家庭でリサイクル「生ごみたい肥」の作り方~コンポストを作ろう~

生ごみたい肥のつくり方表紙
生ごみたい肥のつくり方表紙

毎日の料理から出る野菜くずなどの生ごみ。

夏の暑い季節はちょっと放置するだけで虫がわくし、ごみ捨てしてもカラスにいたずらされて散乱するなど、その処理に頭を悩ませている方も多いと思います。

そんな時、園芸をされている方が一度は考えるのが、

「生ごみをたい肥」

たい肥化すれば、ごみも減るし肥料にもなって一石二鳥(≧▽≦)

かく言う私も生ごみ問題に直面し、各種生ごみたい肥作りを実践してきました。

現在うちの生ごみは100%リサイクル。庭のたい肥として有効利用しています。

簡単ではない、生ごみたい肥作り

とはいえ、生ごみたい肥作りは簡単ではありません。

微生物に分解をお願いして醗酵させなくてはいけないので、いかに”微生物のご機嫌を取るか”が非常に重要(^_^;)

利用する微生物が「空気を好む(好気性)」ものか「空気を嫌う(嫌気性)」ものかによっても対応が変わってきます。

いろいろな生ごみたい肥を試した結果。うちでは加熱処理による”乾燥生ごみたい肥”が最も効率が良いという結論に至ったので、もう5年以上利用しています。

これはご家庭によって会う合わないがあるので、今回は代表的なたい肥(コンポスト)づくりの方法を3つご紹介します。

それぞれメリットデメリットがあるので、自分に合った方法で「生ごみたい肥作り」にチャレンジしてくださいね。

屋内設置:嫌気性EM菌醗酵生ごみたい肥

生ごみをたい肥化するのには微生物の力を借りることになります。

その中でもこのEM菌は嫌気性。空気に触れないように醗酵させる菌です。

密閉できる専用容器に生ごみを入れてEM菌を振りかけるて発酵させます。

たい肥化の手順

  1. 水気を切った生ごみをバケツに入れる。
  2. EM菌を振りかける。
  3. 空気が入らないようにしっかり押し付けてふたを締める。
  4. 毎日、生ごみを足して菌を振りかけるのを繰り返す。
  5. 5日くらいで下層に液肥がたまるので、蛇口から取り出します。水分が多いと腐敗するのでこまめに抜き取りましょう。
  6. 容器が満タンになったら、空気とたまった水をしっかり抜いてから、ふたをしたまま2週間(冬は一ヶ月)置きます。
  7. 漬物のような匂いがすれば、一次発酵完了。
  8. プランターに庭土2:醗酵生ごみ1の割合で混ぜて水の入らない場所で2次醗酵させます。
  9. 1~2ヶ月経ったら、畑の土に混ぜるなどたい肥として利用できます。

嫌気性EM菌醗酵生ごみたい肥のメリット

  • 生ごみを直接醗酵させるだけなので大きな容器が必要ない。
  • 密閉型容器なので、においの発生が少なく室内で利用できる。
  • たい肥だけでなく有機発酵の液肥も同時に作ることができる。

嫌気性EM菌醗酵生ごみたい肥のデメリット

  • 満タンになると二次発酵の間の2週間、醗酵が終わるまで容器が利用できなくなってしまう。
  • 使用できるようになるまで、一次醗酵2週間、二次醗酵2週間とかなり時間がかかる。
  • 醗酵に失敗すると腐敗して処分が大変になる。

ポイント

成功のポイントは投入前に余分な水をよく切っておくこと。大きい生ごみはできるだけ小さく切って投入すること。空気が入らないようにしっかり押して密封することです。

醗酵の中でも嫌気性醗酵は難易度が高く、私は挑戦しましたが3回連続で失敗(腐敗してしまった)したことであきらめました(^_^;)

バケツ容器を2個用意しておくと、二次醗酵の期間交換して生ごみ処理を続けることができます。

屋内設置:好気性細菌醗酵段ボール生ごみたい肥

段ボール箱を利用して醗酵を行う。

10㎏の量が入る段ボール箱を用意します。専用の箱も販売されていますが、蜜柑の箱などでOKΣ(・ω・ノ)ノ!

段ボールはこの中に菌の入った床材(腐葉土・米ぬかなど)を用意してその中に生ごみを埋めて醗酵させます。

こちらで利用する最近は好気性。空気を好む菌を利用します。

段ボールは余分な水分を吸湿するので微生物が活動しやすいんですよ(≧▽≦)

たい肥化の手順

  1. 段ボールの底が抜けないようにガムテープでしっかり補強します。できれば耐久性のある布テープがおすすめ。
  2. 段ボールの底に新聞紙を集めに敷くか、段ボールの板を入れて補強します。
  3. 段ボールは雨の当たらない室内に設置。木片などで5㎝ほど持ち上げて床から浮かしておきます。
  4. 床材として腐葉土3㎏(約15L)、米ぬか1㎏を投入。よくかき混ぜておきます。
  5. 床材が乾燥している場合は100~200ccの水を加えます。握って軽く固まるくらいがベスト。
  6. 生ごみは細かく切って、よく水を切った状態で投入してよくかき混ぜます。
  7. 1回に処理できる量は500~1㎏程度(三角コーナー2杯分くらい)です
  8. においが気になる場合はくん炭を5~10L加えるとにおい消しになります。
  9. 生ごみは2~3日で分解されます。分解中も追加投入可能です。
  10. 2ヶ月くらいで床材がだまになってきたら新しいものと交換しましょう。
  11. 使い終わった床材は同量の土と混ぜて1か月くらい二次発酵させることで、たい肥として利用できます。

段ボール生ごみたい肥のメリット

  • 容器や床材を用意するのが簡単。ホームセンターや園芸店でそろいます。
  • 処理できる量が多い。

段ボール生ごみたい肥のデメリット

  • 大きな容器を室内に置かなくてはいけない。
  • コバエなどの虫が発生することがあります。(木酢液を5~10倍で散布すると予防効果があります)
  • うまく醗酵すればそうでもないが、腐敗するとにおいが気になることがあります。

ポイント

段ボールは雨の当たらない室内で管理しましょう。床に直接置くとそこ面がふやけて底が抜けるだけでなく、家の床も傷めるので必ず浮かして風通しを確保します。

段ボールの吸湿性を利用しているので、ビニールで包んだりしてはいけません(゚Д゚)ノ

醗酵を成功させるポイントは生ごみを細かくして、水気を切って投入。よく攪拌することです。腐葉土や米ぬかに含まれる細菌は空気を好むので、よくかき混ぜて空気に触れさせることで活発に活動します。

市販の発酵促進剤を振りかけることで醗酵を促進することもできますよ(≧▽≦)

床材が古くなって、新しいものに取り換える際には2~3Lの古い床材を移植することで、今までの菌が再度頑張ってくれます。

菌もリサイクル(≧▽≦)

屋外設置:好気性細菌醗酵バケツ型(コンポスター)生ごみたい肥

段ボールたい肥と同じですが、こちらは屋外に設置することができます。

大家族など、生ごみの量が多い家庭におススメ。落ち葉などを入れて腐葉土も作れます。

こちらも好気性細菌を利用した醗酵なのですが、生ごみをサンドイッチ状に積み上げていくので攪拌頻度は少なくて大丈夫です。

たい肥化の手順

  1. コンポスター(たい肥を作る容器)を屋外に設置します。足元10㎝ほどが土に埋まるように設置します。
  2. 生ごみは細かくして、水気を切ってからコンポスターに入れます。
  3. 生ごみの上に生ごみと同量くらいの土をかけてよくかき混ぜます。
  4. 2・3を毎日繰り返し、週に1度全体をよくかき混ぜます。
  5. 生ごみの層が20㎝ほどになったら土を10㎝ほどの厚さでかけます。
  6. 繰り返してコンポスター内が満タンになったら、容器を外します。
  7. 容器は別の場所に設置して、2・3からを繰り返します。
  8. 容器を外した生ごみは、水が入らないようにビニールで包んで1~2か月放置します。
  9. 完熟したたい肥は土に混ぜてたい肥として利用できます。

バケツ型(コンポスター)生ごみたい肥のメリット

  • 一度の多くの量の生ごみを処理できる。
  • 容器以外はお庭の土だけでもたい肥化できる。
  • 生ごみだけでなく、落ち葉から腐葉土を作ることもできる。
  • 地域によっては補助金の助成対象になる。

バケツ型(コンポスター)生ごみたい肥のデメリット

  • 容器が大きく、場所をとる。
  • 醗酵に失敗すると異臭が発生する。
  • 完熟醗酵まで時間がかかる

ポイント

土の代わりに腐葉土や米ぬかを入れることで醗酵促進になります。上で紹介している発酵促進剤も効果的。

お庭で刈り取った雑草や草花、落ち葉などもまとめてたい肥化できます。腐ったものや病気になった植物は雑菌の繁殖原因となるので入れないようにしましょう。

骨や貝殻も分解に時間がかかり腐敗の原因となるので入れないように注意してください。

屋内設置:乾燥型生ごみたい肥

生ごみのほとんどは水分で構成されています。

この機械は生ごみを温風で乾燥させて処理します。乾燥した生ごみは体積が1/3程度になり、においもなくなります。

乾燥した生ごみは土に入れて醗酵させることでたい肥として利用できるようになります。

たい肥化の手順

  1. 生ごみを機械に入れてスイッチを押す。
  2. 数時間で乾燥できるので、乾燥した生ごみがまとまったらプランターや畑に混ぜる。
  3. 土に埋めて一ヶ月程度でたい肥として利用できる。
  4. 直接植物を植える畑に使用する際は、根に直接触れないように間に5㎝ほど土を挟んだ下層に使用する。

乾燥型生ごみたい肥のメリット

  • 生ごみは水を切って入れるだけと簡単(小さい容器のものは細かくしてから投入します)
  • 乾燥した生ごみはにおいもしないので、使用するまでビニール袋などで保管することができる。
  • 生ごみ処理機以外、用意するものがなく、簡単。

乾燥型生ごみたい肥のデメリット

  • 生ごみ処理機の購入価格が高い(Panasonicのもので8万円くらい)

いろいろな生ごみ処理を経験して、最終的にたどり着いたのがこの生ごみ乾燥処理。

うちではPanasonic製リサイクラーを使用しています。

なんと言っても楽(≧▽≦)

生ごみを投げ込んでボタンを押すだけ。Panasonicのリサイクラーは容量が大きいので、4人家族の生ごみ1週間分くらいなら入れっぱなしで大丈夫です。

たまった乾燥生ごみは庭の空いている場所に埋めて放置。畑づくりの時に掘り起こして使用しています。

一度、熱消毒・乾燥されているから腐敗の心配がない。うちでは結構腐らせてしまった食材なども投げ込んでいますがたい肥化が失敗することはないですね。

たい肥として使い切らないときは、普通ごみとして捨ててもにおいもしないから便利ですよ。

最大の難点は値段(^_^;)

でも、値段以上の価値はあると思います。安い容器は攪拌機能がなく容量も小さいので、Panasonicのものがおすすめです。

地域によっては補助金が出る場合も多いので、各自治体に確認してから購入してくださいね(≧▽≦)

まとめ

生ごみたい肥の作り方には密閉容器で行う嫌気性醗酵と、段ボールやコンポスターで行う好気性醗酵があります。

利用する菌によって作り方が違うので注意しましょう(゚Д゚)ノ

失敗すると腐敗してしまう場合があります。

一番簡単なのは、生ごみを乾燥させてたい肥化する生ごみ乾燥機。機械の値段は高いですがおすすめです。

それぞれ利点と欠点があります。自分の家庭にあった形で無駄なくリサイクルしてガーデニングに利用しましょう。

では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙

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