癒合剤って何?トップジンMペーストとカルスメイトの違い、使い分け

癒合剤(ゆごうざい)って知っていますか?
植物を剪定したときに傷口に塗る、”塗り薬”のようなもの。
でもお店で癒合剤を探すと、”トップジンMペースト”と”カルスメイト”2つの商品が販売されています。いったいどっちを使ったらいいのか(。-`ω-)
使用方法と似ているようで結構違う、トップジンMペーストとカルスメイトの違いについて解説いたします!
目次(*´▽`*)
癒合剤は植物のオロナイン

伸びすぎた枝を切り詰める”剪定”や、虫や病気で植物に傷がついてしまった時、そのままでも植物の免疫と再生力で傷口はふさがっていきますが、傷口がふさがる前には雑菌が入り込んだり、切り口から水分や樹液が流れ出して植物が弱ってしまうことがあります。
そんな時に有効なのが”癒合剤”人間で言えば傷薬、オロナインのようなものでしょうか。傷口をふさぐという点では絆創膏にも似ているかもしれないですね(^^♪
癒合剤はいつ使う?癒合剤の使い時3選
切った枝すべてに癒合剤を塗らなければならないか?というとそこまでしなくても大丈夫です。ではどんな時に”癒合剤”は使った方がいいのでしょう?
傷の直りが遅い植物を剪定したとき

通常は植物が自分で傷をふさぎます。しかし、植物によっては傷が治りにくい品種もあります。代表するなら”桜”
「桜切るバカ、梅切らぬバカ」という言葉は、桜は剪定すると傷がふさがりにくく、枝枯れしやすいことからきた言葉。桜を切った時は癒合剤で処置しておいた方がいいといわれています(゚Д゚)ノ
太い枝を切った時

桜などの傷の直りが遅い植物でなくてもの植物でも”太い枝”を切った場合。
目安としては親指より太い枝を切った時は癒合剤で処理をした方がいいといわれています。
傷が大きいとそれだけ治りが遅くなります。治るまでの間の傷口からの水分の発散を防ぎ、回復を早める効果があります。
虫・病気で幹が傷ついた時

植物が虫の食害や病気で傷ができてしまった時は、患部の進行を止めるため、腐敗している部分を取り除き癒合剤を塗ります。
傷んだ部分を残していると、病気の進行は止まらないので、少し大きく患部を取り除くことが重要です。虫が入っ穴をふさぐ場合は、中の虫を確実に殺してからふさぐようにしましょうね(^_^;)
トップジンMペーストとカルスメイト 2つの癒合剤の大きな違い。

トップジンMペーストとカルスメイト この2つの大きな違いは、”農薬”か”そうではない”かです(''ω'')ノ
2つとも用途は同じ癒合剤。さらに傷口を防ぐ成分としても主成分が”酢酸ビニル樹脂”と同じ。
ただし、トップジンMペーストには加えて「殺菌剤」が含まれているんです。
トップジンMペーストは切り口を保護するだけでなく、傷口周辺の雑菌を退治しながら保護をすることができるので、カルスメイトに比べより効果が高いと言えます。
ただし、農薬なので使用できる作物と使用回数が限定されます。”樹木類”の登録があるのでほとんどの木に使う分には問題ないですが、薬であることは理解して使うようにしましょうね(゚Д゚)ノ
トップジンMペーストとカルスメイトの使い分け
では、いったいどんな時にトップジンMペーストを使って、どんな時にカルスメイトを使えばいいのでしょうか?
2つの違いを成分以外にも比べてみます。
トップジンMペースト
住友化学園芸と NISSO(日本曹達) から販売されています。成分は同じなのでどちらを買っても大丈夫。
NISSO(日本曹達) の方がいろいろなサイズを販売しているけど、農薬は使用期限があるので欲張ってあまり大きいものを買わないように(^_^;)
上で書いたように、トップジンMペーストには殺菌剤が含まれています。そのため、病気になった傷口を防ぐ、傷口から枯れこみやすい品種などに利用するのがおすすめです。
ただし、カルスメイトに比べて粘性が低く液だれしやすい特徴があります。塗りにくいときは刷毛などを使って数回重ね塗りをするとしっかり防げます。
柔らかいのでテッポウムシにあけられた穴をふさぐなど、大きい穴をふさぐのには向いていません。
また、色がオレンジ色で塗った後が目立つ欠点もあります。盆栽など観賞目的の植物には使いにくい点もあるので覚えておきましょう(゚Д゚)ノ

カルスメイト
”カルス”というのは細胞が傷口をふさぐときにできる膜のようなもの。その生成を助けるからカルスメイト。
カルスメイトは殺菌成分を含まないので、農薬ではありません。使用期間に制限はないですが、古くなると固まってしまうのでできるだけ早く使うようにはしましょう。
また、カルスメイトは殺菌成分がない分、トップジンMペーストより若干安い価格で販売されています。まあ、たいして違いはないですけど(^_^;)
カルスメイトはトップジンMペーストに比べると固く、歯磨き粉を少し硬くしたくらいの固さがあります。そのため刷毛で塗るというより、指で塗りこむといった使い方になります。
塊として使えるので小さな穴ならばふさぐこともできます。もちろん中の虫は退治してから使うのが前提になります( ゚Д゚)
色はこげ茶色で幹に塗っても目立ちません。盆栽などで使用が多いのはこの色のせいだと思われます。

木工用ボンドで代用できる?

癒合剤とよく比べられるのが”木工用ボンド”確かに成分は同じ”酢酸ビニル樹脂”です。しかし、用途として植物の保護を考えて作られてはいないためあまりお勧めはできません。
木工用ボンドは水分含有量も多く、乾燥するまでに雑菌が繁殖する可能性もあります。使う場合は自己責任でご利用ください"(-""-)"
まとめ

植物の傷口を保護する癒合剤には、薬品のトップジンMペーストと、傷口をふさぐだけのカルスメイトがあります。主な使い分けは、
トップジンMペースト | カルスメイト | |
太い枝の剪定あと | 〇 | 〇 |
観賞用樹の剪定 | △ | 〇 |
病気の傷あと | 〇 | △ |
穴をふさぐ | × | △ |
こんな感じ。
用途に合わせて選んでくださいね(^^♪
では、皆様よい園楽を~(^_-)-☆
カボチャ苗の根元の茎が折れて、1/4位しかくっついていません。富士薬品工業の「ゆ合剤」を折れた部分に塗っても、収穫したカボチャを食材として、人体に影響あるでしょうか?
カルスメイトはあくまで傷口をふさぐだけの商品なので、特に問題ないと思います。トップジンMペーストは殺菌剤入りの農薬扱いのため適応作物に記載がないかぼちゃへの使用はできません。