冬の貴婦人シクラメン、長く楽しむ【3つのポイント】夏越しのコツも徹底解説
冬の定番「シクラメン」これから冬にかけてギフト鉢花の定番商品。
これからシクラメンを育てるのに役立つ情報をいろいろご紹介します(≧▽≦)
目次(*´▽`*)
シクラメンは何の仲間?
シクラメンはサクラソウ科シクラメン属の球根植物。
そうなんです、シクラメンはチューリップなどと同じ球根植物。
葉が生えている中心を探すと、土の上に飛び出した球根を見つけることができます。
水やりをする場合、この球根に水をかけないようにすることがコツ(=゚ω゚)ノ
植え返した場合も、球根は地上に出るように注意して植え付けましょう。
シクラメンの語源は回転(サイクル)から
シクラメンの学名はCyclamen
これはギリシャ語のkyklos(キクロス)「円」「らせん」が元。
これは英語の「cycle」(サイクル・まわる・周期)の語源にもなっており。
花後の花茎がらせん状に巻きコイル状になることからつけられています。
現代の改良された大輪品種ではわかりにくいけど、写真のように、原種やガーデンシクラメンなどではくるくる巻いた茎を見ることができます。
ギリシャ語が語源なのは、現代の改良品種の中心親である「シクラメン・ペルシクム(Cyclamen persicum)」がギリシャのキプロス島から持ち込まれたことに起因するよ。
シクラメンの歴史
ヨーロッパに初めてもちこまれたのは、1731年。
今から300年近くも昔の話。
日本には明治から大正にかけて導入された。
シクラメン・ペルシクムは、その塊茎を豚が食べたことから「豚のパン」と呼ばれていた。
しかし日本ではまだ『パン』が一般的ではなかったため導入されたときに「豚の饅頭」と言い換えられ、和名として広まりました。
和名は花やその植物の姿を如実にあらわしたものが多いから、日本の園芸業界ではもっと使っていくべきだと思うのだけど、さすがに豚の饅頭じゃ人気出ないだろうね(´・ω・`)
安易な学名そのものカタカナ名よりよっぽど親しみやすいとは思うから、雑学知識としておぼえておくのもいいんじゃないかな(*´▽`*)
シクラメンのかほり
ちょっと上の世代なら布施明の歌う「シクラメンのかほり」は耳に残る名曲でしょう( *´艸`)
でも、実は今のシクラメンってあまり『香り』がないんですよ(^_^;)
香りの強い花は花もちが悪くなることも多く、花を大きく豪華に改良していく過程で原種にはあった香りが失われていったんですね。
ですから、今のシクラメンの多くは、近づいてやっと感じる程度の香りしかもっていないものが多いんです(;_;)
見直されるシクラメンの香り
でも、どうせなら香りもいい花のほうがいい!!
そこで最近は、香りの魅力が見直されてきています。
ファルバラローズのように、香りのあることを売りにした品種も増えてきています。
やっぱり香りもあったほうがいいですよね(≧▽≦)
シクラメン日頃の管理
冬のギフト商品として人気のシクラメン。
贈り物としていただくことも多いでしょう。
お客様からは『シクラメンは難しい』『すぐにダメになってしまう』という相談をよく受けます。
でもそれは、シクラメンの好む環境を用意してあげられていないのが原因。
ポイントさえ押さえたら、シクラメンは決して難しい植物ではないんです。
シクラメンを長くきれいに楽しむポイントは3つ。
- 水
- 温度
- 光
この3点を押さえれば、シクラメンは簡単に育てられます。
それぞれ詳しくみていきましょう(=゚ω゚)ノ
シクラメンの水管理
シクラメンはお水が大好き。
水切れしないように毎日しっかりと与えます。
ただし、水の与え方にも『コツ』があります。
まずは、受け皿には水をためないこと。
これはシクラメン以限らず、すべての植物に言えることですね。
そしてもう一点。
中央の球根に、水がかからないようにすること。
芽が集中しているこの部分に水がたまると、カビが発生して病気にになってしまう危険性があります!
水やりのさいには、球根の周囲にだけ水を与えられるように、先の細い水差しで鉢の淵から与えましょう。
シクラメンに最適な温度は?
お歳暮でいただいた豪華なシクラメン。
あなたならどこに飾りますか??
- いつでもよく見える『暖かい』リビング
- お客様にも見ていただける、『ちょっと寒い』玄関
さあ、どっち?
答えは断然「2」の玄関。
シクラメンの生育適温は15~20度。
リビングで暖房をつけると25度を超えてしまうことも……
これでは暑すぎます!
そんなところに長く置かれたシクラメンは、花が倒れてしおれてしまいます(;´・ω・)
水切れや、温度が高いとふにゃふにゃになってしまう(ノД`)・゜・。
花がしおれたシクラメンの救出方法
上の写真のように、花が倒れてしまったシクラメン。
致命傷になる前に水を与えることができれば、株を回復させることはできますが、このまま水を与えただけでは花は立ち上がりません('ω')ノノ
花を以前のようにピシッと立たせるには、水を与える前に花を支えてあげることが重要。
写真のように花を支えた状態で水を与えましょう。
こうすることで、以前のようにしっかりと花が立ち上がった状態に戻ります。
支えは1日くらい経ったら外しても大丈夫です。
シクラメンは太陽が好き
シクラメンを育てるには太陽の光も重要。
光が当たらないと、次の花が咲きにくくなったり、ひょろひょろとした貧弱な株になってしまいます。
窓の近くなど、できるだけ日あたりのいい場所に飾りましょう。
しかし、リビングルームなどの室温の高い場所はNG。
日中温度が高く、夜間急に温度が下がるような環境では、シクラメンも体調を崩してしまいます( ;∀;)
室内に、温度が低い日当たりのいい場所がない場合、日中太陽が出ている間は屋外に飾るという方法もあります。
極端な低温や、雨に気を付ければ、むしろ室内よりも元気に育ってくれますよ。
もっと咲かせたい!さらにシクラメンを長く楽しむポイント
シクラメンをきれいに楽しむのは、基本的に上の3点を守ることが最重要。
そのうえで、さらにたくさんの花を咲かせたい場合は『肥料』やちょっとした『お手入れ』をしてあげることで、もっとシクラメンを長く楽しむことができるようになります。
シクラメンの追肥
春まで長く花を楽しむためには追肥が必須。
シクラメン専用肥料もあるけど、普通の花用肥料でも大丈夫ですよ(*'▽')
固形の肥料なら1~2ヶ月に一度。
液肥なら、週に1回規定量に薄めてお水代わりに与えましょう。
シクラメンの花がら摘み
次々花を咲かせるためには花後の処理が大切。
花びらが落ちたあとの花がらには種が作られます。
栄養が種に取られて花が咲きにくくなるので必ず外すようにしましょう。
ここでポイント!
花後の花茎ははさみを使わないで、根元からねじるように引き抜くこと。
茎が残るとそこから病気になることもありますよ~(;・∀・)
うまく育てれば何年も咲かせることができます。
上手に育てると、なんと20年以上も一つの株に花を咲かせ続けている、という方もいらっしゃいます(;'∀')。
ポイントを押さえて、長く楽しみましょう。
毎年咲かせられるって本当?夏に枯れてしまう人必見。季節ごとの育て方
「シクラメンは毎年楽しめる」そう言われても、1年もったことがない(;´∀`)
という方も多いと思います。
ここからは、毎年楽しむための季節ごとの管理について少し詳しく解説していきます(≧▽≦)
シクラメン「春の管理」
暑いのが苦手なシクラメンは暖かい春になると葉を落としてきます。
本格的な暑さが来る前に、植え替えを行いましょう。
地上部の葉が生育している状態なので、あまり根は崩さず一回り大きな鉢に植え替えます。
専用の土も販売されていますが、水はけのいい普通のお花用の培養土でも問題ないですよ(=゚ω゚)ノ
春に植え替えておくと、夏越しの管理が楽になりますが、あまり気温が高いようなら、秋の植え替えでも問題ないです。
それ以外の管理は冬と同じ。
風通しのいい涼しく、日当たりのいい場所で、乾いたらしっかり水を与える管理を続けましょう。
シクラメン「夏の管理」
シクラメンンを夏越しさせる方法には、
- 「葉を付けたまま」夏越しさせる方法
- 「球根だけで休眠させる」方法
二つがあります。
それぞれ、メリット・デメリットがあり、栽培地域によってもおすすめの方法が違います。
詳しくみていきましょう(=゚ω゚)ノ
すずしい地域ならおすすめは「葉を付けたまま」夏越し
真夏でもそれほど暑くならない地域(東北や山の上など)での栽培なら、葉をつけたまま夏を越す方がおすすめ。
雨の当たらない屋外の半日陰で、乾いたらたっぷり水をあげるという今までと同じ管理で夏越しさせます。
葉をつけたまま夏越しする利点は、
- たまに花が咲くこともある。
- 秋のスタートが早いので、年内から花を楽しむことができる。
などがあります。
ただし、加湿になって根腐れや、カビが発生する危険もあります。
もし葉がどんどん落ちていくようなら、水を切って『休眠させて夏越し』に切り替えていきましょう。
夏暑い地域では『休眠させて夏越し』がおすすめ
暑い地域では、球根の腐敗などの心配があります。
簡単なのは、球根を休眠させて夏を越す方法です。
- 気温が上がり、葉を落とし始めたら水やりを止めます。
- そのまま土を乾燥させ、カラカラ状態に保ったまま夏を越させます。
- 気温が落ち着いてきた9月ごろに、土を落として新しい土で植え替えます。
この方法の利点は、夏の管理が簡単なこと。
基本的に雨に濡れない場所に放置でかまいません(^_^;)
9月になって気温が下がってきたら、植え替えを行います。
ただこの方法は、葉の再生が遅れる分、開花も少し遅くなり、年末以降からの開花になります。
ドライ夏越し球根の植え替え
夏越し下球根は、秋に植え替えを行います。
球根を彫り上げ、土をすべて落とし、長く伸びた根も1/3程度切り詰めます。
今までより一回り程度大きな鉢に、シクラメンの培養土、もしくは水はけのいいお花の培養土で植え付けます。
この時球根は1/3以上地上に出るように植え付けます。
しっかり水を与えて完成。
この時メネデールを使うとさらに回復が早くなるのでおすすめですよ(=゚ω゚)ノ
葉をつけたまま夏越しした株も、春に植え替えをしていないなら、この時期に植え替えておきましょう。
葉がついている場合は土は軽くほぐす程度にとどめ、一回り大きな鉢に植え付けます。
ミニシクラメンとガーデンシクラメンの違い
小ぶりで可愛いシクラメンを『ミニシクラメン』や『ガーデンシクラメン』と呼びます。
見た目はほとんど変わらないけど、違いはあるのでしょうか?
もともとは同じものだったのだけど、最近では「特に寒さに強く外植え可能なもの」をガーデンシクラメン。
室内向けをミニシクラメンと分けることが多い。
どう違う?ガーデンシクラメンとミニシクラメン、人気の品種一挙紹介!管理のポイントから育て方まで解説します
「ガーデンシクラメン」とはいっても耐寒性は0度くらいまでなので、屋外での越冬は東北以北の地域ではちょっと難しい。
夏場、蒸れで腐りやすくもなるから鉢植えがおすすめ。
アレンジなんかに入れてもかわいいですね(*´▽`*)
寒い地方でどうしても地植えしたければ、原種系シクラメンがおすすめ。
丸い葉がかわいい『コウム』や、ヘデラ(アイビー)のような葉をつける早咲きのヘデリフォリウム(別名: ネアポリタナム )などがあります。
この2種はクリスマスローズでも有名な横山園芸さんが東北の「国営みちのく湖畔公園」に植え付けられて今も毎年立派な花を咲かせています。
園楽projectのコチラ↓の記事もあわせてお楽しみください(≧▽≦)
現代のおすすめ新品種シクラメン!
ギリシャの小島にひっそりと咲いていた小さな花が、今でははるか東の島国でバリエーションに富んだ花を咲かせています(≧▽≦)
今までのシクラメンのイメージが覆るかも?!
珍しい花色の八重咲品種。グリーンティアラ
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こっちはさらにすごい!バラ咲き、ローゼスローズ
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ティアラ咲き、フリンジがカワ(・∀・)イイ!! ビクトリア
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珍しい!黄色、ゴールデンガール。
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ちなみにリップの赤くないゴールデンボーイもありますよ(*‘ω‘ *)。
天使が舞い降りたシクラメン「天使の羽」
花がまさに天使の羽のように見える、小花の品種。色やデザインにも変化があります。
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そして極め付け!青いシクラメン「セレナーディア」
八重やビクトリアタイプもあります。
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関連記事:驚きの青いシクラメン「ブルーシクラメン セレナーディア」の秘密
いかがでしょう。このほかにも素敵な花が続々販売されます。
飾ってみたくなりましたか?
今年のお歳暮にはシクラメンギフト検討されてみては?きっと喜ばれますよ(*´▽`*)
では、よい園楽を~(。・ω・)ノ゙
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