星の王子様では地球を壊す木『バオバブ』本当の姿は?種まきのコツと、育て方。

バオバブという不思議な木を知っていますか?
サンテグジュペリの『星の王子様』には星を壊す悪い植物として紹介されている木。
そのまま育てると星を爆発させてしまうと描かれているが、もちろんホントにそんなことが起こるわけはない。
むしろバオバブは現地では神聖視されるほど、生活に欠かせない大事な植物なんです(゚Д゚)ノ
今回は『バオバブ』の汚名をそそぐために、バオバブの秘密に迫ってみよう(≧▽≦)
目次(*´▽`*)
バオバブってどんな木?何の仲間?

バオバブはアオイ科バオバブ属の落葉高木。
ハイビスカスと同じアオイ科なんですね。昔はパンヤ科に分類されていたけど、今はアオイ科というのが定説のようです。とはいえこの辺は結構研究の過程で変わることがあるので、何とも言えないですね。
参考リンク→:踊り子を誘うならハイビスカスを右に挿してる子を狙うべし?
何より、バオバブ最大の特徴はなんと言ってもその姿。
”トックリ”のような太い幹、そして最上部にだけ枝を広げて葉を茂らせる。
一度見たら忘れられないその姿。
まるで空に根が伸びるような姿から、”アップダウンツリー”神様が引っこ抜いて逆さまに地面に挿した木ともいわれます。確かに(^_^;)
幹の中にたくさんの水を貯えるバオバブ
とてつもなく太い幹の中には大量の水が蓄えられている。
乾燥した環境に耐えるために進化した、サボテンや観葉植物のパキラ、ポニーテールなどと同じ理由。
参考リンク→:あなたの知らない『パキラ』その1
参考リンク→:ポニーテールとシュシュ、じゃなくてトックリラン(^_^;)
その貯水タンクが、超巨大になった姿がバオバブのあの不思議な容姿なんですね(≧▽≦)
大きなバオバブでは、幹の中に10トンを超える量の水を蓄えているといわれており、この水で乾燥した土地でも厳しく長い乾季を乗り越えることができるんです。
バオバブってどこに生えているの?世界にあるバオバブの品種
写真や映像でその姿を見たことがあっても、いったいどこに生えているのか知っていますか?
バオバブの品種は世界に8~9種存在すると考えられています。
その地域はオーストラリアに1~2種、アフリカ大陸に1~2種。そしてそれ以外7種はすべて”マダガスカル”にあるんです。
マダガスカルって知ってますか?

「まだ助かる、まだ助かる、マダタスカル・・・そ~れっ!ここ!マダガスカル!」by宇宙海賊ゴー☆ジャス
で有名?なあのマダガスカルです。
マダガスカルってどんな場所?

マダガスカルはアフリカ大陸の南東側に浮かぶ島国で、「世界で4番目に大きな島」
面積は日本の1.5倍くらい。
熱帯に位置して、雨季と乾季がはっきり分かれる。
そのためバオバブを始めマダガスカルの植物は、乾燥に耐えられるような不思議な姿をしていいることが多い。
大陸からも隔離され、厳しい環境だったマダガスカルでは、植物が独自の進化を果たし、不思議な姿をした固有種もたくさん存在する。
タビビトノキやカランコエも、もともとはマダガスカルの固有種。
参考リンク→:不思議植物、旅人の木は種もスゴイ!名前の由来から花言葉まで
参考リンク→:受験生必見!?頭の良くなる花「カランコエ」の秘密
その環境で生き抜くためとはいえ、不思議な進化を遂げたものです。とても地球上の植物とは思えない(^_^;)

バオバブの利用。マダガスカルの生活に欠かせない木バオバブ

観葉植物など、熱帯産の木を切ってみるとわかるが、熱帯で育つ木にははっきりとした”年輪”というものが存在しない。
年輪は、春~秋の成長期と冬の休眠期があることで作られるから、常夏の熱帯地域では年輪が形成されにくい。
バオバブも乾季に休眠はするけれど、内部は水を貯えるように柔らかいため年輪を確認することができない。
そのため、太く育ったバオバブの樹齢がいったい何年なのか、年輪から調べることはできないそうだ。代わりに放射年代測定という方法で調べた情報ではその木は樹齢2500年だったというから、それよりも大きな木は何千年といいう時を生きていると考えられている。
それだけ長い期間圧倒的な存在感をもってそこにあるのだから、現地では巨木信仰が根強く、神が宿る木とされています。
バオバブの花

バオバブの花はコウモリに花粉を媒介してもらうため、花は夕暮れに開き、目立つように基本的に白で強い香りを持ちます。
夜間に開花する白くて香りの強い花はコウモリに花粉媒介を依存している花が多い。
”月下美人”なんかも夜に咲くことで有名ですね(≧▽≦)
こちらもコウモリに見つけてもらうための”夜間開花&強い香り”なんです。
参考リンク→:月下美人の花はいつ咲くの?徒長枝ばかりで困ったらどうするか?
バオバブの実は食べられる?

日本で口にすることはまずできないが、バオバブの実は食べられます。
中に入っている種子の周りの白いパルプ質は、甘酸っぱくまるでラムネ菓子のようらしい。
そのまま食べたり、溶かしてジュースにして飲む。
(出典:マダガスカル異端植物紀行 湯浅浩史著 日経サイエンス社)
その実の殻は堅く器として利用され、種からは油がとれる。
材は家畜のえさにされたり、幹の皮は屋根に敷いて使われるなど地域の生活になくてはならない木なんです。
バオバブは絶滅の危機?
今現在、バオバブは絶滅の危機に瀕しています(゚Д゚)ノ
アフリカの地域では70%ものバオバブが枯れたり何らかの被害を受けたことが報告されています。
一説には気候変動が原因とも言われていますが、正確な原因はわかっていません(;´∀`)
この不思議な景観を残すためにも、原因の究明と保全活動を応援していきたいですね。
バオバブを育てよう。日本での種の入手
実はバオバブは観葉植物として販売されています。
その独特な見た目はコーデックスファンにとってたまらない魅力。
ただし、その数は少なく、幹の太ったしっかりしたものは何万円もの値段がつくことも珍しくありません(;゚Д゚)
比較的安価な苗も出回っていますが、それでも数千円。
ここから立派な幹になるまでは、いったい何年かかるんだろう(^_^;)
最も安価に『バオバブ栽培』にチャレンジするなら、種の販売もあります。
10粒で550円からと、比較的手ごろに始められるけど、発芽率は20~40%程度とかなり低い。
できるだけ暖かい季節から栽培できるタイミングで購入するようにしましょう。
バオバブの育て方
乾燥地帯に生きる植物なので、育て方は観葉植物というより、サボテンや多肉植物に近いと思っていた方がいい。
簡単な育て方をまとめました(・ω・)ノ
バオバブの種まき
バオバブの種は堅いからに覆われていて、普通にまいただけではなかなか発芽しにくいようです。
発芽率を高める方法として、「熱湯に一晩つけてから植える」や「3~4日水に浸けて植える」などと紹介されることもありますが、どれも腐ってしまうなど発芽率がすごくよくなるというほどではないようです。
ここでは、Heike Pander氏のバオバブ専門ページhttps://baobabstories.com/から、簡単に芽を出させる育て方をご紹介します。
動画で詳しく説明されているので、そちらを見ていただくのがよくわかりますが、簡単にまとめると、
- かたい殻をのこぎりややすりで傷つける(この時、芽を傷めないように注意)
- 1~2日水に浸して給水させる。
- 柔らかくなった種皮を爪で優しく剥がします。(はがすことで芽が伸びやすくなる)
- 種子の中身を傷つけないように、そっと濡らしたキッチンペーパーで包んでさらに2~3日水を吸わせます。
- ある程度発芽した時点で、鉢に植え付けます。
- バオバブの根は直根で深く伸びるので、10㎝以上の深さのある鉢を用意します。
- 土は水はけのいいもの、サボテン用土などを使用します。
- 伸びた根を傷つけないように、サボテン用土に浅めに植え付けます。
- はじめにしっかり水を与えたら、土の表面が乾くまで待って水を与えます。
- 20度以上の温度を保ち、明るい屋外で管理します。
かたい殻を傷つけて吸水させるのは、あさがおなどと同じような方法ですね(≧▽≦)
色々見た中ではこの方法が一番発芽率が高いようです。
バオバブの栽培

ある程度育った苗木の場合は、春~秋までは屋外管理、15度を下回るころからは室内管理に移動します。
基本的に砂漠地帯の植物なので、乾燥には強い。
しかし、木が若いうちは、それほど水を貯えることができないので水切れにも注意しよう。
バオバブの冬越し
冬はできるだけ暖かくして、水は一切与えずに乾燥状態で越冬させましょう。
特に落葉期は水の吸い上げはほとんどないので、この時期に水を与えてしまうと根腐れを起こす危険があります注意しましょう。
バオバブの肥料
もともとやせた土地の植物なので、ほとんど必要ありません。
あたえるなら、生育期、春~夏にかけて観葉植物用の肥料などを控えめに与えるようにしましょう。
まとめ
神秘の植物『バオバブ』
以前は全く手に入らない希少な植物でしたが、今ではネット通販で簡単に購入できます。
ご予算に合わせて栽培にチャレンジしてくださいね。
では、皆様よい園楽を~(^_-)-☆