誤食に注意!最強毒草トリカブトの蜜をなめてみた!

今回のテーマはあの悪名高いトリカブトでございます(;'∀')。
昔から『猛毒』とは知っていたが、虫は普通に蜜に集まってるんだし、葉はともかく蜜なら大丈夫なんじゃないかな~(=゚ω゚)
なんて軽い気持ちで舐めたんですが…
あ、大丈夫(''ω'')ノ何とか生きてますよ!
でも、でも、でも!!あとでよく調べたら『蜜にも毒がある』んだって!
まあよく無事だったものだ(;'∀')
軽い気持ちで舐めたら、命がけになってしまった(*_*;
決死のレポートをご覧あれ(≧▽≦)
目次(*´▽`*)
日本でもっとも有名な”毒草”トリカブト知っていますか?

キポウゲ科トリカブト属
ヤマトリカブト学名:Aconitum japonicum ssp. japonicum
山地の草原や林のふちなどに生える高さ40~100cmの多年草。
独特な花を舞楽でかぶる鳥兜に見立ててこの名がある。
参考リンク→:雅楽のかぶり物と舞具
日本に自生するのは約30種。例外なくどの品種も強力な毒を全草に含みます。
春先の芽を山菜のニリンソウと間違える中毒事故が毎年数件は発生してニュースにもなるので十分注意が必要です。
トリカブト ニリンソウ
トリカブトの毒とはどれほどのものなのか?

毒成分はアコニチン系アルカロイドのアコニチンやメサコニチン。
これらは現在知られている中でも「植物界で最強の猛毒」といわれ、細胞活動を停止させ、致死量を超えて摂取すると心臓麻痺で6時間以内に死に至るといわれます(@_@。
毒成分は主に根に多く存在し、現在でも有効な治療法が少なく山菜と誤食しての事故での死者は後を絶たない。
お店で出されても安心はできない?山菜の取り違えでトリカブト!
最近でも、2021年5月に富山の飲食店で『山菜のおひたし』として提供されたものが、実は『トリカブトのおひたし』だった(゚Д゚;)
ここでは、山菜のモミジガサとトリカブトを間違えて採取したらしい。
トリカブト(毒草) モミジガサ(山菜)
参考リンク→:富山の飲食店でトリカブト食中毒 2人、快方へ
被害者は緊急搬送されて、何とか回復したものの、一歩間違えば命を落としてもおかしくなかった。よく助かったものだ(◎_◎;)
それもそのはず、一般的な成人男性の致死量はたった3~4mg!
トリカブトの葉、約1gで人を死に至らしめるだけの毒があります。
毒は基本的には経口摂取。つまり食べちゃうことで影響を受けますが、実は普通に触っただけでも吸収されることがあるそうです(;'∀')
まあ、私は普通に触っても大丈夫でしたが、皮膚の弱い方は念のため手袋をつけるか、触らないことをお勧めします。
トリカブトの花、不思議な形は何のため?
殺人にも使われる。best of 毒草。
名前だけは誰もが聞いたことがあると思いますが、実際にどんな花の形をしているかを知る人は意外に少ない。
トリカブトの花は写真のとおりすごくきれい(*'▽')
紫の花なら山でも普通に見ることができるし、園芸店でもしばしば見かける。

基本色は紫だが、園芸品種では白や緑などの花も販売されます。
トリカブトだと印象が悪いためか「アコニタム」と学名で販売されることもあるので取り扱いには注意が必要です。
気になるのはこの不思議な花の形。
とんがり帽子のようなこの形これにも重要な意味があって、虫をおびき寄せて確実に受粉するためには非常に効率の良い作りになっているのです。

トリカブトの花を観察してみると。花びらは上の帽子状のものと、横に二枚、下に二枚の計5枚。
花の中は先端が4つに別れた柱頭とおしべが多数。
さらにその奥には2本の角のようなものが隠されています。

実はこの帽子の中にある角が本当の花びら。
周囲を飾っている花弁状のものはすべて「がく片」なんです。
他のキンポウゲ科と同様の特徴として、ガク片の花弁化があります。
園芸で有名なキンポウゲ科の植物としては、クリスマスローズやクレマチスがありますね(=゚ω゚)ノ
参考リンク→:クリスマスローズはクリスマスに買ってはいけない。
参考リンク→:これでわかる!つる植物の女王「クレマチス」の分類と剪定
トリカブトでは、普通の植物だと花びらを支える緑の小さなパーツだったがく片が、花びらより豪華になり虫を誘います。
- 花弁は蜜を守る入れ物に変化し、角のように細くその奥に蜜を隠します。
- 虫はその蜜を求めて”雄しべ雌しべ”の草原をかき分け帽子の奥に潜ります。
- その過程で、花粉が虫の体に付着します。
- その虫が、ほかの花に訪れることで花粉が運ばれ、受粉が完成します。
これは蜜の少ないトリカブトが、効率よく受粉するために進化した結果。
ホントよくできていますよね(゚д゚)!
危険といわれると気になる('ω')トリカブトの毒はどれだけ強い?
葉っぱ1枚で死に至る猛毒。トリカブト。
危険といわれても気になってしまうのが人間。 とはいえ、はっきり言って食べるのは無謀。確実に死にます(゚Д゚)ノ
もちろん死にたくないので ひとまず毒の弱そうな上の方の葉をちぎって切り口をなめてみた。
・・・「苦い!」もうそれだけで十分、さすがにかじりつく勇気はなく、葉の味見は断念。
そして、ふと考えた。
全草に毒があるっていってもトリカブトは虫媒花。
虫が花粉を運ぶはず。
仮説:つまり蜜は無毒なのでは??
まあ、あとでわかるんですが蜜にもきっちり『毒』があるんですけどね(^_^;)隙がねーなートリカブト。
トリカブトの蜜舐めてみた!!
上の帽子上の花弁を取り外し、角状の蜜腺を取り出します。
形は細い管状で、奥に巻いた中に蜜が入っている。
管の先端をちぎって中の蜜をペロリ。
・・・・・・・・
「甘い(≧▽≦)」
トリカブトの蜜は普通に甘かった!
蜜は少ないと聞いていたのですが、結構豊富に詰まっていました。
ぜんぜん平気、味もいけてました。
虫も食べるんだから蜜に毒ああったら大変だもんね(≧▽≦)
なんて思っていたら大間違い!!!蜜にもしっかり毒があるんです!!!
トリカブトの蜜で死者も出ていた!!!
今回はたまたま何ともなかったからよかったが、一歩間違えればニュースになるところでした(;'∀')
『ネットで目立ちたかった「トリカブト食べてみた」で緊急搬送』なんてヤフーニュースに乗ったら恥ずかしい(*ノωノ)
今回舐めた分量が少なかったこと、比較的毒性の少ない園芸品種のトリカブトだったことが幸いし無事でしたが、よい子のみんな。もちろんよい大人のみんなも真似しないでください(^_^;)
虫は平気でも、人間に害がある理由。
トリカブト毒はアルカロイドの一種で,神経伝達部(シナプス)に悪さをするタイプの毒。
もちろん,虫にも神経はあるけど神経伝達する物質が人間と違う。
そのため人間に働く毒物でも昆虫には効かないんですね(;'∀')
実際に東北地方ではトリカブトの蜜が含まれたはちみつを食べて、中毒死するケースもあったらしい。
通常はトリカブトの咲く地域では開花前に蜜の採集をやめる、または近くで採取を行わない。販売されているはちみつはもちろん安全なのでご安心を(^_^;)
東北の事故の多くは夏以降の山で、自然の蜂の巣を見つけて、その中の蜜を食べたために起こった事件。
8月以降の野生のはちみつは注意が必要です(゚Д゚)
西洋ミツバチと日本ミツバチ
市販される「はちみつ」の多くは、西洋ミツバチの蜜。西洋ミツバチは決まった植物からしか花粉を集めないので問題ないが、日本ミツバチは様々な花から花粉を集めてくるため、トリカブトの花粉が混じることがある。
ただ、蜜にはそれほど多くの毒は含まれないため山菜としての誤食ほど心配はなさそうだ。
参考リンク→:https://engaku.net/engaku-blog/cymbidium-floribundum/
毒は薬にもなる。漢方薬『附子』(ぶし)
毒は使い方を間違わなければ薬になるものが多く存在します。
トリカブトももちろんその一つ。
漢方ではトリカブトの根を附子(ぶし)と称して薬用にする。
醜い顔の「ブス」の語源はトリカブトの「附子」
附子は誤って口にすると神経性の毒で無表情になる。この表情の状態を「ブシ(ブス)」と呼び、そこから転じて醜い顔をブスと呼ぶになったといわれている。
漢方薬とはいっても、毒性が強く一般人が取り扱えるようなものではなく、普通に使用されることは少ない。
まあ、やらないだろうけど素人が手を出していい薬ではありません(゚Д゚)ノ
まとめ
いかがでしたか?危険なほど美しい花『トリカブト』何とも言えない色と目を引く花の形で山野草界では結構人気の植物。
普通に栽培する分には逮捕されるようなことはないので安心して栽培してくださいね。
もちろん犯罪に利用したりすれば、今の科学力をもってすれば簡単に成分が特定できます。
推理小説のような利用はできませんよ(゚Д゚)ノ
山では山菜取りの際に、山菜の「二輪草」や「モミジガサ」と間違えることが多くあります。
必ず詳しい人に調べてもらってから食べるようにしましょうね。
こちらのサイトでも画像が比較できます。
ホントそっくりなので注意しましょうね。ではまた、よい園楽を~(。・ω・)ノ゙♪
*今回は無事でしたがトリカブトは本当に危険!絶対にまねしないように!命の保証はできませんよ(゚Д゚)ノ
“誤食に注意!最強毒草トリカブトの蜜をなめてみた!” に対して5件のコメントがあります。