生きる化石『イチョウ』銀杏には毒がある?

秋深まり、紅葉がきれいな季節になってきました(≧◇≦)
園楽projectでは”紅葉”の記事をいくつも書いてきましたが、今回はイチョウ”黄葉”ですね。
目次(*´▽`*)
イチョウってどんな植物?
『イチョウ』と聞いて知らない人は少ないんじゃないでしょうか?

名前はわからなくても葉の形を見たら「ああ、あの木か」とわかってもらえることでしょう。神社のご神木や街路樹なんかにも使われることの多いイチョウ。すごく身近な木ですが、実はすごい珍しい植物なんだって知っていますか??
生きる化石イチョウ
イチョウ(銀杏)学名:Ginkgo biloba は
裸子植物門イチョウ綱イチョウ目イチョウ科イチョウ属に属する、中国原産の落葉高木。
一科一属一種でも珍しいのに、『網』から違うってなかなかです。
植物に限らず動物もふくめて生物学では『学名』というものが決められていて、これは世界共通で一つの種に必ず一つ決められています(゚Д゚)ノ
学名は界・門・鋼・目・科・連・属・種と徐々に細かく分類される。
界は動物か植物かの区分けだから、植物の中ではかなりの異端。
イチョウ科の植物は中生代から新生代にかけて世界的に反映したグループ。現在ではイチョウ科ではただ一種。イチョウだけが生存している。以前紹介した『メタセコイア』よりもさらにさらに古い1~2億年前の植物。
イチョウは、『生きている化石』といわれている割にどこでも見かける気がしますよね(^_^;)
でも、それは人間によって広められただけ。原生地の中国ではレッドリストの絶滅危惧種IB類に指定されています(-_-;)
中国では開発が続きすでに野生のイチョウが見られるのは中国南部の二地域のみになってしまった。何とか環境を保持してもらいたいものです(>_<)
日本には鎌倉時代に薬として伝わったといわれており、各地に巨木となったイチョウを見ることができますよ(≧▽≦)
イチョウの特徴

なんといっても他に類を見ない「二股葉脈」
この特徴はほかの植物にはないんです(≧▽≦)
だからこの地球上でたった一種独立した網として分類されているってわけ。
他にも植物でありながら受精時に精子が泳ぐなど独特な特徴は多い。さすが生きる化石(^_^;)
イチョウを育てる
イチョウは非常に丈夫な植物なので育てるのはとっても簡単。普通の土であれば特に土は選びません。お花用の培養土や赤玉:腐葉土を7:3の配合などで大丈夫。
公害に強く、暑さ寒さにも強いから日本全国、北海道でも栽培可能。さすが氷河期を生き抜いただけありますね(*‘ω‘ *)
日当たりを好むので、一日を通してしっかり日が当たる場所がいいです。
鉢植えでも育てられますが、できれば地植えの方が立派に育ちます。しかし、立派すぎて困るかも……
大木になるイチョウ

イチョウは各地に大木が残るように非常に大きくなる木。その樹高は30m、幹回りは10mを越すものもあります(;’∀’)
もちろんそこまでになるには何年もかかりますが、大木になるということを想定して育てる場所を選びましょう。お庭では手に余るので、公園や畑など広い敷地がいいですね。もちろん、「うちは大豪邸だ!」という方は止めませんので、大きく育ててください(^_^;)
庭木として楽しむ?銀杏を取って楽しむ?

イチョウを育てる際で重要なのが「雄・雌」どちらを植えるか?
庭木として樹形や黄葉を楽しむのであればおすすめは「雄木」
銀杏を収穫したいのであればもちろん「雌木」を植える必要があります。しかし、民家のそばに植えるなら雌木は注意!実の時期にはかなりの悪臭を放ちます。
街路樹などでは基本的に「雄木」を使うのが一般的ですが、なぜかたまに雌の木が混ざっている場合があります。雌の木は秋、実の季節になると落ちてきた大量の銀杏の実が道に散乱して景観を汚すうえ、悪臭を放つんです(ノД`)・゜・。
銀杏収穫のために雌木を植えるのはいいのですが、周辺の家に迷惑の無いよう注意しましょうね。
ちなみにイチョウは風媒花(風で花粉を飛ばす植物)なので雄木がなくても、その花粉は数㎞にわたって広がります。日本は街路樹などイチョウがいたるところに植わっているので、たいていはどこからともなく風に乗ってくるから雌木だけでも実をつけることができますよ。
イチョウの黄葉を楽しむ

基本的に日当たりに植えてあれば、寒さに当たれば自然に黄色く変わります。
ですが、肥料として『窒素』を多く与えてしまうと葉に栄養が残ってうまく色が変わりません。秋に向けては肥料は与えないよう注意しましょう。
銀杏を取るには?
ついでに銀杏を収穫する方法について説明します。イチョウは実が熟すと自然に落ちてくるので木に登って収穫する必要はありません。
イチョウの木は相当大きくならないと銀杏をつけないから、木に登って収穫というのはすでに現実的ではないですね(^_^;)
落ちている銀杏は鳥にもほとんど食べられないので、人間専用でいくらでも拾えます。つぶされていない実を袋などに拾って集めましょう。
落ちている銀杏はしおれているものもありますが、食べるのは中なのでつぶれていなければ拾って大丈夫です。
注意!銀杏拾いは必ず手袋を!

銀杏の果肉には臭いにおいがあります( ;∀;)
服や手につくとなかなか落ちないので気をつけましょう。さらに肌に直接触れるとかぶれる毒性もあるんです!
なので、銀杏拾いには必ず手袋をつけて行いましょう。軍手ではなくゴム手袋のようなものの方がおすすめです。
特に顔の皮膚は弱いので銀杏を触った手で顔や体を触らないように十分な注意が必要です(゚Д゚)ノ
銀杏の食べ方
拾ってきた銀杏はそのまま食べることはできません。まあ、あの匂いでは食べる気にもならないでしょうけど(^_^;)
銀杏を食べれるように果肉を取る方法と調理について簡単にご紹介します。
実のむき方
拾ってきた銀杏は実から種を取り出さないと食べられません。まずは曲者いや、臭者の実をはがしましょう。
方法としては水に数日つけて洗い流す方法と、土の中に10日間くらい埋めて実を腐らせる方法があります。
どっちの方法も一長一短で、水は早いけど何度も洗い流す手間がかかる。土に埋める方法は簡単だけど時間がかかる問題があります。
土に埋める場合はミカンネットなどに入れてまとめて掘り出せるようにしましょう。埋めたまま忘れると大量にイチョウの苗木が生えてきますよ(^_^;)
銀杏を乾燥させよう
水洗いしたら新聞紙やざるに広げて風通しの良い場所で日に当てて2日ほど乾燥させます。冷蔵庫などなら一ヶ月くらいは持たせられますが、味はどんどん落ちていくので早めに食べましょうね。すぐに調理するなら乾燥させないですぐ食べることも可能です。
銀杏を調理しよう!

簡単なのは電子レンジ。500Wで1分程度暖めるだけ。弾けるので封筒などに入れて加熱するのがいいでしょう。ポップコーンのように弾ける音がしたら取り出して殻を割って食べられます。
量がある場合はフライパンで軽く焦げ目がつくまで 炒って食べます。弾ける場合があるのでふたをして加熱しましょう。
始めにペンチで殻を割っておくと食べる時殻を割りやすいですよ(*‘ω‘ *)
銀杏は毒?銀杏中毒に注意!
銀杏は果肉だけではなく、食用にする種部分にも毒があります( ;∀;)
これは「銀杏中毒」といわれ、安全量というのも人によってまちまちで、これだけは安全といいにくいところもあります。発症例としては40~300個で発生事例があるそうですが、5歳以下の子供だとわずか数粒でも発生する可能性があるので、お子様には与えない方がいいでしょう。大人の楽しみってことで(^_^;)
症状としては食事後数時間で体がけいれんし、重篤な場合は死に至ることもあるらしい。それだけの危険を冒してでも食べたくなる美味しさなんですね(;’∀’)
原因は銀杏に含まれる成分がビタミンB6の作用を阻害するために起こるといわれています。そのためビタミンB6不足の時ほど少量で発生する可能性があるようです。
珍しいイチョウ
イチョウは一種しかないのですが、各地で栽培される中で変異を起こした変わったイチョウが報告されています。そんなちょっと変わったイチョウをいくつかご紹介します(≧▽≦)
乳イチョウ

乳のように気根が垂れ下がった姿のイチョウ。大木になると枝から気根、というか枝そのものが垂れるように下がった姿。安産の神社や乳の出がよくなるといわれるご神木も多数存在するが、乳イチョウとはいっても雌木とは限らない。雄木も垂れます(^_^;)
オハツキイチョウ
イチョウの変種で、葉の先端に実をつける変わった姿をする。日本で20例ほど報告がある。
ラッパイチョウ
扇形の葉がつながって筒状になった姿。非常に珍しくこちらも日本で30本くらいしか知られていない。
巨木イチョウ

幹回り10m以上になった大木は日本各地に存在します。きっと読者の方の近所にもあるはず。この機会に訪ねてみるといいんじゃないでしょうか。
まとめ
いかがでしょうか、現代に残る生きた化石、イチョウの不思議。少しでも興味を持ってもらえれば幸いです(≧▽≦)
- イチョウは大木になるから庭植えには向かない。
- イチョウは雄雌があり、銀杏をならせるのは雌木だが、実はかなり臭いので注意。
- 銀杏は食べすぎは危険
- 近所にある大木のイチョウを見に行ってみよう!
お店ではほとんど販売されていないから、苗はネット通販で探すとすぐ見つかりますよ(*’▽’)
購入時は必ず雄雌の表記があるものを購入しましょう。現代でも種からの苗では雄雌の判別はつかないので「接ぎ木苗」を購入するのがいいと思います。
雌木の品種には大実の『藤九郎』と実付きがよくもっちり食感の『久寿』がありますよΣ(・ω・ノ)ノ
広いスペースがあったらぜひ育ててくださいね。
では、みなさまよい園楽を~(。・ω・)ノ゙
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