プルーンは鉄分・栄養価が高いってホント?

プラムとスモモとプルーンの関係は先日記事にまとめてあるので詳しくはリンクを見てくださいね(≧▽≦)
簡単に言えばスモモの英名がプラムとプルーン。日本のいわゆる日本スモモが”プラム”。日本ではあまりなじみのない、西洋で改良された西洋スモモが”プルーン”ということになります。
仲間としては同じスモモ亜属に分類される両者ですが、利用方法が結構違う。今回は栄養満載!鉄分豊富!と誤解されているプルーンについてご紹介します!
目次(*´▽`*)
プルーンの鉄分・栄養価が高いというのはうそ?

ビタミン豊富。抗酸化作用が嘘とは言わないまでも、めちゃくちゃ高いというほどでもありません。
プルーンの鉄分は100g中0.2㎎( 七訂日本食品標準成分表より)ですが、ほかの果物でも0.1~0.3㎎は含まれます。バナナが0.3㎎ですからね(^_^;)
アンチエイジングに効果の高いβカロテンの含有量は確かに高く、100g中450μgと果物の中ではかなり高い。でもこれもスイカに含まれるβカロテンは830μgと倍ぐらいあったり、決してずば抜けているわけではないんです。
プルーンはドライにしてこそその効果が発揮される!
ではなぜこうもプルーンの栄養価がもてはやされているのか?それは、プルーンの多くが生食ではなくドライ加工品である場合が多いから。
生のプルーンは酸味の強いものが多くその多くはドライフルーツやジャムなどに加工されて流通します。
果物はドライ加工することで栄養素が凝縮するんです。干しシイタケとかもそうですよね(≧▽≦)
ドライフルーツとなったプルーンの栄養価は鉄分1.0㎎!βカロテン1100μg!ほかの栄養素も爆上がりします!
生食より利用の多いドライプルーンをほかの果物と比べれば、それは栄養価が高いのも当たり前。この辺りが「プルーンは栄養豊富」信仰の元となっているのかもしれませんね(^_^;)
もちろん、プルーンの栄養価がほかのものに比べて極端に高いものでなくても、バランスよくビタミンミネラルが含まれていることに間違いはなく、美容効果・アンチエイジングに十分期待は持てるので是非ご利用くださいね。
でも、栄養価だけで比べたら同じ仲間のドライアプリコット(干しあんず)は鉄分2.3㎎!!!βカロチンは4800μg!!!!とプルーンの上位互換を持っているので、利用するならあんずの方がいいかもしれません(≧▽≦)
プルーンの育て方
ここまでプルーンの悪口ばかりを書いてしまったので、もう育てる気が失せたという方もいるかもしれませんね(;'∀')
でも、プルーンは家庭果樹としても優秀なのでぜひチャレンジしてもらいたいです。
プルーンを家庭果樹で作る利点としては、生食で食べることができる。ということ。
プルーンの多くはドライやジャムに加工されているものがほとんど。生食用での販売は少ないです。日本国内では北海道や長野で生食用の栽培がおこなわれていますが、一般的な果物に比べると流通は少ない。また、家庭果樹では木の上で完熟させたもっとも美味しい状態で食べられるというのが何よりの利点でしょう(≧▽≦)
プルーンは酸っぱいというイメージがあるかもしれませんが、それは完熟していないから。非常に甘く濃厚な味わいです。収穫のポイントは皮の表面に”しわ”が入るくらい。ここまで置くと甘みが凝縮してさらにおいしくなります。
プルーンの品種
プルーンは寒さにも強く日本全国で栽培できます。ただし、雨で実割れが発生しやすいので雨の少ない地域の方が向いているといわれます。北海道や長野で栽培が盛んなのはそのため(*'▽')
家庭園芸なら多少の実割れはあきらめるか、鉢植えで雨よけ栽培することもできるのでチャレンジしてくださいね。2品種あったほうが実付きがいいのは確かですが、プルーンは自家結実性(自分の花粉で実をつける)ので、1本でも収穫ができるのは家庭果樹としてはうれしいですね。
サンプルーン
日本のプルーンの産地、長野県で育成された品種です。実の大きさは30~40gとやや小ぶりですが、日本で育成されただけあって日本人好みの酸味と甘みのバランスの取れた味。生食用に適したプルーンです。
実も皮ごと食べられるから食べやすいです。もちろんジャムなどの加工にも向きますよ(≧▽≦)
収穫は9月中旬から10月上旬くらいです。
シュガープルーン
日本でも古くから栽培される育てやすい品種。大きさは30g程度と小さいが、豊産性でたくさんの実をつけます。1本でも実をつける自家結実性。
完熟前の実は酸味が強いが、濃い紫になった完熟果は酸味が無くなり濃厚な甘みを感じるジューシーな味わいです。
収穫は 9月中旬から10月上旬くらいです。
スタンレイ
こちらはアメリカで育成された品種です。日本での栽培も多く以前はかなり多かったものの近年は新品種の登場で生産量は減少中の様子。
完熟すると甘みが強いのですが、早いと酸味が非常に強いので完熟を見極める必要があります(゚Д゚)ノ
8月下旬から収穫できます。1本でも結実OK(≧▽≦)
バーバンク グランドプライズ
バーバンクの特徴はなんといっても、実が大きいこと!
実の重量は90g以上!!通常の倍近い大きさ。
ガッツリ食べたい人にはお勧め。だけど、このバーバンク、1本では実付きが悪いんです(;´Д`)
受粉樹としてサンプルーンやシュガープルーンを準備した方がいいでしょう。実が大きくなるとそれだけ木の力も必要なので、栽培はちょっと難しくなります。すでにサンやシュガーを育てている方が、2本目に挑戦するのがいいかもしれないですね(≧▽≦)
収穫は9月上旬ごろからです。
まだまだある新品種
近年は次々新品種も開発されています。苗木はちょっと高いものが多いけど、それだけの価値のある木なので、プルーンにはまったらチャレンジしてみてくださいね。注意点として、この辺りの品種はどれも多品種からの受粉が必要ということ。
1本でも実るものが多いプルーンですが、新品種は受粉樹の不要必要をよく確認して育てましょうね。
プルーンの土

栽培方法はプラムと同じで大丈夫です。
今は年中苗木が出回っているのでいつでも植え付け可能ですが、苗の生育を考えると植え付け適期は11~3月ごろです。
落葉期の植え付けは、土を落として根を広げて植え付けます。葉が出ている時期には根を崩さずそのまま植えつけましょう。
土はそれほど選ばないので、庭土に苦土石灰:約100g、腐葉土もしくはたい肥:20L程度 をしっかり入れて植え付けます。
量は土によって調整してくださいね(≧▽≦)
お庭の土があまりよくない場合や、鉢植えの際は水はけのいい花用培養土などでもOKです。
プルーンの肥料
植え付け時は直接根に触れないように周囲に与えます。ゆっくり溶け出す有機質肥料がいいですね(≧▽≦)
その後は、冬場の寒肥と実を収穫した後のお礼肥えを中心に与えます。
肥料の種類によって与える量が変わってくるので、パッケージの使用量をよく読んでくださいね。
プルーンは勢いのある木なので、肥料が多すぎると枝ばかりが茂って花が咲かない。実が途中で落ちる。などの影響が出ます。与えすぎに注意しましょう。もし肥料過剰で花が咲かないようならば、1年間は一切の肥料を与えないようにしましょう。お仕置きすることで実がつく場合があります。
まとめ
プルーンはいわれているほど栄養価が高くはない。それはドライフルーツとして食べているから。
しかし、家庭果樹としては優秀。1本でも実がつくし、栄養のバランスもいい。そして何より美味しい(≧▽≦)
完熟プルーンを食べられるのは家庭果樹の特権です!
生食をしたことがない方は、旬の時期に産地から取り寄せを行うといいですよ!北海道や長野から食べごろの完熟果、生食用プルーンが購入できます。気に入ったら自宅で育てるのもいいですね!
ちなみに、美味しかったプルーンの種を植えても同じプルーンがなることはありません。プルーンはすべて接ぎ木で作られているので美味しい実を食べるには品種がしっかりした接ぎ木の苗を購入するのがおすすめです。種から育てると実がつくまで5~10年くらいかかる場合もあるので、そこまで育てておいしくない実がなったら悲しいですよね(^_^;)
ご家庭で本当のプルーンのおいしさを味わってくださいね。
では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙
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