室内鉢花の女王セントポーリアの育て方&特製培養土の作り方
可愛らしい花をぷっくりとした葉の上に咲かせる、室内鉢花の女王「セントポーリア」
昭和の時代に大ブームを起こし多くのマニアを生み出した花だが、現在その姿はあまり見かけなくなっている。
室内の日当たりの少ない環境でもよく育つ。いやむしろそこがいい!!
気難しいけど、セントポーリアの気持ちを理解してあげれば非常に育てやすい花。
今回はセントポーリアを紹介します(≧▽≦)
目次(*´▽`*)
セントポーリアって何の仲間?
セントポーリアは東アフリカのタンザニア北部とケニア南部というごくごく限られた地域に生える植物。
分類はイワタバコ科アフリカスミレ属(学名:Saintpaulia)
「すみれ」の名前がつくけどパンジーやビオラといったスミレ科の植物とは全く関係はない。
『セントポーリア』の名前は種子を採取してヨーロッパに持ち帰ったドイツ人の植民地総督サン・ポーリレール(Saint Paul-Illaire)だったことから1892年に名前が付けられました。危なく名前が『サンポール』になるところだったかも?!(;'∀')
セントポーリアは自生地では川沿いの岩場や、木下の日の当たらない目立たない場所に生えています。
この自生地がセントポーリアの育てやすさとも、育てにくさともいえる性質を作り上げています(*‘ω‘ *)
セントポーリアの代表種は2つ
アフリカスミレ属には20数種類の品種が知られていますが、現在日本で栽培されるセントポーリアの元となったのは主に2つ。
セントポーリア・イオナンタ(Saintpaulia ionantha H. Wendl.)
タンザニアの沿岸や、標高30~50mの丘陵地に自生する。 最初に発見されたセントポーリア。基本色は紫色だが、変異種に白色もある。ionanthaとは、ギリシャ語で「スミレのような」の意実があります。
ロゼット型に成長し40cmもの大型に育つ。園芸種の元となった基本種。
セントポーリア・コンフューサ(S. confusa B.L. Burtt)
タンザニアの一部、標高1050m付近に自生する。 花色はやはり青。
主にこの2種から現在の色とりどりのセントポーリアが生まれました(≧▽≦)
良いセントポーリアの選び方
苗や開花株を購入するときの注意点を紹介(*'▽')
まずは葉柄が短く株全体が締まっていること。
芸能人は歯が命、セントポーリアは葉が命!
ふにゃふにゃの葉は根が傷んでいます。
葉の色が悪かったり、隙間のあるものも避けましょう。
色の濃いかっちりした葉で、中心の新しい葉が上を向いているもの。
株全体を見て葉につやがあるもの。
開花株の場合は、花芽がたくさんついているものを選びましょう(≧▽≦)
セントポーリアを育てよう
セントポーリアは非常に気難しい植物。普通の植物と同じつもりで育てたら、間違いなく枯れます(゚Д゚)ノ
普通とはちょっと違ったセントポーリアの育て方をご説明します。
日に当ててはダメ!
セントポーリアは直射日光に当ててはダメです!
強い日差しの下では葉が焼けて数時間で枯れてしまいます(*_*;
明るさはあったほうがいいが直射はさけて柔らかい光(レースのカーテン越しくらい)に当てましょう。
花は四季咲きで光に当たって環境が良ければ年間を通していつでも咲きます。
逆に言えば、弱い光でも栽培可能!
育成灯の明かりだけでも栽培が可能なので、一切日が入らない寝室などでも育てることができる数少ない植物です。
セントポーリアの水やり
セントポーリアを枯らしてしまう一番の原因が「水やり」
多くが与えすぎにより根腐れで枯らしてしまいます(*_*;
基本は3~4日に一度ですが、環境や季節。植わっている土によってもタイミングは変わってきます。
初めての方は多少乾かし気味の方が失敗は少ないですよ(≧▽≦)
セントポーリアは肉厚の葉に水分を貯えられるので、一ヶ月くらい水がなくても再生します(゚Д゚)ノ
水温にも注意
冬は冷たい水にも注意が必要。
水温が冷たすぎると株を痛めたり、葉にリングスポットと呼ばれる黄色い斑点が発生します(*_*;
室温と同じくらいの水を与える時はしっかり流れ出るくらいまで与えましょう。
セントポーリアの温度と湿度
セントポーリアの好む気温は、「人間が心地よいと思う温度と同じ」といわれています。
最適気温は18~25度くらい。
温室などでこの範囲を維持できるといつでも花を咲かせることができます。
空中湿度も大切で湿度60%くらいが最も好ましいといわれています。
冬
耐寒性は10度くらいまで。
この温度を下回ると成長は止まり、5度以下になると枯れてしまいます(*_*;
冬も花を咲かせ続けるなら15度以上。
湿度60%をキープするようにしましょう。
夏
耐暑性も弱く、30度を超すと元気がなくなり最悪の場合枯れてしまいます。
風通しのよい場所で管理しましょう。
セントポーリアの土
普通の花の培養土では根腐れをして枯れてしまいます。セントポーリアは専用のセントポーリア用土を使うのがおすすめです。
しかし、専用用土が販売されていないことも多い。そんな時は自分で用土を配合しましょう。
セントポーリア第一人者「川上敏子先生」おすすめの配合
セントポーリアは根が非常に細かく傷みやすいです。
水はけよく、かつ水持ちもよい用土を作ります。
用意するもの
- バーミキュライト できるだけ粒の大きいもの粉ぽいものは避けましょう。
- ビーナスライト(もしくはパーライト)
- ピートモス
- ミリオン 粒のミリオンAではなく、粉末のミリオンを用意します。
- マグァンプK中粒
バーミキュライト6:ビーナスライト1:ピートモス2:ミリオン1これにマグアンプKを少々混ぜ込みます。
セントポーリアの植え替え
本来なら春と秋2回行うのがいいといわれています(*'▽')
しかしそれも大変なので、鉢底石にミリオンAを敷き詰めて使ったり、ハイフレッシュ希釈液を併用することで春か秋、一年に一回の植え替えでも育てることはできます。
植え替え時には古い土を半分以上落として、根が長い場合は半分くらい切り落とします。
切り口からの根腐れ防止にハイフレッシュを塗って保護します。
用土で植え付けてしっかり水を与えます。
お店で販売されているセントポーリアのほとんどが「ピートモス」で植えられています。
このままでは花後に根腐れを起こしやすいので、早めに植え替えを行うのがおすすめです(≧▽≦)
セントポーリアの肥料
専用肥料、もしくは花用の肥料を春と秋に与えます。注意点として、セントポーリアの根は弱いので肥料は少なく、薄いものを与えるようにします。
セントポーリア専用肥料『多花』
以前は、セントポーリア用品専門メーカーで「多花」というセントポーリア専門肥料も販売されていましたが、現在は廃業してしまったようです(*_*;
多花は主成分が「ミリオン」で、これにバットグアノ、マグアンプKのような緩効性肥料、ヨーリンを配合したもののようです。
自分なりの配合を試しても面白いかもしれないですね。
セントポーリアの置き場
強い日差しの当たらない明るい場所で育てましょう。
日照不足の場合、
- 葉の色が薄くなる
- 葉が立ち上がり気味に育つ
- 葉茎が長くなり葉の間に隙間が目立つ
ような症状がみられるようになります。
しっかり日に当たっていると
- 葉色が濃い緑
- かっちりと堅い葉になる
- 葉が隙間なく株を覆う
ようになります。強すぎると日焼けするので注意しましょう。
セントポーリアに温室は必要?
昭和の時代、セントポーリア栽培にはガラス温室と育成電灯が必須でした。
しかし、現代の住宅は光もふんだんに入り、気密性が高いため室温もそこまで下がりません。
加湿器も性能の良いものが販売されているので、わざわざ温室を用意しなくても十分な栽培環境を整えることができます。
1株の値段も500円程度からとお手頃になっているので、気軽に始めることができますよ(≧▽≦)
様々な品種のあるセントポーリア
花色はもちろん、八重のものや小型のミニセントポーリアなど、様々な花が販売されています。コレクションするのも面白いですよ(≧▽≦)
ただ最近、国内最大のセントポーリア苗生産者が栽培から撤退したらしいという話があります(*_*;
もしかすると、希少価値でセントポーリアが手に入りにくくなってしまうかも?!
お花屋さんでお気に入りの花に出会ったら迷わずゲットしてくださいね。
可愛らしい室内鉢花の女王『セントポーリア』ぜひ楽しんでください。
では、みなさまよい園楽を~(。・ω・)ノ゙