神様に供える榊(サカキ)は2つある?
神棚に飾られる葉っぱが「サカキ」ってことは知っている人も多いと思いますが、実はサカキには2種類あること知っていますか?

目次(*´▽`*)
神道に欠かせない。神にささげる植物”榊”
神社でご祈祷を行ってもらう際、神殿に捧げる木の枝。そして神棚の両脇に一対飾る枝。
これらは「サカキ」を使うのが一般的とされます。
サカキは漢字では”榊”と書きます。これは木偏に、神と書き、神の依り代とされます。

『神社祭式同行事作法解説』(神社本庁編)では玉串を捧げることを「玉串は神に敬意を表し、且つ神威を受けるために祈念をこめて捧げるものである」と説明されています。
始まりは古事記・日本書記に書かれる神の時代までさかのぼり、天照大御神が天の岩戸にお隠れになった際、お出ましを祈る儀式のひとつとして榊に玉や鏡などを付けて天照大神のお出ましを仰いだとされるのが始まりです。
初代神武天皇のさらに前だから2600年以上昔からの伝統(゚Д゚)ノ
スゴイですね。

なぜ、サカキなの??
サカキの語源は神の世界と人の世界を分ける”境の木”であるといわれています。では数ある植物の中で、なぜ神にささげられる植物が現在の”サカキ”になったのか?
諸説あって絶対的な答えがあるわけではないのですが(何せ2600年以上前のことだし…)
日本では先のとがった植物に神が宿るという考えがあったらしく、冬でも緑を保つ丈夫な植物。年間通して手に入るものとしてサカキが選ばれたようです。
なので、サカキの手に入らない地域によっては椿や松を飾ることもあり、それを「サカキ」と呼ぶこともあるらしい。
そして最初に書いた"サカキには2種類ある”というのもこの”手に入りやすい”という理由からになります。
ほんとのサカキと、偽物のサカキ?
ホンサカキ ヒサカキ
左がホンサカキ、右がヒサカキ。
ホンサカキはツバキ科サカキ属 Cleyera japonica 、ヒサカキは ツバキ科ヒサカキ属 Eurya japonica と少し違う仲間になります。
同じようですが、よくよく見るとホンサカキの方が葉が大きく、ヒサカキは葉に細かいギザギザがあります。
”本”とつくように、もともとは左のホンサカキが玉串として利用されていました。しかしホンサカキは寒さに弱く北に行くとうまく育ってくれません(;´・ω・)
そこで東北地方でも元気に育つサカキに似た木ということで、右のヒサカキが使われるようになりました。
そのため、普通のサカキを”ホンサカキ”、代用としてのサカキを”ヒサカキ”と呼び分けるのですが、通常地域によってどちらを供えるかが決まっているので単に”サカキ”ということが多いです。
ヒサカキはサカキではない”非サカキ”や小さい”姫サカキ”がもととなったといわれますが、神様に供えるのに「サカキじゃない」って言いながら飾るのもなんだから”姫サカキ”が正しいのではないかな、と私は思います(^_^;)
分類上ではそれほど遠くもないけど、近くもない(^_^;)
ホンサカキ、ヒサカキともにモッコク科に収められることが多いですが、以前はツバキ科にわかられていたこともあり、現在でもツバキ科と表記する文献も多い。
花を見るとモッコクのほうが近いんじゃないかな~と思いますね。ホンサカキの花は綺麗だけど結構地味です(*´Д`)

でも、ヒサカキはある意味すごい花です(^_^;)
くっさい花!ヒサカキ

よくよく見ればカワ(・∀・)イイ!!
ヒサカキの花、ですがコレ枝いっぱいにつくんです(^_^;)
気持ち悪いくらいにいっぱい・・・

さらに、控えめに言って「あまり好ましくない香り」がする(;'∀')
人によっていろいろだが「都市ガス」「たくあん」「インスタントの塩ラーメンの粉末スープ」などと表現される。う~んどれも好ましくない。
まあ、花の咲く3~4月の一時なので我慢するしかないか。
うちの地域ではヒサカキが一般的だから、ホンサカキの花は匂い嗅いだことないけど、あまり話題にならないところを見ると臭いことはないようですね。開花も6月ごろとヒサカキとは時期が違います。
ヒサカキは早春に咲き,ハエに花粉を運んでもらうためハエの好むアンモニアを含む匂いを出しているため臭いらしい。
だれか、花の咲かないサカキを作ったら需要あるかも。
春先だけ造花やプリザーブドフラワーのサカキを使うって方法もありますね(*'▽')
ちょっと高いけど…

不思議な性事情。ミスターレディなヒサカキ
調べているとヒサカキの不思議な生態も見つけました。
なんと、「山火事が起こると性転換する」というのです(゚Д゚)ノ
もともと雄雌別の木に花が咲く雌雄異株のヒサカキですが、山火事が起こると性転換することがあるらしい。
なぜそうなるのか?本当のことか?などあまり情報がなかったので、わかったらまたお知らせしますね(。-`ω-)
植物にはテンナンショウのようにサイズによって性が変わるものが知られていますが、樹木では聞いたことがなかったので興味深いですね。詳しい研究も行われていないようなので今後の研究がまたれるところです。
園芸利用されるサカキ
丈夫で育てやすいのだから、もちろん園芸業界がほっておくはずもありません(=゚ω゚)ノ


このようにホンサカキ、ヒサカキともに数多くの斑入り種が販売されています。
丈夫できれい。生垣にも最適!半日陰OKと申し分ないですね(*'▽')
でも、斑入り種は神棚に供えてはダメですよ~。神さまは青々しい葉を飾りましょうね。
いかがですか?サカキについて少しはわかってもらえたでしょうか?
まずは自宅のサカキがどちらなのか、調べてみてくださいね(^^♪
え?神棚にサカキを飾っていない?!?!
今すぐお花屋さんに行きなさい。月に二回、1日と15日に交換ですよ(゚Д゚)ノ
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