寒さに強い花『スキミア(シキミア)』育て方と代表品種・東北地方でも屋外で越冬可能な常緑樹
さむ~い冬のお庭でもきれいに咲いてくれる。屋外で飾れる植物といえば、何を思い浮かべますか?
葉牡丹・パンジー・ビオラ・ガーデンシクラメンなど、いろいろあるけど、ちょっとボリュームにかけるものが多い。
冬のアレンジを豪華にするには、やっぱり花が咲く『常緑低木』を入れると豪華さが違います。
常緑で冬の間も美しく、きれいに観賞できる植物は無いものか?それがあるんです!!
目次(*´▽`*)
北海道でも地植えで越冬!耐寒性抜群スキミア(シキミア)
今回は、近年人気急上昇↑↑
寒さに強く、東北地方でも冬の外植えが大丈夫な花木。
スキミア(シキミア)をご紹介します(≧▽≦)
数年前から各所で冬のアレンジとして利用が急拡大しているスキミア。
それは、この植物が冬の寒さに負けないだけではなく、観賞時間が素晴らしく長いのも理由の一つなんです。
スキミアはこんな木です。
ミカン科ミヤマシキミ属(学名:Skimmia)の常緑低木。
寒さに強く、赤く小さな実のようなものをつけたまま、ひと冬を過ごします。
生長はゆっくりなので、なかなか大きくなりませんが、逆に言えば剪定不要で手がかからないと言えます。
赤いのは実ではなくて、すべて蕾!
赤い実のようなもの、実は全てつぼみ(゚Д゚)ノ
花が咲くのは早春。
つまり、この状態のまま冬を越して来年の春になってから白い花を咲かせます。
つまり、冬の間ず~~~~っと、このかわいらしい姿を保つってわけ(^O^)/
可愛らしい姿で切り花としても冬のアレンジでも大活躍する花材。
もちろん、地植えやアレンジでもおすすめ。冬の寒さでさみしくなるお庭を彩るには最適ナンデス(≧▽≦)
スキミアの鉢物はお部屋の中に飾ってはダメ!!
ちなみに、早春に咲く花はこんな感じ。
花の時期は短く、4月ごろから開花して、開いてしまうと1週間くらいで終わってしまう(^_^;)
お花もかわいいんだけど、観賞の中心は真っ赤なつぼみの姿という、ちょっと変わったお花です。
切花で利用するときは別として、鉢花で観賞するならスキミアは室内に飾ってはダメ(゚Д゚)ノ
室内の温度を『春』と勘違いしてお花が開いてしまいます。
あっという間に開花して花が終わってしまう(;´Д`)
冬の間は常に屋外!
15℃以下の温度を保たなくてはいけません。
寒くても平気!日陰でも大丈夫!
何を隠そう。
この植物、原産地は日本なんです。
ミカン科ミヤマシキミ属(学名:Skimmia)のミヤマシキミが海外に出て、ちょっとおしゃれになって帰ってきた帰国子女(@_@)
だから、日本の気候にもぴったり。
栽培か簡単なのも納得です。
もともと日本の山に生えていた低木なので、日陰にも強い。
成長もゆっくりで管理もしやすい。
本来日本に自生していた野生のミヤマシキミに比べて、今の園芸品種は丈夫な性質そのままに、蕾の色が鮮やかで、花付きもたくさんつくように改良されているよ( *´艸`)
名前は似てても違う花「シキミ」
名前的には「シキミ」という植物があるけど、こちらはまったく違う仲間。
姿が似てるから「深山のシキミ」ということで名がついているが、 葉は似ているけど花は似ても似つかない(^_^;)
シキミはマツブサ科シキミ属。
分類的にも全く関係のない仲間です。
最近話題のスキミアの品種はオスばかりなんです
スキミアは雄雌が別の雌雄異株植物。
雄雌2本一緒に育てることで、雌には実をつける。
万両より大きい実をつけるため「億両」という別名もあるけど、まったく浸透していない。語呂が悪いよね(-_-;)
それに、現在オランダから輸入され人気のある品種は、ほとんどが雄。
実をつけない株なので、億両とか言われても全く意味が伝わらない(-"-)
秋から春まで鑑賞期間の長いつぼみをつける雄の方が、冬の花壇や寄せ植えには使いやすいんですね(^^♪
ちなみに、雌も「テンプテーション」や「リーベシアーナ」という実を観賞する品種が販売していることもあります。なかなかお目にかかれないけど…
それに、実を楽しむには雄と雌、二つの株をそろえる必要があるのでご注意ください。
ちなみにこの実は『毒』です(゚Д゚)ノ
絶対に食べないでくださいね。
スキミアの育て方は?
スキミアの栽培はすごく簡単(≧▽≦)
もともとが日本の在来種なので日本の気候があっています。
ただし、涼しい山の中に生育する木なので、夏の暑さと強い日差しが苦手。
水はけよく風通しのいい場所に植えましょう(*'▽')
スキミアの土
特にオランダからの輸入苗などはピートモスの用土に、根がいっぱいに詰まっているので根を崩さないように早めに植え替えましょう。
土は弱酸性の水はけのいい土を好むので鹿沼土に腐葉土などを配合するか、ブルーベリー用の土などを利用します。
水はけの悪い土に植えたり、土壌がアルカリに傾きすぎると根が弱り、下の葉から徐々に黄色くなって落ちてしまいます(;'∀')
成長がゆっくりなスキミアは葉を落とすと回復に時間がかかるので、状態が悪い場合は早めに処置しましょう。
スキミアの肥料
肥料はかなり控えめに(゚Д゚)ノ。
年に1度緩効性の肥料(マグァンプKなど)を与えるか、生育期に薄い液体肥料を月に1度与えるくらいで十分。
普通の植物より栄養の吸収が少ないスキミアは肥料成分が多いと根を痛めたり、花が咲きにくくなったりします(゚Д゚)ノ
スキミアの水やり
スキミアを枯らしてしまう一番の原因が「水のやりすぎ」
自生地は山の傾斜地などが多く、大きな木に遮られて光は少ないが極端に乾燥はしない。
しかし過剰な水はとどまらず、どんどん流れていくような場所に生えています。
受け皿に水をためるような栽培はしないよう注意しましょう。
スキミアの好む環境
水は乾燥しすぎない程度に水はけがいい場所。
太陽の直射日光は必要ありません。明るい日陰で十分生育可能。
寒さにも強く北海道でも越冬したという報告もあるので-10度くらい耐えられるんじゃないかな。
ただし、冷たく乾いた北風は苦手。蕾や葉先が痛む原因になります。
スキミアの花後の管理
スキミアは花が咲き始めると1週間くらいで終わってしまいます。花後は雄花なら実はつかないのでそのまま放置でOK。
気になる人は花がらだけ取ってあげるといいです。
もし根が詰まっているようならこのタイミングで植え替えしましょう。
絶対に根はいじらないように、一回り大きく植え替えます。
スキミアの剪定
基本的に枝は切りません。
成長はすごく遅い木なのでほとんど剪定は不要です。
飛び出した枝だけ取り除くくらいに押さえましょう。
剪定した枝は回復に2年はかかるので、あまり切りすぎると花が咲かなくなってしまいますよ(゚Д゚)ノ
スキミア人気の品種ご紹介
スキミア(シキミア)の人気品種をご紹介。ここで紹介するのはすべて雄です(^^♪
スキミア ルブラ
言わずと知れた一番人気。
真っ赤なつぼみが美しい。スキミアでは一般的な品種。
花付きが良く、それなりにコンパクトに育つので花壇植にも向く。
切り花でも販売されてますね('ω')
スキミア レッドドワーフ
ルブラよりさらに短くコンパクトにまとまる期待の新品種。
最近は鉢植えで販売されるものは、ルブラよりこちらの品種の方が人気みたいです。
スキミア ホワイトドワーフ
こちらはつぼみが緑のままで冬を越す。
単体ではちょっと地味だが、ルブラなど赤花品種と合わせて使うといいコントラストになる。
レッドドワーフと兄弟で、成長がそろうので一緒に植えるても形が整います。
コンパクトにまとまり育てやすい。
スキミア ピンクドワーフ
こちらも同じく矮性品種。
花(蕾)色が真っ赤ではなく、シックなアンティーク色。
ツボミの色が白からピンク色に変化する特徴的があります。
スキミア マジックマルロー
スキミアの斑入り品種。株は矮性で小さくまとまる。成長はすごくゆっくり。
つぼみは緑から濃いピンクに変化していく。
スキミア リーベシアナ
リーベシアナは雌株ではなく、正確には雌雄同株の両性種です。
1本でも実がつかないことはないけど、やっぱり雄の木があったほうが実の付きはいいですよ(≧▽≦)
このほかにもどんどん育てやすい新品種が登場しています。目が離せないですね(≧▽≦)
スキミアの害虫!天敵はアゲハ蝶
スキミアはミカン科である。
以前は食害されることは少なかった。
しかし、近年は虫、特にアゲハ蝶に食べられることがばれてしまい、大量にアゲハの幼虫がつくようになった( ;∀;)
蝶は足の先にその葉が幼虫たちが食べれる葉かどうかを感知するセンサーのようなものがあり葉にとまった時に気付いたらしい。
しかし、その情報を卵で生まれる幼虫にどうやって伝えているかは謎。
家訓を文書で残すわけにもいかないのに不思議(?_?)。
でも、以前はまったく見向きもされなかったシキミアが近年、大量に卵を産み付けられるようになったのには、昆虫の何らかの伝達手段が遺伝子的に備わっている証拠なのかもしれない。これはまた別に調べてみたいものです。
とにかく、春先と秋に発生する「アゲハの幼虫」には要注意ってことです。
いも虫退治には住友化学園芸の殺虫剤『ゼンターリ』がよく効きます(^O^)/
安全性が高いから、ミカンや野菜にもお勧めです。
まとめ
- スキミア(シキミア)はもともと日本の原産種
- スキミアはほとんど雄。雌があれば実を見ることもできる。
- 実は猛毒です。
- 剪定はしない方がいい。
- 半日陰で冬の風を避けれる場所を好む
- 水はけよく、酸性土壌で植え付ける。
- 肥料はほとんど必要ない。
- アゲハの幼虫がつくことがある。
これからの屋外アレンジにも寒さを気にせず使えるからお勧め。
ちょっと単価は高いけど、春まで楽しめると考えれば安いものです。
上手に利用して冬のガーデニングも楽しみましょう!
では、よい園楽を~(。・ω・)ノ゙
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