現代バラの革命イングリッシュローズってどんなバラ?
ガーデナーの憧れ『バラ』
皆さんはバラと聞いてどんな花を思い浮かべますか?
たいていは『バラ』というと、花束に使われる真っ赤で花弁が反り返った鋭いイメージがあるかもしれません。
しかし、バラというのはそれだけではないんですよΣ(・ω・ノ)ノ!
今回はバラ改良の歴史の最先端。魅力いっぱいのイングリッシュローズについて解説いたします(≧▽≦)
目次(*´▽`*)
バラの歴史をエクストリームに解説
細かい歴史を追っているといつまでたってもイングリッシュローズまでたどり着けないので、今回は原種から現代のバラまでを一気に紹介していきましょう!
原種のバラは5枚花弁の一重でした。人間に改良され、育種が繰り返されていく過程で花弁の枚数はどんどん増えていきました。香りがよく花弁の多い品種が尊ばれる時代が長く続きます。
1867年バラの歴史に大きな変革が訪れます。
フランスのバラ育種家ギョーの手によって「ラ・フランス」というバラが作り出されたのです(゚Д゚)ノ
これは”ハイブリットティローズ”という新しい分類を作り出し特徴は、『四季咲き性を持つ大輪で、花弁が反り返って咲く剣弁高芯咲という豪華な花。そして直立性』です。
整った美しい形を追い求め始めたバラの育種の過程で、香りはそれほど重要なファクターではなくなっていきました。
1900年代バラといえば、 剣弁高芯咲 の赤というイメージが定着して、以前のボタンのような花弁が多く柔らかいバラは一部マニアの間だけの品種となってしまいました。
このラ・フランスが生まれる前の時代。柔らかく花弁が多く香りの高いものが人気のあった時代のバラをまとめて『オールドローズ』
ラ・フランスからあとに時代に作られた、ハイブリットティローズやその派生で生まれた中輪のフロリバンダなどを現代バラ『モダンローズ』と呼びます。
モダンローズ(現代バラ)とオールドローズのハイブリット!イングリッシュローズ
世の中のバラが剣弁高芯咲ばかりになり、昔のオールドローズの良さが忘れられてきた時代、イギリスのバラ育種家デイビット・オースチンはオールドローズの美しさをよみがえらせようと育種を行ってきました。
そして、モダンローズとオールドローズの交配から1961年に最初のイングリッシュローズ『コンスタンススプライ』が完成しました。
イングリッシュローズはオールドローズの持つ丸みを帯びた柔らかい花形。強い香りに現代バラから受け継いだ四季咲き性を持つバラのいいとこどりのような品種なんです。最初の品種である『コンスタンススプライ』は春一季咲ですが、その後に発表された花はそのほとんどが返り咲き・四季咲き性を持つバラです(≧▽≦)
イングリッシュローズってどんなバラ
さて、イングリッシュローズができた歴史はわかっていただけたと思います。
では、イングリッシュローズとはどんなバラのことをいうのでしょうか?
これは、「デビット・オースチン・ロージズで作られたバラ」のことです。
デビット・オースチン・ロージズ で育種されたバラは大輪から小輪、つるバラから木立まで、様々なバラがあります。それらを全部ひっくるめて、すべてイングリッシュローズと呼びます。
あまり知られていませんが、イングリッシュローズには一重のバラもあるんですよ(=゚ω゚)ノ
つまり、イングリッシュローズというのは、ハイブリットティローズやフロリバンダといったバラの分類を現す呼び方ではなく、バラのブランド名なんです!
だからほかの育種化が同じように作り上げたバラでも、それはイングリッシュローズとは呼ばないんです(゚Д゚)ノ
シュラブローズとは?
イングリッシュローズはいろいろな樹形のバラがありますが、多くはオールドローズの形質を受け継いだ「半つる性・シュラブローズ」となります。
半つるとはどういうことかというと、普通のつるバラほど長くならないけど、完全に自立するわけではなく枝がアーチ状に伸びる。短く切り詰めれば木立のようにもなる。枝が長いものならつるバラのように扱うこともできる。
けっこう自由に調整の効くバラってことです(^_^;)
木立バラのようにまっすぐ整った形というより、自由に広がって優雅に咲くイメージですね。
お庭で咲かせる場合、あまり直線的であるよりもほかの植物や景観になじみやすということでイングリッシュローズは人気になったんです。
イングリッシュローズの魅力、かぐわしい香り
イングリッシュローズで忘れてならないのが「香り」
モダンローズでは香りよりも花姿に重点が置かれた育種が行われてきましたが、イングリッシュローズは香りを大切に育種されているので、どの品種にもかぐわしい香りが備わっています。
ただし、香りの獲得はいいことばかりではありません。香りの強いバラはそれだけ体力を消耗するので、どうしても花もちの長さに影響が出ます。
イングリッシュローズは香りの少ないモダンローズに比べ、花の寿命は短く、バラバラと花びらを落として散ってしまいます。
これを補うように多花性や、連続開花性が改良されていますが、一つの花を比べるとどうしてもモダンローズよりも短いものが多くなってしまうのは仕方がないこと。そのため切花でイングリッシュローズが販売されることは稀なんですね。
でも近年は花もちを改良された『切花用イングリッシュローズ』も作られているので、今後はもっと増えるかもしれないですよ(≧▽≦)
イングリッシュローズの選び方
イングリッシュローズ第一号「コンスタンススプライ」が発表されてから60年近くたち、イングリッシュローズの品種も数多く発表されてきました。
すでに何百という品種が登録されており、今も毎年3~5品種ずつ品種が増えています。
初めてイングリッシュローズを育てようと思うとき、何を選んでいいか迷ってしまうことと思います。そんな方のために、イングリッシュローズの品種の選び方の極意をご紹介しましょう(゚Д゚)ノ
その極意とは?!
『育ててみたいと思ったイングリッシュローズの品種が一番いい品種です!』
(;´Д`)ああ、怒らないでください!ちゃんと理由があるんですよ~
理由1、育てるなら自分が気に入った花がいい
いくら「丈夫だ・病気に強い!」といわれたって、自分が気に入らない花を育てても楽しくありません。まずは自分が育てたい!そう思える花であることが第一条件です。
理由2、イングリッシュローズの品種にはずれはない
イングリッシュローズの育種目標には現代バラのように丈夫で育てやすいバラを作るというものがあります。
耐病性も花の咲きやすさも厳しい育種のテストを経て商品化されていますので、花の形には好みはあるでしょうけど、どの品種を見ても外れということはまずありません。
これがオールドローズや花形を最優先に改良されたモダンローズだと、病気に弱かったり栽培が難しいものもありますが、イングリッシュローズの中から選ぶならその心配はほとんどありません。
それでも決められないなら、定番品種・最新品種・○○オースチンの中から選ぶ
それでも品種がいろいろあって選べないなら、人気の定番品種から選びましょう。
下にいくつか紹介しますが、定番品種は長年多くのユーザーに認められてきた実績のあるバラ。美しさ、育て易さともに間違いなしです。
難点は「いろいろなところで育たられていて特別感が少ない」こと(^_^;)
これは間違いのない品種であることと裏表ではあるんですが、結構いらっしゃるんですよね。「育て易い珍しい品種がいい!」っていう方。
そんな方には最新品種がおすすめ。基本的にバラの品種は改良が進んでいるので、新しければ新しいほど育てやすく改良されています。審査基準も厳しくなり、現代の環境に合った形で育種されているので作出年の新しいものを選べば、いい花にである確率は高いです。
ただし、これまた難点もあって、最新品種は情報が少ない。そしてお値段が高い(^_^;)
発売初年度は通常より1000~2000円高くなる傾向があります。
高いのもちょっとな~(-_-;)というわがままな方は、「○○オースチン」と名前の付いたバラはいかがでしょうか?
これは、作出者デイビット・オースチンが家族の名前を付けた特別なバラ。家族に贈るバラなので特に思い入れのある品種が選ばれています。イングリッシュローズにはオースチンの名を持つバラも多数存在するのでその中から選ぶのもいいかもしれないですよ。
品種選びに迷ったら参考にしてくださいね(≧▽≦)
代表的なイングリッシュローズをご紹介。
ここではイングリッシュローズの代表品種をご紹介します(≧▽≦)
最新品種ではなく、あくまで初心者でも育てやすい定番品種をご案内します。
コンスタンススプライ
まずは、イングリッシュローズ記念すべき第一号。コンスタンススプライ。一季咲きではありますが、その欠点を補ってあまりある素敵なバラです。発表から60年近くたってもいまだに人気の花です。
古い花なので都市によって日本での販売がない場合もあります。豪華なつるバラを探しているならおすすめの品種です。
グラハムトーマス
イングリッシュローズで初めてバラの殿堂入りを果たした世界が認めた銘花。輝く黄金の中輪でよく伸びる枝はつるバラとしても利用できます。
テス・オブ・ザ・ダーバービルズ
明るいクリムゾン色の香り豊かな大輪です。 イングリッシュローズには赤系のバラが少なく、その中でも魅力的な品種。つるバラとしても栽培可能です。
ジュビリー・セレブレーション
大輪の花が次々に咲く、連続開花に優れた品種。丈夫で病気になりにくく成長もよく初心者でも安心(≧▽≦)
香りのコンテストで優勝したこともある良香りも魅力のおすすめ品種。
クラウン・プリンセス・マルガリータ
アプリコット色の房咲きの花を付ける。美しい姿をしたカップ型のロゼット咲き。多少厳しい環境でもよく育つ、フルーツ系の香りがあります。棘も少なく誘引しやすい。つるバラとしても優秀です(≧▽≦)
デスデモーナ
比較的新しい、イングリッシュローズの白薔薇の中でも優秀な品種。強健・耐病性に優れた品種です。
イングリッシュローズは輸入苗に注意
イングリッシュローズはバラが初めてな人にこそおすすめしたいバラ。
ただし、現在販売されているイングリッシュローズのほとんどが『輸入苗』
輸入苗とは海外で育てた苗を抜いて、根をきれいに水洗いして輸入される苗のこと。海外からの輸入植物は検疫の関係上、土がついたままでは輸入できないんです(; ・`д・´)
そのためどうしても細かいひげ根などが落とされ、初年度の生育が悪いものがあります。
初心者の方は国内で1年養生された鉢植え苗か、すでに葉が展開した春の大苗を購入することがおすすめ。
バラの苗は11月ごろから棒だけの状態で販売が開始されますが、初心者の方はその状態の「輸入苗」はやめておきましょう。枝だけ見ると立派に見えるんですが、管理が悪いと芽が吹かないで枯れてしまうこともあります(-_-;)
国産か輸入かは根を見ないと見分けがつかないので、ポットに植えられている場合はお店の人に確認しましょうね。
けっして輸入苗が悪いわけではありません。むしろ国産台木よりも有主な面もたくさんあるんです。苗の特性を理解したうえで育てましょうね。
まとめ
バラは2500年以上、人間とともに進化してきました。改良・育種が繰り返されその最先端にあるのが、イングリッシュローズです。
香りがよく、豪華で、年間に何度も花を咲かせる植物はバラ以外にありません。
まずは1本、お気に入りのバラを植えてみてはいかがですか?
では、皆様よいローズ園楽を~(。・ω・)ノ゙
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