決定的な違いはなに?メネデールとリキダス知りたかった2つの商品を徹底検証

植物栄養剤の市場には、数多くの製品が存在します。

特に「メネデール」「リキダス」という二つの製品。

これらの製品は、植物の成長や栄養バランスを改善することができますが、それぞれに独自の特徴があります。

今回は、『メネデール』と『リキダス』それぞれメーカーの販売担当者を直撃。深くお話を聞いてきました!

それぞれの働きと効果、違いについて植物だけに「根ほり葉ほり」聞いてきたので、この記事を読めば、あなたがどちらを選ぶべきかがわかりますよ(≧▽≦)

メネデールとリキダスとは何か

園芸専門店で販売される植物活力剤『メネデール』と『リキダス』

同じ活力剤と言われる分類で、うたわれている効果も似ている。

いったい何が違うの??

そう思われている方も多いハズ(。-`ω-)

期待する効果としては確かに同じ部分が多いのですが、実はよく調べるとそのアプローチの方法は全く逆と言っていいほどに違うんです。

結果から言えば、

  • 種まきや育苗、弱った植物の回復には『メネデール』
  • 回復した植物の生育を加速させる、丈夫な植物に育てるなら『リキダス』

という使い分けをするのが、我が園楽Projectでの答え。

なぜそういう使い分けがいいのか?

ここからは両社の共通点と、大きく異なる商品コンセプトを比較していきます!

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両者の共通点

メネデールとリキダスは、共に植物の栄養を補うことができる活力剤です。

両者ともに、窒素、リン、カリウムを含む液体肥料ではなく、それ以外の微量要素を成分とした『活力剤』と呼ばれる資材に分類されています。

いわゆるアンプル材と同じくくりですが、単に不足する微量要素を補充するアンプル材と違い、メネデールとリキダスは植物の元気を取り戻す特別な仕組みを備えています。

メネデールとリキダスの使用方法の類似点

メネデールとリキダスの使用方法は、どちらも根元に散布する方法が一般的。

原液を水に規定量に薄めて植物に散水します。

また、両者ともに、葉っぱに直接散布する『葉面散布』を行うことも可能。

それぞれに使用する際の希釈倍率は違うので使用方法を正しく理解し、使用量を守りましょう。

メネデールとリキダスの効果に関する共通点

メネデールとリキダスは、植物の生育に必要な栄養素を供給することで、健康な成長を促進する効果は共通しています。

また、植物の病気や害虫からの防御力を高めることがうたわれることもありますが、これはメネデールやリキダスに殺菌や防虫の効果があるわけではなく、植物が元気になることで植物そのものの抵抗力が増して病害虫にかかりにくくなるためです。

人間や動物対しても、散布する際に体にかかってしまっても、悪影響があるようなことはほとんどありません。

どちらも、NPK(窒素・リン酸・カリ)以外の成分しか含まれていないので、しっかりした成長を行うためにはNPKを含む他の肥料と組み合わせて使うことが大切となってきます。

期待できる効果としては、どちらも使用することで収量が増えたり、大きく育つという結果が報告されていますが、実はその働きは全く違うものなんです。

ここからは、それぞれの違いをさらに詳しく比較していきましょう。

メネデールとは

メネデールは植物の生育を助ける活力剤。大きな特徴は、植物の根の成長を促進させることです。

メネデールの主要な成分は『鉄』

これは植物が生育する上で欠かすことができない成分なんです。

土の中にも鉄分は含まれていますが、そのほとんどはそのままでは植物が利用できない状態(3価鉄:Fe3+)で存在しています。

通常植物は、根から出る根酸や微生物の力を借りて、土の中の鉄分を吸収できる形に変換して利用しています。

しかし、苗が小さいときや弱った時などは、根の力が弱くうまく鉄分を吸収することができません。

メネデールには鉄分が『2価鉄イオン』の形で溶け込んでおり、そのまま植物の根が吸収できるようになっています。

逆に言えば、メネデールは鉄分しか含んでいません

これは「弱った根に強い肥料を与えることは根を傷めて逆効果になる」という考え方から。

じゃあ、栄養不足は解消しないかというと、そんなこともありません。

通常の土の中には、植物が必要としている栄養素はかなりの量が溶け込んでいます。

メネデールの主成分『2価鉄イオン』は土中の養分と結合し、一緒に根の中に吸収されることで植物の栄養補給を助ける働きもします。

これにより、植物が活性化し根が増える。

根が増えれば、植物は自分で多くの肥料を捕まえに行けるようになり、元気に生育することができます。

このように、メネデール自身にはほとんど鉄分以外の栄養素を含まないため、鉢植えなどで鉄分以外の微量要素不足で生育が悪くなった場合にはあまり効果がありません。利用の際には注意するようにしましょう。

(Ca不足のトマトの尻ぐされや、Mg不足での葉の黄化などの場合)

メネデールは離乳食

弱った植物、まだ若い植物は根が弱く、うまく栄養を吸収できません。

そのため栄養吸収を行いやすいように、優しい状態で最低限のサポートするのがメネデールです。

人間でいえば赤ちゃんの離乳食や、病院の胃にやさしい食事のようなものと考えるといいでしょう。

リキダスとは 

リキダスも、植物の成長を促進するための活力剤。

ここからは、リキダスの成分、利用方法、期待できる効果について解説していきます。

リキダスの成分

リキダスは、窒素、リン酸、カリウムなどの主要な栄養素以外を含む多機能型の液体活力剤です。

微量元素として、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅、ホウ素、マンガン、モリブデンなどが含まれています。

さらにこれに加え、リキダスは「コリン・フルボ酸・アミノ酸が植物に効果を示す」ということで特許取得しています。

これらの成分は、植物の成長に必要な栄養素であり、バランスよく配合されているため、植物の成長を促進する効果が期待できます。

リキダスの利用方法

リキダスは、水に希釈して使用します。

配合比率は、植物の種類や生育環境によって異なりますが、一般的には200倍に希釈して使用します。

根が弱い苗や、東洋ランサボテンなどはさらに薄い1000倍で利用するのがいいでしょう。

希釈した液を、根元からたっぷりと与えます。

また、葉面散布も可能です。

リキダスの期待できる効果

リキダスは、植物の成長を促進する効果が期待できます。

単に微量要素が溶けているわけではなく、根からの吸収を助ける働きのある「コリン・フルボ酸・アミノ酸」が含まれていることで、植物のパワーを引き出します。

また、特徴的なのは他ではなかなかない、液体に溶け込ませたCa(カルシウム)の存在

特に野菜で顕著なカルシウム不足で起こる生理障害の予防に役立ちます。それ以外にもCaは植物の体を作る基本となります。

石灰と違い土中の酸度を変化させることなくカルシウム補給が可能なので、アルカリ性を嫌うブルーベリーなどツツジ科植物のカルシウム補給にも役立ちます。

リキダスは療養食

リキダスは必要な栄養素だけをしっかり補い、体を回復させていく療養食のようなもの。

根が弱った植物には薄めで、生育を加速したい場合は液体肥料などと合わせて栄養を高めて与える。療養食のようなものと考えるとわかりやすいでしょう。

成分の違いを比較

同じような効果を得られる二つの活力剤ですが、その成分は大きく異なります。

メネデールの成分

基本的に溶けているのは2価鉄イオンのみ。余計なものは入っていません。

リキダスの成分

「コリン・フルボ酸・アミノ酸」を中心に、カルシウム、鉄、銅、亜鉛、モリブデンなど。

考えられる限り植物の栄養吸収を助ける成分を詰め込んであります

結局どっちがいいの?

どちらも同じ『元気のない植物に活力を与える』効果がある商品。

じゃあ、一体どっちがいいの?

芽出しにはメネデール、成育補助にはリキダス

どちらを使っても基本的には問題ありません。

ですが、より植物に合った使い方としては、

  • 種まきや育苗、弱った植物の回復には『メネデール』
  • 回復した植物の生育を加速させる、丈夫な植物に育てるなら『リキダス』

という使い分けがいいと思います。

芽出しや、弱っているときは根が少なく吸収できる成分も多くありません。

メネデールは「根を増やして栄養を吸収できるからだづくり」をサポートするのに対し、リキダスは「根が吸い上げやすい環境を作って植物に栄養を送り込む」ことを目的にしています。

元気な植物であれば、リキダスは非常に効果的に働きますが、やはり根の再生という点ではメネデールに軍配が上がりそうです。

逆に、鉢栽培で微量要素不足などの症状が出ている場合は『リキダス』が効果的。

鉢栽培で不足しがちな微量要素を補給できます。

ただし、根詰まりなどを起こしている場合は適時、植え替えもあわせて行っておきましょう。

また、リキダスはトマトの尻腐病など、カルシウム不足の生理障害にも有効です。液体状なので吸収が早く、早い回復が期待できます。

まとめ

メネデールとリキダスの違いを理解して使い分けよう。

鉄イオンで根の再生を中心としたメネデール。

あらゆる有効成分と、植物の栄養吸収を補助するリキダス。

どちらも植物栽培を強力にサポートしてくれる頼もしい相棒です。


価格はメネデールの方が高いので、おすすめの方法としては植付時・もしくは植物が弱っているときはメネデールで基礎的な体力を回復させ、そのあとリキダスで一気に活性を促すという連携利用がもっとも効率的ではないかと思います。

リキダスは肥料と併用して使い続けることで肥料効率をアップさせる働きもあります。

逆に芽出しや、弱った植物にメネデールを使用する際は、過剰な肥料と一緒に与えると根の発育を阻害する可能性もあります。

根がきちんと働いていない植物には、肥料は与えずに、メネデールだけで様子を見るようにしましょう。

メネデールについてはさらに詳しく解説した記事もあります。今回と合わせて勉強してくださいね。

では、皆さま、よい園楽を~~~~(≧▽≦)

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