香りのいいスミレ「においすみれ」と「パルマすみれ」
1月ごろからお花屋さんに並ぶ小さなすみれの苗。
名前には「においすみれ」とあります。その名の通り、花を近づけると甘い香りが漂います(●´ω`●)
同じ時期、小さなポンポンのようなコシャっとした花をつけるすみれも販売されます。こちらは「パルマすみれ」同じように香りのいいすみれですが、どう違うのでしょうか?
目次(*´▽`*)
ナポレオンが愛した香るスミレ「におすみれ」
皇帝ナポレオンは若いころ「スミレ伍長」と呼ばれるほどにスミレ好きだったそうです。
日本でもたくさんの野生種があるスミレですが、ヨーロッパでスミレといえばこの「においすみれ」になります。
その歴史は古く、古代ギリシャの時代から香りの花として栽培があったというからすごい(´゚д゚`)
バラやラベンダーと並び香りの植物として今も利用され、その香りはほかにまねできないとされます。
今も香水用に多くの花が栽培されているそうです。
ニオイスミレはどんな植物?
においすみれは、スミレ科スミレ属 学名:Viola odorata。耐寒性常緑多年草です。
花は基本的には紫だけですが、園芸品種としてほかの色の品種も多少は流通しています。
においすみれは紫だけ?
原産地はヨーロッパから北アフリカ、西アジアにかけて紫が基本ですが、まれに白花もあるようです。繁殖は種のほかに花後にはランナーと呼ばれる匍匐茎をのばして繁殖します。
ヨーロッパではたくさんの園芸品種も作られていたそうですが、その多くは第二次世界大戦で消失してしまったといいます。もったいないことです(-_-;)
今でもまれにニオイスミレとしてほかの花色が販売されることもありますが、数はかなり少ないので見つけたらすぐにゲットしましょう(゚Д゚)
花は小さいながらも、一鉢部屋に置くだけで部屋中に香りを満たすほど強い香りがあります。日本のスミレにも香りを持つものはあるが、そこまで強いものはない(゚Д゚)ノ
花時期は3~5月。すずしい時期は昆虫による花粉の媒介で種をつけるが、気温が高くなると蕾は出ても花が開かなくなるんです。
自己完結!花が咲かないでも種ができる?!
においすみれだけでなく、多くのスミレの仲間にも見られるが、気温が高くなってくると蕾のまま花が開かなくなります。これは閉鎖花と呼ばれ、中で何が起こっているかというと、閉じた花のなかで自分で授粉して花が開かないままで種を作っているんです!(゚Д゚)ノ
こうしてたくさんの種を作り、さらにランナーで株を増やし繁殖していくのです!
環境が合えばお庭でも勝手に増えていきます。雑草ほど手に負えないことはないので安心して植えてみましょう(^_^;)
ハーブとして食用にも利用される
においすみれはハーブとしても販売されることがあります。その場合はヨーロッパで呼ばれている「スイートバイオレット」の名前で販売されます。
利用法としてはオイルを抽出したり、花を砂糖漬けにしてお菓子に飾ったりと利用されます。
日本には明治時代に輸入され、大正~昭和初期にはちょっとしたスミレブームが起こりました。
においすみれの育て方
においすみれは寒さに強く、東北地方でも地植えで越冬可能です。
ですが、お花屋さんに並ぶ苗は生産者によって温室で育てられた、まさに「温室育ち」なので、いきなり極寒の屋外に出されると傷むこともあります。
ひと先ずは半日陰で鉢植えで管理、植え付けは3月ごろに行いましょう。
においすみれの管理
においすみれは寒さは強いが、暑さは苦手。ポイントは夏越しです。
ポットのものは花後に山野草の土で植え替えてあげましょう。夏越しがしやすくなります。
スミレを育てるには水はけがいい土を使う必要があります。花用培養土を使う場合は気をつけましょうね(≧▽≦)
においすみれの肥料
丈夫な植物なので肥料は少なくてもOK
与えるなら花後、葉が茂る春に通常よりもっと薄めた液体肥料を月に1~2回与えましょう。
肥料が多いと葉ばかりが茂って花が咲かなくなります。やりすぎ注意です(゚Д゚)ノ
においすみれの繁殖
においすみれはこぼれ種で増えたり、ランナーで広がったりと、環境が合えば勝手に増えます(≧▽≦)
種を取ってまいたり、株分けで繁殖は簡単にできます。時期は花後、気温が高くなる前に行いましょう。
パルマスミレは何者?
においすみれと同じように香りのいいスミレ。それが「パルマスミレ」です。
育ちのいい八重咲のスミレで、においすみれ同様、強い香りがあります。
同じ時期に売られて、同じ香りのいいスミレ。一方は一重、一方は八重なので「同じ品種の一重八重の違いかな?」とも思いがちですが、実は違う品種です(゚Д゚)ノ
においすみれは Viola odorata 、パルマすみれは Viola suavis の八重咲品種なんです。
おなじスミレ属だからそれほど違いはないんだけど、パルマすみれは耐寒性が低く0度以下になると枯れてしまうことがある半耐寒性。
においすみれやビオラが育つ環境でも、枯れてしまうことがあります。注意しましょう。
また花が立ち上がらず、横に倒れて咲くので、地植えよりも高さのある鉢に植えて楽しんだ方が、花がきれいに見れますよ(≧▽≦)
花は紫のほか白もあります。
パルマすみれの育て方
基本的ににおいすみれと同じです。
ただし、においすみれよりも寒さに弱いので、最低気温が氷点下になる地域では鉢植えで夜は室内管理にしましょう。
パルマすみれの繁殖
パルマすみれは八重咲のため種ができにくいです。そのため繁殖は株分けで行います。花後の時期に株を掘り上げて分けやすい部分で二つに分けましょう。
実は毒がある?においすみれ
花を食用に利用されるニオイスミレですが、実は毒があります(; ・`д・´)
花にはほとんど含まれませんが、種や根茎には ビオリン、サポニン、ビオラルチン、グリコサイド といった成分が含まれ、過剰に摂取すると 嘔吐、神経麻痺、心臓麻痺 などを起こす可能性があります。
花も過剰には摂取しないようにしましょう。普通に10や20食べるくらいは問題ないですよ(^_^;)
ヨーロッパでは咳止めや消炎剤、目薬として利用されている薬草でもあります。毒もきちんと容量を守れば薬になるんです(≧▽≦)
まとめ
「ニオイスミレ」よりも「パルマすみれ」の方がお花屋さんで見かけることは多い気がします。
パルマすみれは半耐寒性。0度以下にならないように育てましょう。
ニオイスミレは「スイートバイオレット」の名前でハーブでの販売が多い。こちらは耐寒性も強く、東北地方でも地植えで越冬可能。逆に夏の暑さに気を付けて栽培しましょう。
ナポレオンに愛された香りのいいスミレ。ぜひ育ててみてくださいね(≧▽≦)
では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙
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