うまい?まずい?幻の果物『ポポー』の秘密と育て方

世の中に美味し果物は数あれど、こんなにおいしいのにお店でほとんど見かけない果物も珍しい。
”幻の果物”、”森のカスタード”などの名前で呼ばれるものの、実物を食べたことがある人はほんのわずか。
見た目も生態も、味までも謎に満ちた『幻の果物”ポポー”』
今回はその秘密に迫っていこうと思います(゚Д゚)ノ
目次(*´▽`*)
ポポーって何?

ポポーとは、バンレシイ科アシミナ属 学名:Asimina triloba の落葉高木。
春に茶色い花を咲かせ、9~10月ごろに長楕円形の緑色の実をつけます。

実の形から和名で「アケビガキ」とも呼ばれている果物。
実物を見たことある人は少ないんじゃないかな(^_^;)
傷みやすく、運搬が難しいことから商業栽培はほとんど行われていないんです。
栽培も難しいのかというと、そうでもなく、他のバンレイシ科の植物は熱帯産のものが多く、確かに日本での栽培が難しいものが多いがこの「ポポー」だけは日本全国で栽培ができるんです。
北海道は確認できていないけど、青森では育っているという話を聞きました(゚Д゚)ノ
北アメリカ原産の果樹で、古くはネイティブアメリカンも利用していたという果物なんですよ。
幻の果物ポポーってどんな味?

やっぱり気になるのは味。私も一度一口だけ食べ支えてもらったことがあるが、とろけるように甘く香りがスゴイ( *´艸`)
『森のカスタードクリーム』と呼ばれるだけあって甘みは相当なもの。
しかし、この甘みと強い香りは好き嫌いが分かれるようで、万人受けするものではありませんでした。
明治時代には日本に伝わっていたようですが、いまいち人気が得られず幻となってしまいました。
ポポーが食べたい!日本で生ポポーが食べられる場所。
ポポーは実の持ちが悪いうえ、運搬時につぶれやすく、一般的には流通していません(*_*;
八百屋さんなどではまず目にすることのない、まさに「幻の果物」
しかし、現在、愛媛県 櫛生(くしゅう) という地区では、新たな産業としてポポーの栽培に力を入れています。
櫛生の収穫時期である秋9~10月に訪れれば生のポポーが購入できるかも?
加工品の「冷凍ポポー」ならいつでも購入できるようですよ。
現地に赴けない場合はネット通販でも購入できます(≧▽≦)
人によっては「バナナのような、マンゴーのような。ソフトクリームのような、カスタードのような…」といわれるポポーの味。体験してみたい方は是非ご購入ください(≧▽≦)
ポポーを育てよう、幻の果物の育て方

ポポーの実は今では比較的簡単に購入できるとはいっても、果実の価格は結構高い(^_^;)
それならお庭に植えてしまおう!
寒さにも強く、病害虫も少ないポポーは栽培簡単!家庭果樹としても最適なポポーの育て方を簡単にご紹介します。
意外と簡単に手に入る「幻の果物の苗」
「まぼろし、まぼろし」と言いながら、ポポーの苗木は結構簡単に手に入ります(^_^;)
ネット通販で、安いものなら1500円くらいから販売されています(''ω'')ノ
ただし、2000円程度で販売されるポポーのほぼすべてが『実生苗』つまり、種から育てた苗ということ。
種から育てるのがなぜ悪いかというと、どんな実はつくかわからないからだ。
実生から育てた苗は親とは違う形質をもつので、どのように育つか、どんな実が育つのか、わからないんです(*_*;
ポポーの品種は?
商業利用のほとんどないポポーには品種が少ない。
ポポーは挿し木がつきにくいのでほぼすべての品種ものの苗は『接ぎ木』で作られています。
現在でもアメリカで登録された苗がたまに出回るくらいで、多くのポポーが実生苗です。
実生苗に比べると、接ぎ木の品種苗は値段は倍くらいするのですごく高く感じますが、実の大きさや美味しさが保証されているので、失敗したくないのなら多少高くても品種ものを選んだ方が、後々はお得です(=゚ω゚)ノ
品種ものを選ぼう、ポポーを実らせるには2本必要
なかなか苗の販売もすくないですが、確実に実をつけるなら品種違いの苗を2本用意する必要があります(''ω'')ノ
実生の苗なら大きく育った木なら、比較的1本でも実がつきやすいようですが、確実に実をつけるためにはやはり2品種はあった方がいいようです。
実生苗の場合は全部遺伝子的に違う特徴になるので、どれでも2本あればいいですが、接ぎ木苗はいわばクローン。
同じ品種2本では遺伝情報が同じ。同じ株で違う枝に花が咲いたのと同じようなもの。これでは交配はうまくいきません。必ず違う品種を選ぶようにしましょう。
品種もの2本は高い(*_*;
そんな時は、1本は品種もの、もう一本は実生苗にするのがおすすめ。少しだけど予算を押さえることができます。実生は当たりはずれあるけれど接ぎ木苗の授粉用と考えれば悪くないですよね(^_^;)
ポポーの品種
日本で販売されるポポーの種類は少ない。とはいってもネット通販にはいろいろな品種が販売されています。
ただし、情報が少なく品種の違いがよくわからないんですよね(^_^;)
品種ものはほとんどが300gを超える大実であることが多いです。品種として認められているものだから”はずれ”はないです。
有名どころの品種をいくつかピックアップしました(=゚ω゚)ノ
オーバーリース
最大で300gを超える大実です(@_@) ミシガン州の野生種のなかから選抜された品種。
ウェールズ
300~450gになる大実。とろける様な甘さと風味が病みつき
サンフラワー
アメリカの果樹園で最も人気の高い早生品種。超大果 。
タイトゥー
アメリカミシガン州から選抜された大実種。ポポーの品種の中では早生で、耐寒性は非常に強く栽培容易。最大果重300g
意外とたくさんの品種が販売されているが、どれも特徴についての記述が少ない(。-`ω-)
情報分かり次第アップデートしていきますね(≧▽≦)
ポポーの人工授粉
原生地でポポーの花粉を媒介する虫は、日本にいない虫なので人間が人工授粉することで結実率を上げることができます。
ポポーは雌しべの方が先に成熟するので、先に咲いた花があればその花の花粉を筆などでとって、新しい花につけて受粉を完了させます。
実生苗の場合、自分の花粉でも実をとめる確率が高いようですが、やはり違う品種があった方がいいようです。
ポポーの花粉の媒介を助ける虫は腐肉に集まる虫を呼びよせるといわれており、アメリカの生産地ではムシを呼ぶために本物の「肉」をぶら下げておくという話があります(゚Д゚;)
さすがに庭に「肉」をぶら下げておくわけにいかないですよね。日本の虫にも有効なのかわからないので素直に人工授粉に励みましょう(^_^;)
ポポーを植える場所は?
日当たりの良い場所で、保水性に富む有機物を多く含んだ土がいいといわれています。
直根性なので、お庭植えならしっかりと深く耕して腐葉土などを土に対して3割ほど混ぜて植え付けます。
寒さには強く-30度でも平気といわれています。ただし枝が風で折れやすいので、強い風の当たる場所は避けるようにしましょう(゚Д゚)ノ
ポポーの肥料は?
春先に芽出しの肥料、収穫後にお礼肥え、冬に寒肥を与えましょう。
春の芽出し肥は、「醗酵油かす」など。お礼肥えは早く効く「化成肥料」、寒肥は「未醗酵の有機肥料」がおすすめです。
ポポーの剪定は?
ポポーは枝の先端に葉芽をつけて、もとに近い芽が花芽になる傾向が強い。
冬の剪定は先端を1~2芽切り戻すにとどめます。
剪定するよりも、枝を広げるように誘引すると早いうちから花を咲かせるようになります。
人工授粉を行うと着果過多になりやすいので、その場合は「葉10枚に対し、1果」になるように摘果を行いましょう。

ポポーの収穫・食べ方は?

果実は9~10月ごろ実ります。見た目は緑のままなので収穫のタイミングがわかりにくいですが、一番おいしいのは自然に木から落ちる時に収穫して、常温で数日追熟させてから。
香りが漂ってくる頃が食べごろです。実の皮が黒ずむことがあるけど、果実の生熟とは無関係なので、香りで判断しましょう。
完熟果の豊潤な味わいは最高です( *´艸`)
お店では絶対に味わうことができない”幻の味”を楽しみましょう!
完熟果は2~3日しか持たないので、早めに食べましょうね(≧▽≦)
食べきれない場合は冷凍保存も可能です。
まとめ

傷みやすく流通させるのが難しい果実「ポポー」
香りと甘さが強すぎると、昔の日本人には受け入れられず『幻』となった果物。しかし、今は多様性の時代。
すごく甘く、すごく香りのいい果物を求める人も多いので、そういった方にはぜひ育てていただきたいですね(≧▽≦)
じつはこのポポー。こんなに甘いのに病害虫はほとんどつかないんです!
葉や樹皮、種子にはアセトゲニンといわれる強い殺虫成分が大量に含まれていて虫を寄せ付けないため、無農薬栽培も可能です。
実を楽しんだ後は、秋には美しい黄葉も楽しめます。花も好みが分かれるけど、エキゾチックで素敵ですよ(≧▽≦)
苗はちょっと高いけど、それだけの価値はあります。ぜひチャレンジしてくださいね。
では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙
去年の秋に三種類のポポー(ポトマック、スイートアイリス、NC-1一年生接木苗)を庭に植えました。
何故かスイートアイリスだけ、この春、花が5~6こ咲きました。ま苗木の高さは50センチほどしかなく、人口受粉して果実を作るのは、無理ですよね?
そうですね、通常はある程度木が育たないうちは花を咲かせないのですが、鉢植えの場合は地植えよりも小さいサイズで花が咲くことがあります。
花は前の年の夏に作られるので、購入された時点で花が準備されていたのかもしれないですね。
ただし、木に十分力がないのに実を付けてしまうと、株の体力が奪われ小さな実しかつかないうえ、この後の生育が悪くなる可能性があります。
1本の花はすべて同じ遺伝情報なので、別の品種から花粉がもらえない場合、実がつかない可能性が高いですが、仮に実がついても取ってしまって今はまだ株を育てるようにした方がいいと思いますよ。
回答有難う御座いました。3年後に期待します。
ポポーは植え付けしてから何年経てば、果実をならせるようになるんでしょうか?
何方か教えて頂けたら有難いです!
生育状況によっても違うので何とも言えませんが、地植えの場合3年以上かかると思った方がいいでしょう。
鉢植えの場合は、収量は少なくなりますが、地植えよりもはやくから花を咲かせて実を付けることも可能です。