宙に実る?小玉スイカの空中栽培。プランター栽培もOK。甘い西瓜の育て方
夏と言えば、やっぱりスイカ!
家庭菜園を始めると、やっぱり挑戦したくなりますよね(≧▽≦)
でも、スイカは実も大きいし場所も取る。家庭菜園で作るのはちょっと難しいかな?
いえいえ、そんなことはありません。家庭菜園でも簡単に作れるスイカもあるんですよ。
今回は、狭い場所やプランターでも栽培可能?!
手軽に作れる『小玉』スイカについてご紹介いたします。
目次(*´▽`*)
スイカってどんな植物?
スイカはウリ科のつる性1年草。早春から栽培を始め、夏に果実を収穫する夏野菜として知られます。
漢字では「西瓜」と書き、これは中国の「西方から渡来した瓜」という意味。
とはいえ、原産地はアジアではなく熱帯アフリカの砂漠地帯(゚д゚)!
なので、あまり加湿になる土壌は好みません。原生地を知ると栽培のポイントが見えてきますね(≧▽≦)
世界的には、4000年前のエジプトの壁画にも描かれているそうで、人間との歴史はかなり古い野菜なんです(゚Д゚)ノ
スイカの栽培条件
原生地が砂漠地帯ということで分かる通り、水はけの悪い場所は苦手。
水はけのいい土壌を用意しましょう。酸性が強い土も嫌います。
そして重要なのは日当たり。
イメージ的にも燦燦と太陽の降り注ぐ下で実っているイメージがありますよね。その通りです。
たくさんの太陽を浴びることで、甘く手みずみずしいスイカを育てることができますよ(≧▽≦)
スイカの栽培条件まとめ
- 水はけのよい場所
- 酸性土壌の中和
- 太陽の光に当たるように玉回し。
スイカの栽培面積
スイカはつる性で、1株で1坪(3.3㎡)以上の栽培面積を必要とします。
1坪と言ったら、小さな家庭菜園だと、スイカ一株しか植えられない(;´Д`)
なんてことにもなりかねません。もちろん広い場所があるに越したことはありませんが、玉の小さな小玉スイカならもっとコンパクトに、何ならプランターでも栽培することが可能です。
場所がないなら上に伸ばそう、スイカの空中栽培
そうは言っても、そんなに広い場所はない(=_=)
さすがにプランターで大玉のスイカを作るのはむずかしいが、大きなソフトボールくらいの小玉スイカならばプランターでの栽培も可能です。
畑でも、支柱をたててつるを誘引することで、狭い場所でも十分に栽培が可能。
簡単なのはバラアーチやフェンスを使う方法。
つるを誘引して狭い場所でもたくさんの光を葉に当てることができます。
専用の空中栽培支柱セットも販売されていますね。
こんな支柱セットがなくても、バラアーチや、フェンスに絡ませて栽培することも可能ですよ(≧▽≦)
小玉スイカならプランターでも作れる
プランターで作れるとは言え、2m近いつるを伸ばす植物です。土の量は多いに越したことはありません。
最低でも1株20リットル以上の土を確保できる深型の大きな野菜用プランターを用意しましょう。
欲張ってたくさん植えても、よく育ちません(゚Д゚)ノ
一株がしっかり根を張って、たくさんの光を浴びれるように育てましょう。
スイカは苗から育てる。種からはやめておけ
スイカの苗はそのほとんどが『接ぎ木』
スイカは自分の根があまり強くないので、そのまま育てると病気になりやすい。
そのために、接ぎ木の苗を使うのが一般的。津波に台木に使われるのはユウガオ(夕顔)と呼ばれる瓜の仲間。
参考リンク→:仲間はずれはだれ?朝顔(アサガオ)と昼顔(ヒルガオ)と夕顔(ユウガオ)と夜顔(ヨルガオ)
かんぴょうの原料になる瓜と言えばわかりやすいかな。
その根に美味しい実のなるスイカの苗をくっつければ、スイカの接ぎ木苗の完成。とはいえ、自宅で接木するのはかなり大変なので苗を購入するのがおすすめです。
種からでも不可能ではないけど、発芽には20度以上の気温が必要なので、育てるのには加温設備が必要だ。
最初に書いたように1株に付き1坪の面積が必要なので、大きな畑でもない限り袋に入った種を使いきることはできないですよ(^_^;)
スイカの苗の植え付け
野菜用の培養土を使えば、バランス良く配合されているからそのまま使えば問題はない。
でも畑などの地面で作るときは何よりも土づくりが大切です。
うえたばかりは、冷たい風でいたむことがあるので、四隅に支柱をたててビニールを張る『風よけ』があると根の張りも早く失敗を少なくできます。
スイカの土づくり
スイカは酸性土壌を嫌うので石灰が重要。そのあと、たい肥や腐葉土、元肥を混ぜて植え付けの準備をします。
- 苦土石灰(もしくは有機石灰):100~150g/㎡
- たい肥(もしくは腐葉土)) :2~5㎏/㎡
- 野菜の肥料(スイカの肥料) :規定量
できれば、石灰と肥料は別々に、1週間くらい間隔をあけて土に混ぜるようにします。
参考リンク→:消石灰・苦土石灰・有機石灰はどう違う?違いと使い分け
元肥を入れすぎると、葉ばかりが茂って花が咲かなくなります。はじめは控えめにしましょう。
スイカ苗の植え付け
スイカの植え付けには、まだ注意するポイントがあります。
- 連作は避ける。:スイカのほか、同じウリ科キュウリ・ゴーヤ・カボチャの後に植えるのも避けましょう。
- 地温を高く保つ。:スイカは寒いのが苦手。黒マルチなどで地温を高めましょう。
- 日当たり確保。:スイカ栽培には日光が重要。しっかり日の当たる場所に植えましょう
- 深植え禁止。:スイカは地表近くに根を張ろげる性質があります。深植えすると生育が悪くなります。
購入した苗がまだ小さい場合は、4号くらいの鉢で少し育ててから定植しましょう。
寒さ除けのために苗キャップをかぶせるのも有効です。
立派なスイカの実を収穫するためのポイント
植え付けが終わったら、今度は立派なスイカに育てるための作業を行っていきましょう(≧▽≦)
ほとんど放置でも実はつきますが、立派なスイカを収穫するためには、もうひと頑張り必要ですよ。
スイカの水やり
もともと乾燥地帯の植物なので、水切れには強い植物です。
地植えの場合は、基本的に雨に水だけで十分。土が乾いて葉が少ししんなりするようでしたら、その時はしっかりと水を与えましょう。
プランターの場合は、成長に伴い土の渇きが激しくなっていきます。
限られた環境では水切れしやすいので、成長が盛んになってからは、毎日しっかりとあたえるようにしましょう。
底面給水タイプの鉢や、保水補助剤を使えば、水切れを心配することなく管理できますよ(≧▽≦)
スイカの追肥のタイミング
実を大きく育てるために追肥が重要。
小玉スイカの実が付いた時に1回、その後2週間後くらいにもう一回、それぞれ野菜用の化成肥料を施します。
つるとともに、土の中では根が広がっているので、追肥は株元ではなく、つるの先のあたりに与えるようにしましょう。
プランターの場合は縁の壁に沿って与えれば大丈夫です(=゚ω゚)ノ
与える肥料は、専用肥料かリン酸の多いものを与えるようにしましょうね。
摘心
つる植物を育てる際は避けて通れない。それが『摘心』
とは言ってもそんなに難しいことはありません。
最悪、摘心しなくても実はつきます(^_^;)
ただ、中心の親つるよりも、子づるの方が花が咲きやすいので、収穫の機会が増えるんです。
摘心の方法
摘心の方法は主軸(親つる)の本葉が5~6枚になったところで先端の芯を摘み取ります。
先端がなくなると、下の脇芽から『子つる』が伸びてくるので、下の方の1~2番芽は摘み取り、元気のいい上の3本を残して育てていきます。
地植えなら自由に地面を這わせておけばOK。
スイカは自分で這いあがってはいかないので、立体栽培をするなら子つるを日当たりがよくなるように、支柱に誘引していきましょう(≧▽≦)
人工授粉
ウリ科の植物の多くは雌雄異花。
一つの株に雄の花と雌の花が別々につきます。
株に力がないときは、雄花が多くなります。
オスとメスの花の見分けかたは簡単。
花の下に小さいスイカの赤ちゃんがついている方が雌花です。
ほっといても虫がかってに授粉作業を行ってくれますが、より確実に結実させるために『人工授粉』も行っておきましょう。
人工授粉のやり方
朝のうちに、雄花の花を摘んで花びらをとります。
中心の花粉を雌花の中心にある柱頭にこすりつければ完了。これだけ(≧▽≦)
スイカは完熟が見た目で分かりにくいので、受粉からの日数で収穫時期を測ります。
あとでわからなくならないように、人工授粉を行った日をメモしてタグなどでつけておきましょう。
摘果
小玉スイカの適正な結実数は、
つる1本に付き2個 1株2~4個まで。
特にプランター栽培は作れるエネルギーが限られます。力が分散すると美味しさも中途半端になります。欲張らないようにしましょう(^_^;)
一つのつるに2個以上結実しそうな場合は大きいものを残して摘み取ります。(大玉は1個まで)
立体栽培の場合、実が大きくなると自重を支えきれなくなるので、ネットなどを使って受け止めてあげましょう。
畑の場合、実が直接土に触れないように敷き藁を用意するといいですよ。
敷き藁より便利なスイカのマットもあります。
玉回し
着果した後は、収穫するまで実にもしっかり光を当てましょう。
光の当たらない部分は色が悪くなるので、全体に均等に光が当たるように、定期的に玉回しを行うのがおすすめ。
まあ、回さなくても普通に収穫はできます。きれいな実を収穫したい場合は行いましょう。
スイカの収穫(日数計算)
授粉を行ってから、
- 小玉スイカで約40日
- 大玉スイカで40〜50日
・・・を目安に収穫します。
たたいてみて音が高ければ完熟しています。
とは言っても比較しなきゃわからないですよね(^_^;)
30日くらいからたたいてみて、音の変化を調べるのもいいと思いますよ。
スイカの収穫(積算温度)
授粉後の毎日の平均気温を足していって、「積算温度」が900〜1,000℃になる頃に収穫する方法もあります。
単に日数を数えるより、気候の変動をとらえて熟し具合を測れるのですが……めんどくさいので日数計算でいいと思います(^_^;)
甘いスイカを収穫するためのポイント
スイカはトマトと同じで、水やりを控えることで糖度が高くなります。
参考リンク→:家庭菜園で最もコスパがいい野菜は「ミニトマト」簡単に育てる6つの掟
収穫の1週間前くらいからは水の量を減らすことで実を甘くすることができますよ(≧▽≦)
収穫したスイカは、その時点ですでに食べごろ。
置いておいても追熟で甘くなったりはしないので、早めにとれたてを味わいましょう。
逆に、すぐ食べられない場合はそのまま置いておいても、丸のままなら2週間くらいは保存がききます。
それ以上かかりそうなら、皮をむいて果肉だけをキューブ状に切って冷凍保存しておきましょう。
冷凍保存なら約2ヶ月は保存できますよ。
常温で解凍してもいいし、シャーベットのようにそのまま食べるのもおすすめです(≧▽≦)
スイカの病害虫
スイカは比較的病気の少ない野菜ですが、炭疽病やべと病、疫病、うどんこ病、つる割れ病などが発生することがあります。
泥はねで菌が広がることが多いので、畝を黒マルチで覆っておくことで病気の発生を抑えることもできます。
黒マルチは地温を高めて、根の成長を促進させたり、雑草防止効果もあるので必ずしいて栽培しましょう。
スイカは病害虫より、鳥に注意
せっかく大きく育ったのに、朝起きたらこんな姿に(ノД`)・゜・。
犯人はカラスやヒヨドリなど、大型の鳥。果実が熟す頃になると、いたずらされることがあります。
屋外では取れる対策は限られています。物理的にネットなどで覆うしかない(=_=)
早めに防鳥ネットで対策をしておきましょう。
まとめ
スイカの中でも実の小さな小玉スイカは、プランターやつるを上に伸ばす「立体栽培」も可能。
基本的に接ぎ木苗を購入して育てましょう。
栽培ポイントは、
- 5~6枚で摘心
- 子つる1本に1~2個に摘果
- 追肥
- 授粉から40~50日で収穫
収穫間際の鳥の襲来に備えましょう。
甘くするために1週間前からの断水もポイントです。
初心者でもそれほど難しいことのない『小玉スイカ』ぜひチャレンジしてくださいね(=゚ω゚)ノ
では、皆さまよい園楽を~~(≧▽≦)
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