カラーピーマンとパプリカは何が違う?家庭菜園でつくるピーマン類の育て方
肉厚で苦みもなく、ジューシー(≧▽≦)
さらにカラフルな色で食卓を彩ってくれる。
そんな野菜と言えば「パプリカ」
近年はNHK2020応援ソングで流されていた米津玄氏さんプロデュースの『パプリカ』が有名ですが、今回解説するのは、もちろんこっちじゃなくて野菜の方です(^_^;)
目次(*´▽`*)
ピーマンとパプリカ何が違う?
野菜の『パプリカ』と聞くと、八百屋さんでならぶ赤やオレンジ、黄色といったカラフルで大きなピーマンそっくりな野菜を思い浮かべると思います。
日本では明確にピーマンとパプリカは区別されますが、フランスではどちらも同じくくりの野菜。
フランス語ではピーマンもパプリカもまとめて「poivron(ポワブロン)」と呼ばれ、ポワブロン・ルージュのように、色を続けて区別する。
ちなみにピーマンはもともとフランス語が元になったと言われている。
でも、現在フランス語でピーマン(piment)というと、トウガラシを挿す名前になってます。間違わないように注意しよう(^_^;)
なぜこんなことになっているかというと、実はピーマンとパプリカだけではなく、トウガラシ、シシトウなども含めて、これらの野菜は分類上はすべて同じトウガラシ(学名:Capsicum annuum)だからなんです(゚Д゚)ノ
元は同じトウガラシなので、国によって分類の呼び方が異なってくるんですね。
英語でピーマンはピーマンじゃない?
ピーマンとはもともとフランス語。
だから、「ピーマン」と言っても外国では通じないんですね(=_=)
では英語でピーマンはなんていうのか?
答えは”green peppe”もしく”bell pepper”
ペッパーは胡椒だけではなく、唐辛子という意味もあります。
でもこれだと「青唐辛子」になっちゃいそうですよね?!
青唐辛子は”green chili”または”green hot pepper”と呼んで区別します。
これももとはトウガラシから改良されて作られてきた歴史がある野菜だからなんですね。
パプリカも同じ”bell pepper”と呼ばれます。
やはり、ピーマンとパプリカを明確に区別することはしないようですね(=゚ω゚)ノ
パプリカという品種ができるまで、
トウガラシは紀元前6000年もの昔からメキシコ中部を中心に栽培がおこなわれていた、それが16世紀大航海時代にヨーロッパ全域に知れ渡ったことで様々な品種が作られていく。
朝鮮出兵の際に携帯していたように、日本でも豊臣秀吉の時代にはひろく栽培されていたことが知られている。
トウガラシはこのあと、辛味の無い品種が作り出され、主にアメリカなどで改良が進められ様々な品種に別れはじめる。
その中の一部は日本にも導入されて、甘みトウガラシの『シシトウ』や『伏見甘長』などが日本でも栽培されるようになっていった。
だがこの時代でも、まだピーマンは存在しません(゚Д゚)ノ
辛くないトウガラシ(甘トウガラシ)の中でも肉厚なもの、いわゆる『ピーマン』が生まれるのは明治時代になってから。
明治初頭にアメリカから伝わり、色づく前の未熟な果実を利用する、よく知られた『ピーマン』が日本でも栽培されるようになります。
日本でも代表的な夏野菜としての存在を確立していくピーマン。
しかし、この時代でもまだ日本ではパプリカは流通していません。
パプリカが一般的に流通し始めるのは1990年代になってから、
肉厚で大型の品種が作られ、海外で育てられたものが輸入されるようになり、今日に至っては食卓を彩るのには欠かせない食材となっていますね。
でも、実はパプリカが食卓に上がるようになってからは、まだほんの数十年しかたっていないんです。
実はトウガラシもシシトウもぜーんぶ同じ
このように、ピーマンもパプリカも、シシトウもトウガラシも、もとは全部同じ種類の植物。
それが長い時間をかけて大きく肉厚に改良されてきたという歴史があります。
あの皮しかなくて細長いトウガラシとパプリカが同じ品種なんて信じられないけど、学名で見るとみんな同じCapsicum annuumなんですね。不思議。
ちなみに、激辛トウガラシとして知られるハバネロなどは、一般的なトウガラシとは別のグループに分類される植物です。詳しくは過去記事も参考にしてくださいね。
リンク→:[ギネス級]家庭菜園で作れる最強激辛トウガラシは?
パプリカの苗がお花屋さんで売っていないんです(;´Д`)
よし!ピーマンとパプリカの違いは分かった!
でも『パプリカ』って『ピーマン』に比べるとちょっと値段が高い(=_=)
家庭菜園で作ったら、お得にいっぱい食べられるんじゃないか?!
そう思って園芸店の野菜苗売り場に来てみても、あれ??パプリカの苗がない。あっても『カラーピーマン』の苗ばかり、なんで?
パプリカを育てるのは難しい。上級者向け野菜
しょうがない、「ピーマンを大きくなるまで育てるか!」
と思ったあなた、ちょっと待って!ピーマンはいくら育ててもパプリカにはなりません(^_^;)
ミニトマトをいくら育てても大きなトマトにならないのと同じ。品種の時点で実のサイズは決まっています。
園芸店でパプリカの苗がないのは、「家庭菜園でパプリカを育てるのは難易度が高すぎるから」なんです。
カラーピーマンとパプリカの違い
日本ではカラーピーマンの中でも『肉厚』で『大型』のものを”パプリカ”
パプリカよりも小さく色のついたものを”カラーピーマン”と、一般的には呼び分けています。
カラーピーマンとパプリカに決まった線引きがあるわけではないから、苗として「パプリカ」の名前がついていても、実際にはそれほど大型ではないこともあります。
良く販売されるのがタキイ種苗の「フルーピーレッド」「フルーピーイエロー」
カラーピーマンの代表種。
大きさは120g程度と、お店で販売されるパプリカ(約180g)に比べれば小ぶりですが、普通のピーマンは大きくても50g程度なので、倍くらいの大きさはあることになります。
大きな実の野菜はムズカシイ
野菜は大きい果実をとろうとすればするほどに、難易度が上がります。
ミニトマトより中玉トマト、中玉よりも大玉トマトのほうが栽培が難しい。
スイカも小玉スイカは比較的簡単でも、大玉スイカを育てるのは難しい。
だから、ピーマンよりも、カラーピーマンは難しく、大型のパプリカはさらに難しいことになります。
そのため、家庭菜園用の苗で販売されるのは、ほとんどが育てやすい『カラーピーマン(小型のパプリカ)』なんです。
大型のパプリカ(200g以上のサイズ)の苗もたまに販売されていますが、難易度が高いので、まずは小型のカラーピーマン、もしくは普通のピーマンで練習してからチャレンジしましょう(≧▽≦)
カラーピーマン/パプリカを育てよう
パプリカがどんな植物かわかったところで、さっそく栽培を開始しよう。
種からの栽培も可能だが、苗を育てるまでにも温度管理など手間がかかるので、家庭菜園で数株育てるくらいなら4月ごろから販売される野菜苗を利用するのがおすすめ。
いろいろな種類のピーマン/パプリカの仲間を栽培してみるのも楽しいね!
おすすめの品種は後半に紹介しているから参考にしてほしい。
さて、では早速ピーマン/パプリカを育てていこう!
あなたのおうちがレストランに。肉に負けない野菜の旨味があるのに、1食108kcal~。野菜のスペシャリスト大平哲雄がプロデュースするオーガニックレトルト料理ピーマン栽培のための土準備
苗を用意する前に行っておく作業がある。
それが土づくり。
ピーマン類は土への適応力が広いので、普通の植物が育つ場所なら栽培は可能だが、特に「保水性と通気性」のいい土を好む。
逆にひどい加湿や乾燥は苦手なので、十分にたい肥や腐葉土をすき込んで耕しておこう。
土壌酸度の調整
土壌酸度はPH6~6.5を好むので、苦土石灰で調整。
特にナス科の仲間であるピーマンは「カルシウム欠乏」を起こしやすく、トマトと同じように「尻ぐされ病」が発生することがあります。
石灰などのカルシウム肥料はしっかり施しておきましょう。
消石灰を使う場合は、たい肥や肥料とはいっしょに使えないので、
2週間前に石灰 >> 1週間前にたい肥と元肥 >> 定植
と、1週間ごとに間隔を置いて作業しましょう。
ナス科植物の連作に注意!
ピーマンは連作を嫌います。
昨年と同じところに植えるのはやめましょう。
ピーマンだけでなく、ナス・トマト・ジャガイモ・ペチュニアなども同じナス科の植物。これらの後に植え付けしても連作障害が発生する危険があります。
転作(栽培する場所を変えて育てること)が難しい場合は、必ず連作障害を緩和する土壌改良材を使用しましょう。
畝づくりとマルチング
余分な水分が下がるように、20㎝ほど高くした畝を作りましょう。
植え付けの数日前からマルチをかけて地温を高くしておくのも有効です。
株間は50~60㎝の余裕をもって植え付けられるように準備しましょう。
ピーマン苗の選び方
ピーマンは寒さに弱いので、慌てて植えてもあまりいいことはない。
4月の下旬から5月上旬にしっかりした苗を選ぼう。
苗を選ぶポイントは、すぐに植え付けを行うなら、葉の枚数が12~14枚生えて一番花が咲いたくらいの、しっかりした苗を選ぶのがいい。
まだ小さい場合は、すぐに植え付けをしないで数日間株を育ててから植え付けるようにしましょう。
早い時期に植え付けると、寒さで枯れてしまうこともあるよ(゚Д゚)ノ
ピーマンの仕立て方:基本は3本仕立て
最初は枝を支える仮支柱を1本立てて枝を育てます。
一番花が咲いたら、その枝とその下の2本を残し、それより下の脇芽はすべて取ります。
一番花は実を付けると、そのあとの生育に支障が出るので、実を付ける前に摘み取ってしまいましょう。
3本の枝が伸びてきたら、実がつくと重さでたわむので、3本の支柱でそれぞれの枝を支えます。
特に実の大きなパプリカなどはしっかり支えないと、実の重さで枝が折れてしまうこともありますよ(=_=)
ピーマンの追肥
植え付け1ヶ月くらいから収穫が始まります。
始めの2~3個は実の小さいうちに早めに収穫して、株の消耗を防ぎます。
同時に追肥を開始。
2週間に一度、野菜の肥料を株の周りに追肥しましょう。
ピーマンはどれくらいで収穫できる?
開花してから、ピーマンなら15日程度で収穫できます。
しかし、実の大きなジャンボピーマンはもっと時間がかかる。
さらに、そこから色がつくまでに時間がかかるので、カラーピーマンやパプリカは開花から40~50日もかかります!(゚Д゚)ノ
ピーマンに比べて2~3倍も時間がかかるので、ちょっと大変。
実が熟して苦みが薄れると、害虫も付きやすくなります。注意しましょう。
大きい実を付けるパプリカは、雨にあたると実が割れることがあるので、雨除けできる方がいいですね。
カラーピーマンはそれだけ手がかかるんです(=_=)
待ちきれなかったら、早どりすればピーマンとして食べることもできますよ。
ピーマンのコンパニオンプラン
トマトとバジルのように、一緒に植えることで生育を助けるコンパニオンプランツがピーマンの仲間にもあります。
その一部を紹介します(≧▽≦)
ピーマンとナスタチウム
エディブルフラワーとしても人気のハーブ、ナスタチウムとピーマンは相性がいいんです(≧▽≦)
ナスタチウムをピーマンのウネ間などに混植すると、ナスタチウムの香りでアブラムシを寄せ付けなくなる効果があるんです!
さらに、ナスタチウムは這うように株元に広がるので、夏場の乾燥防止にも役立ちます。
ピーマンと落花生
ピーマンのコンパニオンプランツには落花生も有効。
落花生を間に植えることで、マルチの役割を果たして、土の乾燥を防止する効果があります。
さらに、落花生は根粒菌の働きで肥料を自分で作りだすことができます。その養分をピーマンも利用することができるので、成長がよくなる効果があるんです。
ピーマンを収穫して、秋には落花生が収穫できる!一石二鳥ですね(≧▽≦)
参考リンク→:家庭菜園でピーナッツ栽培。炒り落花生より美味しい、ゆで落花生の基本レシピと育て方
パプリカの花言葉
♪パプリ~カ花がさい~た~ら~(作詞:米津玄師)
とうたわれる、パプリカの花ってどんな花でしょう?
白くて小さな、こんな花です。
ちなみにピーマンも花は同じ。
では花言葉は?
パプリカの花言葉:「同情」「憐れみ」「君を忘れない」
あまりいい意味ではないですね(^_^;)
歌のパプリカの意味としては「君を忘れない」なのかな。
ちなみにピーマンは全く違う花言葉で、
ピーマンの花言葉:「海の恵み」「海の利益」
陸の野菜が何で海の利益なのかというと、ピーマンが完熟すると真っ赤になることかららしい。
おすすめピーマンの品種
家庭菜園でおすすめ、ピーマンの品種を紹介するよ。
トマトに比べると品種は少ないけど、面白い品種も色々あるから、ぜひ栽培してもらいたい。
ニューエース
最もピーマンらしいピーマン。
普通にピーマンが食べたければこれ!
京みどり
やや細長いピーマン。
ピーマンとシシトウの中間のようなピーマン。
草勢旺盛で作りやすい。成り休みしにくいのでたくさん収穫できるよ。
こどもピーマン ピー太郎
ピーマン嫌いな子供がいるならコレ。
苦みがなくてすごく食べやすい。
デカチャンプ
とにかくデカいピーマン。
驚きの大きさ!
太陽のパプリカ
カネコ種苗のパプリカ苗。
種の販売はないようで、苗だけの販売。
パプリカと言いつつも大きさはピーマンと同じくらい。しかし、色づきが早く初心者でも簡単にカラーピーマンが栽培できる。
生育するにしたがって色が変わるから、1本だけでも収穫のタイミングで色々なカラーが楽しめるおすすめ品種。
カラーピーマン
ピーマンより大きな実を付けるカラーピーマン。
色づきまでは時間がかかるので、じっくり育てよう。
パプリカ
200g以上の大きさになる大型カラーピーマン。
肉厚ジューシーだが栽培は最も難しい。
まとめ
今回はカラーピーマンとパプリカの違い、そしてピーマン類の育て方について紹介しました。
家庭菜園の定番品種、ピーマン。
初心者でも簡単に育てられるから、家庭菜園を作るならぜひ一本は入れておきたい品種。
余裕があれば、特殊品種やパプリカにもチャレンジしてみてはいかが?
人気の苗はゴールデンウイークにはほとんど売り切れてしまうから急いで購入しよう!
ではみなさん、よい園楽を~(≧▽≦)
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