梅の木がカビた!コケむした木の助け方~ウメノキゴケ~

ウメノキゴケ

たっ、たいへんだ~。庭の梅がコケにおおわれてしまったよ!

枝をびっしりと覆う”カビ”だか”コケ”だかわからない不思議な物体。

特に梅に多いが、ほかの木にも発生することもあるこの物体はいったい何だろう(ノД`)・゜・。

このままでは、うちの大事な『梅の木』が、謎のカビコケに殺されてしまう~!(*_*;

葉が落ちて、枝があらわになると特に目立ってくるから、はじめて見たら心配になってしまうのも仕方がないこと。

でもご安心を!

その”コケ”で木が枯れることはありません。

今回は「木がカビる?ウメノキゴケ」についてご紹介します。

ウメノキゴケって何?

この梅の木にくっついたカビのような苔のようなものの正体は「ウメノキゴケ」学名:Parmotrema tinctorum

”コケ”とつきますが、厳密にはコケでもなければ、カビでもない。地衣類という菌類と藻類の共生体です。

キノコにコケが生えている状態みたいなもの。

だから栄養は太陽の光を利用できるのです。

灰緑色の葉 では光合成をおこなっており、梅の木の栄養をすっているというわけではないのです。

その証拠にウメノキゴケの仲間は植物だけでなくコンクリートや岩にも発生します(゚Д゚;)

ウメノキゴケが生えたからといって木が枯れることはない?

ウメノキゴケによって木が枯れることはありません。

しかし、ウメノキゴケが生えるということは「木が弱っている」のも確か。

順番としては逆なんです(゚Д゚)ノ

ウメノキゴケが生えたから木が弱ったのではなく、木が弱ったから抵抗力が落ちてウメノキゴケが生えてきたんです。

つまり、ウメノキゴケによって枯れることはなくても、ほかの要因で弱っていく可能性はあります(゚Д゚;)

弱った木の原因を探そう

木がすでに何十年も育った老木であれば、ウメノキゴケが生えるのはある程度仕方のないこと。

葉がしっかり茂って元気なようであれば、特に気にすることはありません。

お正月飾りなどではわざとウメノキゴケの寄生した「苔梅(コケウメ)」を使うことがあります。

これは昔から長い年月を感じさせることから、代々の繁栄を願う気持ちが自然と湧いてくる『縁起の良いもの』という考え方があるから。

ウメノキゴケによって枯れることはないので、年月を経た味として観賞してもいいのではないでしょうか(≧▽≦)

木が若かったり、元気がなくて発生しているなら、その原因を取り除く必要があります。

土が堅くなっていませんか?

植え付けて年数が経過した木の周囲の土は、固く締まっていることが多い。

肥料は与えていても、有機物の補給はしていないという方が多いんじゃないかな(。-`ω-)

自然界では落葉した葉や動物の糞尿、遺体などが分解され土にかえっていくという『自然の循環』が働いている。

しかし、お庭の土の場合、有機物が循環することはない。

落ち葉は飛んで行ってしまうか、掃除されてしまう。もちろん野生動物が庭を闊歩するお家なんてほとんどないよね(^_^;)

そのため、お庭の土というものは、そのままではどんどん痩せて堅くなってしまうんです!

土に有機物を与えてふかふかな土壌を作ろう

堅く締まった土は根がうまく張れず、肥料を与えてもうまく吸収することができなくなります(ノД`)・゜・。

そんな時は、冬の落葉時に腐葉土やたい肥を株の周囲に撒いて、堅く締まった表面の土を耕してあげましょう。

樹勢の回復には、腐葉土よりも効果の高い『土の活力剤』も有効です。液体のメネデールと併用して根を活性化させることで樹勢を取り戻しますよ。

参考リンク→:芽と根がよく出る”メネデール”だれでも栽培が上手になる?魔法の液体の正体は?

これらの作業は、寒肥を与える時に同時に行うとより効果的!

木が元気になれば抵抗力が回復し苔は生えにくくなります。

それだけではなく、木そのものに活力がよみがえり、元気に育ってくれるようになりますよ(≧▽≦)

ウメノキゴケが生える環境は空気がきれい!

見た目がカビみたいで、お庭では嫌われるウメノキゴケですが、実は環境汚染の指標としても使われています。

それはウメノキゴケは空気のきれいな場所でしか育つことができないから(゚Д゚)ノ

だから街路樹など、排気ガスのひどい場所ではウメノキゴケは発生しません。

お家の木にウメノキゴケが生えているということは、その一帯の空気がきれいだという証明なんですよ(≧▽≦)

それでもやっぱり見た目が汚い!はがしたい!退治したい!

いくら「空気がきれいだ」「縁起がいい」とはいっても、見た目が嫌!という方もいると思います。

そんな方に簡単にウメノキゴケを退治する方法をご案内します。

1、物理的にはがす

ウメノキゴケはそれほど強い力で張り付いているわけではないので、はがそうと思えば簡単にはがすことができます。

特に簡単なのが高圧洗浄機

水を強い圧力で噴出し掃除する器械です。

安いものなら1万円くらいなので購入してもいいと思います。

車や家壁の掃除にも使えますしね(≧▽≦)

これで木に張り付いたウメノキゴケをはがしていきます。

ただし、木を痛めないように水圧は調整してくださいね。

時間はかかりますが、古歯ブラシでこすり落とすこともできます。

ただしはがしただけでは、再発する可能性もあります。

樹勢の回復も同時に行いましょう(゚Д゚)ノ

2、酢で殺す

地衣類は酸性に弱いので、お酢を薄めたものを噴霧したりはけで塗ることでウメノキゴケだけを枯らすことができます。

お酢の代わりに木酢液などを使っても枯らすことができます。


ウメノキゴケは枯れてもその場所からはがれることはないので、枯れた後に高圧洗浄機などではがしてやる必要があります。

3、農薬で枯らす

ウメノキゴケを枯らすには『ボルドー剤』が有効だといわれています。

しかし、ホームセンターでも手に入れやすい住友化学園芸のボルドー剤「サンボルドー」は梅に適応がありません。


観賞用の花梅ならそれほど問題ないですが、食用果樹としての梅で使用するなら、日本農薬の「Zボルドー」という商品があります。

お店で見つからないときはネット通販を利用して取り寄せましょう。


ウメノキゴケに似ている病気もあります!

あれ?ウメノキゴケかな?まあいいか、枯れないなら大丈夫(*‘ω‘ *)

ちょ~っと待った。よく見てください。この病気、ウメノキゴケじゃありません!

これはコウヤクビョウ(膏薬病)同じようにカビ状のものが枝を包んでいくんですが、こっちはまさにカビ!

枝が包まれるとこちらは枯死してしまいます!見つけ次第はがしていきましょう。

同じように高圧洗浄機も有効です。

膏薬病の原因はカイガラムシ

コウヤクビョウは病原のカビをはがしただけでは再発します。

原因となっているのはカイガラムシの糞や尿

これにカビが生えて幹を包んでしまっているんです(゚Д゚)ノ

そのためカイガラムシを退治するのが何より大切になります。

カイガラムシは専用農薬やマシン油乳剤などを使いましょう。


込み合った枝を整理し、日当たり風通しを良くすることが予防にもつながります。

*石灰硫黄合剤も有効ですが、現在一般家庭での使用は難しくなっています。

参考リンク→:石灰硫黄合剤が売っていないんです(;´・ω・)

まとめ

梅の木の枝に生える苔のようなカビのような物質は、地衣類のウメノキゴケ

コケと名前がついていますが苔ではなく菌類と藻類の共生体。

木が弱ると発生しやすくなるので、木を元気に育て、風通しよく管理することである程度防ぐことができます。

発生したウメノキゴケは物理的にはがすか、お酢など酸性の液体で枯らすことができるが、木そのものの樹勢を取り戻さないと再発します。

ウメノキゴケで枯れることはないが、似ている病気「コウヤク病」は木を枯らす場合がある注意しよう。

見た目はともかく、縁起が良くて、空気がきれいな指標であると聞くと、ちょっとかわいく見えてきませんか?

地衣類は基本的に環境変化が苦手なので枯らすのは意外と簡単。

それよりも本体の木が元気に育つように気を配りましょう。

では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙

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