秋の野菜を育てよう!初心者でも簡単ほうれん草~西洋ホウレンソウと東洋ホウレンソウの違い~
家庭菜園と言うと、トマトやナスなどの「夏野菜」を思い浮かべることが多いかもしれない。
でも、秋野菜だって美味しいものがたくさんあるんですよ♪( ´▽`)
今回はその中でも、初心者でも失敗が少ない。
ホウレンソウの育て方について紹介いたします。
目次(*´▽`*)
秋に育てる野菜いろいろ
秋野菜は夏の終わりから種をまき、年内、もしくは来春に収穫を行う。
主な種類としては、
- ハクサイ
- ブロッコリー・カリフラワー
- コールラビ
- キャベツ
- エンドウ豆(絹さや)
- そら豆
- ほうれん草
- 大根
- 玉ねぎ
など。
温暖な地域だと、秋ジャガイモなんかも栽培できる。
どの野菜を栽培するにしても、秋は時間が経つにしたがってどんどん気温が下がっていくから、スタートのタイミングがとっても重要。
早すぎると暑さで育たないし、遅すぎると寒さが来るまでに充分に生育できない。
それぞれの野菜ごとに最適のタイミングがあるから、栽培時期をよく確認して栽培を始めよう。
数ある「秋野菜」の中でも、栽培が簡単で、病害虫も少ない。
初心者向けの野菜として、今回はほうれん草の育て方を紹介していくよ。
ほうれん草を知ろう!
ほうれん草は、ヒユ科ホウレンソウ属の野菜。
ヒユ科の仲間にはセンニチコウや、ほうき草で有名なコキアなどがある。
どちらもあまり似ていないね(-_-;)
学名では、Spinacia oleracea
おそらくはカスピ海南西部近辺のアジア地域が原産と考えられているけど、今でも原種となった植物は見つかっていない。
シルクロードなどを経由して全世界に広がり、日本には江戸時代前記に渡来して広がっていったと言われています。
『ホウレンソウ』名前の由来
ホウレンソウは漢字で書くと『菠薐草、法蓮草、赤根草』など。
「ホウレン」とはホウレンソウが伝わった中国、唐の時代。 当時の中国語で原産地であるペルシャを「ポーリン・ホリン」と呼んでいたことから『ホリンの草- 菠薐草 (ホウレンソウ)』となったと言われています。
ホウレンソウは東洋種と西洋種がある
八百屋さんでホウレンソウを買うとき、葉の形が『丸いもの』と『ギザギザ』したものがあるということに気づいたことはあるでしょうか?
じつは、ホウレンソウは大きく二つの系統に分けることができるんです(=゚ω゚)ノ
世界に広がったホウレンソウは、ヨーロッパにわたった品種は「西洋種」中国方面にひろがった品種は「東洋種」と変化していきました。
西洋種は葉は厚くて葉先が丸く、葉の縁は滑らか。
東洋種は葉の縁がとがって切れ込む。あくが少なく甘みが強い。
とそれぞれの特徴を持つように変化していきました。
移動の過程で東洋種と西洋種に分かれたのは、くだものの『梨』なんかも同じですね(=゚ω゚)ノ
参考リンク→:シャキシャキ甘い日本梨・ねっとり甘い西洋ナシ
ホウレンソウそれぞれの特徴を比較するとこんな感じ。
ホウレンソウ | 西洋種 | 東洋種 |
---|---|---|
葉 | 丸葉・硬い | 切れ込み葉・やわらかい |
種の形 | 丸種(球形) | 角種(角のある種) |
味 | アクが強い、生食は向かない | アクが少ない |
まき時 | 春・秋 | 秋 |
東洋種のほうが甘味も強く美味しいが、とう立ちしやすく(花がつきやすく)栽培は難しいため、現在は西洋種や西洋種との交配種が主流になっている。
現在販売されている日本ホウレンソウなども、純粋な東洋種ではなく、東洋種の特徴がつよい交配種であることがほとんどだ。
西洋種系の品種は、春でも花が咲きにくいので、秋と春どちらでも栽培できる。
しかし、東洋種の傾向が強い品種は、春にまくとすぐに花が咲いてしまうため、うまく栽培することができない。
初心者は、栽培しやすい秋まきがおすすめだ。秋ならどちらの種でも問題なく栽培することができるよ。
ホウレンソウの花
ちなみにホウレンソウは雄雌異株の風媒花(風によって花粉を運ぶ花)だから見てもきれいなものではありません。
雄雌で味に違いはないから普通は気にする必要はないけどね(^_^;)
雄でも雌でも、東洋種でも西洋種でも、花が咲くと筋が強くなり葉も固くなるのでとても不味くなります。
花が咲く前に収穫するようにしましょう。
ホウレンソウは寒さに強く、寒さに当たれば当たるほど甘く、美味しく作ることができるから、まずは秋まきからチャレンジするのがおすすめ(*^^*)
ここからは失敗しない、ホウレンソウの育て方を紹介していきます。
ホウレンソウを育てよう!
ではさっそくホウレンソウを育ててみよう。
ホウレンソウは先程も説明したように、寒さに強い野菜。逆に言えば暑さに弱い。
そのため、春まきよりも秋まきのほうが育てやすい野菜です。
8月の終わり〜9月に種をまいて育てるのがおすすめだ。
ホウレンソウ栽培は種から
ホウレンソウは苗で販売されることはほとんどないので、種を購入して栽培することになります。
現在は様々な品種の種が販売中。
ほとんどのものが、西洋種と東洋種の交配種でどれも育てやすく改良されています。
秋にまく分にはどの品種を選んでも問題なしですが、ホウレンソウは気温が30度を超すと生育が鈍ります。
早まきする場合はできるだけ暑さに強い品種を利用しましょう。
中にはほとんどアクがなく、生で食べられる「サラダほうれんそう」などもあります。
ホウレンソウ種まきの準備
品種が決まったら畑、もしくはプランターの準備をしよう(≧▽≦)
ほうれん草はプランターでも育てられるから、ベランダ菜園での栽培もおすすめだ。
プランター栽培なら、市販の『野菜の培養土』を使用すれば問題ない。
夏野菜あとのリサイクル用土を使用する場合は、リサイクル材や石灰を入れて土をよみがえらせておくことを忘れずに。
畑の準備
ホウレンソウ栽培で重要なのは土のpH(土壌酸性度)
ホウレンソウは酸性土壌をすごく嫌う野菜で、pH5.5以下ではまともに育ちません。
必ず石灰を入れて土壌を中和しておきましょう。
土壌酸度計があると畑の状態を確認しやすいですよ(=゚ω゚)ノ
もっと安いものもあるけど、電池不要で信頼性の高いものなら『シンワ測定の酸度計』がおすすめです。
畑の土壌改良
一般的な畑なら、1平方メートル当たり
- たい肥 2㎏
- 苦土石灰 100g
- 野菜の元肥(化成肥料など) 100g
を混ぜて30㎝ほど耕します。
苦土石灰、もしくは有機石灰の場合は一緒に混ぜてもいいけど、消石灰を利用する場合は事前に混ぜておこう。
たい肥・化成肥料を入れる1週間前に入れておくのがおすすめだ。
参考リンク→:消石灰・苦土石灰・有機石灰はどう違う?違いと使い分け
ほうれん草は直根性・加湿に弱い
ホウレンソウの根はまっすぐ深く土の中に伸びます。
そのため有機物に富む、ふかふかで水はけのよい土が必要。
土壌改良が終わったら5センチくらいの畝をたてて準備しよう。
水はけの悪い土の場合は畝を10~20㎝の高めに作るのもおすすめだ。
ホウレンソウの種まき
ホウレンソウの種は、実は殻に包まれた中にある。
そのため、そのまままくと発芽しにくい。
発芽率を高めるために、一晩水に浸けてからまくのがおすすめ。
東洋系品種は角が鋭いのでけがをしないように注意しよう(=_=)
種は1㎝間隔に筋蒔きします。
野菜用大型プランターなら、種まきの溝は10㎝の間隔をあけて2列。通常の65㎝プランターなら1列に溝を掘ってまきます。
1㎝程度の深さになるように両脇から土をかぶせ、上から軽く押さえてしっかり水を与えましょう。
発芽までは乾燥させないように水やり
発芽までは土壌の乾燥に注意して水やりを行います。
気温が30度を超すような場合、寒冷紗などで遮光して地温を上げないようにします。
芽が出てからは寒冷紗は外してしっかり日に当てましょう。
芽が出てからは気温が高温の場合は特に、今度は加湿になりすぎないよう注意しましょう。
暑い時間帯の水やりは控えて、気温の低い朝方の水やりがおすすめです。
種から育てるホウレンソウの育て方
ホウレンソウは種まきから30~60日で収穫可能。
一度にたくさん穫れても困るようなら、種まきの時期をずらしておくと、順番に収穫できるよ(≧▽≦)
ホウレンソウの間引き
ホウレンソウの芽が育ってきたら、間引きをしながら育てていきます。
成長に合わせて、隣の株と葉が触れないように間引きましょう。
間引きのタイミングとしては、5㎝・10㎝位に育った時点で2回間引きをするのがおすすめ。
間引きをしたら追肥も忘れずに
間引きしたら、株の周りに追肥も忘れずに。
周囲を軽く耕してパラパラと野菜の肥料(化成肥料など)をまいておこう。
ホウレンソウの収穫
20㎝ほどに育ったら収穫です。
必要に応じて根元から根を切って収穫します。
寒さには強いけど、遅まきした場合はさすがに成長が遅くなるので、ビニールのトンネルをかけて栽ヾ(≧▽≦)ノ
トンネル栽培の場合でも、収穫前の1週間はトンネルを外し、外気の寒さにあてることで甘みを強くすることができます。ヾ(≧▽≦)ノ
ホウレンソウの病害虫
ホウレンソウの葉にはシュウ酸が含まれるため、虫はつきにくい野菜です。
特に秋に栽培した場合、気温も下がってくるので無農薬でも病害虫は発生しづらく、初心者の家庭菜園にもおすすめ。
それでも害虫が発生した場合は適切な薬品を使って早めの防除を行いましょう。
病気の株は早めに引き抜いて、周りに被害が広がらないように早めの対応が必要です。
ホウレンソウに使える薬はコチラ。
殺虫剤:ベニカ水和
殺菌剤:ベンレート
まとめ
今回は、初心者でも簡単に栽培できる秋まき野菜『ホウレンソウ』を紹介しました。
ホウレンソウ栽培のポイントは、
- 土壌酸度
- 温度
- 水はけ
病害虫は少なく、プランターなどでも簡単い栽培できる野菜です。
栄養価も高いホウレンソウ
ホウレンソウは美味しいだけでなく、栄養価も高い。
ビタミンA、ビタミンC、カロテン、鉄分、カルシウム、マグネシウムなど、豊富な栄養を含む緑黄色野菜です。ポパイも大好き(≧▽≦)
花言葉は「健康」「活力」
これも栄養の高さを反映してますね(≧▽≦)
冬の寒さに負けない丈夫なホウレンソウを食べて、元気に過ごしましょう。
では、みなさま、よい園楽を~~~~~ヾ(≧▽≦)ノ