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秋のほうが被害がでかい!オリーブを襲う、天敵たち。

オリーブを襲う天敵

今人気の庭木。オリーブ(*´ω`*)

地中海の雰囲気をかもし、常緑で意外と丈夫。葉も細く涼しげでメインツリーとして人気急上昇中。

しかも、うまく行けばオリーブの実まで収穫できちゃう!!

魅力的な樹木です。

庭木としても大人気!オリーブの木。古くは旧約聖書にも描かれる人間とかかわりの古い果樹です。近年はその美しい姿と、育てやすさから庭木としての利用も多く園芸店でもたくさんの種類が並ぶようになっています。でも今度は逆に「なんの品種を選んでいいのかわからない(^_^;)」という事態に……今回は家庭向きの品種とオリーブの育て方についてご紹介します。オリーブってどんな木? オリーブは学名: Olea europaea。モクセイ科の常緑高木。地中海沿岸で栽培が盛んで主にオイルを取る目的で利用される。実はオイルのほかピクルスと...
オリーブの品種、結局どれがいいの?おすすめ品種ご紹介します! - 園楽project~園芸・植物を楽しむ情報サイト~

ヨーロッパでは古くから重要な木

​オリーブは5000年以上から利用され、紀元前700年頃のギリシャではすでに大規模栽培が行われていた、重要な作物。

目的としては果実から採れる「オリーブオイル」で地中海の地域で多く栽培が行われてきた。

日本でも1900年初め頃より小豆島などで栽培され、今も国産オリーブが流通している。

しかしオリーブの実はそのままでは生食できず、オイルやピクルスに加工しなくてはならないから、お庭で収穫できてもあまり実用性はない(-_-)

ピクルスなら作れるが、オイルを絞るのはなかなかに大変(*_*;

​実際に作った人の話しだと3kgのオリーブの実から250ml程度しかとれないらしい(゚д゚)!

モコミチのように使うには一体どれだけ必要なのだろう(´・ω・`)

​日本では果樹ではなく、「庭木」として楽しむほうが良さそうです。

オリーブを育てよう!

栽培するにあたって、オリーブにとって日本の環境はあまり好ましくありません(*_*)

暑さや冬の寒さはそれなりに強いのでいいのだけど、比較的乾燥を好むため梅雨時期が苦手。そして、アルカリ性土壌を好むから日本の土は土壌改良が必須です。

​地中海は石灰岩の地層。アルカリ性で水はけの良い土がオリーブの好む土壌です。これは同じ地域出身のラベンダーやローズマリー・にも言えること。

ラベンダー表紙ガーデニングの中でも人気のジャンル「ハーブ」 園芸植物の中では比較的手をかけなくてもよく育ち、なおかつ料理やお茶、ポプリなど、生活の役に立つものが多い。お庭をきれいに彩ったうえ、生活に役立つなんて一石二鳥ですね(≧▽≦)その中でも人気No1ともいえるハーブが『ラベンダー』北海道富良野のラベンダーは有名ですよね( *´艸`)でも、「うまく育たない」「毎回枯らしてしまう」「育っているけどボサボサ」など、失敗の多いハーブでもあります。今回はラベンダーをうまく育てるコツと、簡単な管理方法を説明します...
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だから、植え付け時には有機石灰や苦土石灰を施すと生育が良くなります。また、水はけよく植えることも大事。原生地は水はけのよい土壌なので水はけの悪い土壌は根腐れを起こしてしまいます(゚Д゚)ノ

水はけの改善には粘土質の土は腐葉土などを多く施しましょう。

専用用土も販売されているから、心配ならこちらを使うというのもいいですね(≧▽≦)

栽培する場所は基本的に日当たり。冬は冷たい風が避けられる方がいいです。

寒さに強く北海道でも栽培可能な「ロシアンオリーブ」という植物もありますが、こちらは組の仲間でオリーブに似てるけど違う植物です間違えないようにね(=゚ω゚)ノ

ロシアンオリーブ表紙ほんとに、園芸業界はそれっぽい名前を付けるから混乱する(;^ω^)トルコ産でもキキョウでもないトルコキキョウ、アフリカ産ではないアフリカンマリーゴールドなどと同じ。こちらもロシア産でもオリーブの仲間でもないんです。参考リンク→:朝貌(あさがお)の花は現代で言う桔梗(キキョウ)小さく育てる育て方~秋の七草7~参考リンク→:夏花壇の主役、マリーゴールドは死者の花??ロシアンオリーブお前は一体何なんだ?その正体に迫るロシアンオリーブ苗正式名称は『ヤナギバグミ』 学名:Elaeagnus angustifo...
”ロシアンオリーブ”というロシア原産でもオリーブでもない木。本物のオリーブとの... - 園楽project~園芸・植物を楽しむ情報サイト~

やっぱりオリーブの実も楽しみたい!

​オリーブの実を楽しむにはいくつかの条件があります。

まずは花が咲くことが必要。

当たり前のようだが、なかなか咲かないことがある。もちろんまだ木が開花に至らない大きさならしょうがないが、ある程度大きいのに咲かない場合は日照不足や栄養不足という場合もある。基本は屋外の日当たりで管理です。

花の開花には冬の寒さが必要​

そして何より冬の寒さに当てることが重要。寒さに当たることで花芽の準備をするので、冬に可愛がりすぎて部屋の中などに入れてしまうといつまでたっても花は咲きません。

耐寒性は Hardiness Zone 8.マイナス8~10度程度と言われているので、南東北程度の寒さならなんとか冬越しも可能。寒い地域はよけて冬を越しましょうね。

https://planthardiness.ars.usda.gov/PHZMWeb/ より植物は世界中のありとあらゆる場所で生育しています(。-`ω-)とはいっても、この地球は一年のほとんどを氷で覆われる地域から、常夏の国まで多様な環境。植物はそれぞれその環境に適応した進化をしてきて今に至るわけですが、中でも大きい要因の一つが「温度」室内で栽培する分には暖房などの対応も可能だが、屋外栽培の場合は限界があります(-_-;)植物栽培時の目安として、各地域の年間最低気温の平均値を元に、華氏5Fきざみにクラスを作り、1a~13bまでの26クラスに分類したものが...
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基本は屋外管理がいいです。

結実には2品種必要

そして、オリーブは花が咲いても自分の花粉では実を付けません。基本的には、違う品種の花粉が必要になります。

品種の違うオリーブを2本育てないといけないんですね。

中には1本でも実をつけやすい「ルッカ」「ピクアル」などもあるので、2本植えるのが大変場場合はこれらの品種を選びましょう。

日本にはオリーブは自生していないのに、日本にしかいない害虫「オリーブアナアキゾウムシ」

​オリーブは基本的に丈夫な木です。

病気も少ないし虫の害も少ない。しかし、やっぱりそんな木にも天敵はいるんです。

まずは「オリーブアナアキゾウムシ」

これはオリーブの幹に穴を開け、幹を食害する(*_*)

最悪の場合、枯れる場合もあるから注意が必要だ。

発生は春から秋まで。根本の幹に穴が開いているorおがくずがある場合、虫がいる可能性大です(@_@;)

幹をじっくり観察し、樹皮の内側に潜む幼虫を退治しましょう。「害虫にはスミチオンの散布が効果ある」というネットの情報があるけどスミチオンはオリーブへの使用許可が出ていないので、使用は自己責任で。基本的に使っちゃダメです。

使用許可があるのは同じ住友化学から販売されているベニカ水和剤ですので、使用するならこっちがいいですね。

ところで、このオリーブアナアキゾウムシ。オリーブが自生しない日本固有の虫らしい(・・?

オリーブがない時代はナニを食べていたのか?

気になるところですが、どうやらもともと同じモクセイ科の仲間のネズミモチやキンモクセイについて食害をしていたらしい。

その後1900年台に導入されたオリーブが大変お気にめしたらしく、今まではそれほど大きな被害を出すこともなかったこの虫が、農場一つ全滅に追い込むほどに凶暴化(*_*)

オリーブに対して被害がひどいので、名前も”オリーブアナアキゾウムシ”とつけられることになったらしい。

ほかの虫に対してはオリーブが虫の嫌がる成分を放出し忌避しているそうだが、何故かオリーブアナアキゾウムシだけはその物質で元気になってしまうらしい。困ったものだ(^_^;)

もう一つの天敵「ハマキムシ」

春も多いが、特に秋に発生する「ハマキムシ」の被害は甚大!​

名前の通り葉を糸で巻いて中から葉を食害する。

1cmにも満たない小さなイモムシだが、一度に大発生するため気づくと新芽が虫食いだらけ・・・なんてことに(T_T)

薬で退治するならこちらも同じ「ベニカ水和剤」でOK。パッケージにハマキムシの表記はないけど他の作物ではケムシの効果も記載があるし、アナアキゾウムシ向けだけどオリーブに使用許可もある。

デルフィン顆粒水和剤もオリーブに使用許可が出ているが、あまり一般のホームセンターでは置いてないかも。

​あ、ちなみに「ハマキムシ」と言うのは正確な名前ではなく、葉っぱを巻く虫を総称してそう読んでいる。オリーブにつくハマキムシは正確には「マエアカスカシノメイガ」といい、やっぱりネズミモチやキンモクセイ、ヒイラギにつく害虫らしい。

​薬で退治しても食害の後は残るので、むしろ薬散布ではなく新芽を切り取って処分することをおすすめします(´・ω・`)

ハマキムシは先端の柔らかい葉にしかつかないので、巻いてる葉を切ってしまえば他にはいません。

発生も秋は1回程度なので、先端を剪定してしまうのも方法です。

まとめ

近年シンボルツリーとしても人気急上昇中の”オリーブ”。

成長も早いけど、剪定でサイズを抑えることも出来るので庭木としては簡単な管理ができる木です。

寿命は長く樹齢1000年以上のものも存在するというから、うまく育てれば孫の孫までお庭を飾ってくれそうですね。

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