口噛み酒から日本酒まで。作り方と歴史
お酒美味しいですよね(●´ω`●)
私あんまり飲めないんですけど、飲むならやっぱり「日本酒」がいいですね。
おこちゃまなので甘口のほうが好きです(あ、大丈夫です一応成人してます)(^_^;)
日本酒って何からできているか知っていますか?
もちろんお米ですよね。でも、お米をタダ置いて置いてもお酒にはなりません。今日は簡単にお米から日本酒までの流れを簡単にご紹介します(^^♪
目次(*´▽`*)
お酒(アルコール)の歴史
世界中にはいろいろな”お酒”があります。
アルコールの生成には糖が必要なため、初めは糖を含む果実酒から始まったとされています。
今でもワインなどはブドウの中の糖が酵母菌によって醗酵されて、アルコールが作られます。
ちなみに、”酵母菌”やあとで出てくるでんぷんを分解する”麹菌”もすべて”カビ”(゚Д゚;)
醗酵=腐る(かびる)ってことです。
ただし、この作用が
- 人間にとって利益をもたらす場合を”醗酵”
- 不利益をもたらす望まないものの場合を”腐る”
と表現しているに過ぎない。
菌にとっては単に食糧を消化しているだけなんです。
「君の名は」の口噛み酒
糖を醗酵させてアルコールんはなるが、お米に含まれるのは”でんぷん”。
酵母はでんぷんを分解することはできないので、別の方法で先に糖に分解しなくてはいけません。
古くはお米を口に含んで咀嚼し、保存することで唾液がでんぷんを分解し糖ができ、その糖が醗酵してアルコールになるという2段階の醗酵を行うことでお酒を作っていました。
これは”口噛み酒”といわれ、映画「君の名は」で登場したことでかなり有名になりましたね(*'▽')
日本書記や古事記に”口噛み酒”の記載はないので日本では主流の方法ではなかったようです。
ですが、日本酒も同じように2段階の醗酵を経て作られるので、ルーツの一つなのかもしれないとは考えられています。
日本書記の天の甜酒(あまのたむざけ)
日本書記の記載に、
神吾田鹿葦津姫、卜定田を以って、狭名田と名付ける。その田の稲を以って、天甜酒を醸みて嘗す。又、淳浪田の稲を用て飯を為ぎて嘗す。
とあります。
これは、木花咲耶姫が占いによってお供えを収穫する田を決め、その田の稲を使い天甜酒と飯を造り、新嘗祭献上したという事。
まさに令和の大嘗祭(天皇が即位後最初に行う新嘗祭)で行われたのと同じことが書かれている。
令和の大嘗祭も亀の甲羅で吉兆を占い、イネを納める田んぼを決めていたんです。
2000年以上前から同じ祭祀が続けられている。すごい歴史だ(゚Д゚;)
で、お酒の方”天の甜酒”とは米麹とカタカユ(ごはん)をカメに仕込んで醗酵させただけの甘酒のようなものらしい。
ヤマタノオロチをも酔わせた”八塩折の酒”(やしおりのさけ)
麹とカタカユ(ごはん)をカメに仕込んで醗酵させるのは”天の甜酒”と同じだが、ここでできた液体を布でこして、さらにその液体で 麹とカタカユ を仕込むという作業を何度も繰り返し、アルコール度数の高いお酒を造る技法。
これによってできた酒が”八塩折の酒”
ヤマタノオロチを酔わせるほどのアルコール度数だったんですね(゚Д゚;)
現代の日本酒造り
現代はお米の中でも”酒造りに適したお米”を使用して日本酒は作られています。
日本酒がどのように作られているのか見ていきましょう。
酒造好適米
まずはお米がなくては始まりません。
酒造りに適した米とは、一般的に以下のような特徴を持つ米を指します。
- 大粒で心白という米の中心部分が大きい。
- たんぱく質が少ない(お酒の雑味になる)
このため一般的な食用米ではなく、酒造好適米という専門のお米が使われます。
有名な品種としては「山田錦」という品種があり、日本酒造りの約4割を占めています。
精米~蒸し
食用米の精米は玄米を磨くだけですが、酒造りの精米はお米の周囲を削って中心の心白だけになるまで磨きに磨きまくることです(≧▽≦)
そしてこのお米を何%まで磨いたかでできるお酒の種類が変わります。
精米歩合70%以下(磨くのは30%以下)→本醸造
一番一般的な日本酒。
玄米の糠(ぬか)や胚乳を取り除いたもの。
精米歩合が低い(削った量が少ない)ほど雑味が残るお酒になります。
精米歩合60%以下(磨くのは40%以下)→特別本醸造・吟醸酒など
すっきりした淡麗な味わいで、のどごしは滑らかになります。
精米歩合50%以上(磨くのは50%以上)→大吟醸
日本酒の中でも、もっとも研ぎ澄まされた日本酒。
お米は50%まで精米すると心白のみでタンパクなどの雑味はほとんどなくなり、クリアな味わいになるといわれています。
お米を半分も削ってしまうのだから、それはお値段も高くなりますよね (゚Д゚;)
精米したお米はしっかり水を吸わせてから蒸し米にします。
麹造り
お米に麹カビを付着させます。
麹はお米のでんぷんを分解して糖に変えます。
この働きは口噛み酒で言う”唾液の分解”と同じ働きになります。
酒母造り
今度は酵母菌をお米に付着させます。
酵母菌とは、糖をアルコールと炭酸ガスに分解する働きを持つ微生物。
麹が分解してできた糖を今度はアルコールへと醗酵させる菌を2週間ほどかけてお米の中に増やしていきます。
もろみ造り
大きなタンクに酒母を入れ、米・麹・水を継ぎ足していきます。
タンクの中では麹が糖を作り、酵母が糖をアルコールに変えるという2段階の醗酵が繰り返されていきます。
絞り
完成したものを絞ってろ過します。これで日本酒の完成。
アルコール度数を調整したり、加熱(火入れ)などの工程があるが、まあ、そこは酒造り専門のサイトに任せよう(^_^;)
ちなみにここで絞った搾りかすが”酒粕”です。
自宅で簡単!どぶろくづくり(違法)
この流れを理解すれば、実は自宅でも簡単に日本酒(もどき)は作れます。
麹菌は普通にスーパーで販売しています。
”塩こうじ”とか、少し前に話題になりましたよね(≧▽≦)
酵母菌は”ドライイースト”という名前でパン作りコーナーにあります。糖をアルコールに変化させます。
お米は専用のお米でなくてもOK。
普通のごはん用で問題ないです。
精米もしなくて大丈夫。
雑菌の発生を抑えるためにヨーグルトの乳酸菌も入れたりと、どぶろくは奥が深い(。-`ω-)
自宅で作ったお酒はかなり美味しいらしく、マニアもたくさんいて調べればいろいろな作成法が出てきます。
今回参考にしたページ
10年以下の懲役または100万円以下の罰金
日本には酒税法という法律があり、個人がお酒を造ることを禁止しています(゚Д゚;)
違反者は 10年以下の懲役または100万円以下の罰金 が課せられます。
実は果実酒であっても同様で、家庭で梅酒を作るなどは例外的に認められたもので、果物の糖を醗酵させてアルコール化したり、果実を漬け込む酒のアルコール度数が20度以下だったりした場合は違法なんです(゚Д゚;)
それ以外にもブドウを使って果実酒づくりはダメ。 米、麦、あわ等の穀物を漬け込まない などがあります。
とはいえ、ネットでこれだけ密造酒の作り方があふれかえり、堂々と「私、密造酒作ってます!」みたいな人も多数いるのに税金を徴収されたりつかまったという人はいないようです。
まあ、悪質ならわかりませんが、個人で楽しむくらいは目をつぶってくれているのでしょうか?とはいえ、いつ逮捕状を持ったお巡りさんが押し掛けてくるかもしれないので、作成は自己責任でお願いします(^_^;)
まとめ
日本酒はお米を2段階に醗酵させることで作り上げられていました。
この工程は、大きい酒蔵などなら見学させてもらうこともできます。
酒蔵見学検索
https://admin.japansake.or.jp/app/makers/search?search=x&prefcode=04
日本酒の作り方を学んでから飲むと、一層美味しく味わえますよ(≧▽≦)
もっと簡単に勉強したかったら、漫画「夏子の酒」尾瀬あきら作、を読めばばっちりです。ストーリーも楽しいですよ。
年末年始は何かとお酒を飲むことも多いですが、飲みすぎには注意しましょうね(≧▽≦)
では、皆さん来年もよい園楽を~(●´ω`●)