人間も溶かす?ハエトリソウの秘密大追跡!育て方から、虫を捕まえる方法まで
まるで牙が並んだ化け物の口のような姿(;'∀')
アップで見るとまた格別に怖い(;´Д`)
誰もが一度は見てたことのある「ハエトリソウ」
一度くらいいたずらでパクリとさせたことがあるんじゃないでしょうか?
特に子どもたち大好き!おはなやさんのハエトリソウはいたずらされてほとんど閉じてしまっていますね(^_^;)
目次(*´▽`*)
自由研究に最適!ハエトリソウ
子どもと言えば夏休みの自由研究。
最近は行わない学校も多いようですが、やっぱり好奇心をもっていろいろ調べるのはいいことだと思いますよ~(≧▽≦)
植物を「栽培」しようとすると、なかなか短い期間で研究するのは難しい。
ですが、「ハエトリソウの観察」ならすぐに始められて、いろいろと研究テーマもあります。
今回は子供だけじゃない!キモかわいい姿が大人気!「ハエトリソウ」についていろいろご紹介します!
自由研究のネタとして、栽培の参考として、単なる興味だけでもぜひ見ていってくださいね!(^^)!
ハエトリソウとは何者だ?
正式名称は、モウセンゴケ科ハエトリグサ属。学名をDionaea muscipula(ディオネア ムスキプラ)といいます。
和名で「ハエトリソウ」・「ハエトリグサ」・「ハエジゴク」などの名前で呼ばれます。
イギリスでは女神のまつ毛に見立てて”Venus Flytrap”(女神のハエトリ罠)なんて呼ばれています。
あの棘をまつ毛に見立てるとは、イギリス人はなかなかの想像力です(。-`ω-)
ハエトリソウはどこに生えている?
原生地は北アメリカ。ノースカロライナ・サウスカロライナのごく限られた地域。
ほかにこんな植物観たことないと思うが、その通りでディオネア属は1属1種。ハエトリソウしか確認されていません。(葉の変異による品種は10種以上あるのでマニア人気はあります)
モウセンゴケ科の近縁種には同じ食虫植物のモウセンゴケなどが含まれます。見た目はかなり違いますよね(*'ω'*)
食虫植物と呼ばれる植物の特徴とは?
さて、『食虫植物』と呼ばれるにはいくつかの特徴を持っていなくてはいけません。単に虫を捕まえるだけではダメなんですね('ω')ノ
どんな植物が『食虫植物』と呼ばれるのか?詳しく見ていきましょう。
食虫植物の定義
読んで字のごとく、虫を栄養として利用する植物のこと。
- 何らかの方法で昆虫や小動物を捕まえる
- 自力による消化酵素またはバクテリアなどの力を借りて獲物を消化し、その栄養分を吸収する。
- 吸収された栄養分を自身の栄養にする。
上記3つの機能を備えなくてはいけない。
虫を捕まえても食虫植物にはなれない
虫をつか前る植物の中には「ムシトリナデシコ」という植物がある。
しかし、この植物は虫の栄養を吸収しているわけではないので「食虫」ではない。
また、イチジクの仲間も受粉のために虫を誘いこんで殺すが、これも虫を栄養として吸収するわけではないので食虫植物とは呼べないのです。
意外な植物も「食虫植物」だった?!
しかし、実はこの定義に当てはめると、結構身近な植物が「食虫植物」と呼べることが最近の研究で判明した。
この記事によると野菜の多くに虫をとらえて栄養を吸収する機能が確認されたらしい。
簡単にまとめると、
- 茎の部分にある粘液のついた毛で昆虫をくっつける。
- 動けなくなった虫は、そのまま死んでしまう。
- 虫の死体は土に落ちて栄養となる。
- その栄養を根から吸い取る
ということ。直接虫を溶かすわけではないけど、これも立派な食虫植物なのだという。これは栄養の不足する土壌に生育する植物が実につけた機能らしい。
これに当てはまる植物は野生のトマトやジャガイモなど。
この理論を当てはめると食虫植物の数は今の倍以上に増えるらしいが、トマトが食虫植物というのはなんか納得できないよね(^_^;)
これも研究対象としては面白いが、その後の研究はあまり進んでいないようですね( ˘ω˘ )
ハエトリソウはどうやって虫を捕まえるのか?
さて本題。虫が止まると瞬時に葉を閉じて虫を捕まえる。あの仕組みはどうなっているのか?
実は確実に虫を捕まえるすごい機能があるんです。
ハエトリソウの葉をよく見ると葉の中央にそれぞれ3本、合計で6本の突起物が見えます。これが感覚器。
この棘に虫が触れることで葉を閉じるのですが、触れるのは1回ではだめ。
虫がしっかりと葉の奥に入り込んで「2回」触れることで初めてその葉を閉じて虫を捕まえるのです!!!!
この2回触る感覚。30秒間の間に2回触らなければならない。
あまり時間がたってからの2回目は別の獲物の可能性があるからだ(゚Д゚)ノ
ダーウィンとハエトリソウ
この30秒に2回という仕組みを発見したのは19世紀あの有名なダーウィンなのです!
ダーウィンはハエトリソウを熱心に研究し 「世界で最も不思議な植物」 と呼んでいました。
それ以来、約150年なぜハエトリソウは触られた回数を覚えているのか?なぜ30秒なのか?という謎は解明されていませんでした。
150年の謎が解明された!発見者は日本の学者
しかし2010年、東北大学 上田先生 が率いるグループが、この記憶現象に関する物質を発見!
この物質を『ジャスモン酸グルコシド』と名付けました(≧▽≦)
- ハエトリグサの感覚毛に刺激が伝わると、この 『ジャスモン酸グルコシド』 という物質が分泌される。
- ハエトリグサの開閉運動はこの物質の刺激によっておこるが、1回の分泌では量が足りず運動はおこらない。
- 2回目の刺激で分泌される量が合わさって初めて運動がおこる。
この物質は時間とともに拡散し、消えて行ってしまう。
その時間が約30秒!
だから30秒以内に2回触らないと反応しなくなる。ということを上田先生は発見したのです。
150年ぶりの快挙(≧▽≦)すごいですね!!!!!
私も世紀の大発見に貢献した?
実は、私、もしかするとこの実験にかかわっていたのかもしれないんです( *´艸`)
すっかり忘れていたんですが、確か10年くらい前にトラックに満載の「ハエトリソウ」を東京の市場から東北大学に収めたことがあったんですね。
当時は何に使うんだろうな~・・・程度にしか考えていなかったんですが、今思うとあの時納めた「ハエトリソウ」たちはこの記念すべき発見の実験に使われていたのでは??なんて思ったりします。
東北大学に確認したわけではないから確実ではないですが、時期的に大体あっているような気がする。
もしそうなら、ちょっとばかり誇らしい。そうだったのだと自分では思いこんでおくことにします(*´ω`*)
エネルギー消耗の激しいトラップ
なぜ2回も触らなければ閉じないかと言えば、もちろん確実に虫を捕まえるため。
実はこの葉を閉じるという動作、すっっっごくエネルギーを消耗するんです!
ひとつの葉が開閉できる回数は最大6回ほどと言われています。
この間に虫を捕まえられないとその葉は動かなくなってしまいます(◎_◎;)
自由研究では実際何回動くか調べるのも面白いですね。
日本のホームページでは「3回まで、それ以上は枯れる」という表記を見かけますが、海外のサイトを調べたところ
約6回。動かなくなった葉は棘が反り返り、普通の葉として光合成をおこなう。と書かれていました。
どちらが正しいかはぜひ自由研究で調べていただきたいものです。
研究結果わかったらコメントもらえると嬉しいですね(^^♪
まあ、とにかく家で育てるときはかわいそうですから「空振り」はあまりさせないようにしましょう(;´Д`)
ハエトリソウの閉じた葉は味がわかる?
閉じた葉はその中に「タンパク質」があることを感知すると、開かずに消化酵素で虫を分解にかかります。
あのトゲトゲした葉を見るとバリバリかみ砕きそうですが、触るとふにゃふにゃでちっとも痛くありません。
ちょっとした檻みたいなものです。
ハエトリソウは「タンパク質」をどうやって感じるか?
食虫植物とはいえ、所詮は葉っぱ。味覚があるわけではありません。
では、どうやってたんぱく質化を感じるかというと、消化液で分解が始まってから。
この消化液が分泌されるにも、葉の中の感覚器に刺激が与えられ続ける必要があるんです。
だからチーズやゆで卵を与えてももちろん閉じるのですが、分解されずに開いてしまう場合があります。
死んだ虫やチーズなど動かないものを餌にした場合は、消化酵素が出るまで何回かつまようじなどで葉の内部の感覚器を刺激するといいでしょう!(^^)!
もし、あなたが大きなハエトリソウに捕まった時は、感覚網を刺激しないように動かずにいれば助かるかもしれないですよ(^_^;)
大きなハエトリソウがあったら人間でも消化されるのか?
やっぱり気になるのはコレ、ですよね。
遺伝子組み換えなどで大型化したら?どうなるのでしょう?
調査の結果、実際に人間を食べさせた実験結果を発見しました!!
外国のかたですが、水虫になった自分の足の皮をハエトリソウに食べさせたそうです(゚Д゚)
その結果!その肉片は見事に分解されたということが画像付き(!)でまとめられています。
注目!人間も消化される?
なかなかグロい画像もあるのでリンクを開く際は自己責任で( 一一)
とにかく大きいサイズだと人も消化される可能性があるようですね。
ハエトリソウを育ててみよう!
5月ごろからホームセンターなどでも手に入るハエトリソウ。
近くのお花屋さんで売っていなくても、今はインターネットで簡単に購入できます(^^♪
ネットなら、お店では買えないちょっと変わった品種もありますよ。
もしホームセンターで購入するのであれば、できるだけ入荷したての新しいものを購入することをお勧めします。
ホームセンターの中には栽培方法を知らずに販売するお店も多いので、株が弱っている場合があります(。-`ω-)
特に、お店の中で販売されている場合。日光不足で弱ります。また子供にいたずらされて空振りばかりしている株もやっぱり弱っています。
まずはしっかりした株を手に入れることが大切です('ω')ノ
以外に簡単「ハエトリソウ」の育て方。
熱帯のジャングルのような場所で生えているイメージがあるかもしれないけど、気候は日本と同じように四季があり、常に水のある湿地に生育しています。
だから、置く場所は基本屋外(関東基準)水を切らさないように、受け皿に水を張って育てる「腰水栽培」が基本です。
冬もそのまま。
寒くなると枯れたように見えても「冬芽」という冬眠状態になるだけなので管理は変えず場所もそのままでOK。
凍ってしまうような寒い地域は凍らない程度の低温の場所で管理してください。
基本的にずっと屋外。寒くても温室に入れる必要はないですよ(^^♪
絶対ダメなのが室内での栽培。いくら窓のそばでも日照不足で弱ります(;´Д`)注意!!
ハエトリソウの植え替え
販売されているハエトリソウの多くはピートモス主体の土で植えられていることが多い。
だけど家庭で栽培する場合、これがあまりうまく育たない"(-""-)"
おすすめはミズゴケ。ほかには何もいらない。
本来植え替えの適期は、休眠中の1~2月だけど、どうも生育が良くないという場合は根を傷めないようにミズゴケに植え替えることがおすすめ。ランの植え替えみたいにギューギューに詰めるのではなく少しふんわりと植えるのがコツ。
鉢は、根が深く伸びるので、できるだけ深いものがいい。ミズゴケが腐るので基本的に1~2月に毎年植え替えることで元気に育ちます。
今は専用の土も発売されたから、これもおすすめ(*'▽')
ずいぶんニッチな培養土を作るものだ(^_^;)
肥料は厳禁!
もともと栄養が不足する土地だったからこそ虫をつかめて栄養にするよう進化したのだから、根が強い肥料になれていない。
肥料の代わりに上に書いた通り、タンパク質を餌にして分解を促すよう刺激してあげるといいですよ(^^♪
まとめ
不思議極まりない植物「ハエトリソウ」いくら見てても見飽きない、不思議な魅力がありますね(≧▽≦)
ハエトリソウの瞬間的に獲物を挟み込む動きは感動的!
さすがは、あのダーウィンが熱心に研究し「世界で最も不思議な植物」と呼んだ植物です!
そんな不思議植物が近所で簡単に手に入るなんて・・・いい時代です(*´ω`*)
興味を持ったらぜひ育ててみてくださいネ。
では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙
おまけ
じつは、葉を閉じる『ジャスモン酸グルコシド』は感覚網に直接触らなくても分泌させることが可能。
それは葉の裏側をコショコショすること( *´艸`)
感覚毛に間接的な刺激が行くのか、葉が揺られて『ジャスモン酸グルコシド』がこぼれるのか不明だけど、これでも本当に閉じるんですよ!
お試しあれ!
“人間も溶かす?ハエトリソウの秘密大追跡!育て方から、虫を捕まえる方法まで” に対して4件のコメントがあります。