栽培簡単!「パパイヤ」の育て方。家庭でも育てやすい矮性品種のご紹介。

パパイヤ表紙

パパイヤって食べたことありますか?

名前は有名だけど、聞いたことはあっても実際に食べたことがある人は意外に少ないんじゃないかな。

日本ではあまり果物として流通することは少ないですよね(^_^;)

最近はマンゴーなどの熱帯果樹もお店に並ぶけど、パパイヤってあんまり売っていないかも。

一般的ではない果物ってどうやって食べていいのかもちょっと困ります。

今回はそんな『パパイヤ』の利用方法。

知られざる栄養価!さらに、栽培方法までどどーんとご紹介します(≧▽≦)

パパイヤってどんな実?

パパイヤ(もしくはパパイア)はパパイア科パパイア属(学名:Carica papaya)の常緑小高木。

小高木は大体10m位の木と思ってもらえばいいかな('ω')ノ

原産地はメキシコ南部から西インド諸島周辺の熱帯アメリカ。

インドじゃなくて西インド諸島。カリブ海にある群島のこと。インドなどアジアが原産ではありません。

しかし、非常に育てやすく収量豊富で栄養価も高いことから、現在では多くの熱帯の国で栽培されている果物です。

現在ではインドが世界生産の45%を占めて生産第一位に! 

原産は西インド諸島で、生産一位がインド。

ややこしい(^_^;)

『パパイヤ』という変な名前の由来は?

パパイヤ(パパイア)という名前は、もともとは カリブ海沿岸での呼び名である「アババイ」がなまったものであるといわれています 。

英語では「パウパウ」「ポーポー」などとも呼ばれますが、ポーポーは別にアケビガキ科の「ポポー」という果物があるので、ごっちゃになりやすくあまり使われません。

日本でも「パパイヤ」で通っていますが、いちよ和名もあり、「乳瓜(チチウリ)」と呼ばれます。

これは、木に直接ぶら下がる姿をお乳に見立て、さらに傷をつけると乳液を出すところが元になっています。パパは関係ないです(;´∀`)

そんなわけで、”パパ”嫌、でも”父(チチ)”ウリでもないので、お父さんは関係ありませんでした。

パパイヤは”木”じゃなく”草”である?!

先ほどパパイヤは常緑小高木と紹介しましたが、実はパパイヤは木じゃなくて『草』なんじゃないか?という意見もあります。

年々背が高くなり、幹も太くなるので「木」だろうと思われますが、実はパパイヤの幹部は木質化(細胞壁が硬く変質すること)しておらず柔らかく、台風などで簡単に倒れてしまいます。

しかも倒れた木はすぐに腐ってしまい、木材として利用することはできません。

こういったことから一部の解説では『多年生草本類』という表記がされることがあります。

倒れることはなくともパパイヤは木としての寿命も短く、5年目以降は徐々に衰退していくといわれています。

ちなみに、同じ熱帯果樹の代表種バナナも、3m以上にも育ちますがこちらは完全に分類上は”草”で、一度実をつけた株は枯れてしまいます。

パパイヤの品種と選び方

パパイヤは大きく分けると、『黄色実タイプ』と『赤実タイプ』があります。

特徴としては、赤タイプのほうが香りは少ないが甘みが多いことが多いようです。

日本で見かけるのはどちらかというと黄色いタイプのほうが多いかな?

国産だと宮崎県産の「サンライズソロ」


新品種の「石垣珊瑚」も人気。

こちらはなんと種なしです!マンゴーのように甘い( *´艸`)


パパイヤは野菜??

パパイヤは赤・黄色のほかに「緑色」も流通しています。

これは緑色の品種ではなく、赤や黄色を未熟のまま若採りしたもの。

東南アジアや沖縄などでは一般的に使われる野菜で、千切りにして炒め物やサラダ、スープなどに使われています。

沖縄では「青パパヤー」と呼び古くは琉球王国の時代から、野菜として利用されてきました。

パパイヤの実には、肉を柔らかくするたんぱく質分解酵素も含まれているので、豚肉などと一緒に煮込むとお肉が柔らかくジューシーになる利点もあります(≧▽≦)

日本で生活していると、わざわざ野菜としてパパイヤを利用することは少ないけど、今後は利用が増えてくるかもしれませんね(≧▽≦)

パパイヤはどこに生えている?

メキシコ南部から西インド諸島が原産といわれるパパイヤ。

今では南方の国々ではどこでも栽培されており、日本でも宮崎や石垣島で販売目的の生産が盛ん。

沖縄には石垣島以外で栽培がないのかというとそういうわけでもなく、逆にいくらでも雑草のように庭先に生えているから、商売として成り立たないとか(^_^;)

それほどに丈夫で成長のいい植物なんです。

ただし高さが10mにも育つので沖縄では台風の被害にあうことも多いようですね(-_-;)

パパイヤの生育温度は25~30度と高く、氷点下になると枯れるか、非常に弱ります。

種からでも簡単に発芽して早ければ3年程度で結実するのですが、かなり背が高くなるので鉢植えでは難しい。

育てるなら矮性で3m程度に収まる品種があるのでそういった苗を購入するのがいいですね。

とはいえ、みんながみんな沖縄在住じゃないですから基本は鉢植え栽培になります。

でも場所を選べば東京でも栽培できますよ(≧▽≦)

パパイヤは東京でも育つ?

写真は東京都多摩地区の某畑。マルチングまでしっかりして栽培されています。温室もなく路地栽培でした。小さいうちから実がなっていたのでおそらく矮性の品種だと思いますが、育つんですね!すごい!

パパイヤは雄と雌がある?

本来、パパイヤは雄木と雌木が別の雌雄異株です。

しかし、現在流通している果実はほとんどが1本でも実をつける両性花が咲く”ソロ種”といわれる仲間。

栽培品種の90%以上を占めるといわれています。

なので、販売されている苗もほとんどが1本で実をつけるので安心して育てられます。

矮性って言っても3mですからね、2本も育てるのは大変だ(^_^;)

ただ、パパイヤは木としては寿命があまり長くないようで、収穫量も4年目くらいをピークに落ちていくといわれています。

パパイヤの矮性品種

トロピカルリッチ


  • 樹高0.5~1mとかなり小型。
  • 2~3年目から収穫可能。
  • 両性花をつけるソロ種。1本で結実します。
  • 実の大きさは最大2㎏。
  • 果肉は橙黄色。果肉は熟しても崩れにくくしっかりしている。

ベニテング

  • 2m程度から実をつける矮性品種。
  • 2~3年目から収穫可能。
  • 両性花をつけるソロ種。1本で結実します。
  • 実の大きさは最大2㎏。豊産性。
  • 果肉は橙黄色。若どりすれば野菜、青パパイヤとして利用できます。

早いうちから実る矮性品種の代表。鉢でも作りやすいのでおススメです(≧▽≦)

改良2号

  • 樹高1~3mの矮性種
  • 2~3年目から収穫可能。
  • 両性花をつけるソロ種。1本で結実します。
  • 実の大きさは1~1.5㎏の中玉。
  • ブドウの房のように幹に並ぶ姿は圧巻!
  • 果肉は橙黄色。若どりすれば野菜、青パパイヤとして利用できます。

完熟果は糖度が14にもなり食味最高!肉質が硬く傷みにくい。

石垣珊瑚

  • 樹高が低くても実る矮性品種です
  • ほとんど種が入らない、種なし品種です。
  • 実の大きさは500g~1㎏と小型。
  • 酸味が少なく甘みを強く感じる果実です。

石垣珊瑚は両性花ではなく、雌花だけの雌株。単位結果性があるので雄花からの花粉なしでも実をつけます。

パパイヤは両性花からの実は細長く、雌花からの実は丸くなる傾向があるため、石垣珊瑚は丸っこい形に実ります。

パパイヤの育て方

冬も屋外管理できる地方なら家庭果樹として楽しむのも面白いです。

成長が早く育っているのを見ていても楽しいですよ(^^♪

パパイヤの簡単な管理補法をまとめました。寒い地域は鉢植えで楽しんでくださいね。

パパイヤの土

水はけのいい、弱酸性土を好みます。

粒のしっかりした培養土にパーライトや川砂を2割程度加えるか、赤玉中粒6:腐葉土2:川砂2などの配合で植え付けましょう。

乾燥しすぎもよくないのですが、加湿になると根腐れしやすい植物なので、土の表面が乾いてから与える時はしっかり与えるようにします。

夏場は乾燥が激しくなるので注意です(゚Д゚)ノ

屋外に地植えの場合、水やりはほとんど必要ありません。

パパイヤの肥料

成長期の5~10月は月に1回、固形の油粕か果樹用の肥料を与えます。

窒素控えめでリン酸カリのしっかり配合された肥料を与えます。

パパイヤは生育旺盛なので生育期にはしっかり与えましょう(≧▽≦)

パパイヤの管理

鉢植えの場合は寒さが来る前に室内に移動します。

地植えのものは寒さの心配があれば寒冷紗などで防寒する方がいいでしょう。

生育温度は20~30度。

冬も最低5度(できれば10度)を保って管理する必要があります。

冬は水を控えめにして管理します。

パパイヤの開花

木が充実して2mほどになると6月ごろから幹の上部、葉の付け根あたりに黄緑色の花が咲きだします。

パパイヤは雌雄異株なのですが、栽培品種はほとんど両性花をつける品種が栽培されているので、種から育てたのでなければ1本で問題なく実がつきます。

何もしなくても実を付けますが、うまく受粉しないと実が大きくならなかったり、途中で落ちることもあるので筆などで人工授粉を行うといいでしょう。

花は10月ごろまで次々咲きますが、南国以外では春の結実果実以外は冬の寒さで落ちてしまうこともあるようです(-_-;)

南国では周年開花、周年結実するそうですよ。うらやましい(*´ω`*)

パパイヤの結実

結実してから収穫までは4~6か月かかります(@_@)

実の一部が黄色くなってくれば収穫して追熟させることができます。輸入のものはほとんどこっちですね。

完全に黄色くなってからが食べごろです。家庭なら完熟させて収穫するのもいいかもしれないですね(≧▽≦)

完熟果は日持ちしないので早めに食べましょう。

また、緑のうちに収穫すれば、野菜として料理に利用することもできます。

鉢植えだと2~3個ぐらい。

地植えでうまく育てれば、葉の枚数と同じだけ収穫できるといわれています。

パパイヤの剪定

パパイヤは矮性種でも3mほどに育ちます(゚Д゚)ノ

さすがに一般家庭で3mを取り込んで置けるお家はあまりないはず。そこで剪定が必要になります。

剪定しないと1本の幹がまっすぐ伸びますが、幹の途中で切ることでわき枝を出させることも可能です。

剪定は成長期の5~9月ごろ、切るのは半分くらいにとどめましょう。

あまり遅くなっての剪定は冬までに回復できないので早めに行うのがおすすめです。

伸びた脇芽のよいもの1本を選んで伸ばし、ほかは切り取ります。

鉢植えの場合は根も詰まっていると思われるので一回り大きな鉢に植え替えるといいでしょう。

栄養豊富なパパイヤ

パパイヤの実は豊富なビタミンCのほか、カロテンやリコピンを多く含んでいます。

これは完熟果のほうが栄養価が高くなるといわれています。

逆に緑のパパイヤにはパイナップルに含まれるのと同じ”パパイン”というお肉を柔らかくする酵素が含まれ、一緒に料理された肉を柔らかくすることが知られています。

まとめ

南国フルーツの定番パパイヤですが、実は栽培は結構簡単。

鉢植えでも十分育てることができました。まあ、矮性とはいっても3mはデカいけどね(^_^;)

日本ではあまり一般的ではない果物ですが、栄養も豊富でもっと利用がひろがってもいい果実だと思います。
病害虫も少なく、姿も立派なので観葉植物として飾っても素敵ですよ。

苗はネットなら結構販売されています。小さくても結実しやすい品種を育てましょうね。

では、よい園楽を~(。・ω・)ノ゙