1年草?多年草?アルセア・ホリホック・タチアオイ真夏に天高く咲く夏の花、楽しみ方と育て方

タチアオイ表紙

真夏の暑い季節に、天を貫く槍のように高く伸びる花。

”タチアオイ”

郊外の畑の脇などによく見かける、この花。

日本にも古くから伝わっているためよく見かけますが、園芸の本場イギリスでも花壇の後ろを飾る背の高い花としてよく利用されます。

でも、この”タチアオイ”お花屋さんで探しても、意外と在来の”デカイ”タチアオイって売ってないんですよね(^_^;)

今回はよく見かけるけど、あまり売っていない。名前もいろいろ、分類もいろいろ、知ってるようで意外とわからないことの多い”タチアオイ”について調べてみました(≧▽≦)

立葵(タチアオイ)は一年草?宿根草?

立葵(タチアオイ)は学名Althaea rosea アオイ科ビロードアオイ属の一年草・二年草・多年草・宿根草(^_^;)

本やサイトによって一年草から多年草・宿根草までいろいろな分類が書かれているので悩んでしまうけど、二年草だと思って育てるのがいいんじゃないかなと思います。

「ばあちゃんの畑では毎年生えてくぞ!宿根草だろ(゚Д゚)ノ」

という方も多いと思います。

確かに!

毎年畑の脇ででで~んと育つタチアオイは宿根しているものも多いと思われます。

しかし、タチアオイは結構”こぼれ種”で繁殖したりするので、実は毎年株が更新されているのかもしれないです(^_^;)

タチアオイは品種によって宿根性の強いものから、一年生のものまでいろいろあります。

見た目ではほとんどわからないので、目安は”値段”と”大きさ”かなと思ったりします。

身長ほどに大きく育つものは宿根性が強く、50㎝程度の鉢物で開花状態で販売されるタチアオイは一年生の矮性品種である場合が多い。

値段も宿根性のものは『ポット苗』なのに、それなりのお値段がして,ラベルなどもしっかりしています。

一年生のものは株の大きさの割に安価で販売される場合が多いですね(^_^;)。

一年草タイプのタチアオイ

よく「ホリホックは1年草で、アルセアが宿根草」と勘違いされている方もいますが、そうとも限らない(^_^;)

確かに種で販売されているものに”ホリホック”宿根草で販売されるものに”アルセア”の名前が付けられていることが多いですが、”ホリホック”は英名で、アルセアは学名の属名。どっちも同じものをさしています。

分類額の学名の上では一年草タイプも、宿根草タイプも学名は同じAlthaea rosea です。

一年草タイプとして販売されているタチアオイ(ホリホック)は以下の2種がほとんど。どちらも八重咲なので一重はほとんど宿根タイプと思って間違いないかな。

ホリホック「マジョレット」

小型の八重咲タチアオイはこの品種が主流。Alcea rosea Majorette

草丈は50〜70cmの矮性品種。八重咲きでパステルカラーの花が咲きます。種はミックスで何が咲くかは咲くまでわかりません。開花期はやや遅く、7月から9月ごろ。寒くなると枯れてしまう1年草です。

ホリホック・サマーカーニバル

こちらは背が高くなるタチアオイ。サマーカーニバルAlcea rosea Summer Carnival 。

一年草タイプ。と表記される場合と短命な多年草と表記される場合があるので、もしかすると宿根するかも(^_^;)

草丈は150cmほどの株に花径12cmほど大輪八重咲きの花を咲かせます。花つきがよく、豪華。

宿根タイプのものも短命だといわれているので、種が取れれば株を更新して育てていくのがいいですね(*´▽`*)

立葵(タチアオイ)いったいこの花は何者??

”葵”とはいっても、いわゆる水戸黄門の印籠に描かれる”三つ葉葵”とは別。

黄門様の印籠に描かれるミツバアオイはミツバアオイという植物があるわけではなく、”フタバアオイ”という植物をもとに描かれている。

タチアオイが、その葉に似ていて背が高く花が咲くことから”タチアオイと呼ばれています。

原産地はよくわかっていないが、現在はトルコ原産種と東ヨーロッパ原産種との雑種とする説が有力。

タチアオイの花の時期は6~8月ごろ。初夏に入るころから花茎が高く伸び始めて、一番下の花から順に上に向かって開花していく。

こういった咲き方を”無限花序”といいます。(ちなみにてんっぺんから下に向かって咲くと有限花序といいます)

環境と栄養が許す限りどんどん上に花を咲かせ続けるんですね。だから”無限”

2ヶ月近くのなが~い期間、花が楽しめます(≧▽≦)

タチアオイは梅雨時期から咲き始めて、てっぺんの花が咲くと梅雨が明けるともいわrているんですよ。そのため梅雨葵(ツユアオイ)の別名もあります。

タチアオイの花言葉は?

初夏に花咲くタチアオイは6月15日の誕生花にしていされています。(6月23日・8月18日とされることもあります)

花言葉は「豊かな実り」「大望」「野心」「気高く威厳に満ちた美」など。

美しく豪華な花にふさわしい壮大な花言葉ですね(≧▽≦)

薬草として使われていたタチアオイ

日本にタチアオイが伝わったのは中国から。

元は薬草として伝来しました。漢方薬では採取した花を日干しで乾燥させたものが蜀葵(しょっき)と呼ばれる生薬として利用されます。

西洋でも古くから咳止めなどとして利用があり、最古のハーブの一種とされています。

以前の学名である「Althaea(アルテア)」は、ギリシア語の「althaino(アルタイニン=治療)」を語源としていて薬草として用いられたことにちなみます。

ハーブとしてのタチアオイ

タチアオイと同じアルセア属のウスベニタチアオイ(ビロードアオイ)はハーブ名「マーシュマロウ」

ハーブティで利用されるブルーマロウ(コモンマロウ)はゼニアオイ属。こっちがウスベニアオイ。

マーシュマロウはコモンマロウより高く立ち上がるのでウスベニ”タチ”アオイの名前がある。

マシュマロはマーシュマロウのでんぷんで作られる

名前の通り、マシュマロは本来、このマーシュマロウの根からとれる粘性のあるでんぷんを使って作られていました。

マーシュマロウには

  • 粘膜保護
  • 抗炎症
  • 利尿作用

などの効能があり、空咳、のどの痛み、気管支炎、口内炎の緩和に葉や根を利用したお茶を飲むことで効果が得られるといわれています。

タチアオイの育て方

さっそくタチアオイを育ててみましょう(≧▽≦)

宿根草苗では、秋にラベル苗で販売されるので寒さが来る前に植え付け完了させる方が来年の生育がいいですよ(゚Д゚)ノ

こんなちっちゃいのに、来春には1m以上の花を咲かせるってスゴイ!

春先から花付き鉢花で販売されるのは上でも紹介した一年草タイプが多いので、そのつもりで植え付けましょう。

タチアオイの土

多湿になると根腐れする可能性が高いので水はけのいい土を用意しましょう(≧▽≦)

花壇に植える時は腐葉土などをしっかり入れて土づくりをしてから植え付けましょうね(゚Д゚)ノ

タチアオイの肥料

普通のお花の肥料でOK

春先~初夏まで固形の肥料1回/月 で与えるか、液体肥料を毎週与えてほしい。

長く花を咲かせるので鉢植えは特に肥料切れしないように定期的に与えましょう。

タチアオイの管理

タチアオイをきれいに咲かせる最大の条件は”日当たりがいいこと”

日当たりと風通しがよければ、たいていの場所でよく育ちます(^_^;)

畑の周囲で勝手に育っているのを見れば納得ですよね。

タチアオイの病害虫

アオイ科の仲間はハマキムシ(ワタノメイガの幼虫)がつきやすい。

植え付け時にはオルトランをまいて害虫予防をした方がいいですね(^_^;)

水は地植えなら、根が張ってからは雨だけで十分です。鉢植えの場合は表面が乾いてからしっかり与えましょう。

コケコッコ花で遊ぼう!

タチアオイの別名「コケコッコ花」これはそのまま、ニワトリのこと。なぜニワトリなのか?

タチアオイの花びらは一枚外すと根ものと部分はべとべとしています。

さらに、根元の部分を慎重に開き、花の頭につけると思わず叫びたくなりませんか?

「コケコッコー!!!!」

昔の子供がこのようにニワトリのものまねをして遊んでいたことから、地域によって「コケコッコ花」と呼ぶ地域があるようです。

また、その花をドレスにみたてて、花人形を作っている方もいました(*´▽`*)

おとぎ話の妖精のようですね。

まとめ

赤白黄色と色とりどりの花を天高く咲かせる存在感のある花、タチアオイ。

ホリホック、ツユアオイ、アルセアなど様々な名前で呼ばれる花ですが、一年草多年草の性質は名前だけではわからない(。-`ω-)

八重咲の矮性種は一年草だと思って育てましょう。

性質は強健で、環境が合えばこぼれ種で増えるくらい丈夫な植物。日当たりと風通しだけ気をつければ、自分で深くまで根を伸ばし水を吸うから、地植えの場合はほとんど放置でもよく育ちます。

最近は珍しい真っ黒なアルセアも人気ですね。黒い花は使いどころが難しいけど、上手に使うとお庭の中でかなり目を引く存在。さらにアルセアはデカいからね(^_^;)

宿根草といっても短命な宿根草なので、こぼれ種が難しそうなら種を採って次代の苗を用意した方がいいでしょう。

ガーデニングを立体的に楽しむにはもってこいの夏の花。アルセア、タチアオイ。ぜひチャレンジしてみましょう(≧▽≦)

では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙

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