アジサイの色を変える!赤系のアジサイはアルカリ性の土壌じゃなきゃダメ、スマンなあれは嘘だ(-“”-)

アジサイ表紙

最近では、母の日のプレゼント としてカーネーションより人気があると噂される『アジサイ』


日本古来の植物だから非常に育てやすいんだけど、問題が一つ(;´・ω・)

お庭植えすると花の色が変わってしまう!という苦情がチラホラ・・・

なぜなんでしょう??

アジサイは日本古来の植物です

日本自生の植物とは言ってもお花屋さんで見かけるまん丸に咲く花のアジサイが生えているわけではありません。

『アジサイ』と言って思い浮かべるのは、花が毬のように固まって、まん丸に花が咲く花を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、

あれば改良された園芸品種。

その中でもヨーロッパで花を大きく、色鮮やかに改良されて帰ってきた『セイヨウアジサイ』が中心となっています。

てまり咲きとがく咲き

「西洋アジサイ」のような、花が毬のように集まった咲き方を『玉咲き』(手まり咲き)といいます。

てまり咲き

それに対して、花の周囲にだけ花びらをつけ、中央には粒々状の小さな花しかつけない花は『がく咲き』と呼びます。

がく咲き

日本に元々自生しているアジサイはこの『がく咲』のアジサイ。

現在では手まり咲きが主流になっているので、

  • 手まり咲きのアジサイ → 「アジサイ」(玉咲きアジサイ)
  • がく咲きのアジサイ  → 「ガクアジサイ」

と呼ばれます。

もともと日本に自生していたアジサイは、「ガクアジサイ」と呼ばれる花の周囲にのみ花弁がつくタイプの花だけでした。

種子をつけない飾りだけの花『装飾花』


手なり咲きのアジサイの花は、たくさん咲いているように見えるが、実際はすべて種子にはならない『装飾花』と呼ばれるもの。

本当のアジサイの花は、ガクアジサイの中心にある『粒々状の小さな花』のほうなんです。

実際の花で見てみましょう(=゚ω゚)ノ

これはガクアジサイの花。

中心の部分をよく見てください。小さい花が咲いているのがわかりますか?

これでも完全な開花状態。

咲いても周囲にあるような、立派な花弁を持った花にはなりません(´゚д゚`)

でも、これがもともとのアジサイの花。

本来の花がじみすぎるから、虫を呼ぶために周囲に豪華な『広告としての花』を咲かせているんです。

この花のことを『装飾花』と呼びます。

改良されて、開花する花全部が装飾花になったものがよく知られる『アジサイ』なんです。

アジサイの名前の由来

アジサイは現代では「紫陽花」と書くが普通はアジサイとは読めない(*_*;

それもそのはず、これは当て字で、もともと唐の詩人がライラックに付けた名と言われている。

平安時代の学者が間違えてこの漢字をあてたことから誤って広まったといわれている。

なんと!元は間違いなんですってよ(゚Д゚)!!

日本でアジサイの言葉は「青い花が集まって咲く」という意味で「あづ(集)」「さい(真藍)」が語源とされている。

万葉集などではいろいろな感じがあてられるが、もとの意味はそういうことなのでしょう。

このことからわかるように、

アジサイは基本『青』なんです。

ピンクのアジサイを咲かせる方法

そこで本題(^_^)/

ピンクのアジサイを咲かせるにはどうすればいい?

これを調べると「アルカリ性の土壌にする」という説明が出てきますね。

赤はアルカリ、青は酸性の土壌

これが一般認識ですが、本当にそうなのでしょうか??

調べてみました!!


今回使ったのとは違うけど、土に挿すだけで酸度の図れる酸度計を使用します(゚Д゚)ノ

挿すだけだから一つあると便利ですよ。

赤いアジサイ・青いアジサイの土の酸度を測ってみたヨ(≧▽≦)

まずは青いアジサイから調べてみます!

​まずは青、Ph6くらい。結構酸性ですね。

​こっちはそうでもないですね('ω')

ではピンクのアジサイはどうでしょう?

(@_@;)?!Ph6???

ものすんごい酸性なんですけど(^_^;)

念のためほかの花も、やっぱり酸性

​これも・・・(´゚д゚`)

すまんな、赤系の花を咲かせるのはアルカリ性・・・あれは嘘だ(´◉◞౪◟◉)

ご覧の通り、酸性でもきれいなピンクは咲きます!

なぜか?

それは土の種類にあり!

紫陽花の色が決まるのは酸度ではなく、『土に含まれるアルミニウム』によってきまる。

根からアルミニウムが吸収されることで青い色を発色するようになるんです。

アジサイがピンクになる仕組みの正体

アルカリ性→ピンクが咲く

ではなく

アルカリ性→アルミニウムが吸収しにくくなる→青い色素ができない→ピンクに咲く

ということ。

アルカリ土壌ではアルミニウムは水に溶けにくくなり、根から吸収されなくなるためピンク色に咲くようになるのです٩( ''ω'' )و

紫陽花の本場、島根のアジサイについてくる土の説明パンフレット。

ピンクに酸度の強いピートモスを60%も使ってくださいと書かれている。これはピートモスにはアルミニウムが含まれないから。

逆に、赤玉土など火山灰土壌には豊富にアルミニウムが含まれるので使用しないように書かれているんです。

上で酸度を調べたのはすべて鉢植え。つまり鉢の中の土にアルミニウムが含まれていなければ、酸度はどうでもいいってことです。

ですから、鉢植えならアルミニウムが含まれない専用用土を使えばきれいに咲かせられるのです!!

お庭の赤いアジサイに専用用土は無意味!

赤系のアジサイをお庭で育てる時「よし、赤アジサイの専用用土で植えるゾ!」と思っても、お庭ではそれでは意味がないのです(;´・ω・)

鉢植えでなら完全にアルミニウムを絶った用土で栽培できますが、お庭では周囲の土と混ざってしまったら『アルミニウム』を除去することはできない。

だから、土をアルカリにして少しでも吸収しにくいようにしなければならないんです。

だから、表題の『嘘』というのは言い過ぎかも・・・(;´・ω・)

お詫びにお庭でピンクをきれいに咲かせる方法をお教えします。

日本の土壌はどうしても酸性になりがち。だからアジサイも青は比較的咲かせやすいけど、ピンクの花を庭におろすと色がきれいに出なくなってしまいます。

そこでおすすめの植え付け場所があります(゚Д゚)ノ

赤アジサイはブロック塀、もしくはコンクリートの近くに植えましょう。

これは、コンクリートは石灰を多く含んでいるため、雨などで石灰分が溶けだしその周囲の土壌はアルカリ性になりやすいんです。

この場所なら毎年石灰を入れなくても、アルカリ性になりやすいからきれいに咲くはず。

逆に青いアジサイはコンクリートからは離して植えるのがおすすめです。

​品種によっては土壌にかかわらずピンクに咲くものなどもあるので、すべてが青ピンクにコロコロ色が変わるわけではないのでご注意を(;^ω^)

まとめ

アジサイの色が変わるのは土の酸度が原因なのではなく、酸度によって土中のアルミニウムが吸収されやすくなることによっておこる現象でした。

酸度に関係なくアルミニウムの含まれない資材で植え付けたアジサイは赤ピンク系に咲きやすくなります。

庭植えでは完全にアルミニウムを除去することができないため、土壌をアルミニウムが吸収しずらい『アルカリ性」にすることで花を赤く咲きやすくします。

ちなみに白は色素を持たないアジサイなので、酸性アルカリ性関係なく植えられますよ(≧▽≦)

本来は弱酸性土壌を好むアジサイ。赤くしたいからとむやみに土壌をアルカリ化すると、逆に生育が悪くなります。注意しましょうね。

いや~、アジサイは奥が深い。また別の視点から記事書いてみたいですね(≧▽≦)

では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙