棕櫚竹(シュロチク)観音竹(カンノンチク)どっちも竹じゃないって知ってた?

丈夫な観葉植物といったら何を思い浮かべますか?
ユッカやパキラ、ポトスなどいろいろありますが、なんといっても丈夫なのはシュロチクでしょう。
ところで、このシュロチク、「棕櫚竹」とは書きますが、竹の仲間じゃないって知ってましたか?
目次(*´▽`*)
シュロチクはヤシの仲間です。

棕櫚とは広い意味ではヤシのこと。
(正確にはワジュロ(和棕櫚)と呼ばれるもっとも寒さに強いヤシがあり東北まで栽培が可能)
竹みたいな棕櫚(ヤシ)だから棕櫚竹(シュロチク)
似たような植物に観音竹(カンノンチク)がある。見た目はそっくりだが、カンノンチクの方が葉が太い。
観音竹の名前は琉球の寺院の山号である観音山に由来するのではないか、というのが植物学者の牧野富太郎の見解。
見た目の若干の違いはあるけれど、管理の方法や性質はかなり近いのでほとんど同じように扱って大丈夫です(*'▽')
カンノンチク(観音竹)・シュロチク(棕櫚竹)の違い

同じ仲間の観音竹と棕櫚竹。見た目hあすごく似ていますが、よく見ると葉の形が違います。
棕櫚竹は葉が細く切れ込みも多い。観音竹は葉が太く切れ込みも少ない。


このほかにも少し違いがあるのでそれぞれの特徴を見てみましょう(゚Д゚)ノ
棕櫚竹とは?
棕櫚竹(シュロチク)学名: Rhapis humilis
ヤシ科ラピス属の非耐寒性常緑低木。原産地は中国南部。
フェニックスのようなヤシと違い1~5mとサイズは小さく、株立ち上に育ちます。

日本に伝わったのは江戸時代といわれます。日本の九州に自生するヤシ、『棕櫚(シュロ)』に似た毛が幹に生えることから棕櫚竹と呼ばれた。
耐寒性も観葉植物としては強く、3~5度くらいまでは耐えるので霜の降りない関西あたりからは地植えでの越冬も可能。
観葉植物として飾っても、夜人がいなくなると気温が下がるショールームや玄関でも痛みが少ない丈夫な植物です。
観音竹とは?
観音竹(カンノンチク)学名は Rhapis excelsa
ヤシ科ラピス属の非耐寒性常緑低木。原産地は棕櫚竹と同じく中国南部。
高さはこちらも4mほどまでと小型。野生種は知られていないため中国で作られた園芸品種でないかともいわれています。
時代としては江戸時代、シュロチクより後に日本に入ってきたが当初はシュロチクと区別されていなかったらしい。
琉球の観音山近辺で栽培されていたものが日本に持ち込まれシュロチクと区別するためカンノンチクと呼ばれるようになった。
シュロチクには斑入り種はほとんどないが、カンノンチクは斑入り種が多く、江戸時代に起こったブームで多くの品種がつくられた。
古典園芸として江戸時代にも高額で取引されたが、昭和初期にもブームが起こり高いものは3千万円もの値が付いたものもあったようです(◎_◎;)

耐寒性は強いが、シュロチクよりは若干弱いようです。
カンノンチク(観音竹)・シュロチク(棕櫚竹)の育て方
基本的な管理はどちらも同じ。基本的な育て方をご案内します。
棕櫚竹・観音竹の置き場所
どちらも雰囲気的に和風・洋風を問わずに利用できるので様々な場所で利用されます。寒さにも強く室内であれば冬も問題なく越冬可能。屋外でも0度以下にならない地域であれば、簡単な防寒で屋外越冬も可能。
耐陰性も強く、弱い室内の光でも十分に成長可能です(≧▽≦)
逆に屋外で管理する場合は強い直射日光では日焼けする場合があるので注意が必要です。
棕櫚竹・観音竹の水やり・肥料
観音竹・棕櫚竹の土は水はけのいいものが利用されているので、水切れに注意しましょう(゚Д゚)ノ
春~秋は土の表面が乾いたらしっかり流れるまで水を与えます。かといって、受け皿に水をためてしまうと根腐れを起こすので、新しい水を上からどんどん入れ替えるつもりで水やりしましょう。
ただし、冬は生育が遅くなるので乾燥気味に管理するのが原則。表面乾いてからさらに2~3日置いてから水を与えるようにします。やるときは下まで流れるくらいしっかり与えてくださいね(=゚ω゚)ノ
冬場は特に土への水より、空気が乾燥するので霧吹きで葉に水をかけてあげましょう(葉水といいます)これによっては先の枯れこみや、ハダニの害を防ぐことができます。
肥料は生育期の5~9月。観葉植物用肥料を1~2ヶ月に1度適量与えるようにします。
棕櫚竹・観音竹の剪定

棕櫚竹・観音竹はどんどん葉を展開するごとに背が高くなります。しかし他のヤシ類同様に途中で枝を切ることができません(゚Д゚)ノ
そのため、背が高くなりすぎた枝は根元から切って外してしまいましょう。棕櫚竹は株元からタケノコのように新しい芽が次々伸びるので、若い枝に更新を繰り返しながら育てていきます。
そのほか、黄色くなった葉も回復することはないので切り落としてしまいましょう。残念ながら一番上以外の葉は新しく出てくることはないので下が寂しくなったら枝を更新して仕立て直しをしましょう。
棕櫚竹・観音竹の植え替え
成長の盛んな植物なので、2~3年に一度は植え替えを行います。
気温の暖かい5~9月ごろに一回り大きい鉢に植え替えるか、株分けして根が張る余裕を作ってあげましょう(≧▽≦)
植え替えの土
棕櫚竹・観音竹は水はけのいい土を好みます。これは通常の観葉植物用の土でも水持ちが良すぎるくらい。できれば専用の『棕櫚竹の土』などを利用するか、観葉植物用の土に鹿沼土を混ぜて水はけを改善して使うようにしましょう。

植え替えの手順
- 鉢から棕櫚竹(観音竹)を抜きます。抜けにくいときは鉢の縁をたたいて外します。
- 軽く根をほぐしながら、傷んだ根や長すぎる根を切り戻します。
- 株分けをする場合はんぶんくらいになるように根を割ります。
- 分けない場合は、今より一回り大きい鉢を用意します。
- 鉢底石に培養土を入れて植え付けていきます。
- 棒でつつきながら隙間なく土を入れます。
- そこから流れる水がきれいになるまでしっかりと水を与えます。
- 根を切っているので落ち付くまで半日陰で管理しましょう。
- メネデールなどの活力剤で回復を図るのも有効です(≧▽≦)
棕櫚竹・観音竹に花が咲いたら?
棕櫚竹・観音竹は玉に花が咲くことがあります。棕櫚竹は白い花・観音竹はピンクの花が咲きますが、あまりきれいな花ではありません(^_^;)
実は雄雌が別の木である、雌雄異株なので実をつけるのは難しい。お店でも雄雌を表記して販売しているのは見たことがない。ちなみに花はこんな感じ。
花が咲いたら要注意?!
花が咲いたからといって喜んでもいられません。
なぜなら、花が咲くときは根詰まりになっている可能性があるからです。植物はそれ以上成長できなくなると、本来よりも小さいサイズでも花を咲かせます。鉢植えで花が咲いたときは高い確率で根が詰まっています。植え替えを検討しましょう。
まとめ
観音竹・棕櫚竹は竹ではなくヤシの仲間。
途中で剪定することができないので、新し芽を育てて枝を更新しながら栽培する。
水切れに注意して水はけのいい土で植えます。
寒さには強いが0度は下回らないように。冬は土は乾燥気味に、葉には葉水をかけてハダニを防ぎましょう。
見た目が竹っぽいので竹の代わりに和風のお店などでも活躍できます。
丈夫さは観葉植物でもトップ3に入るほどなので、初めてでも安心です(≧▽≦)
ぜひ育ててくださいね。
では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙
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