塩味がする不思議な野菜『アイスプラントの育て方』

家庭菜園で野菜を育てるなら、お店で売っていないようなちょっと変わった野菜を育ててみたいと思いませんか?
比較的簡単に栽培できて、珍しい野菜。
それなら『アイスプラント』がおすすめです。
なんとこの野菜。
何もかけなくても、そのままで塩の味がするんです(゚Д゚)!
食感はプチプチと弾ける水滴ような粒々が葉の周囲についていて、いいアクセントになります。
さらには、血糖値改善作用や肝機能改善効果が期待できる、今話題の健康野菜でもあるんです(≧▽≦)
目次(*´▽`*)
アイスプラントってどんな野菜?
さっそく、アイスプラントを見てみましょう。

これが『アイスプラント』です。
茎や葉の表面に水滴のような”つぶつぶ”があるのが特徴。
この水滴のような粒が氷の粒のように見えることから『アイスプラント』と呼ばれるようになりました。
「あれ?これなんか別の名前で八百屋さんで見たな(?_?)」
そう思う方もいるかもしれないですね。
じつは、栽培している地域・メーカーごとにオリジナルの名前を付けて販売されているため、いろいろな名前でお店に並ぶことがあるんです(^_^;)
全部同じ!アイスプラントの別名
ソルトリーフやバラフ、クリスタルリーフ、プッチーナ、ツブリナ、ソルティーナ、シオーナなどなど……
各社が商標を取ってブランド化しようとしてるんだけど、名前がごちゃごちゃしすぎて逆にわかりにくくなってる(^_^;)
それぞれ選抜や改良が加えられているのかもしれないけど、はっきり言って違いはないです。
もともと、フランスで”フィコイド・グラシアル(ficoïde glaciale)”と呼ばれ、昔から食材として使われてきた経緯があります。
あまり見たことのない野菜だから手を出すのが不安かもしれないですが、海外ではそれなりに歴史のある野菜なので安心して食べてくださいね。
アイスプラントは何の仲間?
こんな植物見たことない(@_@)
いったいアイスプラントは何の仲間なんでしょうか?
アイスプラントは 学名:Mesembryanthemum crystallinum
ハマミズナ科メセンブリアンテマ属の植物。
メセン・・・・そう、多肉好きの方なら知っているかもしれないですね。
メセン・リトープスといった石ころのような多肉植物。
その仲間なんです。
見た目はかなり違って見えるけど、花を見るとなんとなく似ていますよね(*'▽')
さらに見た目の近いものだと、花苗の「リビングストーンデージー」や「マツバギク」の方がイメージしやすいかもしれないですね。



どれも多肉質の葉を持ち、原産地は砂漠地帯なので水はけのいい土を好みます。
アイスプラントの味

アイスプラントの塩味の秘密は、水滴のような”つぶつぶ”
この粒は ブラッター細胞と呼ばれ、土中から吸い上げた塩分が含まれています。
通常、土の中に塩分が多いと、植物はうまく育ちません。
しかし、アイスプラントが自生する砂漠地帯は、乾燥も厳しく塩水であっても無駄にできない。
そのため吸収した塩分を ブラッター細胞に閉じ込め、体外に排出することで体を守るように進化したんです(゚Д゚)ノ

私たち人間が食べると、その塩を含んだ細胞がはじけるので、プチプチした食感とさわやかな塩味を感じることができるというわけ(≧▽≦)
味は「青くささ」や「変なくせ」もなく、肉厚の多肉質の葉がひんやりした印象を与えます。
食感としては海ブドウに近いです(・ω・)ノ
サラダや炒め物、おひたしなど様々な料理で利用できます。
あらかじめ塩味が含まれるので、料理の際は塩分控えめで調理しましょう。
アイスプラントを食べすぎて塩分過剰にならない?
アイスプラントに含まれる塩分量はごくわずか。100gあたり0.6g程度です。
1日当たりの塩分摂取量までアイスプラントを食べるには1㎏以上食べない限り問題ありません。
普通はそんなに食べれないよね(^_^;)
アイスプラントの効能
アイスプラントは過酷な環境に耐えるためピニトールやプロリンと呼ばれる環境適合溶質を合成して植物体を防御しています。
この成分は、人間の血糖値改善作用や肝機能改善効果があるとされ、糖尿病の予防や美容用途の化粧品・サプリメントなどに利用されています。
美味しく食べて、さらに健康になれる。
すごいぞアイスプラント!(≧▽≦)!
アイスプラントの育て方

さあ、最近はお店で見かけることも多くなったアイスプラントですが、お店ではまだまだ高い(^_^;)
珍しい植物だからあまり販売されてはいないけれど、もし苗を手に入れられれば、家庭菜園で簡単に栽培することが可能です。
成長も早いので、苗からであれば1~2ヶ月で収穫できます。
アイスプラントは種から育てる?苗から育てる?
アイスプラントは種でも販売されます。
ですが、家庭菜園で育てるなら苗で購入するのがおすすめ。
なぜかというと、アイスプラントのたねは細かく、発芽率もあまりよくありません。
なれていない方だとうまく芽出しできないことが多い。
最近は苗の販売も少しずつ増えてきているから、できることなら苗からの方が失敗なく育てることができるのでおすすめです(≧▽≦)
多湿な暑さを苦手とするアイスプラントの栽培開始はトマトなどより若干早め。
種まきは2~3月、苗からの栽培は3~4月ごろからがおすすめです。
基本御栽培時期は春ですが、一部秋にも苗が販売されることもあります。
比較的寒さにも強いけれど、冬になる前には収穫できるようにタイミングを計って栽培スタートしましょう。
アイスプラントを育てるのは土で育てる?水耕栽培?
アイスプラントの育て方を調べると、『水耕栽培で育てよう!』と書かれていることが結構あります。
はたしてアイスプラントは土での栽培がいいのか?水耕栽培の方がいいのか?
絶対ではありませんが、おすすめとしては土で作ったほうがいいと思います。
特に水耕栽培に慣れていない場合は特にです(>_<)
水耕栽培は単に水に浸けておけばいい、というわけではないんです。
一般家庭での水耕栽培は難しい
スプラウトくらいならスポンジに乗っけて水を与えるだけでも育ちますが、株を大きく育てて収穫するとなると水が傷まないように交換したり、水耕栽培に適した液体肥料をあたえたりと結構大変。
アイスプラントを栽培する農家さんはほとんどが水耕栽培ですが、これは水耕栽培のシステムが確立されている施設で育てているからできること。
水につけっぱなしで放置しているわけではありません。
水耕栽培用の専用容器を用意できないならば、普通に土に植えた方が簡単に育てられますよ(≧▽≦)
アイスプラントは畑に植えないほうがいい。

アイスプラントを家庭で栽培する場合は、基本的に鉢で育てるのがおすすめです。
なぜなら、アイスプラントは塩分を含めて土の中のあらゆる成分を吸収して粒々の中に蓄える性質があります。
土壌によっては、塩分だけでなく『有害な重金属』も吸収してしまう可能性があります。
まあ、普通の畑にそんな危険なものは含まれていないので大丈夫ですけどね(^_^;)
むしろ、それよりまずいのは「塩害」の問題。
アイスプラントの特徴「塩味」をつけるには土に塩水をまいてアイスプラントに吸収してもらわなければいけません。
そうしないと、プチプチした普通の肉厚の葉っぱです(=゚ω゚)ノ
塩味をつけるには収穫の2~3週間前から”2%くらいの濃度の塩水”をアイスプラントの周囲に与える必要があります。(1Lに20gを溶かして作ります)
アイスプラントにはこれで塩味がつきますが、吸収されなかった塩分は畑に残り、ほかの植物の成長を妨げてしまいます(゚Д゚)ノ
塩分はなかなか取り除くことが難しいので、畑に塩水をまくのはやめたほうがいいでしょう。
アイスプラントは「鉢栽培」がおすすめ
アイスプラントは幸いそんなに大きくなる野菜ではないので、1株なら6~8号(20~25cm)くらいの鉢のサイズがあれば十分です。
アイスプラントは砂漠地帯の植物
多湿を嫌うので、水はけのよい土を選ぶようにしましょう。
普通の花野菜の培養土でもOKです。2割ほど鹿沼土を混ぜることでより水はけを改善することができます。
栽培時、水は控えめに。
やりすぎに注意しましょうね(゚Д゚)ノ
2週間に一度、野菜用の肥料を与えて育てましょう。
育てる段階では普通の水で構いませんが、収穫の2~3週間前から ”2%くらいの濃度の塩水”をアイスプラントの周囲に与えて育てることで、特徴的な塩味を持たせることができます。
アイスプラントの収穫はいつ?
アイスプラントは植え付けると初め大きな葉が周囲に広がるように展開し、 1か月ほどで次々に脇芽が伸びてきます。
アイスプラントはこの脇芽を収穫して利用します。

葉が大きくなると食味が落ちるので早めに、次々に出てくる脇芽を収穫していきましょう(゚Д゚)ノ
はじめに出てくる大きな葉は栄養を作るのに重要なので、収穫してしまうと生育が悪くなります。
重要な栄養工場です。大切に育てましょう。
伸びてくる脇芽を摘みながら栽培すると、長く収穫を楽しむことができますよ!
また、伸びた脇芽は切り口を乾燥させて、挿し木用の土に挿すことで挿し木で増やすことも可能です。
まとめ

アイスプラントについてわかっていただけましたか?
他にはない特別な食感・味わいをぜひ楽しんでくださいね。
塩味を生かしたサラダなどがおすすめ。
炒めて食べても美味しですよ。
でも、『味噌だれとアイスプラント』は相性が悪くまずいと、ネットで話題です(^_^;)
まだ食べたことはないですが、『みそだれ』でアイスプラント食べた方、感想コメントでくださいね。
では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙