【食虫植物】ウツボカズラ 虫の取り方の謎.育て方は?なぜ袋が枯れる?袋が小さくなる原因は?

皆様ご存知、食虫植物ウツボカズラ(*'▽')
あの独特の姿のため、植物を全く知らない人でも存在くらいは知っているはず。
最もあまりに現実離れした容姿から「想像上の植物」と思っている人もいるかもしれない。

ポケモンのウツボットのように動いたりはしませんけど(^_^;) でも実在する植物なんですよ。
目次(*´▽`*)
ネズミも食べられてしまう?恐ろしいウツボカズラ
食虫植物とは?
栄養価が不足した土壌・環境で育つために虫を捕まえ、分解・吸収する器官を供えた植物のこと。
『自らも光合成をおこない栄養を作ることができる』というのも条件のため、寄生植物や虫に生える冬虫夏草は食虫植物とは呼ばない。
そしてコチラがウツボカズラ。
学名では Nepenthes (ネペンテス)。東南アジアに生育するつる性の食虫植物です(*'▽')

葉の先の袋の中に虫を誘い込み、消化して栄養を吸収する特殊な仕組みを持った植物。
小さいものは数センチから、大きいものは30センチを超える袋を持つものもある(゚д゚)!
通常はハエなどの虫を捕まえるが、たまに間違って入ってしまったネズミやカエルなどの小動物も犠牲になることもある。
ウツボカズラの仕組みを見てみよう
ウツボカズラは品種によって色も形も様々。
共通しているのは葉の先端から伸びた蔓の先に壺状の袋が作られること。少し詳しく見てみよう(*'▽')
ウツボカズラ(ネペンテス)袋のでき方

- 葉が成長してくると、先端に伸びた蔓の先が膨らむ。
- 次第に坪型に膨らみ、形ができてくる。
- はじめは壺のは閉まったまま(上記写真参照)
- ある程度膨らむと壺の中に液体が分泌されてくる。
- 成熟すると、上部の蓋が開く。
- 蜜腺から蜜を出して虫を誘う。

ウツボカズラの中の「水」は消化酵素を含んだ強酸性!
こので虫を溶かす(゚д゚)!
通常、虫の体は”水をはじく”ようにできているので、中に落ちても水には沈まず浮いて逃げることも可能なのだが、 ウツボカズラの液体には界面活性剤が含まれている。
いわゆる石けんのようなもので、虫の水をはじく機能を妨害し溺れさせる。
こうして、虫は壺の下に沈んで窒息死してしまうのです(*_*;
死んでしまった虫をウツボカズラは、消化液でゆっくりと分解するというわけだ。
壺の仕掛けも見てみよう!
ウツボカズラ(ネペンテス)のツボの蓋には虫の好む蜜線が存在しています。
ふたの蜜腺は、裏側にあるのでどこかにとまって舐めないと非常に舐めにくい。絶妙の配置(^_^;)
さらに蜜には舐めると虫が酔ったようにふらふらになる成分が含まれている(@_@
壺の縁は、ご覧のように非常に滑りやすい形になっている。
何とかつかまろうとしても足が滑り……

消化液の中に真っ逆さまなのです(゚д゚)!
捕虫器上半分の壁はワックスで表面が構成されていて,虫の粘着性のある足でつかまろうとしても、その結晶が付着することで接着力を低下させるている。
またワックスのはがれた壁も,表面がギザギザの凹 凸状態になっていて足との接触面が 少なく,捕虫器内壁へつかまりにくくさせている。
もちろん酸でも解けない丈夫な壁。
もう逃れることはできないのです(。-`ω-)
ウツボカズラの蜜、なめてみた
「ウツボカズラの蜜には虫をふらふらに酔わせる成分が含まれる」という説明の研究書をいくつか見ることができた。
しかし、「ウツボカズラに毒がある」という表記はどこにもない。
ということは、「蜜」舐めても平気なんじゃね(=_=)?
ひとまず何でも口に入れてみるのが信条の私としては、なめてみるしかない!
早速、ふたの蜜線を探すがこれがなかなか見つからない。
見た目では蜜が出ている様子はわからないが、触るってみるとわずかにべたつきがあった。
虫を栄養にするほど貧窮しているのに、そんな潤沢に蜜を出すほどの余裕はないのかもしれない(。-`ω-)
とにかく指についた蜜らしきものをペロリっ……
(*'▽')あま~~い!
普通に甘いです!
特にしびれるとか、酔っぱらうとかはない。
まあ、量も量だから仕方がないかもしれないが、普通に蜜の味でした(≧▽≦)
後におなかを壊すようなこともなかったのでご安心を。
とはいえ、なめる場合は自己責任でお願いしますね(^_^;)
ウツボカズラの「消化液」も飲んでみた(゚Д゚)ノ

蜜を舐めたら次は消化液(''ω'')ノ
まあ、やっぱり気になるところだよね~。
自生地では、現地の人々が飲料水代わりに飲むこともあるらしいから大丈夫だろう。
さすがに虫が入っている液は飲みたくないから、ふたが開いていない出来立てをチョイス(≧▽≦)
そっとふたを開け、においをかいでみるがこれは無臭。色も透明でなんだか大丈夫そう。
早速いただきます(≧▽≦)
ゴクリ……(。-`ω-)……(=_=)。。。
うん、普通に「水」。
酸性が強いからぴりぴりしたり、酸っぱいかと思いきや、普通に無味無臭の水でした。(^_^;)
こんな液体でホントに虫が溶けるのか、謎ですね~
あ、今回もおなかは壊していないですよ(*'▽')
ウツボカズラの消化液、補足
ちなみに、ウツボカズラの消化酵素は、袋が作られた初期にしか作られない。
では、中の消化液がなくなったらどうなるのか?
普通に雨水などがたまり、古くなった袋の中では、繁殖したバクテリアや細菌の力を借りて分解を行っているらしい。
だから、古くなった捕虫器の水は飲んだら確実におなか壊しますよ(^_^;)
ウツボカズラで米を炊く?飯盒炊飯ネペンテス?!
消化液を飲むだけではなく、現聖地のボルネオでは「ネペンテス・ライス」なる料理があるらしい。
読んで字のごとく。ウツボカズラの捕虫器に米とココナッツライスを入れて炊くらしい(゚Д゚)ノ
日本でも笹にくるんだ”ちまき”などがあるのと同じ感覚何だろう。
ちなみにレシピはこんな感じだそうだ。
- 水…適量
- 米…0.5合
- ココナッツミルク…120cc
- 砂糖…10g
- 米をひたひたになる程度の水に浸します。そのまま一晩おき、水を吸わせます。
- 米を水から上げ、軽く水を切る。
- 水が切れたら米とココナッツミルクを合わせ、ネペンテスのピッチャーに6分目ほど詰めていきます。
- 米を詰めたピッチャーを沸騰させたお湯に入れ、弱火で煮崩れないように気をつけながら50分ほど煮て完成です。
庭チャンネル様より引用
詳しい食レポはこちらのブログで紹介されているから参考にしてくださいね。
結構簡単、ウツボカズラの育て方
食虫植物の中ではそこそこ大きくなるウツボカズラ。
ほかの一般的な湿地性食虫植物とは、若干栽培方法が違ってくるので注意しましょう(''ω'')ノ
ウツボカズラの栽培温度
ウツボカズラ(ネペンテス)は自生地の違いにより
- 高温多湿性(多湿を好み、低温に弱く、非常に高い湿度を好む)
- 低温乾燥系(低温に強く、土壌の乾燥にも強い)
- 高山系(夏の暑さに弱く、冷房が必要)
3つのグループに分類される。ただ一般的に販売されるのは「低温乾燥系」に分類される丈夫な品種がほとんどなのでそんなに気負って栽培するほどでもない(*'▽')
低温乾燥系の品種なら、冬の屋外は難しくても、室内で観葉植物が育つ程度の温度があれば冬越しは簡単。
もちろん湿度があることに越したことはないが、日本の乾燥する冬でも枯れることはないです。
将来的に色々育ててみたい人は、そういった品種もあるのだと覚えておくといいですよ。
ウツボカズラが元気に育つ日当たり
ウツボカズラ(ネペンテス)は明るい木陰に生育する品種が多い。
そのため日本では直射日光下は紫外線が強すぎて葉焼けしてしまいます(=_=)
ハエトリソウなどは直射日光で構わないが、ウツボカズラ(ネペンテス)は夏場は30~50%遮光が必要です。
ウツボカズラが喜ぶ水やり

ハエトリソウなどは腰水(水をためた受け皿に鉢を置いて置くこと)でも構わないが、ウツボカズラでは受け皿に水をためてはいけません(゚Д゚)ノ
ウツボカズラは常に水浸しの状態では根腐れするので、1~2日に一度株全体に水をかけるようにします。
タイミングとしては夕方がおすすめ。
この時、壺の中に水が入っても構わないです(*'▽')
自生地でもスコールなど強い雨で壺の中が水で満たされることがあります。その場合はウツボカズラが自ら、多すぎる水分を吸収し壺の水量を一定に保つようにしています。
むしろ、壺(捕虫器)を枯らさないためには定期的に捕虫器にも水を足した方がいいです。
捕虫器が過剰な水の吸収を行う活動を続けることで、その葉は活性化し壺の枯れこみは少なくなるそうです(゚Д゚)ノ

ウツボカズラの冬の管理
ウツボカズラは亜熱帯から熱帯に生育する植物のため、寒さが苦手。
冬は10度以上を保てる場所で管理しましょう。
日本の冬だと湿度不足も深刻(=_=)
乾燥すると捕虫器が発生しない。
もしくは小さくなってしまいます。ビニールで覆って霧吹きするなど、湿度を高く保つように管理すると健康に冬を過ごすことができます。
ウツボカズラを植え替える。用土と鉢
数年ごと、植込み材が傷んできたら植え替えです。
用土は基本的にミズゴケだけで大丈夫です(*'▽')
最近は「食虫植物専用の培養土」も販売されていますよ。
時期は5月以降の暖かい時期がおすすめ。
ウツボカズラの根は繊細なので痛めないように慎重に傷んだ植込み材を外します。根を痛めるので無理に外す必要はありません。
株に新しいミズゴケを優しく巻き付けて鉢に収めます。
ミズゴケはぎゅうぎゅう押し込むのではなく、ふんわりと植え付けましょう。(水苔はギュウギュウにすると水はけよく、ふんわり包むと水持ちがよくなります)
食虫植物専用培養土なら、割りばしなどで隙間なくしっかり土が入ればOK。
鉢の種類は何でもいいが、ウツボカズラは釣り鉢でつるすと壺がきれいに垂れるのでおすすめです(≧▽≦)
植え替えた株は1週間くらいは日陰で慣らしてから元の位置に戻しましょう。
ウツボカズラの増やし方
ウツボカズラは挿し木で増やせます。
6月ごろ長く伸びた枝を15~20㎝の長狭に切り、葉が大きい場合半分に切って差し穂を作ります。
メネデールなどの発根作用のある活力剤につけて乾燥させないようにします。
参考リンク→:芽と根がよく出る”メネデール”だれでも栽培が上手になる?魔法の液体の正体は?
鉢に鹿沼土(小粒)を入れて十分に水を吸わせておきます。そこに穂木を差して腰水で管理します。乾燥しないようビニールで覆うのも有効。
約1か月くらいで発根するので、ミズゴケに移して徐々に慣らしながら通常の管理に移していきます。
ウツボカズラは種から増やすこともできるのですが、実はウツボカズラは雄雌が別の株なんです(=_=)

通常雄雌表記されて販売されることはないので、運よく家に雄雌揃ったら受粉させて種を取ってみるのも面白いかもしれませんね(*'▽')
雄雌の見分けは、花が咲くまでわかりません(=_=)
まずはがんばって花を咲かせてみましょう。
ウツボカズラQ&A
ここでは、よく聞かれるウツボカズラの疑問・質問についてまとめておこうと思います。
Q,ウツボカズラの捕虫袋がどんどん枯れてしまう

A1,空中湿度の不足、
冬に捕虫袋ができない、または小さくなる原因は空中湿度の不足であることが多い。
霧吹きや加湿器で湿度を与えたり、ビニール袋で覆って湿度と温度を保つようにしましょう。
A2 ,古い袋の世代交代
夏に捕虫袋が枯れてくる場合は、古い袋の世代交代の場合もある。その場合は枯れた袋を切り離すしかない。
できるだけ長く袋を維持させるには、常に捕虫袋の中に水が入っていることも重要。
消化液が空になったままだと、袋はすぐに枯れてしまいます。
水やりのたびに、捕虫袋の中にも水を入れていくことで、活動が活性化されて、袋が長持ちします。
袋の中の過剰な水分は植物が吸収するので、根に与えるよりも水分の吸収にも効果的です。
Q,ウツボカズラの消化液(溶解液)をこぼしてしまった時どうする?
A,水を入れておけばいい
消化液が作られるのは、ツボができた最初だけ。
あとは雨水をためて、中に発生するバクテリアが分解してくれる。
ツボの中が空のままだと、枯れこみが進むので、水でいいのでしっかり入れておこう。
Q,ウツボカズラがあれば、虫退治はOK?
A,そこまで期待しない方がいい
一鉢あったからと言って、蚊をはじめとする害虫がいなくなるかと言うと、そんなことはない。
昆虫退治に一定の効果はあるが、虫退治なら他の方法を検討しよう。
まとめ
甘い蜜を罠に、虫を落とし穴に落とす食虫植物『ウツボカズラ』(ネペンテス)
普通の食虫植物に比べると、寒さに弱く、直射日光も苦手なのでちょっと栽培はむずかしい。
しかし、独特な見た目と計算しつくされた機能美は、見れば見るほど興味深い。
一般流通品種のウツボカズラは、ポイントを押さえれば結構簡単に栽培できる植物。
恐ろしくも不思議な魅力をぜひ感じてみてくださいね。

では~皆さまよい園楽を~~~(≧▽≦)
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