日本のローズヒップ「ハマナス」花と実と育て方
ガーデンを彩る花木の中心といえば、やっぱりバラ。
色とりどりで咲くその花は豪華で本場ヨーロッパの庭園を思わせます( *´艸`)
でも、バラの仲間はヨーロッパだけに分布するわけではありません。
切花で主流の花弁の反り返る「剣弁高芯」は中国のバラから、房咲やつる性は日本のバラから取り入れられた形質だったりします。
原種のバラの中には現代の系統ではあまり使われていない品種も多くあります。例えばモッコウバラなど。
今回紹介する「ハマナス」も現代のバラではあまり利用されていない血統ですが、性質が丈夫で人気の高いバラの一つ。
普通のバラとちょっと違うハマナスの秘密をご紹介します(≧▽≦)
目次(*´▽`*)
ハマナスも立派にバラなんです
ハマナスはバラ科バラ属の落葉低木。幹に細かくたくさんのとげを持ちます。
見た目はバラに見えないけど、正真正銘バラなんです(^_^;)
バラっぽくないですが、分類上は間違いなくバラ。数は少ないですが園芸品種もいくつか作られています。
学名はRosa rugosa
園芸品種としてハマナスを使った改良品種はルゴサ系と呼ばれ、北米を中心に人気でよく栽培されています。
日本では北海道に多く、本州では茨木県の浜辺などにも自生します。耐塩性・耐寒性に優れ、日当たりがよければたいていの場所でよく育つ強健さを持っています。
ハマナスの園芸品種
ゲルベダグマーハストラップ
珍しい黄色の八重咲ハマナス。アメリカで作出された品種で、原種にはない繰り返し咲きを持つ。
香りもいい横張のシュラブ。ハマナス同様細かいとげが多い。
フィンブリアタ(フィンブリアータ)
ハマナスの系統には珍しい半つる性。2m近くまで枝が伸びます。残念ながら香りも少なく、一季咲きだが、切れ込みの入った白の小花は人気が高い。
丈夫さピカ一なので、初心者の方にもおすすめ。
ローゼンドルフシュパリースホップ(グルーテンドルストシュプリーム)
赤の小輪八重咲のハマナス。香りはほとんどないが、丈夫さが素晴らしい。小型で大きくはならないうえ、返り咲きもするので、サツキなどのように花壇のボーダーに利用できます。
同じシリーズに、赤のほか白やピンクの花もあります。
ハマナスはなまった名前?
ハマナスは漢字で「浜茄子」と書く。しかし、別名でハマナシ「浜梨」と呼ばれることもあり、ナスなのかナシなのか論争が残る話題です。
ハマナスの実はバラの実にしては2~3cmと大きく、ビタミンCを多く含み8月ごろ真っ赤に実ります。昔からその果実は食用・薬用としても利用されており、見た目からはナスよりなしではないかと思われます。
一説には東北地方では「す」がなまって「し」と発音されることも多いことから、本来「ハマナ”シ”」だったものがなまって「ハマナ”ス”」になって伝わったんじゃないかともいわれています。
なまった名前が本名になったんだとしたら、ちょっとかわいそうですね(^_^;)
ハマナスとローズヒップ
ハーブで「ローズヒップ」というと、ドックローズの実のことを指す場合が多いが、ハマナスの実もジャムやハーブティの原料として利用されます。
種が多くてあまり食べる部分はないけど、バラの実の中では大型の実なのでドックローズの実を集めるよりは簡単です。
病害虫に強く無農薬栽培も可能なので、自宅で育てたハマナスなら安心してジャムにしたりお茶で楽しむことができますね(≧▽≦)
ジャムを作るには結構な量を集めなくてはいけません。お庭の1株だけだと大変かもしれないけど、頑張って集めましょう(^_^;)
ハマナスの育て方
バラなので基本的な育て方はバラと同じです。
用土はバラ専用用土でもいいけど、水はけのいい花の培養土でも大丈夫。
寒さには強いので北海道でも屋外で越冬可能。逆に関西以西の夏は半日陰の風通しのいい場所で過ごせると元気に育ってくれます。
肥料は冬の寒肥と、秋を中心に与えましょう。
原種のハマナスはそれほど肥料を必要としないので、普通のバラのつもりで与えすぎないように注意してくださいね。
肥料は「バラの肥料」として販売されるものでOKです。
まとめ
ハマナスはこう見えて立派なバラの一種でした。
古くから北日本の海岸沿いを中心に分布し、病害虫に強くその実は大きくジャムやお茶に利用可能。
昔はどこでもよく見かけられましたが、現在では自生地も減り宮城や福島を始め多くの県で絶滅危惧種に指定されている。
お家で育てる場合はお店の苗を購入するようにして、野生のものは摘み取らないようにしましょうね。
ルゴサ系のバラはトゲが多いが、どれも驚くほどに強健で病害虫に強い。
バラ初心者の方でも挑戦してみるといいと思いますよ(≧▽≦)
あんまり売ってないけどね(^_^;)
では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙