どこが違うの?ツリバナとマユミの見分け方、実のつけ方と育て方
ツリバナとマユミは、ニシキギ科ニシキギ属に属する落葉低木です。どちらもよく似た外見をしており、混同されることも多い植物。
でも、実は意外と違いの多い植物なんです。
今回は、秋にかわいらしい実をつける、ツリバナとマユミについて、見分け方・育て方・実のつけ方まで詳しく紹介していきます!
目次(*´▽`*)
ツリバナとマユミの違い
ツリバナとマユミはともに、ニシキギ科ニシキギ属の落葉低木~小高木。
見た目は見ていますが、よくよく観察すると見分けることができます。
一番わかりやすいのが『花』
ツリバナの花弁は5枚。マユミは4枚です。
実になってもその特徴はそのまま、
ツリバナの実は5裂し、5個の赤い実をぶら下げるように露出します。
マユミは花弁と同じく4裂、4個の実をぶら下げます。

以下に、ツリバナとマユミの違いを表にまとめました。
見分ける際の参考にしましょう(=゚ω゚)ノ
項目 | マユミ | ツリバナ |
---|---|---|
花の形状 | 4弁花 | 5弁花 |
果実の形状 | 倒三角形 | 球形 |
花期 | 5月〜6月 | 5月〜6月 |
葉の形状 | 長楕円形〜披針形 | 卵形〜長楕円形 |
樹高 | 5~10m | 2〜3m |
ツリバナ名前の由来

ツリバナの由来は、花柄が長く花が垂れ下がり釣り下がるように咲くことから。
実になった時もマユミが短くまとまって実るのに比べて、垂れ下がるようにぶら下がります。
マユミ名前の由来

マユミの枝は粘りがあり弓の素材に使われていたことから『真弓』が語源になったというのが一般的に言われています。そのほかにも、秋に実った実の形から『繭実』が語源になったという説もあります。(参考文献:花おりおり 愛蔵版/朝日新聞出版/湯浅浩史)

ツリバナとマユミの実のつけ方

ツリバナとマユミは花の構造に大きな違いがあり、見分けるポイントにもなっています。
ツリバナは両性花といい、一つの花で雌雄が完結しているため、1本でも実がつきます。
マユミは雌雄異株?雌雄同株?
問題となるのがマユミ。
「マユミには雄株と雌株がある」というのが多くの図鑑で語られていた説明だが、最近は雌雄同株なんじゃないか?という話も出てきています。
マユミは、めしべが短くおしべの長い花が咲く株と、めしべが短くおしべの長い花が咲く株があり、
おしべの長い花は実がつかない『雄花』だといわれています。

しかし、雄株だと思われていた株に実がついたり、雌株だけでも実をつけることがあったりと、はっきりしません。
現在は、「雌しべが短い花をつける個体があり、結実しにくい傾向があるだけなので、雌雄同株とするのが妥当」という考え方が広まっています。
実際、園芸店で販売される『マユミの鉢植え』はめしべの長い株(実をつけやすい株)である場合がほとんどで、それでも1株でも実をつけます。
不完全雌雄異株と呼ばれることもありよくわかっていません。
花が咲いても実がつかないという場合、雄蕊の長い花を咲かせる株(雄株)を一緒に置くことで実の止まりはよくなるようです。
しかし、マユミの雄木としての販売はほとんどないので探すのは大変です。
たまに小盆栽用に販売されていることがあるので探してみましょう。
ツリバナとマユミの育て方

ツリバナとマユミの育て方は基本的に違いはありません。
日本にもともと自生している雑木なので、それほど手をかけなくても育てることができます。主な育て方は以下の通りです。
- 植え付け
- 水はけと日当たりの良い場所に植えましょう。半日陰でも育てることはできますが、日当たりがいいほうが実付きもよく、秋の紅葉もきれいにみることができます。
- 植え付けの適期は、落葉後~新芽の吹く前がおすすめです。
- 土は選びませんが、乾燥しすぎる場所は避けましょう。植え付け時には3割ほど腐葉土やたい肥を混ぜるのがいいでしょう。
- 水やり
- ツリバナとマユミは、水を好む植物です。鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。地植えの場合は、極端に乾燥しない限り、水やりは不要です。
- 肥料
- 多くは必要としません。冬に与える寒肥を中心に与えます。肥料が過剰だと木の成長はよくても実がつきにくくなる場合があります。
- 参考リンク:どこよりも詳しい『寒肥』肥料の与え方
- 剪定
- ツリバナとマユミは、自然に樹形がまとまるので基本的には選定の必要はありません。必要に応じて剪定する場合は冬の休眠期に行いましょう。あまり深く切り詰めると次年度の実付きが悪くなる場合があります。
- 病害虫
- ツリバナ・マユミにつく病害虫は少ないです。ただし、ちょっと変わった『リンゴのにおいがするカメムシ』が発生する場合があります。
- 参考リンク:マユミと青りんごの香りがするキバラヘリカメムシ
ツリバナとマユミは、丈夫だし育てやすい。水はけと日当たりのいい場所に植えて、あげればほとんど手もかからない庭木です。
注意!実には毒がある!

春の新芽はタラの芽などと同じように山菜として利用することができるが、実には毒がある。
秋のお庭で目立つ赤い実は子供が遊ぶのに最適。触るくらいなら問題ないが、子供が誤って口に入れてしまうことの無いように注意しましょう。
まとめ
ツリバナとマユミを見分けるのは花と実、
4花弁4片に割れるのがマユミ。
5花弁5片に割れるのがツリバナです。
独特な形の実が美しいツリバナとマユミ、実だけでなくきれいな紅葉も見どころの一つ。
丈夫で育てやすいので、ぜひお庭に取り入れてみてください(≧▽≦)
庭にスペースがない場合は鉢植えや盆栽で育てることも可能ですよ。
では、皆さまよい園楽を~~~~~~~(≧▽≦)