合は、生育期なら液体肥料を規定量のさらに2~3倍に薄めて与えるのは効果的です。
肥料を与えすぎると、葉ばかりが茂り花が咲きにくくなったり、病害虫に弱い貧弱な株に育ちます。注意しましょう(゚Д゚)ノ
大きくしない・足元をハゲさせないためのラベンダーの剪定
ラベンダーの剪定時期は2回。
開花期と冬~春前にかけて行います。
ラベンダー開花期の剪定
まずは、花後。
というかできれば花が咲き始めたくらいに刈り取ります。
花が咲き進むと株に負担がかかり、その後の生育が悪くなります。
また刈り取った花も、咲きすぎた花は香りが飛んでしまっていて、ハーブとして利用するには品質が劣ります。
花穂を切り取るときは、下の枝に葉が残ように剪定しましょう。
木質化して枝だけになった部分まで切ってしまうと、新芽が出ない場合があります。
花穂を収穫した後は、伸びすぎた枝や、地際や込み合って風通しの悪い枝を整理します。
梅雨~夏の蒸れで株を傷めないように風通しよく刈り込むことが重要です。
ラベンダー冬~早春の剪定
ラベンダーは放置したまま自由に育てると、どんどん枝が木質化して、大型になります。
それに合わせて元の部分は枝が減って、禿げ上がってしまう(ノД`)・゜・。
それを防ぐために、冬~早春までの間に株の更新をはかりしょう。
基本的には株全体を1/2~1/3まで切り詰めます。
ただし、何年も放置して、株元に新芽が出る様子がない場合は芽が出ている部分を残して切り詰めるにとどめましょう。
写真のまるで囲った中に見えるのが、新芽。
これがあれば安心して切り詰めることが可能(≧▽≦)
来年以降、株元からも芽が育つようになったら切り詰める位置を短くして、徐々にコンパクトに仕立て直します。
まとめ
今回は、人気のハーブ『ラベンダー』について紹介しました。
上手に育てるコツは、
- 水はけ
- 風通し
- 乾燥気味
- 土は弱アルカリ性
です。
栽培する地域の環境にあった品種を選ぶことも重要。
ラベンダーといっても、種類によっていろいろな特徴があるので、自分の用途に合わせて選びましょう。
- ハーブティ・ポプリ・精油など。さいばいは寒冷地向き。 → イングリッシュ系ラベンダー
- ラベンダースティック・ポプリ・精油など、広い地域で栽培可能。初心者向け →ラバンジン系ラベンダー
- 観賞用・ガーデニング、西日本で栽培 → フレンチ系ラベンダー
最近は花付きのいい品種や、イングリッシュ系でも四季咲き性を持つ品種なども登場しています。
こまかく見れば花色・形・香りも色々あるので、いろいろな種類を見てお気に入りの品種を見つけましょう。
では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙
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