なんじゃもんじゃの木ってなんじゃ?ヒトツバタゴのことです。
はあ(´゚д゚`)?
「なんじゃもんじゃ」が何か知りたかったのに、もっとわからない名前でこたえられても、なんだかわからないですよね。
ヒトツバタゴとは「一ッ葉」の”タゴ”って意味です(=゚ω゚)ノ
「だから、タゴッてなんだよ!」というツッコミが聞こえてくるようです(^_^;)
落ち着いてください、今からご説明します。
ヒトツバタゴってどんな木?
ヒトツバタゴは、 モクセイ科ヒトツバタゴ属 の落葉高木。学名Chionanthus retusus
5月ごろに株いっぱいに真っ白花を咲かせる美しい木です。
『タゴ』とはトネリコのことで、トネリコに似た白い花を咲かせる単葉(葉が一枚ずつバラバラ)の植物だから『ヒトツバタゴ』という名前になりました。
日本の岐阜県や愛知県をはじめ中国・台湾・朝鮮半島に自生する。日本では自生地息が限られているため、一般的にはあまり知られていない木だったんです(=゚ω゚)ノ
あの木はなんじゃ?なんじゃもんじゃでございます!
「なんじゃもんじゃの木」というのは、とは「何じょう物じゃ(なんというものか)」の意味です。
江戸時代、現在の明治神宮外苑にある家の庭にヒトツバタゴが植えられていたのですが、誰もその名がわからなかったことから、「なんじゃもんじゃの木」と呼ばれていたそうです。
あの黄門様も名前がわからず、時の将軍に「あの木はなんじゃ」と尋ねられた際に「なんじゃもんじゃでございます」と答えたらしい(^_^;)
明治神宮外苑には今もなんじゃもんじゃことヒトツバタゴが植えられています。残念ながら江戸時代から育っていた木は昭和8年五に枯れてしまい、現在は先代の枝を接木して残した2代目が 聖徳絵画館前 に植えられています。
希少植物なんじゃもんじゃ、ヒトツバタゴノキ
なぜ誰も名前がわからなかったのか、それはこのヒトツバタゴという木が限られた地域に限定的にしか生息しないためだった(゚Д゚)ノ
通常はある一定地域にまとまって生育するのが普通ですが、ヒトツバタゴは世界的に、北アメリカ大陸の一部、中国の一部、朝鮮半島、台湾そして日本では、長崎県対馬、岐阜県の東濃地方、それに東濃地方に近い長野県と愛知県の一部と不連続分布(植生地域が遠く離れている)をしています。
化石などから以前は全国的にひろく分布していた痕跡もありますが、現在どうしてそのような生き残り方をしたのかなど、まだ謎が多く残されています。
現在自生地でも 環境の変化で数が減ってきており、環境省レッドデータブックの絶滅危惧Ⅱ類に分類されています(; ・`д・´)
けっして弱い木ではないので、栽培下ではかなりの数が日本中で育てられています。
ヒトツバタゴを育てよう!
ヒトツバタゴは基本的に丈夫な木で、寒さ暑さにも強く日本全土で栽培可能です。
苗もインターネットで取引も多く、庭木として育てられる方も多い隠れた人気の樹木です。まだまだ知名度は低いので、お庭で花が咲いたら「この木はナンジャ?」「なんじゃもんじゃでございます(=゚ω゚)ノ」のやり取りが実際に行えるかもしれませんよ。
ヒトツバタゴとアメリカヒトツバタゴ
お店で探すと、ヒトツバタゴと、同じような木で「アメリカヒトツバタゴ」という品種が販売されていることがあります。
ヒトツバタゴ属にはこの2種があり、北アメリカに分布するヒトツバタゴをアメリカヒトツバタゴChionanthus virginicusと呼びます。
特徴はヒトツバタゴに比べて葉は一回り大きく、花が小さい木のうちから咲くという特徴があります。木の大きさにも差があり、ヒトツバタゴが20m級の大木になるのに対し、アメリカヒトツバタゴは10m程度と小さい。コンパクトに育てられるので庭木としてはアメリカヒトツバタゴの方が人気があります。
ヒトツバタゴの植え方・好む環境
大きく育つので基本的には庭植えがいいですが、木が小さいうちは30㎝程度の鉢であれば栽培は可能です。
植える場所は、日当たりがよく水はけのいい場所を選びましょう。時期は落葉期の方がいいですが、鉢植えや落葉期に掘り上げられた苗なら1年中いつでも植え付けが可能です。
植え付け場所には完熟のたい肥か腐葉土を、掘り上げた土の3割ほど混ぜて埋め戻します。
極端に乾燥する場所は夏に潅水をしたりマルチングに敷き藁などをして乾燥から根を守ってあげましょう(゚Д゚)ノ
植え付け方法
鉢の場合は根を崩さないようにそっと外し、根が布で包まれた根巻の場合は布を取らないで、そのまま土に埋めます(布は自然に土に返ります)
風で揺れると根が張りにくいので、動かないように必ず支柱で固定します。野菜用の緑の支柱で構わないのでφ16㎜以上の太さの支柱で木が動かないようしっかり固定してください。
支柱は1年たって根がしっかり張ったら外してしまっても構いません。そのままつけておく場合はひもが木の幹に食い込んでしまうので、1年に1度は縛りなおすようにしましょう。
ヒトツバタゴの肥料
ヒトツバタゴはそれほど多くの肥料を必要とはしないので、年に一度寒い時期に与える『寒肥』だけで十分です。
ヒトツバタゴの剪定
5月の花は、前の年の8月ごろに作られます。花は今年の枝の先端に咲くので、秋以降に深い剪定を行うと次の花が咲かないor少なくなってしまいます。
剪定時期は落葉後に込み合った枝を切り詰めるくらいにしておきましょう(^_^;)
ヒトツバタゴの花はいつ咲く?
花の時期は葉が出た後の5月ごろ咲き始めます。
株を覆いつくすぐらい大量の白い花が一斉に咲く様子は見事。自生地の長崎県対馬北部の鰐浦地区は国内最大の自生地 で、3000本のヒトツバタゴが一斉に咲くそうです。開花時期はそれほど長くないから、時期をよく見極めて見に行きましょうね。
ヒトツバタゴは雄雌別?
ヒトツバタゴは雄の木と雌の木があると考えられてきましたが、どうやら「雄雌同株の株」と「雄花だけしか咲かない株」があるとわかってきました。雌の花があると秋に黒い実をつけます。
実を観賞するわけではないので、販売されている時点で雄雌の表記がされていることは少ないです。
ヒトツバタゴ自生地に行ってみよう!
モクセイ科の大陸系植物「ヒトツバタゴ」の国内最大の自生地 国の天然記念物指定『鰐浦のヒトツバタゴ』
国内最大の自生地。開花期の5月初旬には約3,000 本のヒトツバタゴが一斉に白い花を咲かせ、初夏に積もる雪のように景色を真っ白に染めます。
樹齢250年、 愛知県犬山市池野のヒトツバタゴ自生地 国の天然記念物
自生地には大木が7本あり、推定樹齢は200年から250年と言われています。
長瀞のヒトツバタゴ自生地
岐阜県、蛭川地内には約20本の自生木があり、奈良井地区長瀞にあるヒトツバタゴは樹齢100年以上と考えられる大木。
日本国内で鑑賞できる自生地は限られていて、代表的なものだとこの3か所になります。すべて国の天然記念物に指定されており、20m近い大木の花を見ることができます。
豪華に咲き誇る花を見れば「なんじゃもんじゃ!(゚Д゚)ノ」と叫びたくなることでしょう。
まとめ
不思議植物なんじゃもんじゃ。本当の名前はヒトツバタゴといいます。
5月ごろに株いっぱいの白い花を咲かせる落葉樹。庭植えでも簡単に育ってたくさんの花を咲かせるので庭木としてもおすすめ。
丈夫な庭木として日本中で栽培可能です。
お庭に植えるなら、小さいうちから花が咲き、樹高がコンパクトなアメリカヒトツバタゴの方がおすすめです(^^♪
真っ白な雪のような花、ヒトツバタゴ。お庭のシンバルツリーにいかがですか??
では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙