これでわかる!つる植物の女王「クレマチス」の分類と剪定

クレマチス表紙

お庭づくりで欠かせない「つる性植物」

その中でも女王と呼ばれるつる植物が「クレマチス」です(≧▽≦)

つるバラと双璧をなす、ガーデニング植物の中でも人気の花。だけどなんだか「難しい」イメージないですか?

中には「すぐ枯れてしまう」「剪定がむずかしい(*_*;」「いっぱいあってよくわからない」

そんな風に感じている方も多いはず。

今回はそんな方に、簡単なクレマチスの選び方、見分け方。剪定の仕方を解説します(''ω'')ノ

クレマチスってどんな花?

まずはクレマチスの基本情報から(≧▽≦)

クレマチスは、キンポウゲ科センニンソウ属(クレマチス属)学名: Ranunculaceae Clematis の仲間全体を指します。

常緑~落葉の多年草。種類によって違いが大きくなります。

花びらに見えているのは実はガク片で正確には花びらじゃないんですよ。まあ、あまり気にする必要はないですけどね(^_^;)

クレマチスは毒草?

キンポウゲ科はトリカブトに福寿草、クリスマスローズなどと同じグループ。共通しているのは「毒草」ということ(゚Д゚;)

安心してください。触るくらい全く問題ありませんよ(^_^;) クレマチスの毒を使ったなんて事件は無いので間違ってお子さんが口に入れないようにだけ注意しましょう。

クレマチスはつるだけじゃない?

クレマチスは「つる植物」というイメージがあると思いますが、実は系統の中にはつるじゃないクレマチスもあります。といってもほとんどはつるなのですけど、インテグリフォリアヘラクレイフォリアという系統にはつるにならない種類もあるんです(゚Д゚)ノ

ああ、難しい系統名は気にしなくていいですよ(^_^;)

クレマチスとテッセンって違うの?

テッセン

日本ではテッセン=クレマチスみたいに考えられている方も多いですが、正確にはテッセンはクレマチスの中の一種。

クレマチス・フロリダ系「テッセン」です。

テッセンは中国原産のクレマチスの野生種で、1600年代に日本に入ってきたといわれています。

日本に自生するクレマチスの中にも「カザグルマ」という原種があり、中国のテッセンと日本のカザグルマは現在の多様なクレマチスの大輪品種の交配元となったとされています。名前は「鉄線」「風車」の意味で、つるが鉄線のようなのと、花の形から名前がついています。

テッセンはフロリダ系の元に、カザグルマは早咲大りん系(パテンス)の元になっています。見分け方は花弁数。テッセンは6枚花弁、カザグルマは8枚花弁が基本です(=゚ω゚)ノ

日本の自生種カザグルマは地域によって変異が大きく、色や形が結構違っています。「○○のカザグルマ」という名前で販売されるのでいろいろ見比べてみましょう(≧▽≦)

クレマチスは系統ごとに扱いが違う

早速いくつかの種類が出てきましたが、本題。系統の見分け方。これがわかれば大体の管理がわかるというものです(≧▽≦)

まずはわかりやすいものから。

モンタナ系

早春に満開の花を咲かせるクレマチスの中でも人気の系統。花は比較的小型で、特徴的な4枚花弁、白~ピンク系が多いです。

「旧枝咲き」といって、昨年帯びた枝に花を咲かせるので剪定はしない。もしくは先端を切り戻す程度。枝を下垂させてもよく咲きます。

春だけの1季咲ですが、その分花数は凄い(゚Д゚;)

高温多湿に弱く、寿命は4~5年といわれているので、挿し木で予備の苗を作っておきましょう。

モンタナ系:特徴ポイントまとめ

  • 春1季咲:4~5月開花
  • 旧年枝咲き:剪定弱く
  • 花:小輪4枚花弁 白~ピンク系
  • その他:高温多湿が苦手、寿命4~5年

キセンシス系

チューリップ咲の花がカワ(・∀・)イイ!! 人気の系統。

花色は赤系のものが多いです。新梢に花が咲く、新枝咲き・四季咲き。伸びながら咲くのでバッサリ切っても大丈夫。短くしすぎて日が当たらないと枝の伸びが悪くなるから、太陽にはしっかり当たるようにしましょう。

性質も強く、多花性で夏にも強い。冬は株元まで切りもどすので剪定の位置に迷うこともありません(≧▽≦)

テキセンシス系:特徴ポイントまとめ

  • 四季咲:5~10月開花
  • 新枝咲き:剪定強く。花後花のまとまりで剪定。冬は地際10㎝ほど残して剪定
  • 花:4枚花弁 チューリップ型 赤系
  • その他:暑さにも強く、育てやすい。

オリエンタリス・ダングチカ系

クレマチスには珍しい黄色い花の系統。香りのあるものも多い。

ただし、夏の暑さに弱くちょっと難しい面も(^_^;)

夏の暑さが厳しい地域では鉢植えの方がいいかもしれません。

新旧両枝咲といって、どこで切っても花が咲く。四季咲き性。あまり品種は多くないですが、多花性で豪華に咲きます(≧▽≦)

オリエンタリス・ダングチカ系:特徴ポイントまとめ

  • 四季咲:6~10月開花
  • 新旧両枝咲き:剪定強く。花後花のまとまりで剪定。冬は半分ほど残して剪定
  • 花:4枚花弁 チューリップ型 黄色系
  • その他:暑さに弱いので、夏は風通しよく管理する。

アトラゲネ系(アルピナ・マクロペタラ)

青く可憐な下向きの花をつける系統。

寒さには強いが、暑さがちょっと苦手。基本的には初夏ごろに咲く一期咲。すずしい地方では秋に返り咲くことがあります。

昨年の枝に花をつける旧枝咲。肥料は少なめで育てる方がいいです。

アトラゲネ系:特徴ポイントまとめ

  • 一季咲:6~7月開花
  • 旧枝咲き:剪定弱く。
  • 花: 小~中輪。下向き型 青色系
  • その他:暑さに弱いので、夏は風通しよく管理する。肥料は少なめで。

ヴィオルナ系

ベル型のかわいらしい花が特徴。

花色はピンク~オレンジ系。新梢に花が咲く、新枝咲き・四季咲き。伸びながら咲くのでバッサリ切っても大丈夫。短くしすぎて日が当たらないと枝の伸びが悪くなるから、太陽にはしっかり当たるようにしましょう。

性質も強く、多花性で夏にも強い。冬は株元まで切りもどすので剪定の位置に迷うこともありません(≧▽≦)

ヴィオルナ系:特徴ポイントまとめ

  • 四季咲:5~10月開花
  • 旧年枝咲き:剪定強く。花後花のまとまりで剪定。冬は地際10㎝ほど残して剪定
  • 花:小輪4枚花弁 ツボ型 ピンク~オレンジ系
  • その他:暑さにも強く、育てやすい。

ビチセラ系

新枝咲きなので、花後強剪定することで四季咲きになります。

花は小~中輪で花弁の基本数は4なのだけど品種によっては6になることもある。花形は品種によって結構違うので見分けにくいかも(^_^;)

花弁は平面に開き、先端が反り返る特徴が多く見られます。

ビチセラ系:特徴ポイントまとめ

  • 四季咲:5~10月開花
  • 新枝咲き:剪定強く。花後花のまとまりで剪定。冬は地際10㎝ほど残して剪定
  • 花:小輪4枚花弁(たまに6枚花弁)花形は多様 赤~紫色系が基本。
  • その他:暑さにも強く、育てやすい。

インテグリフォリア系

クレマチスの中で唯一木立性のグループ。(一部半つる性)

株元から伸びた新梢に咲く四季咲き。切り戻すことで長く花を楽しめる。切り花としても人気。

花は半鐘釣り鐘型。紫系の花が多い。

インテグリフォリア系:特徴ポイントまとめ

  • 四季咲:6~9月開花
  • 新枝咲き:剪定強く。花後に深く剪定。冬は地際10㎝ほど残して剪定
  • 花:半鐘釣り鐘型  紫系
  • その他:木立性(一部半つる性)切り花としても楽しめる。

フロリダ系

代表種「テッセン」を含むグループ。

四季咲き性が強く春から秋までよく咲きます。

大輪でよく目立つ花。暑さだけでなく、寒さもやや苦手なので東北地方以北の寒い地方ではやや注意。

フロリダ系:特徴ポイントまとめ

  • 四季咲:5~11月開花
  • 新旧両枝咲き:剪定自由。新枝旧枝どこにでも咲く。
  • 花:大輪6枚花弁 白~ピンク系
  • その他:暑さ寒さに少し弱い。中心の雄しべ雌しべの部分が大きい。

早咲き大輪系

日本の原種「カザグルマ」をもととして改良された品種群。

4月中旬から咲く早咲きと、大きな花が特徴。花弁の基本数は8枚。八重咲のものも豊富。

昨年枝に花を咲かせる旧枝咲きだが、花後早く切り戻すことで秋に花を咲かせることもある。

早咲大輪系:特徴ポイントまとめ

  • 一季咲:4~5月開花、まれに秋開花
  • 旧枝咲き:剪定弱く。花後花がらだけを取る。
  • 花:大輪8枚花弁以上 平面型 花色豊富
  • その他:暑さにも強く、育てやすい。肥料をしっかりやって育てましょう。

遅咲き大輪系

早咲があれば遅咲きもある(^_^;)

主にジャックマニーの仲間が含まれるグループ。

中~大輪のはなで花色が豊富。秋まで長く咲き続け、強健で育てやすい。

初心者にもおすすめ。

遅咲き大輪系:特徴ポイントまとめ

  • 四季咲:5~11月開花
  • 新旧両枝咲き:剪定自由。新枝旧枝どこにでも咲く。
  • 花:大輪。花形・花色ともに多様。
  • その他:丈夫で育てやすい。

クレマチスの見分け方

上記の分類のほかに原種のセンニンソウや常緑系のものもいますが、長くなるので今回はパス(^_^;)

剪定をするにはまずはそのクレマチスがどの系統なのかを知ることが重要。

まとめた特徴に照らし合わせれば、なんとなく系統はわかると思います。

問題なのは早咲き大輪系・遅咲き大輪系・フロリダ系。(゚Д゚;)

これはどっちも大輪だし、花形も似ている。ただし旧年枝咲と新旧両枝咲きと咲き方が違う。

これの見分け方としては、

  1. 八重咲はほとんどが早咲き大輪(パテンス)系
  2. 花弁数が6枚は遅咲き大輪系。8枚以上は早咲大輪系。
  3. 6枚花弁で花の中心が大きいものはフロリダ系

大雑把にはこんな感じ。確実なのは購入したときのネームタグを残しておくこと。名前がわかれば調べられるからね(゚Д゚)ノ

万が一わからなくても大丈夫。その時は半分くらい剪定して様子を見てみよう。

旧枝にしか咲かないようなら早咲大輪系。来年からは弱剪定にとどめればOKです。

まとめ

今回はクレマチスの系統の見分け方について紹介しました。

自分がどこに使いたいのかで、ある程度系統が決まってくるので、どこに植えるのかを考えてから品種選びをしましょう。

例えば、つるバラと一緒に絡めるなら新枝咲きの系統がおすすめ。

なぜなら、バラの剪定の時にクレマチスは地際から切って取り外して、バラだけに集中して剪定ができるから。

旧枝咲きだとクレマチスを切らないように注意してバラを剪定するので結構大変です(^_^;)

上手に利用して、立体的なお庭を作りましょう。

では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙

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