何を選ぶ?『緑のカーテンに使うおすすめ植物10選』メリット・デメリット徹底解説
エコに涼しく!
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)が求められる現代。
大量の電気を消費してクーラーをかけることは、電力的にも、室外機の排熱によるヒートアイランド現象的にもあまりいいこととは言えません。
今こそ、植物の力で涼しく過ごす『緑のカーテン(グリーンカーテン)』をもう一度見直してみませんか??
植物の力で、夏をすずしく過ごすヒントとして、園楽projectがオススメする『緑のカーテン最適植物10選』をメリット・デメリットとともに紹介します!
目次(*´▽`*)
天然のクーラー、緑のカーテンって何?
まずは緑のカーテンの基本を押さえておきましょう。
『緑のカーテン』とは、つる性の植物を、窓やサッシの外側に這わせて熱を遮る陰を作ること。
つる植物の葉がカーテンのように窓を覆うことで、夏の暑い日差しを遮ることができます。
一時期は、テレビなどでも多く取り上げられたが、最近はちょっと飽きられた感もある『緑のカーテン』
それは、あまり効果がないからなのでしょうか??
いえいえ、そんなことはないんです。
緑のカーテンが、普通のカーテンより涼しくなることは、科学的にもちゃんと証明されているんですよ!
蒸散作用が熱を奪う!科学的に認められた緑のカーテン
環境省が紹介する『グリーンカーテンプロジェクト』によると、緑のカーテンは太陽からの熱エネルギーを80%も吸収してくれるという報告があります!
これは単に葉が影を作るから、というだけではなく、植物の「蒸散作用」による冷却効果が働くためです。
「蒸散作用」とは?
植物が葉から放出する水分により温度を下げる効果のこと。人間が汗をかいて体温を下げるのと同じですね(*'▽')
特に、成長盛んなつる植物は、水をつるの先端まで引き上げるため大量の水を水蒸気として放出します。そのため植物で作られた緑のカーテンは、ほかのどんな遮光ネットよりも熱の吸収効果が高いことが明らかになっています。
さらに、おまけの特典として、果実が収穫出来たり、花を楽しむことができたりします。
涼しくって、美味しくって、きれいで楽しい!
家にこもることが多くなりそうな現代。
グリーンカーテンを作ってみませんか?
どんな植物がいいの?メリットとデメリット
では、緑のカーテンを作るのはどんな植物がいいのでしょうか?
つる植物ならば何でもいいというわけではありません。
例えば、有名なアイビー(ヘデラ)などでは、伸びるのに時間がかかりすぎるうえ、ネットには絡んでくれません。
それどころか、壁に吸着根をおろし張り付き、はがすと壁に汚い後を残してしまいます(;゚Д゚)
緑のカーテンの条件としては
- 成長が早く、一か月程度で2m以上に育つこと。
- 巻つるがあり、自分でネットを登っていく絡みつきつる性植物であること。
- 夏の直射日光・暑さにも負けず葉を維持できる丈夫な植物であること。
- 蒸散作用が高く、太陽の熱を効率よく減少させることができること。
これらを兼ね備えた植物だけが『緑のカーテン』として利用できます。
これらすべてに当てはまる植物というと、意外と少ない。
つる植物であっても、つるバラのように自分では絡んで登らないつる植物では、緑のカーテンとして利用するのは難しい。
つるは良く茂っても病害虫に弱いと管理も大変。
途中で葉が落ちてスカスカになってしまったら役割を果たせません(*´Д`)
園楽projectがおすすめする『グリーンカーテン植物』10選
そこで、初心者でも育てやすい。『緑のカーテン』に向くつる植物を10種類紹介します。それぞれのメリット・デメリットもあわせて紹介しているので、お気に入りのカーテンを選んでみて!
1,ゴーヤ(レイシ・ニガウリ)
言わずと知れた緑のカーテンの定番植物。
何しろ丈夫で成長が早い(*'▽')
沖縄が特産であることで分かるように、暑さや強い日差しに非常に強い。
初心者でも簡単に育てられるおすすめ植物。もちろん実を付ければ収穫して食べることもできます!
欠点といえば、実がなりすぎると消費に困ること(^_^;)
ニガウリってそんなに料理に使わないんですよね~
あとは実を収穫し忘れたときに黄色くなってはじけてしまうこと。
始めて見ると、ちょっとびっくりします(*´Д`)
メリット:成長早い・丈夫で簡単。果実も収穫できる
デメリット:実がなりすぎて余る。完熟果実はちょっと驚く形をしている。
参考リンク→:緑のカーテンを作ろう!にがうり・ゴーヤ・レイシ、違いは何?雄花しか咲かない理由を解説します
2、西洋あさがお
緑のカーテンは作りたいけどゴーヤは嫌い(*´Д`)っていう人や、どうせならお花が咲いた方がいい!という人向け。
人気品種、青い花の「ヘブンリーブルー」を中心に、近年いろいろな花が販売されています。
日本のあさがおとは成長速度・サイズともに段違い。
一気に1~2mつるを伸ばし、覆いつくすように葉が茂ります。
ちなみに、日本朝顔もつる植物ですが、窓を覆いつくすほど葉を茂らせるのはむずかしいです。
グリーンカーテンに使用するなら『西洋あさがお』か、あとで紹介する『宿根あさがお』を選ぶようにしましょう。
成長も早く、病害虫も少なく、初めてであっても育てやすい植物なんですが、欠点もあります。
西洋あさがおの欠点は、開花の遅さ。
あさがおというと7~8月のイメージですが、西洋あさがおの開花は8月下旬から。
「なんでうちのあさがおは咲かないんだろう?」と、やきもきしていると、忘れたころに咲きだす(^_^;)
つるをうまく誘引していないと、上にばかり花が集中してしまうのも気を付けたいところです。
短日性(夜の時間が長くなると花を咲かせる性質)なので、街灯があまりにも明るいと花が咲かないまま冬になっておしまい・・・(=_=)
な~んてことも。
夜も明るい地域の場合は別の植物を選んだ方がいいかもしれません。
メリット:成長早く、育てやすい。花がきれい。
デメリット:開花が遅い。夜間明るい場所では花が咲かなくなることがある。
参考リンク→:小学校1年生夏休みの宿題「あさがおの観察」を成功させる方法
3,宿根あさがお(琉球あさがお)
基本的な性質は、西洋あさがおに近いが、こちらは環境が合えば『根』が土の中に残って来年も咲く宿根草。
苗から植えると西洋あさがおと同じく、開花は8月下旬からだが宿根株は早くから本気で成長できるので、早ければ6月くらいから花を咲かせます。
寒さが苦手なので宿根越冬できるのは関東の南くらいまでといわれていますが、根が無事なら場所によっては越冬可能かもしれません。
成長は西洋あさがおよりも旺盛で、根がはれれば4~5階建てのマンションの壁なら覆えるくらいの成長をします!
欠点は茂りすぎるほどの、成長の良さ。
地域によっては生育が良すぎて雑草化している地域もあるそうです。
メリット:生長が早い、丈夫で育てやすい。花がきれい。宿根して来年の楽しめる。
デメリット:地域によっては繁殖しすぎる。生育旺盛すぎる。
参考リンク→:朝顔いろいろ、グリーンカーテンにはどれがいい?日本と西洋と琉球それぞれの特徴と育て方。
4、ヨルガオ(夕顔)
あさがおに対して夕方から咲くので「ヨルガオ」
園芸店では「ユウガオ」として売られることもあるけど、正確にはユウガオはウリ科のかんぴょうの原料になる野菜で別種。
まあ花屋さんで、「花を楽しむユウガオください」って言えばわかってもらえると思う(^_^)
ユウガオ(ヨルガオ)の利点は夕方から咲くだけではない。
その花には香りがあります。
夜に咲く花は暗い中でも虫に見つけてもらうために良い香りを放つものが多くあります。
ヨルガオもその例にもれず、夕方からほんのりよい香りを放ってくれます(≧▽≦)
あさがおと混植すれば朝はアサガオ、夕方からヨルガオと2倍楽しめます(^_-)-☆
欠点としては熱帯の植物なので気温が上がるまでは成長がゆっくりということ。
特に西洋あさがおと混植すると、成長負けしてしまうこともあるのでうまく誘引しましょう。
メリット:香りのいい花を楽しめる。
デメリット:花は夜しか見れない。苗の販売が少ない。はじめは生長がゆっくり。
参考リンク→:朝顔と昼顔と夕顔と夜顔
5,へちま
一枚の葉が大きく光を遮るのにはもってこい。
成長もゴーヤに負けず劣らず早くて丈夫。
もちろん実も収穫できます。へちまの若い実はナーベラーといって沖縄では食用にされます。
本州では食用よりもタワシとしての利用のほうが有名かもしれないですね。
欠点としては茂りすぎて光があまり入らないこと。
完全に覆われてしまうので部屋の中は暗くなりすぎるかもしれません(^_^;)
メリット:生長早く、丈夫。ヘチマが収穫できる。
デメリット:生育が旺盛すぎる。葉が大きいので暗くなりすぎる。
6,クダモノトケイソウ(パッションフルーツ)
近年、注目度急上昇中のグリーンカーテン植物。
果物トケイソウことパッションフルーツ。
パッションフルーツはご存知、南国のフルーツ。もちろん暑さ、強い日差しは大好き。適度に葉も茂るので緑のカーテンにはピッタリです。
果物ですが病害虫も少なく、ほとんど手入れなしでもよく育つのがいいですね(≧▽≦)
熱帯植物ですが意外に耐寒性も強く、関東くらいまでなら簡単な防寒で越冬し、次年以降も同じ株でカーテンを作ることが可能なのもポイントが高い。
欠点としては、ゴーヤほどの成長速度でないのでカーテンにしたいなら早めの準備が必要なこと。
実を期待するなら5月には開花・結実まで行かないと収穫は難しいです。
お花もきれいですが、真夏はあまり開花しません(。-`ω-)
花だけを楽しむ『時計草』の中には氷点下でも越冬可能な耐寒性品種もあります。
こちらなら、関東より北の寒い地方でも越冬させて毎年楽しもうことが可能ですよ(≧▽≦)
メリット:珍しい花と、果実が楽しめる。越冬して毎年楽しめる。
デメリット:成長は早くない。
参考リンク→:パッションフルーツの栽培、豊作のカギは人工授粉。クダモノトケイソウを育てよう!
7,スネイルフラワー(青いスイートピー)
スネールフラワーと呼ばれるカタツムリに似た花を付ける新しい品種。驚異的な生育スピードで約50日で緑のカーテンが完成。
実績も有り、絶対失敗しないと、生産メーカーがおすすめする期待の新人(≧▽≦)
欠点としては最近の品種なのであまり情報がない。しいて言えば手に入れる場所が少ない。色が青しかないくらいだろうか。
生産数はそれほど多くないので、見つけたら早めにゲットしよう。
メリット:かわいい花がたくさん咲く。成長早く丈夫。
デメリット:花色のバリエーションは無い。あまり苗を販売していない。
8,クレマチス
近年はクレマチスをグリーンカーテンにされる方も増えています(*'▽')
生育旺盛で1年で3m近く伸び、花もきれいと人気です。
注意点としては、使用するのはビチセラ系・テキセンシス系など新枝咲の品種を選ぶこと。
仕立て直しも簡単で四季咲きなので年に数回花が楽しめます。
欠点としては真夏に日差しが強すぎると葉が痛むことがあることがあります。
あまりに強烈な日差しは苦手というのはグリーンカーテンとしては欠点かも(^_^;)
地際で切り戻しすれば一月くらいで元に戻るけど、ちょうど8月くらいは一番日を遮ってもらいたい時期なんだよね(=_=)
メリット:育てやすい。四季咲きで花を楽しめる。
デメリット:夏の強い日差しに少し弱い。
参考リンク→:これでわかる!つる植物の女王「クレマチス」の分類と剪定
9,インゲン豆
意外かもしれませんが、インゲン豆もグリーンカーテンには有効です。
マメ科は肥料分が少なくてもよく育つので、初めての方やずぼらな方でも育てやすい植物です。
もちろんたくさんのインゲン豆も収穫できるので、ゴーヤよりも使いやすいと人気があります(^_^;)
欠点らしい欠点もないので、かなりおすすめですよ(≧▽≦)
インゲンには、あまり高くならない『つるナシ』タイプもあります。緑のカーテンにするなら必ず『つるありインゲン』を選びましょう。
メリット:成長早く、やせ地でも育つ。インゲン豆も食べられる。
デメリット:つるナシと間違わないように選ぶ。
10,ルコウソウ
小さな赤い花が、夏の間中楽しめるルコウソウ。
こう見えて、朝顔の仲間なんです。
つるの生育も旺盛でよく絡みます。
ただ、葉はそれほど茂らないので、比較的光の差し込みやすいカーテンになります。
メリット:育てやすい。かわいい花を楽しめる。
デメリット:あまり葉の重なりはあつくならない。
おススメしない、緑のカーテンに向かないつる植物
ここからはあまりお勧めしない、つる植物を紹介します。
ダメってわけではないけど、初心者は避けた方が無難です(^_^;)
キュウリ
葉も大きく、つるの成長もいいのだが、病気に弱い(=_=)
うどん粉病などで、葉を落とすことが多く、光を遮るカーテンとして育てるのはかなり難しいです。
ブドウ
葉を茂らせる点では十分。グリーンカーテンとしての役に立ってくれます。
しかし、木なので成長速度はそこまで早いわけではありません。
ブドウでグリーンカーテンにするなら、数年がかりで仕立てる必要があります。
冬も結構太い枝が残るので、一年中窓から外は見えません(;´∀`)
参考リンク→:おいしい「ヤマブドウ」と、食べられない「ノブドウ」
緑のカーテンを失敗しないポイント
緑のカーテンにチャレンジしたけど失敗したという方、失敗しやすいポイントを紹介します。
このポイントを抑えればきっとうまくいくはず。頑張って(≧▽≦)
ポイント1、しっかりした土づくり
緑のカーテンを成功させるポイントは、土です!!
地植えの場合は、しっかりとたい肥や腐葉土を入れて肥沃にしておきます。
つるの長さは、どれだけ土に根を張れるかによって変わります。
たくさん葉を茂らせて、長いつるを伸ばしたいなら、できるだけ広く土づくりをしましょう。
つるの生育に合わせて追肥も忘れずに行ってくださいね!
プランターで、緑のカーテンを栽培する場合は、苗1本につき、最低20Lの土が入る容器を用意しましょう。
2本伸ばすなら、40L以上の容量ということです。
つるが伸びるには、たくさんの根が必要。その根を維持できる大量の土が必要です。
2階以上まで伸ばしたいなら、さらにたくさんの土が必要になります。
ポイント2、水切れ注意
長く伸びたつるは、大量の水分を必要とします。
特にプランター栽培の場合は夏の水切れに注意。
葉を落としたり、つるの伸びが止まったりといったことが起こります。
乾燥が激しい場合は、保水材や自動潅水機を利用しましょう。
ポイント3、ピンチして枝数を増やす。
つるは伸ばしっぱなしでは、上にばかり葉が集中してしまいます。
早いうちにピンチ(先端を切る)して、枝数を増やし、した枝から全体に広げて栽培しましょう。
その方が花や実もたくさんつけることができます。
4,ネットはたるまないように、しっかり張る
「つるがあまり絡んでくれない(;´Д`)」
そんな時は、ネットがしっかり張られているか確認しましょう。
つるは、安定したものに絡んで登る習性があります。
つまり、ネットがぐらぐらしていると、安心して伸びてくれないんです。
上下でしっかり引っ張る。支柱を入れて伸ばすなど、ぴんと張ったネットを用意することで、つるが安心して登ってくれるようになりますよ。
参考リンク→:ホントに簡単?緑のカーテンの失敗しない作り方
最後に緑のカーテンの片づけ方。
気温が下がり緑のカーテンもひと段落。
緑のカーテンの片づけ方、おすすめとしてはネットごと処分(^_^;)
まあ、ネットは再利用可能だから外してもいいんだけど、すべてのつるを外すのは一苦労。
ここは思い切って使い捨てと割り切って処分してしまいましょう。
あんまり手間のかかる作業ばかりだと来年以降の作業がおっくうになりますからね。
できるだけ簡単に園芸を楽しむ。これも大切ですよ~(*'▽')
お気に入りの植物で緑のカーテンにチャレンジしてくださいね。
では、皆さまよい園楽を~~(≧▽≦)
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