赤や黄色に色が変わる。紅葉の不思議を科学する!
前回「紅葉の季節ですね」では主にモミジについて説明しましたが、何も紅葉するのはモミジだけではない。
今回は『紅葉(こうよう)』全般について書いてみようと思います。
- そもそも紅葉とは何なんだ?
- 紅葉の仕組みとメカニズム。
- 常緑樹の紅葉は仕組みがちょっと違うらしい。
- モミジ以外にもある。美しい紅葉樹
*そもそも紅葉とは何なんだ?
呼んで字のごとく。葉が赤く染まることだが、紅葉と書くとその場合は「秋、落葉前に葉の色が変化すること。赤に限らず黄色に変わる場合もある」というところだろうか。
秋と限定したのは、早春、新芽が赤くなる植物も多数存在するから。
生垣の定番品種。新芽が赤く染まっても紅葉とはあまり言わない。
モミジも新芽が赤いものがある、これは「デショウジョウモミジ」新芽が赤い品種は一般的にあまり綺麗じゃない気がする。
意外と赤い葉の植物は多い。ポインセチアなども赤いけど、あれは萼片なのでまたちょっと違ってくる。
正確なとこはわかっていないが、赤い色素は紫外線を予防していると言われていて、新芽の弱い葉を強い紫外線から保護していると考えられている。なので、成長するに従い徐々に緑に変わっていく。
紫外線の弱い日陰では赤みがあまりよく出ないのも、紫外線を予防する必要がないからと考えればつじつまが合う。
ただ、秋の紅葉はこれとはまた違った仕組みで赤くなる。
*紅葉の仕組みとメカニズム
紅葉が起こるための条件は前回のブログに書いたとおり大きく3つ。
- 日当たりが良いこと。
- 肥料が切れていること。
- 夜の温度がしっかり下がること。
今回はなぜこれらが必要かをまとめるよ(^O^)/
1、気温が下がってくると落葉樹は、葉の付け根に『離層』を形成し葉に流れる栄養の流動を止めるようになります。
2、この働きは温度差が大きいほど素早く起こり、葉の中に流れる養分は急に絶たれる形になります。
3、気温の変化がゆっくりだと離層の生成が遅くなり、ダラダラと栄養が送られ続け、葉の中の葉緑素は栄養を作り続け紅葉はうまく進みません。
4、同じく葉の栄養である窒素が多い場合も、植物が「栄養あるしまだ頑張れるんじゃね?」と思って離層の生成が遅れ同じように紅葉はきれいに進みません。
5、離層が形成され、葉の中にはまだまだ頑張れる葉緑素が残りますが、離層の影響で徐々にその活動が弱まっていきます。
6、先に書いたとおり赤い色は紫外線を防ぐ働きがあります。植物は弱った葉緑素を保護するため『アントシアニン』を生成し最後まで栄養を植物本体に送り続けます。
7、どんどん弱る葉緑体を保護するため、赤色素のアントシアニンもどんどん合成され、葉は真っ赤に染まっていきます。
8、このように、日照が強いほど、その光から葉緑素を保護するため赤い色は強くなります。
9、黄葉の場合も5までは一緒なのですが、黄葉する樹種には『アントシアニン』を生成する酵素がないため赤い色素が作られず、葉っぱ本来の色カロチノイドの黄色が目立ってくるということらしいです。
紅葉がきれいな葉ほど落葉に残存する窒素は少ないそうです。無駄なく栄養を利用する植物の知恵ですね。
自然て素晴らしい(*´∀`*)
*常緑樹の紅葉は仕組みがちょっと違うらしい。
常緑樹でも秋になると葉の色を赤く染める植物があります。有名なところでは『ナンテン』など
この紅葉はズバリ「ストレス」。植物はいろいろな環境ストレスを受けたときアントシアニンの合成が進むことが確認されています。
強すぎる光、紫外線、無機養分の欠乏、温度ストレスなど。ナンテンの場合「温度ストレス」になるのかな?
だからこの場合、ストレスが解消すると葉の色はもとに戻ります。
同じ植物でも「地植え」と「鉢植え」では鉢植えのほうが早く紅葉します。同じ鉢植えでも「根詰まりしている」ものの方が早く紅葉します。
これもストレスによる紅葉なんですね。
切り花の生産では、人工的にストレスを与えて早く高揚した枝を出荷することもあるようです。
*モミジ以外にもある。美しい紅葉樹
スズランノキと呼ばれるものはもう一種あるけど、正式なのはゼノビアの方らしい。
三大紅葉樹もう一種はニッサという樹種だけど、まだ日本では流通が殆ど無いみたいです^^;
紅葉、と言うか黄葉の代表イチョウ。特徴的な葉がきれいですね(*´∀`*)
メスなら銀杏も取れる。問題は大きくなりすぎるのと臭いことかな、
意外ときれいな紅葉するのがブルーベリー。先のスズランノキと同じツツジ科。花もスズラン状でかわいい。もちろん身が美味しい(*´∀`*)
ブルーベリーと同じように紅葉・花・実が楽しめるジューンベリー。メインツリーとしても人気ですね。
この他にもハゼノキ、カイノキなどウルシ科の植物。カツラなんかもきれい。生け垣だとドウダンツツジと紹介しきれない^^;
はじめに書いた紅葉をきれいに楽しむポイントを抑えてきれいな紅葉を楽しんでくださいね。
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