結構知らない?肥料の話。活力アンプル剤は肥料じゃない?
「肥料ちゃんとあげてますよ」( ゚Д゚)
という人の鉢に刺さっている『活力剤アンプル』
これさえ挿しておけば肥料は完璧(*´▽`*)って思っている方、結構多いんじゃないかな?
実はこの”アンプル剤”ってやつはいろいろと誤解の多い商品なんです。
正しく使えばそれなりに効果が期待できるけど、実は肥料じゃないって知ってましたか?
目次(*´▽`*)
アンプル剤は肥料にあらず
「え?そうなの?」って驚いてる方、よく見てください。
パッケージにどこにも「肥料」って書いてないでしょ?
じつは肥料の成分は「肥料取締法」によって厳しく規定されていて、その分類からするとアンプル剤は「肥料」とは認められないんです。
どれを見ても「栄養素配合」としか書かれていない(;´・ω・)最後のHB101にはチッソリン酸カリの文字はあるものの、肥料の表記はなし。
これは「肥料」と規定できるだけの成分量が保証できないからなんです。
「肥料」と呼ぶばれるには決まりがある。
日本の法律にて、
「植物の栄養に供すること又は植物の栽培に資するため土壌に化学的変化をもたらすことを目的として土地に施される物及び植物の栄養に供することを目的として植物に施される物をいう」
肥料取締法第2条第1項
と定義されている。
土にまくだけではなく葉に振りかける「葉面散布」なども肥料とされるわけだから、アンプルだってもちろん「肥料」と呼んでいいはず。
それが肥料と呼ばれないのは法的に含まれる栄養素の量に規定があるから。
「生産者保障表」の貼り付けが義務となっています。
肥料の種類によって変わってくるが、チッソ・リン酸・カリの含有量が一定以上なければ肥料と認められない。肥料の「生産者保障表」はその含有量を示し、国に認められた証。
つまりこれがなければ肥料として認められない。
この表を取得していない上の商品は「肥料」と呼ぶことができない。
というわけなんです。
肥料に書かれている数字の意味
ついでなので、肥料でよく書かれている数字「8・8・8」とか「5・10・5」とかの意味を解説しておきましょう(・ω・)ノ
これは肥料の3要素N(チッソ)P(リン酸)K(カリ)の割合のこと。
単純に、肥料の中に何%その成分が含まれているか?
ってこと8・8・8の肥料100gだったらそれぞれ8gずつが肥料成分ってわけです(・ω・)ノ
残り76gはほかの成分だったり、一気に溶け出さないようにしてあるコーティング剤だったりします。
NPKもそのまま入ってるわけではなく、それぞれ化合物の形で入っているのだが・・・長くなるのでこれはまたの機会にしよう(;^ω^)
つまりアンプル剤には何が入っているんだ?
正直なところ「わかりません」
細かい記載の法的縛りはなく、基準値も示されていない。
極端な話をすれば、空のペットボトルに水道水を詰めて、
「活力剤です!」って言って販売しても問題ないはず。(水道水にだって塩素などの微量要素は含まれている)
だから、100円均一などで販売している活力剤も、安く作ろうと思ったら作れるわけです。
もちろん、ほとんどのアンプル剤はメーカーごとにきちんと研究したうえで、植物栽培に適した内容のものを詰めているとは思います。
ですが、あまり信用ならないメーカーのものは使わないほうがいいかも……(^_^;) ということです。
植物が枯れるようなことなないでしょうが、まったく効果がない。なんてこともあるかも(;´・ω・)
とはいってもまともなアンプル剤もあるんでしょ?
こんなこと書いといてなんですが、お店で売っているアンプル剤はどれも効果はあると思います(;^ω^)
ただやっぱり程度の差はあるわけで、価格が高いものはそれなりにしっかり作られていると思います。
活力剤の主な役割は、肥料で補いきれない微量要素の補給。
チッソリン酸カリ以外に植物が活動するには多くの栄養素が必要とされます。
必須元素と呼ばれる窒素 (N)、リン (P)、カリウム (K)、カルシウム (Ca)、酸素 (O)、水素 (H)、炭素 (C)、マグネシウム (Mg)、硫黄 (S)、鉄 (Fe)、マンガン (Mn)、ホウ素 (B)、亜鉛 (Zn)、ニッケル (Ni)、モリブデン (Mo)、銅 (Cu)、塩素 (Cl)、これらが必要不可欠。
チッソリン酸カリとそのほか一部を除けば、必要量はほんのちょっと。だからお庭植えや新品の培養土では不足することは、ほぼないです。
だけど、観葉植物みたいに鉢の中だけで長く育てる場合、ものによって微量要素がすっかりなくなってしまうこともある。
それを補う目的で挿すのがアンプル剤なんです。
たまにお庭に挿してる方を見かけますが、それほとんど無駄だからね(*_*;。
庭に与える活力剤だってあるんです。
アンプル剤はお庭には不要と言いましたが、活力剤が不要なわけではない。
やっぱり不足する成分はあります。
有名なのがカルシウム(Ca)
不足すると、トマトの尻ぐされ病などを発生する原因となります。
補給するのに有名なものは石灰ですね。
あと、欠乏しやすいのがマグネシウム(Mg)
葉緑素(植物が栄養を作るための部分)に必須。これはマグアンプKや苦土石灰で補充できます。
次が鉄分(Fe)
特に二価鉄と呼ばれる形のものは根を育てる効果が大きい。これはメネデールという液体活力剤に多く含まれています。
ケイ酸やその他微量要素ならミリオン。
ケイ酸塩白土って呼ばれるやつですね。
最近人気の活力剤だと、ハイポネックスのリキダスがおすすめ。
大量のカルシウムと微量要素を網羅した活力液。
はっきり言ってアンプルなんか使わずこれやっとけ!ってくらいよく効く(^_^;)
必要な時に必要なものを!
何でもいいから肥料やっとけ。ではうまく育つものも育たない。
植物が必要とするときに与え、時に与えないことも必要。
株が弱っていたら、肥料ではなくメネデールやリキダスで株の回復を。
それぞれの商品の特性を理解して上手に利用していきましょう。
では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙
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